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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第50話「彼らの居場所」

  • 2017/04/03(月) 02:13:03

【感想概略】
今回は「鉄血のオルフェンズ」の最終回であり、鉄華団団員たちが生きるための作戦及び三日月の戦い、昭弘の戦いに決着がつき、停滞していた非情な世界が大きく変わり始める姿が描かれ、見応えがあり、面白かった。良い最終回だったと思う。

少年兵や児童労働という難しい問題を題材としているだけに、少年兵たちが自分たちの考えで良かれと思って行動しても現実は上手くいかず、犠牲者が出るたびに見ていて辛くなることもあったが、考えさせられる所があり、メカ描写は迫力があり、ラストはそれぞれに救いがあり、良い作品だったと思う。

【トンネル組、全員脱出開始】
火星の鉄華団本部の近くで、ラスタル配下の大部隊と、三日月のバルバトスを中心とする鉄華団モビルスーツ隊が激戦を繰り広げていた。目的は、鉄華団基地からクリュセ市にまで伸びているトンネルで団員たちが脱出するまでの時間を稼ぐことである。
だが圧倒的な大部隊を前に鉄華団側は疲労の色が濃く、ついにユージン指揮下の少年兵エルガーも討たれてしまう。

ユージンは指揮下の少年兵たちを下がらせようとする。
すると三日月は、雪之丞からトンネルの作戦が完了し、全員が脱出を開始した、先頭はクリュセにつく頃との連絡があった、なのでユージンも下がるようにと言う。

ユージンはこの言葉に一安心し、もうひと踏ん張りと張り切る。
だが三日月はユージンに「みんながクリュセに着いたって終わりじゃない。仕事を果たせ、副団長」と言う。
これにユージンは、三日月を残していくことに苦しみながらも、皆をまとめるリーダーの役割を果たすために戦場を離脱、トンネルに向かった。

そして昭弘はグシオンリベイクで三日月と合流し、ダンテにトンネルに行くように言う。
ダンテは昭弘たちを残して行くことを承知しないが、「仕事は終わりじゃねえぞ。行ってオルガの命令を果たせ」と昭弘に言われると、団員たちが生きるための最善を尽くすため、断腸の思いでトンネルに向かうのである。

【三日月と昭弘】
戦場に留まるのは、もはや三日月のバルバトスと、昭弘のグシオンリベイクのみである。
三日月は昭弘も下がるように言うが、「お前が残ってんのに俺が退けるか」と言われると、「んじゃ、足引っ張んないでね」と淡々と言い、昭弘を引きつらせる。
そしてバルバトスとグシオンリベイクの鉄華団の最強コンビは敵モビルスーツ隊に斬り込み、次々と敵機を撃破していく。

だが三日月と昭弘は、敵の攻撃の圧力が緩んできていること、そしていつの間にか付近に敵機がいないことに気付いた。
その頃、衛星軌道上ではダインスレイヴ隊が地表のバルバトス、グシオンリベイクに狙いを定めていた。これこそ、モビルアーマーを単機で撃破するほどの機体を確実に仕留めるためのラスタルの秘策である。

そしてラスタルの命令で多数のダインスレイヴが発射された。
ナノラミネートアーマーすら貫通する特殊砲弾が降り注ぎ、地表が割り砕かれ、大爆発のような轟音がとどろき、土煙がもうもうと舞い上がった。

バルバトスは大きく損傷、左腕を失い、コックピットも破損、三日月は重傷を負ってしまう。
もはや死が間近と思われた三日月だが、「俺の命はオルガにもらった…なら…そうだ、決まっている」と心中でつぶやくとバルバトスは再び起動、敵部隊に視線を向けた。

そして昭弘は瀕死の重傷を負いながらもグシオンリベイクを立ち上がらせ、「しょうがねえ…死ぬまで生きて…命令を果たしてやろうじゃねえか!」と叫ぶ。

【昭弘、イオクを討つ】
三日月は阿頼耶識のリミッターを解除し、バルバトスで敵モビルスーツの群れに襲いかかった。
バルバトスは猛獣のように地表を疾走、跳躍。
瞬時に敵モビルスーツの間合いに踏み込むと手刀の一撃で撃破。
次の瞬間には新たな獲物をテイルブレードで撃破し、敵機を次々と討ち取っていく。

一方、昭弘のグシオンリベイクに、イオクがモビルスーツで襲いかかり、「このイオク・クジャンの裁きを受けろ!」と叫ぶ。
これに昭弘は、名瀬とアミダを殺し、タービンズのメンバーたちを虐殺したイオクの名を聞いて目を見開く。

昭弘はグシオンリベイクで巨大ペンチを掴むとイオク機の胴体を挟んで締め上げ始めた。
イオクの部下たちは慌てて駆けつけ、グシオンリベイクに刃を突き立てるが、昭弘は最後の力でイオクをコックピットもろとも潰した。
昭弘は「いい土産話が出来た…」とつぶやき、息絶えた。

【三日月とオルガ】
三日月のバルバトスと戦うモビルスーツは、ことごとく撃破されていく。

ジュリエッタは一般パイロットたちの犠牲をこれ以上増やさぬよう、レギンレイズ・ジュリアでバルバトスと戦うが、困惑していた。
満身創痍となり、自分一人だけになっても三日月はなぜ戦い続けるのか。
ジュリエッタは「こんな無意味な戦いにどんな大義があるのだ!」と叫ぶ。

三日月は戦いながらもジュリエッタの言葉に思う。
(無意味?そうだな、俺には意味なんてない。けど今は、俺にはオルガがくれた意味がある。何にも持っていなかった俺のこの手の中に、こんなにも多くのものがあふれている。そうだ…俺たちはもうたどり着いていた…俺たちの本当の居場所…)

ジュリエッタは、三日月が既に意識を失っていることに気付いた。
バルバトスは力を失い、レギンレイズ・ジュリアにもたれかかる。

三日月は「だろ、オルガ」と語りかける。
すると「ああ。そうだな、ミカ」とオルガがこたえた。
最後の瞬間、三日月はアトラ手作りのブレスレットが血で汚れたことにつぶやいた。
(アトラに怒られる。クーデリア、一緒に謝ってくれるかな)

そしてジュリエッタはレギンレイズ・ジュリアで、バルバトスの首を剣の先に掲げ、宣言した。
「今ここに、アリアンロッド艦隊司令ラスタル・エリオンの威光のもとに、悪魔は討ち取られた!」
ジュリエッタの勝ち名乗りに、将兵たちは勝どきを上げた

【マクギリス・ファリド事件の後】
戦いの後の世界の現状を、アトラは心中で振り返って語る。
「マクギリス・ファリド事件」と呼ばれる一連の騒動は、マクギリスの死によって終結した。
一時は社会的信用を失いかけたギャラルホルンだが、この事件を早めに解決したことで改めてその力を世界に示し、威信を回復した。

そしてギャラルホルンは、イシュー家、ファリド家、クジャン家を失ったことを契機にセブンスターズによる合議制を廃止、より民主的な組織として再編され、その初代代表にラスタル・エリオンが就任した。

ラスタルは事件を契機にギャラルホルン火星支部を縮小した。
地球の各経済圏は火星の間接統治をギャラルホルンに任せていたが、ラスタルの政策により火星の経営を断念した。

そして経済圏の支配から脱した火星の各都市は火星連合を設立し、連合議長にクーデリアが就任した。
これにはクーデリアの知名度に加え、タービンズの件でラスタルと密約を交わし勢力を拡大したテイワズの後押しが大きかったと言われる。
マクギリスの目指した「誰にも等しく権利を与えられる世界」は、その理想の一端はラスタルの手によって成し遂げられようとしている。

そして人々は忘れていく。
マクギリスの起こした事件の一ページには、鉄華団という戦いしかしらぬ子供たちが存在していたことを。

【ヒューマンデブリ廃止条約の調印】
地球のアーブラウ、蒔苗記念講堂では、ギャラルホルン代表ラスタルと、火星連合議長クーデリアによるヒューマンデブリ廃止条約の調印式が行われ、条約が調印された。
蒔苗は既に亡くなっており、その晩年に力を入れていたのがヒューマンデブリ問題であり、そのためこの記念講堂が会場に選ばれたのである。

式典の後、クーデリアはラスタルに礼を言う。
するとラスタルは、ヒューマンデブリ問題には自分たちも心を痛めていた、これからはクーデリアの夢の実現のためギャラルホルンの総力をあげて取り組むつもりだと笑顔を見せるのだが、相変わらず凄みのある笑みである。

するとクーデリアは言う。
自分にはかつて、ヒューマンデブリだった家族がいた、彼らはその境遇と真正面から戦い、散っていった、自分はただ彼らに恥じないように生きていたいだけなのだと。

そしてクーデリアを見送るラスタルは「あれでこそだな」と楽しそうに笑うのだが、ラスタルの背後に立つジュリエッタは複雑な表情である。

【ジュリエッタとガエリオ】
ジュリエッタは病院にガエリオを見舞っていた。
ガエリオは阿頼耶識の後遺症か、車椅子に乗ってジュリエッタに押してもらっている。

ジュリエッタは、クーデリアの火星連合議長就任をラスタルがなぜ認めたのか腑に落ちない様子である。
ジュリエッタとしては、クーデリアは鉄華団と提携していた人物であり、ギャラルホルンの法を厳密に適用すれば、クーデリアは違法集団の関係者であり、政治の表舞台に立てる人間ではないのに何故なのか、というところだろうか。

するとガエリオは、各勢力それぞれに皮算用があり、クーデリアもそれを理解して立場を受け入れたのだろうと言う。
これにジュリエッタは、ラスタルの目指す新しいギャラルホルンを実現するため、清濁を併せ飲んだのだと理解するのである。

するとガエリオは、新しいギャラルホルンの担い手は『悪魔の首を取った凛々しき女騎士』であるジュリエッタだとみなが噂していると話す。

だがジュリエッタは言う。
鉄華団は悪魔ではない、誰よりも人間らしかった、彼らの居場所は戦場にしかなかった、野望や、目的のための手段ではなく、人としてただひたすら生きるために戦っていたのだと。
これにガエリオも、だからこそ我々も彼らに恐怖したと同意し、そして「俺も、もっと早くあいつを理解できていれば…」とつぶやくのである。

そしてガエリオはジュリエッタを食事に誘い、その軽さにジュリエッタはジト目で「随分と軽薄になられたものですね。仮面をかぶっていた頃は…」と言うが、ガエリオは「俺は元々こんな人間だよ」と笑う。
これにジュリエッタが「肉を所望します」と言い、ガエリオが「いいね、もう少し肉がついた方が俺の好みだ」と軽口を叩くと、ジュリエッタはガエリオの車椅子を乱暴に押して走り出し、ガエリオに悲鳴をあげさせるのであった。

【クーデリア、蒔苗の墓参り】
クーデリアたちは、蒔苗の墓を詣で、花を捧げた。
同席するのは、蒔苗派の議員で現アーブラウ代表のアレジ、アレジの秘書を務めるタカキ、そしてユージンである。
クーデリアはアレジの心遣いに礼を言い、そしてタカキにも礼を言う。

ユージンはタカキに、アレジに迷惑をかけていないかとからかう。
するとアレジは、タカキは頑張ってくれている、いずれは自分の地盤を継いでほしいと考えていると言うのである。

タカキは、クーデリアに礼を言われて恐縮しながら、彼女に礼を言う。
以前、クーデリアは、多くの世界を見て知識を深めることで、自分の選択肢を広げることが出来ると言ってくれたが、それが分かってきた気がする、自分も世界中の子供たちのために出来ることを見つけていく、いつかクーデリアと一緒に仕事が出来るようにと。

【ライド、仇を討つ】
火星のオフィスに戻ったクーデリアをチャドが出迎えた。

チャドはクーデリアに、次々と報告する。
まずアドモス商会はククビータとデクスターが上手く運営しており、採掘場も問題ない。
学校も順調である。
ただ孤児院から、人手が足りないと催促が来ているというのだが、孤児院で子供たちを世話するのはダンテ、そして左腕を義手としたデルマである。
これにクーデリアは、今回のヒューマンデブリ廃止条約で行き場のない子供たちが増えるだろうから何とかしようとこたえた。
そしてライドたちは、ノブリス・ゴルドンが火星に戻ったとの情報が入って以来、こちらとの接触を避けていると言い、チャドとユージンは表情を曇らせる。

その頃ライドは、ノブリスがトイレに入ったところを射殺し、姿をくらましていた。
ノブリスはオルガ暗殺を命じた訳ではないが、これまでさんざん悪事を重ね、多くの人を不幸にしてきたのであり、因果応報というところだろうか。

【クーデリア、家に帰る】
チャドはクーデリアに、雪之丞とメリビットのところに二人目の赤ん坊が生まれる予定日が近く、今晩ヤマギとお祝いの打合せをするのでどうかとクーデリアを誘う。
これにクーデリアは、雪之丞とメリビットについては祝いながらも、しばらく留守にしていたので家に帰っておきたいと言う。
この言葉にチャドとユージンは何やら納得の様子である。

そしてクーデリアは、トウモロコシ畑に囲まれた、質素な一軒家に帰ってきた。
庭で洗濯物を取り込むのは成長したアトラであり、洗濯物をかぶった子供がクーデリアに気付いて駆け寄った。

この子供こそ三日月とアトラの子、暁(アカツキ)であり、5~6才くらいであろうか。
顔は三日月にそっくりであり、髪はアトラ譲り、そしてクーデリアに随分なついている様子である。

アトラはすっかり頼もしくなり、「おかえり、クーデリア。今回は早かったんだね」と笑顔で迎える。アトラはクーデリアを自然に呼び捨てにしており、二人の間の絆の深さが伺える。

クーデリアは、しばらく会わないうちに暁の手が随分大きくなっていることに気付く。
するとアトラは「三日月譲りだね」と笑う。

そしてクーデリアは心中で、散っていった鉄華団の団員たちに、そして三日月に語りかける。
(私は愛しています。たとえ歴史の流れに忘れ去られようとも鉄華団のみんなが作ってくれたこの世界を、あなたが残してくれたこの世界を…)


おわり

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第49話「マクギリス・ファリド」

  • 2017/03/27(月) 01:12:08

【感想概略】
今回は、ラスタル配下の大部隊がついに鉄華団本部への総攻撃を開始、一方マクギリスはラスタルの首を狙い敵艦隊に突撃し、キマリス・ヴィダールを駆るガエリオと激突する、というお話である。
オルガの死に衝撃を受けながらも前に進もうとする鉄華団の団員たちが描かれ、マクギリスとガエリオが一つの結末にたどり着く姿が描かれ、見応えがあり、面白かった。

【ライド、鉄華団本部に連絡】
前回、アドモス商会を密かに訪れたオルガ、チャド、ライドたちを黒服の刺客たちが襲撃、オルガは自らの身を盾にしてライドを庇い、銃弾を浴びて息絶えた。

刺客は火星の武器商人ノブリス・ゴルドンの部下であり、鉄華団を逃さないための凶行である。ノブリスは、クーデリアには攻撃していないことを確認し、オルガ暗殺をラスタルに伝えた。
一方、ライドとチャドは、鉄華団本部からクリュセ市まで伸びているトンネルの出口に到着、そしてオルガの死を伝えるのである。

【三日月の演説】
鉄華団本部では、ユージン、昭弘をはじめとする年長組は、オルガの死に衝撃を受けながらも、脱出作戦を進めようとする。
だが団員たちにはオルガが殺されたことに激怒し、仇を討つことを主張する者が少なくなく、脱出作戦の続行が危ぶまれる状況に陥ってしまう。
その時、三日月がハッシュを通じ、ユージンたちに団員たちを広場に集めるよう依頼してきた。

間もなく、基地の広場には団員たちが集められた。
だが団員たちにはオルガを奪った者への怒りと憎悪、復讐心と激しい殺意が渦巻き、「絶対許さねえ…」「全員で打って出るんだろう?」「皆殺しだ…」という物騒な声があちこちから聞こえる。

やがて、バルバトスのコックピットハッチに立つ三日月が団員たちに語りかけ始めた。
オルガはいなくなったが、自分の中には、オルガの言葉が、オルガの命令が生きている。オルガの命令を邪魔する奴は、どこの誰でも全力で潰す。死ぬまで生きて、命令を果たせ。

オルガ暗殺に誰よりも激怒しているであろう三日月のこの言葉に、団員たちは心を打たれた。そして個人の復讐心ではなく、団員みなが生き残ることを実現させるため、脱出作戦を再開するのである。

鉄華団脱出作戦の最終段階、それは三日月とハッシュ、昭弘とダンテを中心とするモビルスーツ隊が敵部隊を迎え撃ち、トンネル組が脱出するまで耐えるというものである。
そしてユージンも亡きオルガの獅電に搭乗し、年少組のエンビ、エルガー、ヒルメ、トロウと後方支援である。

ユージンはエンビたちに役割を言い渡すが、彼らは「副団長ってモビルスーツに乗れたっけ?」「前に三日月さんと模擬戦してボコボコにされてたじゃん」「オレ見た時、チャドさんにボコられてたけど…」とささやきあってユージンをおちょくり、ユージンは「お前ら、うるせえな!」とツッコミを入れるのであった。

【ギャラルホルン大部隊、鉄華団本部へ攻撃開始】
ついにギャラルホルン部隊の予定した刻限になった。
ギャラルホルン部隊は、まずは多数のミサイル及び火砲で鉄華団本部に猛砲撃を浴びせる。
基地の地上施設は次々と破壊され、爆炎と土煙が巻き上がるが、鉄華団は一発も打ち返してこない。
そして、土煙の中からバルバトスを中心とする鉄華団のモビルスーツ隊が出現、ギャラルホルンのモビルスーツ隊との交戦に突入した。

【マクギリス、部下たちを去らせる】
火星付近の宙域では、宇宙艦の指揮をとるマクギリスは部下たちに、これまでついてきてくれたことを労い、そして全員下船するよう申し渡した。

艦内に残されたのは、マクギリスとトドだけである。
マクギリスはトドにも世話になったと礼を言う。
これにトドは、勝手知ったる火星であり、シャトルを手配してマクギリスをここまで送るなどお手の物と言っておどけてみせるが、これでよかったのかと尋ねる。

するとマクギリスは、王者とは孤独なもの、そして孤独とは自由であり、自由を手に入れた自分の、全てをねじ伏せる力を見せてやると笑うのである。
トドは「では旦那、ご武運を」と一礼し、艦を去った。

これまでトドは、得になると思えば、あるいは自分が損をしたり危険に会いそうだと思えば、平気で人を裏切ってきた。
だがトドは、マクギリスをラスタル陣営に通報することも出来たのに、危険を冒してマクギリスのために働き続けた。
トドは、マクギリスのことを損得抜きで好ましく思っていたのだとおもう。

【マクギリスの突撃】
マクギリスはラスタルの艦隊に、宇宙艦で突撃した。
ラスタル艦隊は猛砲撃を浴びせるが、マクギリス艦は敵弾を跳ね返しながら突撃、敵艦一隻に体当たりを浴びせ、敵艦を道連れに大破した。

そして爆炎の中から、マクギリスの駆るガンダム・バエルが出現した。
ラスタル艦隊はモビルスーツ隊を繰り出すが、マクギリスはバエルで双刀をふるい、襲いかかる敵モビルスーツを次々と撃破。
さらに敵艦の艦橋を刀剣で破壊し、戦艦すらも無力化し、ラスタルに迫る。

だがマクギリスとて、ラスタルを討ったからといって彼に取って代わることが出来るなどとは思っていない。
マクギリスの狙い、それはギャラルホルンを追われた自分がアリアンロッド艦隊の司令を一人で葬ることでギャラルホルンの権威を完全に失墜させ、己が牙の使い方を知らず、うずくまるだけの獣が群雄割拠する乱世をもたらすことである。

【ハッシュと三日月】
火星の地表では、辟邪を駆るハッシュは、機体に地上戦のデータが少ないことで苦戦していた。
そしてついに、敵モビルスーツの斧をかわしきれず、コックピットに直撃を受けてしまう。
それでもハッシュは敵機を倒すが、既に瀕死の重傷を負っていた。

三日月はこれに気付き、ハッシュ機に襲いかかる敵機を撃破し、ハッシュに駆け寄る。
だがハッシュは三日月に、ここは自分の持ち場であり、いつか絶対追いつくので、止まらないで先に行くよう訴えた。

三日月はハッシュにここを任せると言い、再び激戦に飛び込んでいく。
尊敬する三日月に認められ、任され、頼まれるようになったことが、ハッシュにとってせめてもの救いだと思いたい。

【バエル対キマリス・ヴィダール】
ラスタル艦隊のモビルスーツ隊も、戦艦も、マクギリスの駆るバエルを止めることが出来ない。
そこにガエリオがキマリス・ヴィダールで出現、マクギリスの前に立ち塞がる。
だがマクギリスは意に介さず、「邪魔だ」と言い放つ。

これにガエリオは、アインの脳を使用した疑似阿頼耶識システムを起動、リミッター解除と同等の戦闘力を発揮し、マクギリスに猛攻を繰り出す。
だがマクギリスの斬撃も、ガエリオとの激戦の中でさらに研ぎ澄まされ、キマリス・ヴィダールの左腕を斬り飛ばし、頭突きを浴びせ、抜手をボディに突き入れる。

死闘はマクギリスが若干押しているかと思われたが、激しい打ち合いでバエルの剣が折れてしまう。
この一瞬にガエリオはキマリス・ヴィダールで猛攻を浴びせ、膝に仕込んだドリルを繰り出すが、攻撃は不発に終わり、ドリルが折れてしまう。

が、ガエリオはキマリス・ヴィダールで折れたドリルを握り、バエルのコックピットに突き刺した。
バエルとキマリス・ヴィダールはもつれ合いながら、ラスタル艦のモビルスーツデッキに飛び込んで大破し、両機とも動かなくなった。

【マクギリス対ガエリオ】
マクギリスは重傷を負い、大量に出血しながらも銃を握り、艦内をラスタル目指して歩き、エレベーターに乗り込む。
間もなくエレベーターは目的の階に到着し、扉が開く。
そこには仮面姿のガエリオが銃を構えていた。

マクギリスはガエリオの名を叫んで発砲するが、銃弾は仮面に弾かれる。
そしてガエリオの撃った銃弾がマクギリスに命中した。

ガエリオは倒れそうになるマクギリスの胸ぐらを掴んで叫ぶ。
「まだ死ぬな。俺を見ろ、マクギリス。お前が殺した男だ。そしてお前を殺した男だ!ちゃんと俺を見ろ!お前を友と信じ、その思いを裏切られ、信頼する仲間たちを奪われた!」

もはや瀕死のマクギリスは言う。
ガエリオのこと、カルタのことは見えていた。
だが見えていながら見えないふりをしていた。
ガエリオたちを否定しなければ、自分は前に進めなかった。
ガエリオたちと共にいると、ずっと抱いていた思いが揺らいでいくようで、目を逸らしたのだと。

マクギリスは最後の言葉を言いかける。
「ガエリオ…お前は俺にとっ…」

だがガエリオはマクギリスの言葉を遮って叫ぶ。
「言うな!お前が言おうとしている言葉が俺の想像通りなら、言えば俺は…許してしまうかもしれない…」

そしてガエリオは、マクギリスが息絶えていることに気づいた。
ガエリオはマクギリスに別れをつげ、泣いた。

【ラスタル、作戦の仕上げに取りかかる】
ラスタルは、マクギリスとガエリオの戦いの決着を見極め、心中でつぶやく。
「マクギリス・ファリド…お前の死はこれからの歴史において大きな意味を持つだろう。力に固執した人間の愚かな末路として…」

そしてラスタルは、整備主任ヤマジン・トーカに、ジュリエッタが現在降下中であること、そして『例の部隊』も出撃したことを確認した。

ヤマジンが不敵な笑みを浮かべて楽しそうなのであるが、何かとんでもないモビルスーツを投入するのであろうか。
そして『例の部隊』とは一体何か、気になるところである。

【ユージンの悪態】
火星の地表では、鉄華団のモビルスーツ隊が、ギャラルホルンの大部隊相手に激戦を繰り広げていた。
鉄華団側は、敵機を次々と撃破するが、敵部隊の機体数は圧倒的であり、倒しても倒しても新手を繰り出してくる。

ユージンはモビルスーツで発砲しながら「オルガの奴!こんな面倒な仕事、押し付けやがって!昔っからそうだ。いっつもリーダー面しやがって。絶対見返してやるって思ってたのによ…」と悪態をつく。
そして仲間たちに「仕方ねえから最後の命令きっちり果たして、あの世のあいつに文句の一つも言ってやろうぜ!」と言って笑うのである。

一方三日月は、メイスで敵機を撃破しながら心中でつぶやく。
「絶対にたどり着く。オルガの目指した場所へ」

【次回】
「彼らの居場所」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第48話「約束」

  • 2017/03/20(月) 00:40:20

【感想概略】
今回は、ラスタル配下の大部隊に鉄華団本部が包囲される中、オルガは団員たちが生き残るために脱出作戦を決意、マクギリスがガンダム・バエルで敵陣に単機突撃する混乱に乗じて包囲網を少人数がくぐり抜け、地球の蒔苗に通信をはかるが…というお話である。見応えがあり、面白かった。

オルガが大変なことになってしまい、脱出作戦がどうなるのかとても気になる。
だが鉄華団は全ての後ろ盾を失い、絶体絶命の危機に陥っても、アジーたちや蒔苗など、力になってくれる人たちがいることが明らかになった回でもあった。引き続き次回も注目したい。

【鉄華団本部、ラスタル陣営に包囲される】
前回、火星の鉄華団本部は、ラスタル・エリオン配下のモビルスーツ大部隊に包囲された。通信回線は全て断絶され、こちらから通信することも、外部の情報を入手することも出来ない。
全ては、「強大な武装集団」鉄華団を討つことでギャラルホルンの権威回復を目指すラスタルの策である。
ラスタルは、火星の大富豪ノブリス・ゴルドンを通じて民間報道機関を統制、セブンスターズに反旗を翻したマクギリスと彼と行動をともにする鉄華団を犯罪者として批判し、アリアンロッド艦隊は秩序を回復するためマクギリスと鉄華団を討伐するとの情報を発信し続ける。そしてラスタルは現地部隊の指揮官に、自分が到着するまで現状維持することを命ずるのである。

【鉄華団、脱出作戦を決定】
鉄華団本部の応接室に、オルガをはじめとする年長組と雪之丞、そしてメリビットが集まった。
まずはチャドとダンテが鉄華団本部の置かれた現状を報告するが、大部隊に包囲され、通信も出来ないという状況にユージンたちは打開策を見いだせず、頭を抱える。

だがオルガは動ぜず、逃げると決めたのだから逃げるだけだ、逃げることさえ出来れば基地を破壊して全滅に見せかければよい、そうすればこちらのものだと説く。
すると雪之丞は、厄祭戦時代の送電ケーブルのトンネルが基地からクリュセ市近郊まで通っていたはずであり、そのトンネルが生きていれば脱出できるかもしれないと言う。

これで作戦は決まった。
オルガは、この戦いの目的は自分たちが生き残ること、生き延びることであいつらに一泡吹かせてやるんだと言う。
そして各人は行動を開始、応接室を飛び出すのである。

【オルガとマクギリス】
ユージンはさっそくトンネルを確認、土砂で埋まっているところがあること、爆破するのは危険であり手作業で掘るしかないことをオルガに報告する。これにオルガは、トンネルの復旧に取り掛かるよう依頼する。

一方雪之丞は、トンネルの通信設備を確認し、クリュセにある出口側の端末を操作できれば外と通信できることを報告した。

事務室でオルガは各人の報告を聞き、それぞれに指示を出すが、状況は依然としてかなり厳しい。
すると事務室にいたマクギリスは、少人数であれば一時的に包囲網を突破することは可能かもしれないと言い、自分はギャラルホルンの包囲網を単独で突破すると言うのである。

驚愕するオルガにマクギリスは言う。
勘違いしないでほしい、自分は目的のために必要な手段を取るだけ、それをオルガたちが利用しようとしまいと一切関知しない、それに鉄華団が基地に残ると見せかけることでラスタルをここにおびき寄せることが出来る、自分はオルガたちを利用してラスタルを討つのだと。

オルガは、事務室を出て行くマクギリスに頭を下げた。
そしてチャドに通信し、あてが出来たのでこれからアドモス商会に行く、アトラとクーデリアを呼び、車を用意するよう指示するのである。

【オルガと三日月】
慌ただしい準備の中、オルガは格納庫の三日月を訪れた。
するとマクギリスが三日月に自分のところに来ないかと勧誘している。
オルガは、勝手にウチの団員をスカウトするなと苦情を言うと、マクギリスは苦笑して立ち去った。

オルガは「なりそこねちまったな、火星の王様に」と言い、三日月と他愛もない会話をかわす。
だが三日月は「オルガ、俺がいないと何やらかすか分かんないし」と、オルガが自分ぬきで出かけることが不満そうである。

するとオルガは三日月に、銃を貸してくれるよう申し出た。
三日月は銃を渡すが、「ちゃんと返してね」と念を押す。
オルガは、「わかってるよ、心配すんなって」と笑うのである。

【マクギリス、包囲網に突撃】
鉄華団基地から、マクギリスがガンダム・バエルで出撃した。
だが基地を包囲するギャラルホルン部隊は、攻撃を受けるまで待機することをラスタルに命じられており、バエルを迎え撃つことが出来ない。このままでは抵抗できないまま僚機がバエルに討ち取られてしまうが、それは隊員たちには耐え難い様子である。

すると一兵卒として部隊に参加していたイオク・クジャンがモビルスーツで突撃した。
イオクは通信で部隊指揮官に、命令違反を謝罪し、だがこれまで自分は多くの部下たちに窮地を救ってもらった、こんどは自分の命でみなの命をつなぐ番だと言い、武器を捨ててバエルに突進する。

マクギリスはイオクの言葉を「殊勝な心がけだな」と評しながらも、オルガたちが包囲を突破出来るよう敵を引きつけるつもりはあるようで、「こちらは多少は騒ぎを起こさねばならんのでな」と言うと加速、イオク機を叩きのめして跳躍、着地時にイオク機を二刀で突き刺し、沈黙させた。

これでギャラルホルン部隊は迎撃の大義名分を得て、バエルに次々と襲いかかる。
が、マクギリスはバエルで群がる敵モビルスーツを次々と撃破、敵部隊と報道機関の目はバエルに集中する。

この混乱に乗じて、オルガ、ライドとチャド、そしてクーデリアとアトラを乗せた自動車はギャラルホルン部隊の包囲網をくぐり抜けることに成功、クリュセ市のアドモス商会にたどり着くのである。

そしてマクギリスも脱出に成功、行方をくらました。

【オルガたち、脱出の段取りをつける】
アドモス商会のオフィスでは、事務員兼秘書のククビータはクーデリアを抱きしめ、無事を喜ぶ。

さっそくオルガは、地球のアーブラウの代表、蒔苗に通信し、鉄華団団員たちのIDを改ざんすることを頼み込む。
蒔苗は、個人情報の意図的な改ざんは重罪と言いながら、「命の恩人の頼みは断りづらいのう」と笑って快諾するが、正式な手続きは団員たちが地球に来ないと出来ないという。だがアリアンロッド艦隊に追われる鉄華団が、一体どうやって地球までたどり着くのか。

するとククビータが、鉄華団あてに受信したメールをオルガに見せた。
それは、旧タービンズのアジーからのものだった。
アジーはラフタの死に一時は寝込んでいたが、今では旧タービンズのリーダー格のようで、かつての名瀬のような白いスーツ姿で艦長席に座って指揮をとっている。

アジーはメールで鉄華団に、火星のテイワズの事務所を尋ねてくれれば、そこから積荷にまぜてどこへでも運ぶ、これはテイワズのボス、マクマードも内諾済みであり、連絡を待つと結んでいた。

これで地球へ行く段取りはついた。次は、トンネルの出口を確認し、そこの通信設備で鉄華団本部に段取りがついたことを連絡である。
オルガは、チャドとライドに事務所の裏に車を回すように指示し、クーデリアにアトラを預けた。
そしてオルガはクーデリアに、思えば自分たちの戦いはクーデリアの地球行きの護衛からはじまったと言い、自分たちの指名してくれたことに礼を言い、「あんたの夢、かなえろよ」と笑った。

【オルガ、ライドを守る】
オルガたちが自動車に乗ろうとビルを出ると、路地の向こうに黒い車が急停車した。
そして慌ただしくドアが開き、黒服の男たちが機関銃を構え、オルガたちを猛射した。

チャドは右肩を撃たれて転倒、そしてオルガはとっさにライドを庇う。
オルガは背中に次々と銃弾を浴びながらも、三日月から借りた銃を取り出すと刺客たちに発砲、たちまち二人を倒す。これに刺客たちは動揺、自動車で走り去った。

オルガは大量に出血しながらも立ち上がり、「俺なんかのために…」と泣き顔のライドに、団員を守るのは団長の仕事と不敵に笑ってみせる。
そしてオルガは歩きだし、ライドたちに、みなに、三日月に、自分自身に語りかけ、倒れた。
「ミカ、やっと分かったんだ。俺たちにはたどり着く場所なんていらねえ。俺は止まんねえからよ。お前らが止まんねえ限り、その先に俺はいるぞ。だから止まるんじゃねえぞ」

【次回】
「マクギリス・ファリド」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第47話「生け贄」

  • 2017/03/12(日) 22:35:13

【感想概略】
今回は、ラスタルに軍事的に大敗した鉄華団及びマクギリスは、さらに法的、経済的にも追い詰められ、オルガはせめて団員たちの命を守るため必死で道を探るが…、というお話であり、鉄華団の団員たちそれぞれの事情と選択、テイワズやマクマード・バリストンなどの裏社会の動き、オルガの苦悩とユージン、昭弘たちのオルガと鉄華団への思い、そして三日月とアトラとクーデリアの人間模様が描かれ、見応えがあり、面白かった。

【マクギリスと新江】
ラスタル率いるアリアンロッド艦隊に大敗した鉄華団及びマクギリス率いる革命軍は、かつてタービンズが利用していた航路を通って何とか火星付近の宙域に落ち延びた。
だがギャラルホルン火星支部の新江・プロト本部長は、マクギリスの支援要請を断った。
マクギリスは、ギャラルホルンの最高権威であるガンダム・バエルに選ばれた自分に逆らうのかと新江を脅す。

すると新江はマクギリスに現状を説明する。
ラスタルのギャラルホルンでの発言力は高まり、セブンスターズもこれに同調、マクギリスの地位は全て剥奪され、さらにイズナリオ・ファリドとマクギリスの関係も公表され、マクギリスはイズナリオの妾腹の子ですらないことが明かされた、地球でのマクギリスの立場は消失したに等しいと。

しかし新江は、とはいえマクギリスには恩があるので、支援はしないが排除もしないと言うのだが、これが新江の出来る精一杯だろう。
これにマクギリスは礼を言い、鉄華団及び革命軍は非正規のルートから火星に降下し、久々に帰還するのである。
一方、新江の部下は、マクギリスと鉄華団を見逃してはラスタルの心証を悪くするのではと新江に進言する。すると新江は、マクギリスは悪運の強い男であり、今後どうなるか分からないと言う

【鉄華団、法的に追い詰められる】
鉄華団火星本部では、オルガたちはさらに厳しい現実を突き付けられた。
ラスタルはマクギリスと鉄華団を、ギャラルホルンに逆らった犯罪者として手配し、鉄華団の口座を封鎖した。
経理担当デクスターとメリビットは、融資の依頼に奔走するが、犯罪集団として扱われている鉄華団を相手にするところは全く無い。鉄華団はアリアンロッド艦隊との戦いに備えるどころか、団員たちを養い組織を日々運営していくことすら危うい状況に陥ってしまう。

【クーデリアとオルガ】
鉄華団をクーデリアが訪れた。
クーデリアはオルガに、自分の経営するアドモス商会が、大富豪ノブリス・ゴルドンからの融資を打ち切られたと告げる。
すなわちノブリスはクーデリアに、自分は商売柄、違法なものを表立って支援することは出来ず、だから鉄華団と提携しているアドモス商会に融資は出来ないと言う。そしてノブリスはクーデリアに、鉄華団と関係を断てば融資を再開する、自らの理想を鉄華団のために捨てるつもりなのかと問うのである。
それでもクーデリアは鉄華団に協力する姿勢を変えないのだが、オルガはクーデリアに鉄華団と手を切ることを申し出るのである。

【オルガと団員たち】
オルガは基地の広場に団員たちを集め、鉄華団を辞めたい者は今のうちに申し出てほしいと告げた。

オルガは言う。
鉄華団は本来、危険な仕事にはそれだけの報酬を保証する、そしていつかは安全な仕事だけで団員の生計が立つようにする、そういった場所のはずだった。だが今の鉄華団はそれとは違う場所になってしまったと。

これにライドたちは、最後までオルガについていくと言い、場の空気はオルガ支持の熱気に高まる。

だがザックはあえて空気に逆らい、自分は辞めると言う。
ザックは団員たちに、最後までとは何だ、結果はもう出ているだろう、このままでは全員お陀仏のバッドエンドと言い、考え直すように訴える。
が、多くの団員たちはザックを睨みつけて無言であり、ハッシュはザックに掴みかかるのである。

【ザックとデイン】
ザックは兵舎で荷物をまとめながら、生存がほとんど望めないのに鉄華団に忠義を尽くそうとするハッシュを罵る。
そして近くに腰掛けるデインに、何故出ていこうとしない、帰る場所が無いのならウチのオヤジに頼み込むと言う。

するとデインは犯罪者でもか?と言い、自らの過去を明かす。
自分はここに来るまでにたくさんの人間を殺してきた、だがそんな自分を鉄華団は受け入れてくれた、団長に恩義を感じているのは自分だけではないと思うと。

ザックは、デインの言葉に、鉄華団の団員たちはみんな、気の良い一生懸命な奴なのに、このままでは不幸になるのが見えているのにどうしてなのだと言い、鉄華団に残る団員たちの選択に納得できず、だが全面否定も出来ず、苦悩するのである。

【オルガとクーデリア】
オルガは、テイワズのボス、マクマードに通信を入れた。
マクマードはオルガに、金は貸せない、そもそも盃を割るとは、元の関係に戻るどころではなく、積極的に関係を断たなければならないと言い、渡世のルールを説く。
だがオルガは頭を下げ、ラスタル・エリオンと繋いでもらえるよう頼み込むのである。

【クーデリアと、三日月、アトラ】
クーデリアは格納庫を訪れ、バルバトスの傍にいる三日月に話しかけた。クーデリアとしては、久々に三日月と落ち着いて会話がしたかったというところだろうか。
すると三日月は、クーデリアは植物を育てるのが上手いので、自分の子供を育てて欲しいと言い出した。

クーデリアは三日月の子供とはどういうことかと動揺しながらも三日月の発言から、三日月がアトラと子供作りしているらしいことを理解するのである。

そこにアトラが現れ、「クーデリアさんも作りましょう!一緒に!」と力強く申し出、三日月は「クーデリアも欲しいの?」と平然と言う。

クーデリアは二人の斜め上の発言に動揺しまくるが、「なんて不器用な人たち」と笑い出す。
そしてクーデリアは、アトラ、三日月と三人で抱きしめ合い、アトラを、生まれてくる子供を必ず守ることを誓うのである。

【オルガ、ラスタルに降伏を申し出る】
ラスタルはオルガとの通信に応じた。
マクマードは突き放すようなことを言いながらも、出来得る限りのことをしてくれたようである。

オルガはラスタルに、マクギリスの身柄及びバエルを引き渡すこと、鉄華団の解散、そしてオルガ自身の命と引き換えに、団員たちを助けてもらえるよう申し入れた。

だがラスタルは、もはやマクギリス一人でどうこうなる問題ではなく、生け贄が必要なのだという。

息を呑むオルガにラスタルは言う。
ギャラルホルンの権威は地に落ちた。
世間にはびこる犯罪を抑止する力を見せつけるには、マクギリス一人を討つだけでは不足である。
圧倒的な武力で世間を騒がせた悪魔の組織「鉄華団」を、アリアンロッド艦隊が屠ることで、宇宙の秩序は保たれるのだと。

オルガは何とかラスタルの慈悲にすがろうとするが、ラスタルの考えが変わるはずもない。
ラスタルは「観念して最後の時を待つといい」と言い残し、通信を切った。

【オルガとユージン、昭弘】
降伏すら認められず、オルガは言葉を失う。
その時、扉が開いてユージンと昭弘が姿を見せた。

ユージンはオルガの胸ぐらを掴み、勝手なことをするなと怒り心頭である。
オルガは、このままでは自分のせいでみんなの命がなくなってしまうと申し訳無さそうである。
するとユージンは「お前がくれたんだろうが!」と叫んだ。

呆気にとられるオルガに、ユージンと昭弘は言う。
CGSの頃は、大人たちに殴られ、弾除け扱いにされ、生きているのか死んでいるのか分からない毎日だった。
だがオルガがクーデターを起こして鉄華団を立ち上げてからは、団員たちはみな人間として尊重され、自分の意志で自分の人生を生きることが出来るようになった。オルガは生きる実感をくれた、そして家族を作ってくれたのだと。

そしてユージンは、「これからはお前だけが背負うことはねえ、みんなで話し合っていこうぜ」と頼もしい笑みを浮かべていうのである。

【クーデリア、別人になることを提案】
さっそくオルガ、ユージン、昭弘をはじめとする鉄華団年長組とクーデリアたちは食堂に集まり、この状況をどうやって切り抜けるかを話し合い始めた。
とは言え、そう簡単には妙案は出てこないのだが、クーデリアはいっそ別人になってはどうかと提案する。

鉄華団本部の所在するクリュセは、地球のアーブラウの植民地であり、鉄華団団員たちのIDはアーブラウで管理されている。アーブラウの代表・蒔苗は鉄華団、クーデリアと親しい間柄であり、蒔苗の協力を得て、アーブラウで団員たちのIDを改ざんすれば、ラスタルの生け贄のリストから逃れることが出来るのではないかと。
問題は、地球に行くにしても、潜伏するにしても資金が必要だが、今は口座が凍結されており、どこから資金を調達するかである。

すると経理担当デクスターが、鉄華団の資金の一部が使用可能になったと報告する。
いざという時のために別口座に資金の一部を移しておいたが、こちらがようやく使えるようになったという。
オルガは、デクスターとメリビットに頭を下げた。

早速クーデリアは、蒔苗に連絡を取ろうとするが、回線が落ちているのか、通信がつながらない。
その時、ライドが食堂に駆け込み、鉄華団本部がギャラルホルンのモビルスーツ隊に包囲されたことを伝えた。
その様子をマクギリスが、余裕の笑みを浮かべて双眼鏡で眺めているのである。

【次回】
「約束」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第46話「誰が為」

  • 2017/03/05(日) 23:46:44

【感想概略】
今回は、マクギリス率いる革命軍及び鉄華団が、アリアンロッド艦隊との大敗による絶体絶命の窮地をひとまず切り抜け、火星に落ち延びるお話である。ヤマギとオルガ、デルマ、そしてジュリエッタという生き残った人々が、それぞれの苦悩にそれぞれのこたえをひとまず見出し、決意を新たにする姿が描かれ、見応えがあり、面白かった。

【三日月VSジュリエッタ】
前回、マクギリス率いる革命軍及び鉄華団は、ラスタル率いるアリアンロッド艦隊と激突した。
だがアリアンロッド艦隊の戦力は革命軍の二倍以上、さらにラスタルは謀略でもはるかに上手であり、革命軍は艦隊の半数を失い、鉄華団も大打撃を受けてしまう。

鉄華団は一撃逆転を狙い、輸送艦ホタルビと装甲強襲艦イサリビ、そしてモビルスーツ隊でアリアンロッド艦隊に突撃。敵艦隊の猛攻の前に、イサリビはホタルビを切り離して後退する。
が、ホタルビに潜んでいたシノは流星号でダインスレイヴを構え、ラスタル艦の艦橋に狙いをつけ、引き金をひく。
だがその瞬間、駆けつけたジュリエッタはレギンレイズ・ジュリアで刀剣を流星号の砲身に投げた。これにより流星号は砲の構えが乱れ、砲撃は船体をかすめるにとどまった。
シノは流星号で突撃するが、敵艦隊の猛攻を浴び、撃破された。

そして今回。オルガは流星号の大破に逆上し、シノの回収を叫ぶ。
だがユージンから、シノが命を張って作ったチャンスをムダにするな、シノは鉄華団のため、オルガのために逝ったのだと叱咤されて正気を取り戻す。
そしてオルガは、イサリビ及びモビルスーツ隊に退却を指示するのである。

一方、三日月はシノの砲撃を妨害したジュリエッタに「お前、消えろよ」と激怒、レギンレイズ・ジュリアに猛攻を繰り出す。
ジュリエッタは、敬愛するラスタルを守ろうとバルバトスの攻撃を浴びながらも立ち塞がるが、ついにコックピットに直撃を浴びてしまう。
ジュリエッタは重傷を負いながらも、レギンレイズ・ジュリアでバルバトスの足を掴み、必死に阻止しようとする。

その時、三日月はユージンから撤退を指示された。
三日月は、シノがやれなかったのだから、今度は自分が敵将を仕留めると言うが、強く説得され、しぶしぶ離脱した。

そしてホタルビが自爆、大量のナノミラーチャフが散布され、アリアンロッド艦隊の探知装置及びレーザー通信を麻痺させた。アリアンロッド艦隊が艦隊として行動できない間に、鉄華団は戦闘宙域から撤退するが、敵モビルスーツ隊の猛追撃により、少なからぬ損害を受けてしまう。

【マクギリスVSガエリオ】
マクギリスはガンダム・バエルで、ガエリオのガンダム・キマリスと斬り結ぶが、マクギリスが押され気味である。
バエルを駆るマクギリスといえども、リミッターを解除した阿頼耶識と同等の戦闘力を有するというアインの脳を組み込んだキマリスには及ばないということだろうか。

さらに、マクギリスの左手はアルミリアの自害を阻止した時の傷が癒えておらず、機体操作に反応しきれない。
ついにガエリオは必殺の一撃をバエルに繰り出すが、石動がヘルムヴィーゲ・リンカーで割って入り、間一髪でマクギリスを救う。
だが石動自身はコックピットに直撃を受けてしまう。

もはや瀕死の石動はマクギリスに、自分が抑えている間に、残存部隊をまとめて鉄華団と合流して落ち延びることを促す。マクギリスは石動を残していくことを躊躇し、石動に詫びて撤退するが、さすがに心苦しそうである。

残った石動は、キマリスの前に立ち塞がりながら言う。
ギャラルホルンに所属していても、自分のようなコロニー出身者は明日の夢を見ることも出来ない。だがマクギリスの元でなら夢を見ることが出来た。生まれながらボードウィンの名を持つあなたには分からないだろうと。

石動は息絶えたが、時間は十分に稼げたようで、ガエリオはマクギリスを追跡しようとはしない。
そしてガエリオは心中で石動に語りかける。
以前の自分は、石動のような階層の人間の気持ちを理解しきれていなかった。それを分からせてくれた存在がある、だからこそマクギリスが石動に見せた夢はまやかしだと言える、自分も一度はマクギリスの理想に夢をみた、もう覚めてしまった過去の夢だと。

ガエリオは、大破して漂うレギンレイズ・ジュリアを回収して艦隊に帰還、これによりジュリアは一命をとりとめた。ラスタルはガエリオにジュリエッタ救助の礼を言うのである。

【ザックとハッシュ、デイン】
鉄華団及び革命軍の残存艦隊は、かつてタービンズが利用していた航路を利用し、火星に向かっていた。イサリビ艦内では、収容した残存モビルスーツ隊の修理と負傷者の救護に追われている。

ザックは、黙々と作業するハッシュとデインに語りかける。
モビルスーツを半分以上失い、残存する機体も損傷が大きい、もう鉄華団を辞めたほうがよいのではないか、家に帰り、別の仕事を探したほうがよいのではないかと。

だがハッシュもデインも、火星に自分たちがつける仕事があると思えない、そもそも帰る家などないと言う。
たぶん鉄華団の多くのメンバーたちも同様であり、だからこそ自分たちを家族として受け入れてくれる鉄華団を、自分たちの仲間と居場所を守るためには命もかけるということだろうか。

【デルマと昭弘たち】
イサリビの救護室は負傷者であふれかえっていた。
デルマは左腕を失いながらも一命をとりとめていたが、こんな状態で生き残ってももはや役には立てないと絶望していた。

そこに昭弘とダンテ、チャドが姿を見せた。
ダンテはデルマが生きていたことを純粋に喜ぶ。
そして昭弘はデルマの頭を撫でて「生き残ってくれてありがとうな」と笑う。
役に立つかどうかなど関係ない、ただ無条件にデルマを受け入れ肯定してくれる昭弘たちに、デルマは泣いた。

一方、アリアンロッド艦隊の艦内では、意識の回復したジュリエッタを、ガエリオが見舞っていた。
ジュリエッタはガエリオに、三日月との戦いは正直怖かった、これまでも命をの危険を感じたことはあったがそれとは違う、悪魔に魂を握りつぶされるような冷たさを感じたと明かす。
そして強ければどのような強さでもよいとはもう思わない、私は私のまま、人として強くなりますとまっすぐな目でいうのである。
これにガエリオは「それがいい」と笑い、ジュリエッタの選択を肯定するのであった。

【ヤマギとユージン】
オルガとユージンは、戦死者の安置室を訪れていた。
オルガは、鉄華団の仲間たちに良い暮らしをさせたかったのに、それを手に入れるために戦わせ、その挙句にこんな目にあわせてしまったと自分を責める。

だがオルガの言葉をヤマギが聞いていた。
ヤマギは、みなオルガの言葉を信じて死んでいた、なのにアンタがそんなに腑抜けていてどうするのかと叫ぶと走り去る。

ユージンはヤマギをつかまえると、シノが言っていたことを伝える。
実はシノは、ヤマギがシノに特別な感情を抱いていることに気付いていた。
だがシノは、自分たち鉄華団は家族であり、身内どうしでピンと来ないと神妙な顔であり、男同士ということは問題にしていない器の大きなシノである。

そしてシノは鉄華団について、気負いすぎてガチガチの団長、ヘタレが抜けきれない副団長、何を考えているのか分からない狂犬みたいな奴、筋肉バカ、そして自分のような人間を好きになってくれる物好きもいる、色々な奴がいるここが好きであり、鉄華団を守りたいと笑った。

ヤマギはユージンからシノの思いを聞くと、シノのいない場所で生きていくくらいなら一緒に終わりたかった、でもそんなことを言ったらシノはきっと怒るねと言って笑う。そして自分も鉄華団を守る決意を新たにするのである。

【オルガと三日月】
オルガは格納庫の三日月を訪れ、自分は皆に大きな嘘をついてしまったという。
すると三日月は、自分がオルガに嘘をつかせた、俺が邪魔する奴らを全部片付けていれば、オルガの言ったことは嘘にならなかったという。

三日月の言葉にオルガは思い至る。
仲間を間違った場所に連れてきてしまったのではと思っていたが、それは思い上がりだ、自分の言葉を実現するために三日月が、皆が支えてくれ、連れてきてくれたのだ、ならば自分の出来ることは迷わないことだと。

そしてオルガは三日月に右手を差し出し「お前の全部を俺にくれ」という。
すると三日月は「とっくに渡してるよ」と言いながら、オルガの手を握り返すのである。

【新江の裏切り】
革命軍及び鉄華団は、火星の周辺宙域に到着した。
マクギリスとしては、自分の支持勢力であるギャラルホルン火星支部の戦力と合流し、鉄華団の本拠地である火星の地の利を活かし、補給線の伸び切ったアリアンロッド艦隊を迎え撃つという作戦のようである。

早速マクギリスは、ギャラルホルン火星支部の本部長、新江・プロトに通信する。
この新江はマクギリスの推薦によって今の地位についたのであり、マクギリスとしては新江は当然自分たちに味方すると思っているようである。

だが新江はマクギリスたちの宇宙港への入港を拒否した。
実は新江は、既にラスタルにより懐柔されていた。
そして新江は不敵な笑みを浮かべ、マクギリスはギャラルホルン内の全ての地位を剥奪されたと言い渡すのである。

マクギリスは、新江が裏切らないよう、彼の弱みを握るくらいしておいた方がよかったのかもしれない。

【次回】
「生け贄」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第45話「これが最後なら」

  • 2017/02/26(日) 23:47:24

【感想概略】
今回は、マクギリス率いる革命軍および鉄華団が、ラスタル率いるアリアンロッド艦隊と激突するお話である。
ラスタルは戦力差を活用して確実に革命軍の兵力を削ぎ、同時に謀略で大打撃を与え、マクギリスと鉄華団を追い詰める。これに対し鉄華団はシノの発案で、彼の駆る流星号の機能を最大限利用した一撃逆転の奇策を敢行する、というお話であり、全編戦闘シーンの連続で迫力があり、特にシノとヤマギに見せ場があり、見応えがあり、面白かった。

【革命軍VSアリアンロッド艦隊の戦闘開始】
マクギリスは自ら率いる革命軍、地球外縁軌道統制統合艦隊、そして鉄華団で、ラスタル・エリオン率いるアリアンロッド艦隊を迎え撃った。
マクギリス陣営の布陣は、右翼に革命派艦隊、中央に鉄華団、そして左翼艦隊の配置である。

これに対しラスタルは、アリアンロッド艦隊の火力を右翼の革命派艦隊に集中し、さらにモビルスーツ隊を繰り出し、敵艦隊の分断を図る。
一方鉄華団は、バルバトス、グシオンリベイク、及びフラウロスを中心とするモビルスーツ隊を繰り出し、敵モビルスーツ隊を迎え撃つ。

鉄華団のモビルスーツ隊は練度も士気も高く、敵モビルスーツを次々と撃破する。
だが敵モビルスーツ隊は兵数が多く、鉄華団のモビルスーツ隊が次々と敵機を撃破しても、攻撃は全くゆるまない。

さらにジュリエッタがレギンレイズ・ジュリアを駆り、配下部隊を率いて鉄華団モビルスーツ隊に斬り込み、自らはバルバトスと斬り結ぶ。
ジュリエッタは戦いの前、バルバトスを止める任務をラスタルから直々に与えられていた。
敬愛するラスタルが、自分を見込んでくれて直々に言葉をかけてくれたことに、ジュリエッタはこの任務だけは果たして見せると気合全開であり、バルバトスと激しく斬り結ぶ。

【ラスタルの策略】
その時、革命軍のモビルスーツが一機、大型砲でアリアンロッド艦隊を砲撃し、敵モビルスーツ多数を撃破した。
何とこのモビルスーツ、条約で禁止された兵器ダインスレイヴを発砲したのであり、パイロットはラスタルの間者だった。全ては、マクギリスがダインスレイヴで先制攻撃したという罪を捏造するためのラスタルの策略である。

ラスタルは、マクギリスがダインスレイヴで攻撃してきたと非難、自軍にダインスレイヴでの攻撃を命じた。
そしてラスタルのモビルスーツ隊はダインスレイヴを次々と発砲。
ナノラミネートアーマーすら貫通する特殊砲弾が、革命軍の戦艦およびモビルスーツに次々と命中、大破させていく。

この攻撃で革命軍の艦隊は半数を失い、革命軍若手将校のリーダー格、ライザも戦死した。
そして鉄華団は、流星号ことフラウロスを駆るシノがライドを庇って左腕骨折の重傷を負い、輸送艦ホタルビは大ダメージを受け、火器管制システムが使用不能になってしまう。
鉄華団は手早くホタルビの乗員をイサリビに乗り移らせるが、状況は険しさを増すばかりである。

一方、旗艦で指揮をとるラスタルは、側近くにイオクを置き、自らの戦いを実地で見せていた。
ラスタルは、なぜ自分が地球外縁軌道統制統合艦隊を攻撃しないか分かるかとイオクに問い、イオクが素直に「いえ…」とこたえると、彼らはマクギリスの命令で動いてはいるが革命派ではない、せっかくの戦力を消耗させるバカはおるまいと言う。
ラスタルとしては、イオクを見込んでいるからこそ、将来の指導者となるべく、リーダーとしての研修を行っているというところだろうか。
同時にラスタルは、もはや勝ち目の無いことを受け入れてマクギリスが降伏するかを注視し、マクギリスが愚者か否かを見定めようとするのである。

【シノとヤマギ】
オルガは、この状況でアリアンロッド艦隊の撃破は困難と考え、撤退を検討する。
だがダンテたちは、この戦いに勝たなければ自分たちに戻る場所はないのだろうといい、オルガに戦闘続行を訴える。
そしてシノは、流星号にダインスレイヴを装着し、旗艦で指揮を執る敵将ラスタルを討ち取る作戦を提案した。
もはやこれ以外に策はなく、オルガは作戦を決意、三日月にバルバトスで露払いを依頼する。

そして作戦の要であるシノはヤマギに頼み、負傷した左腕を包帯で操縦桿に縛ってもらう。
だがヤマギは、このあまりに無謀な作戦にシノが身を投ずることが耐え難く、シノの左手を両手で包んで言う。
「死んだら許さない」

これにシノは「ほんとおっかねえな、お前は」と笑い、「上がりは見えてんだ。くたばってたまるか」とヤマギの目を見て真顔で答えた。

【流星号、ラスタルを狙撃】
鉄華団は、輸送艦ホタルビを装甲強襲艦イサリビの盾とし、バルバトスを中心とするモビルスーツ隊で敵モビルスーツを迎え撃ちつつ、アリアンロッド艦隊への突撃を開始した。

この破れかぶれの特攻に、ラスタルはダインスレイヴの集中砲火およびモビルスーツ隊で応戦する。
ホタルビには次々と特殊砲弾が突き刺さり、ラスタル陣営のモビルスーツ隊はイサリビに攻撃を集中し、イサリビの接近を許さない。

ついにイサリビは、盾としていたホタルビを切り離し、後退していく。
ラスタルは鉄華団の悪あがきを撃退したことを確信し、余裕の表情である。

その時、宇宙を漂うホタルビから流星号が姿を見せた。
これぞ、敵将ラスタルに出来るだけ接近するためのシノの命がけの策である。

さしものラスタルも驚愕、イオクはとっさにラスタルを背に庇い、ジュリエッタはレギンレイズ・ジュリアでバルバトスと激しく斬り結びながら、流星号に急行する。

そしてシノはダインスレイヴの照準をラスタル旗艦の艦橋に合わせ、発砲する。
だがその瞬間、ジュリエッタはレギンレイズ・ジュリアで刀剣を投げ、流星号の砲身にぶつけた。
シノの渾身の砲撃は、ジュリエッタの必死の一撃により弾道をそらされ、ラスタル艦の艦橋をかすって火花を上げるにとどまった。

シノは絶叫を上げ、流星号で突撃した。
だが流星号はアリアンロッド艦隊の集中砲火を浴びて大破、沈黙した。

【予告】
次回「誰が為」

シノが大変なことになってしまったが、鉄華団は圧倒的に不利なこの状況をどう切り抜けるのか。またマクギリスには、この状況を覆す策はあるのか。引き続き次回も注目したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第44話「魂を手にした男」

  • 2017/02/19(日) 22:44:44

【感想概略】
今回は、マクギリス一派及び鉄華団と、ラスタル率いるアリアンロッド艦隊との決戦前夜のお話である。
これまでマクギリスは、緻密な計算と分析で、ギャラルホルンの実権を握るための謀略を遂行してきた。
だが謀略の要となる、マクギリスが絶対と信じていたアグニカ・カイエルの権威は、実はギャラルホルンではマクギリスが思うほど通用しないことが明らかになった。セブンスターズの当主たちは、銃を突きつけられて脅迫されてもマクギリスに従わず、マクギリスは自派の戦力と鉄華団のみで、戦力差が二倍以上あるアリアンロッド艦隊と戦うことになってしまう。
鉄華団を率いるオルガは、あまりに危険性の高い戦いに仲間たちを挑ませることに苦悩、ついにマクギリスに本音をぶつけ、あと一回の戦いで終わりにすると話をつける。鉄華団のメンバーたちは、あと一回で終わりだ、これで上がりだと士気が高まるが…というお話であり、見応えがあり、面白かった。
そしてアルミリアは、ガエリオ殺害未遂の真犯人がマクギリスと知り、マクギリスを憎いと思う一方で、マクギリスへの愛情を捨てることが出来ず、まだ10歳くらいだというのに苦悩する姿が気の毒だった。

【ラスタル、マクギリスの謀略を暴露】
アリアンロッド艦隊を率いるラスタル・エリオンは、マクギリスへの反撃を開始した。
まずは全世界に向けて放送を行ない、ガエリオがマクギリスの罪状を明かしてくれたと言い、これまでのマクギリスの謀略を暴露して非難する。

すなわち、マクギリスは地球外縁軌道統制統合艦隊を手に入れるため司令官カルタ・イシューを謀殺し、イズナリオ・ファリドを失脚させて家督を乗っ取り、ガエリオ・ボードウィンを殺害しアルミリア・ボードウィンを妻とすることでボードウィン家を乗っ取ろうとし、さらにギャラルホルンの象徴、アグニカ・カイエルの魂の宿る機体ガンダム・バエルを、クーデターを正当化する道具に利用して辱めた。
そしてラスタルは、例えギャラルホルンの法に背くことになっても、マクギリスを断固断罪すると宣言するのである。

装甲強襲艦イサリビでラスタルの演説を聞いていた、マクギリス派将校のライザは、ガンダム・バエルの威光がラスタルには全く通用しないことに困惑する。
そしてユージンたちは、バエルを手にすればマクギリス一派の勝利なのではなかったのか、話が違うではないかとマクギリス一派に不信を抱いている様子である。

【セブンスターズの当主たちとマクギリス】
ギャラルホルン地球本部でマクギリスは、ガンダム・バエルの権威を背景にセブンスターズの当主たちに服従を迫り、アリアンロッド艦隊との戦いのため、各家の戦力の提供を要求する。

だが、マクギリスが思うほどバエルの威光はセブンスターズの当主たちには通じず、彼らは服従に難色を示す。
それどころか、ラスタルがマクギリスの謀略を暴露したことにより、マクギリスはセブンスターズの当主たちの信頼を決定的に失ってしまう。

セブンスターズの当主たちは、銃を突き付けられながらも、マクギリスにもラスタルにも協力しない、あくまで中立を保つという立場を崩さない。
結局マクギリスは自派の戦力と鉄華団のみで、戦力差が二倍以上あるアリアンロッド艦隊と戦うことになってしまう。

マクギリスは、自身が少年の頃から心酔しているアグニカ・カイエルの権威が、今でもギャラルホルン内で有効と信じて疑わず、その実態を見誤っていた。これもラスタルのいうところの、マクギリスの大人になれない、子供なところなのかもしれない。

【オルガとマクギリス】
オルガは、あまりに危険性の高い戦いに仲間たちを挑ませることに苦悩しながらマクギリスとの打合せに望むが、マクギリスの「多少の被害があったとしても」という発言に激怒。マクギリスを殴り、「その多少の中にゃ、俺らの家族一人一人がいるんだ。十把一絡げにすんじゃねえ!」とついにマクギリスに本音をぶつける。
そしてオルガは「腹割っていこうじゃねえか、大将!」とマクギリスと談判し、あと一回の戦いで終わりにすると話をつけるのである。

これに鉄華団のメンバーたちは、あと一回で終わりだ、これで上がりだと士気が高まる。
鉄華団のメンバーたちとしては、これまでもオルガの決断に従っていれば戦いを切り抜けて鉄華団はより大きくなってきた、だから今度もオルガに従っていれば大丈夫と思う気持ちがあるのではないか。

だがユージンは、自分たちはオルガ一人に考えることを押し付けてしまっていた、自分たちが危険な戦いをオルガに選ばせてしまったのだという。
するとシノは、悩むのはオルガの仕事であり、自分たちの仕事は一つだと言い、作戦の危険さを認識しながらも、オルガの決定に従って戦うまでという姿勢である。

そして新兵ザックだけは、勝ち目の薄い、犠牲者が大勢出ることが予測される無謀な戦いに突き進もうとすることに強く疑問を抱き、そのことを新兵仲間のデインに主張するが、雪之丞にも聞かれてしまう。
ザックは作戦に反対していることを雪之丞に咎められるかと、愛想笑いを浮かべて団長には内緒にと頼み込む。
が、雪之丞は笑ってザックに言うのである。
「お前みてぇなのが鉄華団にもっといたら、きっとオルガも楽だったろうな。考えることをやめんじゃねえぞ」

一方アトラは三日月に、戦っている方が余計なことを考えなくて済んで楽と言われ、ついに感情を爆発させて涙を流す。
アトラとしては、いつも三日月の安否を不安に思い、無事を祈ることしか出来ないのに、三日月はアトラの気持ちなど全く気にしていないと言ったに等しいと思ったのだろうか。
すると三日月はアトラを後ろから抱きしめるが、彼がアトラを大事に思う気持ちは本当なのだろう。

そして火星のクーデリアは、鉄華団がかつてない強敵との戦いに挑むことに心を痛め、せめてこれが彼らの未来につながる始まりであることを祈るのである。

【予告】
次回「これが最後なら」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第43話「たどりついた真意」

  • 2017/02/12(日) 22:48:47

【感想概略】
今回は、マクギリスと仮面の男ヴィダールが中心のお話である。
マクギリスの壮絶な過去、そして彼がクーデターを起こした真意が明かされ、仮面の男ヴィダールの正体と彼のマクギリスへの想い、そしてガンダム・ヴィダールの秘密が明かされ、というこれまでの多くの謎がついに明かされたお話であり、戦闘描写は迫力があり、見応えがあって面白かった。

またヤマジン・トーカの口から、ガンダム・ヴィダールにはアインの脳と彼の阿頼耶識がシステムとして組み込まれており、機体からのフィードバックをアインの脳が処理することで、リミッターを解除した阿頼耶識と同等の力を、パイロットは負荷を受けずに発揮出来ることが明らかにされた。
だがそのことをジュリエッタに話すヤマジンは明らかに興奮気味であり、狂気の笑みを浮かべていたのであるが、ヤマジンが今後どのような動きを見せるのかにも注目したい。

【マクギリス一派、ギャラルホルン地球本部を制圧】
前回、地球のギャラルホルン本部ではマクギリス派の将校たちがクーデターを敢行、クーデター派将校のリーダー、ライザ・エンザは全世界に向けて放送で演説し、これまでのギャラルホルンの腐敗と非道、虐殺を批判し、革命の正当性を訴えた。

そして今回、クーデター派の地上部隊はギャラルホルン本部施設の7割を占拠し、セブンスターズのメンバーたちを拘束、通信施設の制圧も完了、そして本部施設のモビルスーツ隊はバルバトスがことごとく撃破して無力化していた。
各地のギャラルホルン支部は、このクーデターを様子見しているが、これはマクギリスとラスタル、どちらに味方するのが得になるかを計算しているというよりは、元々ギャラルホルンは予想外の事態への対応が苦手であり、どうして良いのか本当に分からないというところもあるのだろう。

だが現状では、マクギリスはあくまで非合法な暴力でギャラルホルン地球本部を制圧した、単なる簒奪者であり、そのことはマクギリスも自覚している。
マクギリスがギャラルホルンの実権を握るには、正統な指導者と認められるような権威が必要だが、マクギリスには何か秘策があるようで、掴みかかる義父ガルス・ボードウィンに「あれを手に入れれば立場は一転するでしょう」と不敵に笑うのである。

【マクギリスの過去】
マクギリスはギャラルホルン本部の地下に向かいながら、ついにこの日が来たと心中でつぶやき、自身の過去を思い出す。
それは、あまりに過酷なものだった。

少年の頃、マクギリスは親も無く、頼れる者は誰もいなかった。
僅かな食料を奪うために人を殺し、その日暮らしをしていたが、その美貌に目をつけられ、娼館に引き取られ、男娼として客を取らされていた。
可愛い美少年ということで人気があったようだが、同僚たちには妬まれ憎まれ、陰でリンチを受けていた。

やがて客として現れたイズナリオ・ファリドに気に入られ、彼に引き取られるが、虐待を受け、夜の相手をさせられることに変わりはなかった。
絶望の日々でマクギリス少年の目に映る世界の真理、それは力が無いものは虐げられ、力のある者が全てを手に入れる、というものである。
彼の心には、他者への信頼は無く、他者への愛情も無く、信じるものは力のみである。
マクギリスがイズナリオの元で認識したことは、力にはむき出しの暴力だけでなく、権力など様々な力があることであった。

やがてマクギリス少年は、ギャラルホルンの創始者アグニカ・カイエルの人物評伝に出会う。そして世界最高の権力、威力、暴力を手中にする方法に思い至った。
以後、マクギリスはその力を手にすることに人生の全てを捧げ、そしてついに今日の日を迎えたのである。

【マクギリス、ガエリオと再会】
マクギリスはギャラルホルン本部の広大な地下施設に到着した。
その中央にそびえ立つモビルスーツに、マクギリスは語りかける。
「新しい時代の幕開けだ。目を覚ませ、アグニカ・カイエル」

その時、天井を破壊して一機のモビルスーツが乱入してきた。
ガンダム・ヴィダールであり、コックピットのハッチが開き、仮面の男ヴィダールが姿を見せる。そして仮面を外し、素顔をマクギリスに晒した。
ヴィダールの正体は、かつてマクギリスの謀略の前に倒れたガエリオであり、顔には大きな傷痕があった。

ガエリオは、誰にも話したことが無かったであろうマクギリスへの想いを明かす。
子供の頃、ガエリオにとって、誰に対しても心を閉ざすマクギリスは遠い存在だったが、憧れであり、認められ、隣に立ちたいと願った。
やがてマクギリスは、表面的には社交的に振る舞うようになり、仮面をつけたように本来の自分を隠すようになった。
それでもマクギリスは、誰にも言えないようなギャラルホルンへの批判をガエリオにだけは語ってくれた。ガエリオは、マクギリスの隣に立つことが叶った、自分の前でだけはマクギリスは仮面を外してくれていると、そう感じた。あの時までは。

ガエリオはマクギリスに言う。
自分やカルタ・イシューや、寄り添おうとしている人間を裏切ってまで、マクギリスが手に入れようとしているものの正体を確かめたかったと。

そしてガエリオは、マクギリスに言うのである。
「愛情や信頼、この世の全ての尊い感情は、お前の瞳には何一つ映らない。お前が理解できるのは、権力、威力、暴力。」
マクギリスは無言だが、ガエリオの分析については異論は無いというところだろうか。

ガエリオはマクギリスに「バエルに乗れ。仮面を外したお前を全否定してみせる」と言い、決着をつけることを申し込む。

その時、天井の穴から三日月の駆るバルバトスが出現した。

【バルバトスVSヴィダール】
三日月はバルバトスでメイスを構え、「やってもいいの?」と聞くと、マクギリスは凶悪な笑みを浮かべて「頼む」と依頼した。
マクギリスとしてはガエリオとの決着になど興味は無いというつもりなのだろうが、ガエリオをもう一度手にかけたくない気持ちもどこかにあるのではないか。

三日月はバルバトスでガンダム・ヴィダールに襲いかかり、メイスに加えて尻尾のような有線テイルブレードで攻撃を繰り出し、ヴィダールを圧倒する。
するとガエリオは謎のシステムを作動、「俺の身体をお前に明け渡す!」と何者かに告げ、ヴィダールの目が紫色に光った。

そしてヴィダールは猛然と反撃を開始。
瞬時にバルバトスの間合いに踏み込むと猛攻を繰り出す。
三日月はバルバトスでヴィダールの攻撃をしのいで間合いをとり、その戦い方はかつてエドモントンで戦ったアインのものであることに気付くのである。

ヤマジン・トーカによると、ガンダム・ヴィダールにはアインの脳と彼の阿頼耶識を補助システムとして搭載している。
そしてパイロットがフレーミングした敵対者に対し、そのシステムがモビルスーツをコントロールする。アインの脳を介することで、パイロットの脳に負荷をかけずに、リミッターを解除した阿頼耶識と同等の力を得るのだという。

ヴィダールはバルバトスを圧倒、三日月は敵の規格外の強さに「こいつ、やばいな」とつぶやく。
その時、マクギリスがガンダム・バエルに搭乗し、自らの背中に埋め込んだ阿頼耶識をモビルスーツと接続した。何とマクギリスも、阿頼耶識の手術を受けていたのである。

ガエリオは、敵ガンダムが二機になると形勢不利を認めて間合いを取る。
そして三日月に「いつかのことを謝罪しよう。阿頼耶識の手術を受けた君たちを、唾棄すべき存在としたことを」と言い残すと撤退した。

【マクギリス、全世界に宣言】
マクギリスはガンダム・バエルを駆って地上に姿を見せた。
そして全ギャラルホルンに向かって放送で宣言するのである。
「300年の眠りからマクギリス・ファリドのもとに、バエルは甦った!ギャラルホルンにおいてバエルを操る者こそが、唯一絶対の力を持ち、その頂点に立つ。」

これを見たクーデター派のリーダー、ライザは「我々の勝利だ!」とガッツポーズで喜ぶ。ライザの認識は、マクギリスは力のみで実権を奪った簒奪者ではないのだ、バエルの主であるギャラルホルンの正統なる指導者なのだ、ギャラルホルンは皆これを受け入れるのが当然なのだ、というもののようである。

どうやらガンダム・バエルは、ギャラルホルン最強の機体であるばかりでなく権威の象徴であり、バエルを駆ることの出来る者がギャラルホルンの正統な指導者である、というのが本来のルールのようである。例えるなら、アーサー王伝説において聖剣エクスカリバーを抜いたものがブリテン島の正統な統治者とされるようなものだろうか。
(だが阿頼耶識を搭載したガンダムフレームの機体は数多いのに、なぜバエルの主がギャラルホルンの指導者なのか。バエルには、例えばアグニカ・カイエルの脳が組み込まれており、アグニカが認めた者しか操縦できないなど、他の機体とは異なる秘密があるのだろうか。)

だがラスタルの認識はライザとは異なるようで、バエルの主こそギャラルホルンの正統な指導者とは考えていないようだ。
そしてラスタルは、かつてマクギリス少年がバエルが欲しいと言っていたのは冗談ではなく本気だったのだと理解し、「どこまでも愚かな…お前は大人になれぬ子供だよ、マクギリス・ファリド」とつぶやくのである。

これに対し、ガエリオは放送に割り込み、素顔をさらして名の名乗り、マクギリスを討つと宣言するのである。

【予告】
次回「魂を手にした男」
今回は予告ナレーションは無かったのであるが、予告ナレーションは担当声優による役の立場でのアドリブとのことで毎回楽しみにしているので、次回は復活してほしい。
そして、次回も鉄華団の戦いに引き続き注目したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第42話「落とし前」

  • 2017/02/05(日) 21:31:02

【感想概略】
今回は、鉄華団はジャスレイの艦隊と全面抗争に突入、ジャスレイはテイワズの実権を握る謀略の手はずを整え、手ぐすね引いて鉄華団を迎え撃つ、一方地球のギャラルホルンではマクギリスの同志たちがクーデターを敢行、鉄華団はテイワズのマクマードに盃を返し、クーデリアのアドモス商会と提携を打ち切り、マクギリスの革命に加わる道を選び…、というお話であり、メカ戦は迫力があり、見応えがあり、面白かった。

またアリアンロッド艦隊の整備主任ヤマジン・トーカも気になる。
ヤマジンは、ジュリエッタが三倍の訓練を積み、新鋭機レギンレイズ・ジュリアで戦ったにもかかわらず、百錬を駆るアミダに及ばなかったことに苦悩していると、人間をやめることも選択肢の一つと提案し、その考え方はギャラルホルンとして認められないとジュリエッタに一蹴されていた。
だが人間をやめることの利点を説くヤマジンの目には狂気が感じられたのだが、ヤマジンの最大の関心事はモビルスーツの性能を最大限に引き出すことであり、そのためには犠牲もやむを得ないと思っているのだろうか。
ラスタルの役に立ちたい一心で強さを求めるジュリエッタの心境がどうなるかも気になるところであり、今後も注目したい。

【鉄華団、ジャスレイ艦隊に殴り込み】
ジャスレイは鉄華団に挑発を繰り返し、遂にラフタを暗殺した。
全ては自分の謀略のため、鉄華団を暴発させるためである。
ジャスレイの思惑通り、ラフタまでも殺されたことに鉄華団のメンバーたちは激怒、オルガは罠と知りながらもジャスレイ打倒を決意した。

そして今回、オルガは装甲強襲艦イサリビと輸送艦ホタルビ、及びモビルスーツ隊でジャスレイ艦隊への攻撃を開始した。

ジャスレイ艦隊のモビルスーツ傭兵部隊は、数では鉄華団を上回っている。
が、数々の修羅場を踏んできた鉄華団のバルバトス、グシオンリベイク、フラウロスを中心とするモビルスーツ隊は、練度及び個々の戦闘力、そして士気でジャスレイ側を圧倒。
次々と敵モビルスーツを撃破していく。

旗艦「黄金のジャスレイ号」で指揮を執るジャスレイは、モビルスーツ隊の損耗率の高さに、傭兵たちの不甲斐なさを罵倒し、予定時間に現れないイオク・クジャンを罵る。
だがジャスレイは、イオク・クジャンの軍勢が駆けつければ形勢逆転だと悪そうに笑う。

ジャスレイの計画、それはイオクの部隊が鉄華団を背後から襲って殲滅、さらに歳星に突入してマクマードを逮捕、そしてジャスレイが新たなテイワズのボスになるというものである。
イオクは鉄華団を部下の仇と思っており、だからこそ怨敵である鉄華団打倒のためイオクは必ず現れるというのがジャスレイの読みである。

だがいつまで経ってもイオクは姿を見せず、ジャスレイ側のモビルスーツの損耗はますます増えるばかりである。
ついにジャスレイは、ヒューマンデブリ全員を出撃させた。

阿頼耶識によりモビルスーツを駆るジャスレイ側のヒューマンデブリは、傭兵より遥かに戦闘力が高い。
鉄華団のモビルスーツ隊も、これまでのように敵モビルスーツを排除できないのだが、腰を据えて打撃を与え、確実に敵機を撃破していく。

【ザック、敵ヒューマンデブリも討つことに納得できず】
鉄華団のモビルスーツ隊の心には、名瀬の、アミダの、ラフタの仇を討つという復讐心があるが、戦い方は冷静であり、各機は適宜に母艦に戻り、補給とメンテナンス、パイロットの短い休憩を取る。
アトラとザックは、ハッシュたちパイロットたちに食事と飲み物を配り、パイロットたちは手早く食事を済ませる。

ここでザックは、言いづらそうにダンテとチャドに尋ねる。
敵はヒューマンデブリを繰り出してきたが、かつてヒューマンデブリだったダンテとチャドは、やりづらくないのかと。

だがダンテもチャドも、そんなものはどうだっていい、立場も背景も関係ない、武器を持てば誰しも対等であり、ただ潰すだけ、躊躇していたら死ぬぞという。
これにザックは、どうしてあんな風に割り切れるのかと納得がいかないのだが、ザックの敵ヒューマンデブリを思いやる姿は、今回のせめてもの救いになっていると思う。

【ジャスレイとマクマード】
鉄華団モビルスーツ隊の猛攻の前に、ジャスレイのモビルスーツ隊の損耗は、遂に五割を超えた。
ジャスレイの舎弟たちは、鉄華団に詫びを入れることをジャスレイに勧め、拒まれるとマクマードと話をつけることを求めた。

ジャスレイはマクマードに通信を入れ、鉄華団を撤退させてほしいと頼む。
だがマクマードは、ジャスレイの謀略を全て知っていることを明かす。
さらにイオク・クジャンの後見人ラスタル・エリオンと話しをつけたので、イオクは来ないと伝え、自分で後始末するよう告げると通信を切った。

マクマードは鉄華団を、組織としては使えないガキと評しながらも、「兄貴の仇討ちとは、いい兄弟じゃねえか」と笑うのである。

【ジャスレイの最期】
追い詰められたジャスレイは、通信でオルガに手打ちを申し入れる。
だがオルガはこれを拒否、「お前が無様に命乞いをする姿を見たかっただけだ。これっぽっちも面白くなかったがな」と虚しそうな無表情でいう。

その時、三日月の駆るバルバトスがジャスレイ艦のブリッジの前に着地した。
そして三日月が「どうすればいい?」と指示を求めると、オルガは「潰せ」と短くこたえる。
ジャスレイは必死で命乞いするが、三日月はバルバトスでメイスを躊躇なく振り下ろし、艦橋もろともジャスレイを潰した。

【マクギリス一派、クーデターをおこす】
そのころ地球では、マクギリスの同志たちがギャラルホルンでクーデターを起こしていた。

クーデター派の将校は地球圏、圏外圏に放送で説く。
まずギャラルホルンはセブンスターズが自分たちの特権を維持するための組織になりさがっていると現状を批判、そしてイオク・クジャンが民間組織タービンズの罪を捏造して多数の非戦闘員を虐殺したこと、地球のアーブラウとAEUの紛争の背後でラスタル・エリオンが暗躍していたことを暴露してその非法非道を糾弾し、革命の正当性を訴えた。

装甲強襲艦イサリビで、鉄華団年長組はこの放送を眺めていた。
名瀬の仇とはいえテイワズの幹部であるジャスレイを討ち、鉄華団はテイワズの庇護を失った。こうなったら、新たな後ろ盾としてマクギリス一派と組み、マクギリスの革命に参加するしかない。

シノは放送を眺めながらオルガに問う。
ギャラルホルン革命派の考えは、お前の考えと同じなんだなと。
これをオルガは肯定するのだが、必ずしも本心ではなさそうである。
オルガとしては、マクギリスの政治理念が何であれクーデターに協力し、マクギリスにギャラルホルンの実権を握ってもらい、彼を後ろ盾にすることしか、鉄華団の仲間たちが安心して暮らせるようにする方法はないというところだろうか。

【オルガと三日月】
オルガはモビルスーツデッキの三日月を尋ねた。
もはや三日月と会うことが、オルガが唯一リラックスできる時間である。
オルガは三日月に新規改修されたバルバトスの調子を聞き、そして言う。

火星の王とか名前はどうだっていい。
俺はたどり着いた場所でバカ笑いしたい、みんなで一緒に。

オルガの言葉に三日月は「いいね、それ」と穏やかな笑みを浮かべた。

【予告】
次回「たどりついた真意」

次回はマクギリスの真意が描かれるのであろうか。マクギリスがどのような世直しを目指しているのか、ラスタル・エリオンは、ヴィダールはどのように動くのか、そして鉄華団はどうなるのか、引き続き注目したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第41話「人として当たり前の」

  • 2017/01/29(日) 22:56:46

【感想概略】
今回は、名瀬の死を悲しむ鉄華団を暴発させようとジャスレイが暗躍、オルガは仇討ちを主張するシノたちを抑えるが、ジャスレイ一派のあまりの外道さに自重を説いていた昭弘も激怒、ついにオルガは決断を下す、というお話であり、見応えがあり、面白かった。

それにしてもジャスレイは地獄すら生ぬるい非道ぶりであり、その謀略で散っていった人々の無念を命で償うことに注目したい。

また三日月は、名瀬の遺児を見て赤ん坊に興味を抱き、アトラが三日月以外の人との子供など考えられないというと、「じゃあ俺と作る?」と平然と発言し、アトラに保留を求められていたが、三日月はこれを大したことだと思っていないように、例えば缶詰のフタを開けてやるとかと同列のことに思っているようと見える。三日月の認識が今後どのようになるのかにも注目したい。

【名瀬の葬儀】
テイワズのボス、マクマード・バリストンが名瀬の葬儀を行なって弔おうとしていた。
これにジャスレイは、名瀬はマクマードに盃を返したのだ、そして名瀬はギャラルホルンに指名手配された犯罪者だと言い、葬儀に強く反対する。

だがマクマードは、葬儀はテイワズとしてではなくマクマード個人として行なうのであり問題はない、名瀬を犯罪者というが死ねばみな仏様だ、それに今回の件は納得のいかないことが色々とあるとジャスレイを一睨みした。
これにジャスレイは引き下がるが、ますますマクマードへの不満を募らせ、密かにイオク・クジャンと手を組んで何やら企んでいる様子である。

そして葬儀当日、タービンズと鉄華団のメンバーたちが名瀬とアミダを弔っているところにジャスレイが舎弟たちを連れて乗り込み、名瀬と参列者たちを嘲笑し、憎まれ口を叩きまくって立ち去った。

これに参列者はみな激怒。
飛びかからんばかりのシノとユージンをオルガは止めるが、実はオルガも怒り心頭である。

【マクマードとラフタ、アジー、エーコ】
マクマードは、現在のタービンズのリーダー格であるラフタ、アジー、エーコと会い、今後は自分の下で、引き続き輸送業務に従事してほしいと言う。
これにラフタたちは恐縮するが、マクマードはタービンズがいなければテイワズの物流は回らないのだと言う。
マクマードとしては、これはタービンズの実力とこれまでの実績への相応の扱いなのであり、何も引け目を感じることはないのだと言外にいっているのだろう。

マクマードと会った後、アジーはラフタに鉄華団に行くことを勧める。
アジーは、ラフタが昭弘に想いを寄せていること、そのことを亡きアミダも気付いていて、ラフタの想いを応援していたことを知っていた。
「自分の気持ちに素直になっていいんだ」とラフタの背中を押すアジーである。

【鉄華団年長組の会合】
装甲強襲艦イサリビのブリッジでは、シノとユージンは名瀬の仇ジャスレイを討つことをオルガに訴える。
だがオルガは、それは名瀬の望むことではないと言い、あくまで自重を説く。
これをシノたちは渋々受け入れるのであるが、それはオルガが名瀬を敬愛し、その死を深く悲しんでいることをよく理解しているからだろう。
そして昭弘もまた、オルガの意見に賛成である。

そこにライドが現れ、ラフタが昭弘を呼んでいるという。
昭弘はラフタが何の用か見当すらつかないが特に疑問は抱かない。
一方シノとユージンは面白そうな様子である。

昭弘は艦内の廊下で待っていたラフタに会った。
するとラフタは、少しだけ飲みに行かないかという。
これを昭弘は了承、そしてみんなを呼んでくると席を外した。
一方聞き耳を立てていたシノとユージンは昭弘の鈍感さに頭を抱え、「女心が分かっていねえな!」「金で買えない愛があるかもしれねえだろうが?」と言い、昭弘を一人で送り出すのであった。

【ラフタと昭弘】
昭弘はラフタと、以前鉄華団の仲間たちと来たことのあるパブで会っていた。
そこでラフタは、ぽつりぽつりと自分の過去を話す。

ラフタは子供の頃から違法船で働いていたが、雇い主が酷い男で、みないつも暗い表情で会話も無く、それが当たり前と思い、人間らしい感情を知らなかった。
だが名瀬とアミダに引き取られ、タービンズに入ってから、嬉しいとか、楽しいとか、誰かを好きという気持ちとか、何かを守りたいという願いとか、人として当たり前のことを教えてもらったのだと。

すると昭弘は、自分もラフタと同じだと言い、ラフタに理解を示す。

これにラフタは、昭弘は誰よりも回りを見ている、不器用だが、言葉など無くても、気持ちで隣に寄り添うことの出来る、そんなヤツだと言うが、でも隣にいられると暑苦しいから無理やり元気だして立ち上がるしかなくなるのと冗談めかして笑う。

昭弘は、馬鹿にしているだろうと言いながらも、ラフタにいう。
「俺はお前を尊敬する。筋を通さねばならないこと、大事にせねばならないものを、きちんと見つめ、真っ直ぐ生きる…。俺も、お前のようにありたいと思う」

ラフタは、昭弘が自分に最大限の敬意を抱いてくれていること、それを明かしてくれたのは自分に心を許しているからこそであり、それで今は良しとしたというところだろうか。
昭弘は恋愛に疎く、ラフタもまた一般的な恋愛はしたことがなく、どうしていいか分からないところもあるだろう。

そして別れ際、ラフタは昭弘の首に「ギュ~!」と言いながら抱きつき、昭弘を赤面させ、笑って分かれるのであった。

【ラフタ暗殺】
ラフタとアジーは歳星のショッピングモールで、衣類の買い出しを行なうが、アジーは買い忘れに気付き、ラフタに少し待っててくれるように頼むと店に引き返した。

ラフタは近くにあったヌイグルミの店舗に入り、眉の太いくまのヌイグルミに昭弘を思い出して笑う。
その時、店舗の外から黒服の男がラフタに発砲した。
そして駆けつけたアジーが見たのは、血溜まりに倒れて息絶えたラフタだった。

全ては、鉄華団を暴発させるためのジャスレイの差し金である。
ジャスレイとしては、鉄華団に戦いを仕掛けさせ、その混乱に乗じてマクマードも亡き者とするつもりのようである。

【オルガ、打倒ジャスレイを決意】
ラフタ暗殺に、装甲強襲艦イサリビのシノとユージンはジャスレイを討っておけばよかったと怒り、昭弘も今度ばかりは激怒し、オルガに命令を求める。
オルガはついに決断し、ジャスレイ討伐作戦を発動した。

そしてオルガはマクギリスに通信してこのことを伝え、ジャスレイ討伐が成功しても失敗しても自分たちはテイワズには戻れない、それでも自分たちに利用価値はあるかと尋ねる。
するとマクギリスは、自分たちは運命共同体であり、決して裏切ることはないとこたえた。オルガはマクギリスに「この恩は忘れねえ」と深く感謝するのである。

だがマクギリスにとっては、鉄華団がテイワズの直参組織でなくなることなど大した問題ではなく、関心事は他にあるようだ。
ただマクギリスは敬愛するアグニカ・カイエルの姿を鉄華団と三日月に重ねていることに嘘はなく、鉄華団を応援する気持ちはあるとは思う。

そしてマクギリスと石動は、ギャラルホルン本部の別室を訪れ、待っていたギャラルホルンの将校たちの敬礼をうける。
この将校たちがマクギリスの言う「同志」たちのようだが、マクギリスは彼らと何をしようというのだろうか。

一方、イサリビのオルガはモビルスーツデッキに顔を出し、バルバトスを調整中の三日月に声をかけた。オルガは意識していないだろうが、三日月の顔を見て話をすることが、彼にとって最大の癒やしなのだろうと思う。
すると三日月はオルガに、今度の相手はテイワズの人間であり、やるといってもどこまでやるのかと尋ねる。
これにオルガはこたえて言うのである。
「徹底的にだ。しながらみなんざ一切どうだっていい。全て根こそぎ叩き潰せ」

【次回】
予告「落とし前」

次回、まずはジャスレイとイオクが、名瀬を死に追いやった落とし前をつけることを期待したい。


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