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機動戦士ガンダムOO 17話「スローネ強襲」

  • 2008/02/02(土) 23:57:58

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【あらすじ】
トリニティ三兄妹、プトレマイオスを来訪!
チームトリニティ、米軍基地を襲撃しエイフマン教授を暗殺!

【感想概略】
今回は、チームトリニティとプトレマイオス側メンバーとの初対面が描かれ、スメラギたちプトレマイオス側のトリニティ三兄妹への困惑が描かれ、120年前の木星探査とガンダム開発の関係というソレスタルビーイングの謎の一端が描かれ、そしてチームトリニティとオーバーフラッグスとの戦闘が楽しめた。

今回のトリニティ三兄妹の態度を見ていると、プトレマイオス側と上手くやっていこうという姿勢は全く感じられない。
前回、三大勢力合同軍からガンダム4機を助けたのは、他勢力にガンダムが鹵獲されるのを防ぎたかったからだろうか。
では、戦場を離脱後、弱っているガンダム4機を撃破しなかったのは、無傷でガンダムを手に入れたいからだろうか。
チームトリニティの真の目的、そして正体についても、謎は深まるばかりである。

また今回、エイフマン教授は、ガンダムの謎に迫ったという理由で暗殺されてしまったが、沙慈の姉であるジャーナリスト・絹江も、謎の核心に近づいたら命を狙われるのではないか。

【80年前、木星軌道上の施設】
今回は、80年前、木星軌道上の宇宙施設からお話が始まる。
この施設、何らかの理由があって放棄されたようである。
そして、宇宙服を着た二人の男が、この施設内を捜索。
やがて情報端末(紫のハロ)を発見する。
この情報端末は、後にネーナ・トリニティがお供にする紫のハロと同じ形に見える。

チームトリニティの源流は、この80年前の謎の二人による情報端末の回収であろうか。
謎が明かされるのが楽しみである。

そして、物語の舞台は再び、2307年にもどる。

【チームトリニティ、プトレマイオスを来訪】
前回、三大勢力合同による約1000機のMS大軍団の猛攻により危機に陥ったガンダム4機は、チームトリニティの新ガンダム3機に助けられ、戦場から逃れた。
この時、チームトリニティ側は、ガンダムマイスター側に接触の意向と接触場所を伝えた。

そして今回、プトレマイオスは指定された座標で待ち構える。
プトレマイオス側にとって、新ガンダム3機の存在は全く知らなかったものであり、皆困惑を隠せない。

やがて、チームトリニティ側の宇宙船が出現。
ヨハンの駆るガンダムスローネアインは、掌にミハエルとネーナを乗せて発艦、プトレマイオスへ着艦する。

【会見開始】
チームトリニティと会見するのは、戦術予報士のスメラギ、そしてロックオン、アレルヤ、ティエリア、刹那である。
会見では、ヨハンとスメラギがそれぞれの代表として対話を進める。
スメラギは、チームトリニティのメンバーの若さ、そして兄妹を名乗ることに驚きを隠せないが、ここまでは、まともな会見である。

【ネーナ、刹那を奇襲】
ここでトリニティ三兄妹の妹ネーナが、奔放な行動を開始する。

まず、エクシアのパイロットが誰かを訪ねる。
刹那が「俺だ」と名乗ると、無茶ばかりするところが好みと言い、目を輝かせる。
ネーナはするすると刹那に近づく。
そして、そのまま唇を重ねた。

これには、いつも無表情な刹那も驚いたようで、珍しく目を白黒させる。
が、ネーナを突き飛ばし、「俺に触れるな」と怒りの色を見せる。
相手が可愛い女の子だろうが、触られるのが嫌いな刹那である。

【ミハエル激怒】
するとこれにミハエルが激怒。
妹に何をするのかとブチ切れ、怒りの視線を刹那に向ける。
妹さんのせいだろう、と冷静な突っ込みを入れるロックオン。
するとミハエルは「ニヒル野郎」とロックオンを罵り、ナイフを取り出し、殺気のこもった眼光で威嚇する。
もはや何をしに来たのかよく分からないミハエルだが、ヨハンに制止されると渋々従い、ナイフを引っ込めた。

刹那はトリニティ三兄妹によい感情を抱けないようだが、ティエリアも同様であった。
皮肉なことに、これまで刹那をガンダムマイスター不適格者として目の敵にしてきたティエリアは、トリニティ三兄妹に対し、刹那と共感するものを抱いたようである。

【ヨハン、核心には答えず】
スメラギたちは、ヨハンに尋ねる。
何故ガンダムを保有しているのか。
ヴェーダのデータバンクに、新ガンダムの情報がないのは何故か。
GNドライブをどこで入手したのか。

ヨハンは、チームトリニティの核心に触れることには一切答えない。
ただ、自分たちの目的は戦争根絶であること、プトレマイオス側とは組まず独自に行動すること、プトレマイオス側はこれまで通りに作戦を行なってほしいと述べる。

ヨハンは言う。
自分たちに命令を下した存在は、プトレマイオス及びガンダム4機のやり方に疑問を抱いているのでは、と。

【ネーナ、船内を探検】
この会見中、ミハエルは憎まれ口を叩きまくり、アレルヤを「不完全な改造人間くん」と呼んで馬鹿にする。
さらに、怒って途中で退席するティエリアの美貌に注目、「女だったら放っとかねえのによ」と発言、何やら好色な目を向ける。

そしてネーナは、政略には興味があまりないようで、「つまんない。船の中、探検するね」と言い出し、明るい声で刹那に案内を求める。
だが刹那は、そっぽを向いたまま、むっつり黙り込んでいる。
これが刹那の拒絶の意志の表し方のようである。
今までは、刹那が黙り込んでしまうと、これ以上に関わろうとする者はあまりいなかったのだろう。

だが、ネーナは刹那に近づくと睨みつけ、ぼそりと言う。
「わたしを怒らせたら、ダメよ?」
その眼光に、少し驚いた様子の刹那。
ネーナは一人で探検に出かけた。

そしてネーナは、ヴェーダのターミナルユニットに入り込み、ティエリアを驚かせる。
ティエリアは普通の人間ではないようだが、ネーナも同様なのだろうか。

【スメラギ、ヴェーダに疑問を抱く】
チームトリニティと直接会っても多くの謎は明かされなかった。
が会見の間、技師イアン・ヴァスティはガンダムスローネアインを調査していた。
スメラギは、ヴェーダに入力せず独立端末での報告をイアンに指示する。
ヴェーダは全面的に信用できないと思っている様子のスメラギである。

【エイフマン教授、ガンダムの謎に迫る】
その頃、ユニオンのエイフマン教授は、ガンダムの謎の核心に迫っていた。
エイフマン教授は、120年前の木星探査がガンダム開発と関係があると確信、イオリア・シュヘンベルグの真の目的は戦争根絶ではないとの考えに辿り着く。
だが、エイフマン教授の動きは、チームトリニティの背後にいる者の知るところとなっていた。

【エイフマン教授暗殺】
間もなくチームトリニティは、米軍基地に対し、大気圏に突入しての奇襲を敢行した。
そのあまりの進撃速度に、基地側の防衛準備は全く間に合わない。
スローネ3機は易々と基地上空に到着。
そしてスローネアインはスローネドライからエネルギー供給を受けつつGNメガランチャーでエイフマン教授を狙撃。
ビルもろとも抹殺した。

この直後、グラハム大尉の率いるオーバーフラッグスが到着。
エイフマン教授の死を知るとグラハムは激怒。
自ら先陣を切って突撃する。

ヨハンは弟妹に撤収を命じる。
ところがミハエルは、戦闘を楽しみたいという理由でヨハンの指示を聞かない。
ミハエルの駆るスローネツヴァイは、オーバーフラッグスへ向けて突撃。
グラハム機へ向けてGNファングを飛ばす。

が、グラハム機はGNファングのビーム攻撃をことごとくかわす。
そしてカスタムフラッグの高機動性を生かした一撃離脱戦法により、スローネツヴァイを翻弄する。
さらにハワード機はプラズマソードを抜き、スローネツヴァイに斬撃を叩き込む。
スローネツヴァイは刀剣を抜いてハワード機の刃を受け止めた。
押され気味と見えたスローネツヴァイ。
が、ミハエルはGNファングを呼び戻し、ハワード機の全身に突き刺した。
ハワード機は爆発四散した。

一機撃破を喜ぶミハエルだが、ヨハンに強く言われ、渋々戦場から離脱した。
ここら辺、トリニティ三兄妹の特にミハエルは、無用の戦闘や無益な殺生を極力避けるプトレマイオス側とは対照的である。

プトレマイオス側は、トリニティ三兄妹の行動に疑問を抱く。
ティエリアは、トリニティ三兄妹がヴェーダの計画に無い作戦を行なったことを憤る。
ロックオンは、無益な殺生に憤りを抱いている様子である。
そして刹那は、つぶやく。
「奴らは本当にマイスターなのか?」


【予告】
次回「悪意の矛先」
今回、スペインへ帰郷したルイスだが、ただの帰省では済まない様子である。
トリニティ三兄妹はどう動くのか、プトレマイオス側はどう動くのか。
楽しみである。

機動戦士ガンダムOO 16話「トリニティ」

  • 2008/01/26(土) 23:58:11

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【あらすじ】
トリニティ三兄妹の駆る新ガンダム3機、三大勢力合同軍を奇襲!
ガンダム4機、危地を脱する!
監視者アレハンドロ・コーナー、監視者の会合で新ガンダムについて提議!

【感想概略】
今回は、前半と後半が事実上別のエピソードであった。

前半は、ガンダム4機を消耗戦で追い詰める三大勢力合同のMS大軍団を、トリニティ三兄妹の駆る新ガンダム三機が奇襲、ガンダム4機を救出するお話であり、新ガンダムの三大勢力合同軍への大反撃が楽しめた。

後半は、総集編的なお話であり、監視者アレハンドロ・コーナーが他の監視者たちとの会合に出席、コーナーがこれまでのソレスタルビーイングの数々の介入活動を報告、新ガンダム3機について提議する。
別の場所では、トリニティ三兄妹が、ガンダム4機のこれまで活動を取り上げて批判していた。

この後半は、これまでの戦闘場面中心に編集されており、まずMS戦闘名場面の数々が楽しめた。
そして単なる総集編になっておらず、監視者及びソレスタルビーイングの実態の一端が描かれ、トリニティ三兄妹のガンダム4機に対する気持ちの一端が描写され、おもしろかった。

【チームトリニティ、三大勢力合同軍を奇襲】
前回、ユニオン、AEU、人革連の三大勢力は、合同でガンダム鹵獲の大規模作戦を決行。
ガンダム4機を砂漠地帯へおびき寄せ、約1000機のMSで取り囲み、猛攻を加え続けた。
さしものガンダムマイスターたちも、10数時間にわたる不眠不休の戦闘状態によって肉体的限界に達してしまい、次々と鹵獲されてしまう。

刹那の搭乗するエクシアは、戦争屋サーシェスの駆るMAアグリッサの放つ強力な電撃に追い詰められ、手も足も出ない。

すると上空から何者かがアグリッサを狙撃。
アグリッサの甲殻類のような下半身はたちまち爆発。
サーシェスは瞬時に下半身を切り離して離脱した。

刹那とサーシェスは、上空に赤い翼のガンダムを見た。
形勢不利と見たサーシェスは即座に離脱。
一瞬の判断力と決断力、一度逃げると決めたら徹底したその逃げっぷりは見事である。

上空のガンダムのパイロットが、刹那に通信で無事か尋ねてきた。
何と操縦者は、見た目はそばかすの可愛らしい少女、ネーナ・トリニティであった。

【長男ヨハン、ヴァーチェを救出】
ヴァーチェは、AEUのMS部隊に鹵獲されていた。
指揮をとるコーラサワー少尉は「指揮をとったのは俺だ!」とおおはしゃぎである。
すると突然、コーラサワー配下のMSたちが次々と狙撃され、墜落。
たちまち部隊は壊滅し、ヴァーチェを取り逃がしてしまう。

コーラサワーも狙撃を受け、撃墜されてしまった。
もっとも、コクピットへの直撃だけはかわし、命は助かったところを見ると、コーラサワーの技量はそれなりに高いのだろう。

コーラサワー機たちを狙撃したのはガンダムスローネアイン。
搭乗者はトリニティ三兄妹の長男、ヨハン・トリニティである。

【長男ヨハン、デュナメスを救出】
デュナメスは、ユニオン軍の精鋭部隊オーバー・フラッグスに鹵獲されていた。
すると突然、何者かがオーバー・フラッグスを狙撃。
瞬く間に隊員たちが、低空からの狙撃で次々と撃墜されていく。
ヨハン・トリニティの駆るガンダムスローネアインの攻撃である。

グラハム大尉は、即座に編隊を組みなおすことは不可能と判断。
配下を率いて戦場を離脱した。

デュナメス鹵獲まであと一歩に迫りながら、情勢不利と見るやガンダム鹵獲という戦果に拘らず、潔く兵を引くグラハムは格好良かった。

【次男ミハエル、キュリオスを救出】
人革連のセルゲイ中佐及びソーマ・ピーリス少尉を中心としたMS部隊は、キュリオスを鹵獲。
鎖で縛り上げ、地面に引きずって連行していた。
セルゲイ中佐は、以前のようにキュリオスがいきなり暴れ出すことを警戒する。

すると上空からミサイルのような物体が多数飛来。
が、ミサイルとは異なり、小刻みに移動し、先端からビーム兵器を発砲。
たちまち、キュリオスを連行するMS群は撃破されてしまう。
生き残ったのは、セルゲイ中佐とソーマ少尉だけであった。

人革連MS部隊を攻撃したMSは、ガンダムスローネツヴァイ。
搭乗者はトリニティ三兄妹の次男、ミハエル・トリニティである。
戒めがとけ、キュリオスは戦場から離脱した。

【ネーナ、GN粒子を大量散布し電子戦撹乱】
ネーナの駆るガンダムスローネドライは、GN粒子を大量に散布した。
すると禍々しい赤さのGN粒子が、たちまち広範囲に広がっていく。
これにより広い範囲が通信不能となり、センサーによるガンダム探知は不可能となった。
この隙に、ガンダム4機は砂漠地帯からの離脱に成功した。

セルゲイ中佐は、ガンダムが他にも存在したことに驚くと同時に、なぜガンダム4機が追い詰められながら新ガンダムが現れなかったのか、なぜ今回の戦闘当初から広範囲へのGN粒子散布という武器を使わなかったのかについて、疑念を抱いたようである。

一方、王留美の屋敷でガンダム4機からの連絡を待っていたプトレマイオスクルーたちは、ハロからの連絡に、心底ほっとした様子である。
が、スメラギは喜ぶと同時に、あの状況でなぜガンダム4機が生き延びることが出来たのかについて疑念を抱いた様子である。

【コーナー、監視者たちの会合に出席】
ソレスタルビーイングの監視者アレハンドロ・コーナーは、監視者たちの会合へ出席した。
会合場所には、コーナー以外の監視者は姿を見せない。
それぞれの監視者の座には、絵画やオブジェといった美術品がそれぞれ一品が配してある。
そして、各監視者が発言する時、美術品の一部に赤い光が強く燈るのである。

新ガンダム3機について、監視者たちは皆、知らないと口をそろえる。
そもそも稼動している太陽炉は5基であり、新ガンダム3機の太陽炉をどうやって調達したのか謎なのだという。
もっとも、本当に全員が知らないのか、中には知っている者がいるのかは不明である。

コーナーは、新たに出現したガンダム3機を認めるか否かについて、監視者たちの決をとることを求めた。

これに対し、監視者たちはこれまでのガンダム及びプトレマイオスクルーの活動内容を確認し、その上で決を採ることを求める。

するとコーナーはこれを了承。
まずは現在までのガンダムの活動について報告した。

コーナーの報告を受ける中、監視者たちは、スメラギの戦術予報士としての能力への疑問について、アレルヤの独断による人命救助とこれによる戦力発覚について、モラリアで刹那がコクピットハッチを開けて生身をさらしたことについて、ガンダムナドレについて発覚してしまったことについて、その多くは監視者たちの意見の一致が見られず不問に付されたことを再確認する。

この「監視者」とは、全員一致による否決権を持つのみなのだという。
そしてコーナーを含めた監視者たちは、新ガンダム3機を、全員一致で認めるのである。

【トリニティ三兄妹、ガンダム4機について語る】
一方、任務を終えたトリニティ三兄妹は、宇宙船にいた。
トリニティ三兄妹は結構仲がよく、ここら辺は刹那たちとは対照的である。

このトリニティ三兄妹、長男ヨハンはともかく、次男と妹はかなり極端な言動が目立つ。
どちらかというとストイックな、刹那・ロックオン・アレルヤ・ティエリアたちとは、ここら辺も対照的である。

さて、宇宙船内でくつろぐトリニティ三兄妹。
話題は、ガンダム4機のこれまでの戦い方についてである。

次男ミハエルは、ガンダム4機は緊急時以外は敵機のコックピットを狙わないことを批判。
熟練パイロットが減れば有利になると指摘する。
さらにミハエル、そもそもガンダム4機は甘いのだと、不快感を露わにするのである。
このミハエル、自らを「イカレた野郎」と嬉しそうに認め、戦いに際しての好戦性を隠そうとしない。

長男ヨハンは、コックピットを狙わないのは世間の批判への配慮なのだろうと、ガンダム4機に理解を示す。
弟妹たちが凶暴なのに比べると、このヨハンは穏やかで理性的な印象を受ける。

妹ネーナは、「煮え切らない男はきらーい」と言い、ミハエルの意見に賛意を示す。
容姿も声も可愛らしいネーナであるが、小動物を嬲り殺して遊ぶネコ科の動物のような印象を受ける。

このトリニティ三兄妹。
その言動の異様さからは、よほど過酷な過去を背負っていることが伺えるように思える。

トリニティ三兄妹の今後の活躍を期待したい。
そして三兄妹の過去が明かされることが楽しみである。

【予告】次回「スローネ強襲」
次回は、トリニティ三兄妹とプトレマイオス側ガンダムマイスターたちが対面。
さらにトリニティ三兄妹が戦争根絶のための武力介入を開始するようである。
次回からの新展開に期待したい。

機動戦士ガンダムOO 15話「折れた翼」

  • 2008/01/19(土) 23:58:00

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【あらすじ】
三大勢力合同軍、約1000機のMSでガンダム4機に襲い掛かる!
圧倒的物量の前に、ガンダム絶体絶命の危機に陥る!

【感想概略】
今回は、三大勢力合同によるMS大軍団とガンダム4機が戦うお話である。
ほぼ全編メカ戦であり、MSどうしの撃ち合い・斬り合い・どつき合いが楽しめた。

もっとも、さすがのガンダム4機も、MS約1000機に取り囲まれ、猛砲撃を10数時間浴び続けては、パイロットが肉体の限界に達してしまうようである。
ラストで、新たなガンダムが登場し、この危機を乗り切るようであるが、これがない場合、ガンダム4機は自爆するしかない。

今回のソレスタルビーイング側の戦いは、「戦争根絶のための武力介入を断固として実行することが最優先、そのためにガンダムを失っても構わない」という行動に見える。

だがガンダムを失っては、戦争根絶のための武力介入は出来なくなってしまう。

スメラギや王留美たちがソレスタルビーイング上層部から与えられた任務は、例えガンダムを失うことになっても、戦争根絶の武力介入を実行すべし、というものなのだろうか。
するとスメラギの真意は、そしてソレスタルビーイングの真意とは何なのであろうか。

また、監視者アレハンドロ・コーナーは、ガンダム大ピンチを知ると、他の監視者たちの意見を聞くといい、いずこかへ向かっていた。
どうやら「監視者」は、複数いるようである。
実はソレスタルビーイングにはガンダムを保有するチームが複数あり、それぞれを監視者がみているのであろうか。

謎は深まるばかりである。
戦いの行方とともに、これらが明かされることが楽しみである。

【三大勢力の大軍勢、集結】
ユニオン、AEU、人革連の三大勢力は、三軍合同による大規模演習のため、人革連領内のタクラマカン砂漠に集結。
その総兵力はMS約1000機である。

だが、この演習は、ガンダム鹵獲のための罠であった。
三大勢力合同軍は、砂漠地帯の空に陸に、ガンダム探知のためのセンサーを大量に散布。
念入りに準備を仕込み、てぐすね引いてガンダムを待つ。

グラハム大尉は、圧倒的な兵力でガンダムを追い詰めようとするこの作戦を卑怯とかんじながらも、軍の決定には従うとつぶやく。
個人のこだわりに振り回されず、文民統制のもとにある軍人の本分を見失わず、ユニオン全体の公益を優先して考えることのできるグラハムは格好良かった。

【三軍合同ガンダム鹵獲作戦、開始】
三大勢力合同演習場ちかくの砂漠地帯で、MS及び兵員輸送トラックで武装したテロリストの一団が、核物質保管施設を襲撃した。
すると空からキュリオスとデュナメスが飛来。
テロリストのMS及び兵員輸送トラックは、上空からの狙撃で次々と撃破され、瞬く間に壊滅した。

だがこのテロリストたちは、ガンダムをおびき寄せるためのエサであった。
戦争根絶のための武力介入を終えたガンダム2機に、三大勢力合同軍は猛攻を開始する。

人革連のセルゲイ中佐たちは、命令を受けてはじめて、今回の大演習のための大兵力動員はガンダム鹵獲が目的と気付く。
ここら辺、初めから目的を知っているグラハム大尉のユニオン陣営やコーラサワー少尉たちのAUE陣営とは対照的である。

【エクシア、ヴァーチェ参戦】
ソレスタルビーイング側も、今回の三大勢力合同軍事演習が罠と予測していた。
デュナメスとキュリオスが猛攻にさらされると、隠れていたエクシアとヴァーチェが姿を現す。
ヴァーチェはGNバズーカで砲撃。
極太の光線が放たれ、砲撃の軸線上の敵MSをことごとく撃破。
大地にはMS数機が並んで通れるほどの深い溝が刻まれていた。

キュリオスとデュナメスは、ヴァーチェの砲撃で出来た攻囲の隙間からの脱出を図るが、敵軍の攻撃は激しく、容易に敵地から離脱できない。

さらに、エクシアとヴァーチェにも攻撃が集中。

4機のガンダムは二手に分断されたまま、集中砲火を浴び続ける。

【ソーマ少尉、参戦】
人革連は、セルゲイ中佐とソーマ・ピーリス少尉を中心とするMS部隊を投入。
キュリオスとデュナメスに襲い掛かった。
するとアレルヤが苦しみだす。
ソーマ少尉の搭乗するティエレン・タオツーが近づいたためだった。

どうやらソレスタルビーイングでは、超兵が近づくとアレルヤが苦しみだすことへの対策を、全く講じていなかったようである。

ティエレン・タオツーは、デュナメスの銃撃をかわすとたちまちキュリオスの間合いに踏み込み、112トンの巨体で強烈な体当たりを浴びせると、力相撲で視界の彼方まで押しまくった。

デュナメスは追おうとするが、敵MSの猛砲撃で足止めされ、キュリオスと分断されてしまう。

そして、倒れたキュリオスをティエレン・タオツーは踏み付け、コクピットへ銃を猛射する。
悲鳴をあげ続けるアレルヤ。

だがここで、アレルヤの第二の人格・ハレルヤが目覚める。
ハレルヤは、ティエレン・タオツーへ無線して名を尋ねる。
ここでソーマ、正直に本名を名乗った。
するとハレルヤ、凶悪な笑みを浮かべ、「いい名前だ。殺しがいがある!」と喜ぶ。

そして次の瞬間、キュリオスの目が光ると、隠し刀剣で奇襲。
ティエレン・タオツーは間一髪でかわした。

その時、セルゲイ中佐たちがティエレンでキュリオスに猛射を浴びせて牽制。
この隙に、ソーマ少尉はキュリオスから距離を取った。
キュリオスのトリッキーな攻撃を警戒しての行動である。
ハレルヤは、「つまんねえなあ」と引っ込んでしまい、アレルヤに身体を返す。

【コーラサワー少尉、参戦】
コーラサワー少尉は、なかなか出撃命令が下らないことに不満を抱き、出撃の許可をカティ・マネキン大佐に求める
が、カティ大佐は出撃を許さないが、不敵に笑っていう。
信用しろ。
わたしがお前を男にしてやる。

三大勢力合同軍は、次々と新手を繰り出し、ガンダム4機に間断なく砲撃を浴びせ続ける。
これを何と15時間続行。
さしものガンダムマイスターたちも、肉体の限界に達しつつあった。

頃合は良しと見たAEU軍及びユニオン軍は、それぞれ温存しておいた精鋭部隊を投入する。

MS部隊突入のため、砲撃が止んだ。
エクシアとヴァーチェは、この隙に、それぞれ脱出を図った。

AEUはカティ大佐の命令により、コーラサワー少尉たちのMS部隊が出撃し、ヴァーチェを襲撃。
さしものヴァーチェも動きに切れがなく、ついに捕らえられてしまう。
コーラサワーは満面の笑みを浮かべ、「俺のおかげだな」と大喜びである。

一方キュリオスは、ティエレン・タオツーの前に倒れた。
ソーマ少尉は慎重に鹵獲を試みる。

【グラハム大尉、参戦】
ユニオン陣営では、オーバーフラッグス隊が出撃。
デュナメスに狙いを定めた。
が、オーバーフラッグス隊の一人、ジョシュアはグラハム大尉の命令を無視し、勝手に編隊を離脱した。
このジョシュア、前回グラハムを侮辱する言葉を放ち、グラハムの部下を怒らせた男である。
ジョシュアはグラハムへの嘲りの笑みを浮かべながら、一人でデュナメスに襲い掛かった。
が、あっさりとデュナメスに返り討ちにされてしまう。

グラハムは即座に編隊を組みなおし、疲労困憊したロックオンの搭乗するデュナメスを襲撃。
デュナメスは、グラハム大尉のカスタム・フラッグを狙撃。
が、グラハムは狙撃を全てかわしつつ猛接近。
「抱きしめたいな!ガンダム!」と言いつつ66トンの巨体で、デュナメスにボディプレスを叩き込んだ。
デュナメスは動かなくなった。

【戦争屋サーシェス、参戦】
敵地からの離脱を図るエクシアの前に、何やら禍々しい姿の赤いモビルアーマーが出現した。
戦争屋サーシェスの駆るMAアグリッサである。
アグリッサは体当たりを浴びせ、エクシアを地面に叩きつけた。
そして6本の足を開き、エクシアへ強烈な電撃を放つ。
サーシェスはアグリッサを駆り、手も足も出ないエクシアを嬲る。

電撃に絶叫を上げながら、もはや霞む意識の中、刹那は自問する。

死ぬ…死ぬのか?
この歪んだ世界で…
何にもなれぬまま…
失い続けたまま…
朽ち果てるのか?

すると突然、何者かがアグリッサを狙撃。
アグリッサのカニのような下半身に次々と命中。
サーシェスは被弾箇所を即座に切り離して離脱する。

刹那が空を見ると、赤く光る翼のガンダムが見下ろしていた。

【予告】
次回「トリニティ」
次回は、新たなガンダム3機が登場するようである。
ガンダム側の、三大勢力合同軍への大反撃を期待したい。

機動戦士ガンダムOO 14話「決意の朝」

  • 2008/01/12(土) 23:57:12

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【あらすじ】
三大勢力、ガンダム鹵獲の極秘協定を締結!
ソレスタルビーイング、罠と知りつつも武力介入を決定!

【感想概略】
今回は、次回以降の大規模戦闘に向けてのお話である。
メカ戦はなかったが、主な登場人物がほぼ登場、各人の内面もそれなりに伺える描写がなされ、おもしろかった。
また、新オープニングは戦闘MS描写がおもしろく、新エンディングは刹那を散髪するロックオン、几帳面に計量して料理をつくるティエリアが印象的だった。

【絹江、ソレスタルビーイングの謎の一端を報道】
沙慈の姉、絹江は報道機関に勤務していた。
絹江は、ソレスタルビーイングに対し、その出現以来、並々ならぬ興味を抱く。
ついには上司に食い下がってイオリア・シュヘンベルグについて取材する許可を得る。
絹江は精力的に調査を続け、ここ200年の間に多くの科学者・技術者が行方不明となっていることを突き止めた。
そして報道番組で、ソレスタルビーイングの計画は200年以上前から進められていた可能性があると報道するのである。

番組は高視聴率を記録し、報道機関は大喜びである。
だが絹江はイオリア・シュヘンベルグについて更に取材を進めることを希望する。
ソレスタルビーイングの目的は、「戦争根絶」とは別にあると思えるという絹江。
上司は少し考え、了解した。

一方、国家機関は絹江の取材に渋い表情だが、民間の力では調査できるのはここまでだろうと、今のところは放置する様子である。
だが、絹江がさらにソレスタルビーイングの謎に迫ったら、国家機関はどう動くのか。
今後の展開を期待したい。

【三大勢力の極秘協定】
24世紀の三大勢力、ユニオン、AEU、そして人革連は、極秘に手を組んだ。
目的はガンダム鹵獲である。
現用MSの何十年も先をいくような驚異的なテクノロジーを手に入れ、自勢力の国際社会における地位を守り、更に優位に立つためであった。
各勢力は、作戦に向け、戦力を整備する。

【ユニオン、グラハムの部隊を強化】
ユニオンでは、グラハム中尉を中心とする対ガンダム調査隊を正規部隊とし、部隊名を「オーバーフラッグス」と改めた。
そして各部隊からエース級パイロットを転属させ、戦力を大幅強化。
これに伴い、グラハムは昇進し上級大尉に叙任される。
が、転属してきたパイロットの一人は、グラハムをあまり認めておらず、侮辱的な言葉を口にしてグラハムの部下を怒らせていた。
一方、グラハムは侮辱されても怒らず、不敵な笑みすら浮かべるところは、格好良かった。
今後、新隊員たちとグラハムたちの間でどのようなドラマが展開されるのか、楽しみである。

【セルゲイ中佐とソーマ少尉】
人革連では、セルゲイ中佐とソーマ・ピーリス少尉の耳に、近々作戦があるらしいとの情報が伝わってきた。
生真面目な表情で意気込むソーマ少尉に、「気負うなよ」と苦笑ぎみのセルゲイ中佐。
ソーマにしてみれば、上官であるセルゲイ中佐のためにも任務を完遂したいという気持ちがあるのだろう。
そしてセルゲイ中佐は、国家により戦闘機械に仕立てられた言わば国家権力の被害者であるソーマを危険に晒したくないとの気持ちがあり、人間改造という非人道行為を行なう祖国への複雑な思いがあり、大義名分に乏しい露骨な国家利益のための戦いにあまり積極的になれない様子である。

【カティ大佐、コーラサワー少尉を鉄拳制裁】
AEUでは、久々にコーラサワーが登場である。
このコーラサワー、AEU内ではエースパイロットで通っているのだが、ガンダムには連戦連敗。
だが、度重なる敗北にも自分への信頼は決して揺るがないという、ある意味タフな男である。

さて今回のコーラサワーは、女性と別れを惜しんだ末、遅刻して部隊へ出頭する。
すると、女性隊長カティ・マネキン大佐がいきなりコーラサワーの横っ面を鉄拳制裁。
コーラサワーが口答えすると、今度は反対の頬に鉄拳を叩き込んだ。
「二度もぶった~」と、アムロのような発言のコーラサワー。
が、カティ大佐のクールな美貌に気付き、一目ぼれ。
敬礼し、遅刻を謝罪するのだった。
AEUは、エースパイロットを集めて精鋭部隊を結成したようである。
コーラサワーの独特の活躍も楽しみだが、カティ・マネキン大佐の正統派の活躍も楽しみである。

さらにAEUは外人部隊も動員。
何と戦争屋サーシェスが外人部隊の隊員として出頭し、新たなMSを与えられるのである。
これから大規模な戦いが巻き起こることをかんじ、大喜びのサーシェスである。

【ソレスタルビーイング側、それぞれの休息】
一方、ソレスタルビーイング側は、束の間の休息である。
王留美の豪勢な隠れ家では、プトレマイオスクルーたちが好き勝手に過ごす。
昼間から酒を飲むスメラギは、ダメ大人全開である。
プールサイドでは、フェルト、クリスティナ、ラッセ、リヒテンダールたちも、好き勝手に過ごす。
ティエリアは屋敷の地下で、コンピュータの画面を睨んでいた。

プールサイドで暇を持て余したリヒテンダールは、ロックオンに通信を入れる。
すると、通信端末から女性の声が聞こえてきた。
女性をはべらせている!と興奮するリヒテンダール、「最低…」と呆れるクリスティナ。
が、その声はラジオから流れる音であった。
ロックオンは一人で、かつてテロ被害にあった場所を訪れていたのである。

アレルヤは、宇宙のプトレマイオス船内にいた。
同乗しているのは技師イアン・ヴァスティ一人らしく、リラックスした様子のアレルヤである。

【刹那、日本に帰る】
刹那は、久々に経済特区日本に帰っていた。
この日はちょうど、ルイス母がAEUに帰った日であった。

マンションの前で、刹那は沙慈に声をかけられ、頼まれるままに沙慈の部屋に行く。
そして、母との別れを悲しみ泣くルイスを慰めるのに付き合わされる。

他人の恋人の気を紛らわせるなどという用事のために、束の間の休息を割く刹那は、なんていい子なんだろうと思う。

とは言っても、刹那には何故ルイスが泣くのか、今ひとつ理解できない様子である。
「会おうと思えばいつでも会える。死んだ訳じゃない」とクールな言葉の刹那。
刹那としては、だから悲しむことはないと、刹那なりに慰めたつもりだったのかもしれない。

だが、ルイスは刹那の言葉にブチ切れ。
「こいつキライ!叩くか殴るかして!」と勝手なことをわめくルイスである。
ルイスにしてみれば、女の子が涙に暮れているというのに、ちやほやするどころか理詰めの言葉をぶつけ、突き放すとは何事か、というところだろうか。

その時、刹那の携帯端末に通信が入った。
他人の用事に付き合わされたのに、「済まない、用事が出来た」と一言詫びて退室する刹那は、結構礼儀正しいに思う。
一方、「帰れ帰れ!バーカバーカ!」といいたい放題のルイスであった。

「ガンダムOO」世界において、まさに自分の道を突き進むルイスであるが、ルイスの何かが変わる日が来るのだろうか。

一方、ソレスタルビーイング側は、三大勢力の動きを察知。
これをガンダム鹵獲のための大規模な罠と知りつつも、武力介入を決定。
ガンダムマイスターたちに招集をかける。

【刹那、マリナの寝室へ潜入】
夜。
刹那はエクシアでアザディスタン王国へ潜入。
王宮のマリナの寝室へ忍び込む。
気配に気付き、目をさますマリナに刹那は問う。

何故、この世界は歪んでいる?
神のせいか?
人のせいか?

懸命にこたえようとするマリナ。

神は平等よ。
人だって分かり合える。
でも、どうしようもなく世界は歪んでしまうの。
だから、わたし達はお互いのことを…

見ると、刹那の姿はなかった。

刹那はエクシアを飛ばす。
ガンダムマイスターたちは、武力介入のため、集結しつつあった。

【予告】
次回「折れた翼」
次回は、三大勢力の大兵力とガンダム4機の大規模戦闘が展開されるようである。
三大勢力のエースパイロットたち、セルゲイ中佐・ソーマ少尉とグラハム上級大尉が顔をあわせたりするのだろうか。
楽しみである。

機動戦士ガンダムOO 13話「聖者の帰還」

  • 2008/01/05(土) 23:45:22

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【あらすじ】
中東アザディスタン王国で保守派と改革派の対立激化、内紛勃発!
ソレスタルビーイング、保守派指導者マスードの救出敢行!
アザディスタン情勢の行方は?!

【感想概略】
新年初のガンダムOOは、昨年末に放映されたアザディスタン内紛のお話の続きである。
今回は、まず戦闘描写では刹那のエクシアとサーシェス機の一騎打ちが楽しめた。
そして、政略劇では、マスード誘拐に激怒する保守派を、どうやって改革派との和解の席につかせるのかというおもしろさがあり、元クルジス少年兵という刹那の重い過去が事件解決に生かされ、マリナ皇女の国民の前では毅然した姿勢を貫く姿が描かれ、グラハム中尉の実は賢いところが描かれ、おもしろかった。

なお今回、沙慈もルイス母も、アザディスタン情勢を他人事とは思っていない様子だったが、唯一人、ルイスだけは、沙慈にぴったりくっついたルイス母にヤキモチを焼き、アザディスタン情勢は全く眼中に無かった。
ルイスが、世界情勢を他人事と思わなくなる日は来るのだろうか。
ルイスの周囲の人間を犠牲にすることなく、ルイスが世界へ目を向ける展開を期待したい。

【アザディスタン王国で内紛勃発】
前回、中東アザディスタン王国ではクーデターが勃発した。
アザディスタン国内では、以前から太陽光エネルギーの受け入れを巡り、改革派と保守派が対立していたが、保守派の指導者マスードが謎の武装集団に誘拐される事件が発生。
これに保守派が激怒し、ついに超保守が暴発、軍の一部が反乱を起こしたのである。
背後には、戦争屋サーシェスの暗躍があった。

このアザディスタン情勢悪化に対し、ソレスタルビーイングの王留美は、現在即時投入可能な戦力のみでの対応を決断。
エクシアとデュナメスのみで、アザディスタン内紛への武力介入を開始した。
太陽光エネルギー受信施設を警護するMSの一部による深夜の反乱は鎮圧したが、サーシェス機の多弾頭ミサイル攻撃により、施設は破壊されてしまう。
サーシェス機は逃走、アザディスタン内紛の真相は未だ闇の中であった。

【刹那、グラハム中尉と出会う】
朝。
刹那は、太陽光エネルギー受信施設を破壊したMSがいたと思われる土地を調査していた。
旧クルジス出身の刹那は、アザディスタン風の民族衣装をまとうと、外国人には現地住民にしか見えない。
この点では、適切な人選である。

刹那は同じ土地を調べるユニオン軍、グラハム中尉とビリー・カタギリたちを見つけ、岩陰に身を隠す。
が、グラハムに見つかってしまう。
すると刹那、気の弱い現地少年のふりをして誤魔化そうとする。
ここら辺、普段は無口無愛想な刹那が、一生懸命ふつうの少年を演じる姿が可愛らしかった。

だが、グラハム中尉は、刹那がただの現地少年でないことを見抜く。
さらに、エクシアのパイロットであることも見抜いたらしい。
が、グラハム中尉は自分たちが調べた情報、施設を破壊したMSはモラリアのPMCから奪われた最新のMSイナクトであると、大声で話す。
「口が滑った」というグラハム中尉は、刹那を見逃し、立ち去るのである。
ここら辺、グラハム中尉は格好良かったのだが、グラハムの真意は何であろうか。

【マリナ皇女、国民に訴える】
アザディスタンのテレビには、国民に自重を訴えるマリナ皇女の姿が流れ続けた。
自分に銃を向ける者がいても動ずる様子を見せず、強い意志をかんじさせる表情のマリナ皇女の姿は頼もしく、これならば国民の心に訴えるものは必ずやあるように見えた。

上の者は、たとえ不安をかんじても、下の者の前で、不安を口にしたり、内心の動揺を態度に見せてはならない。
上の者が動揺したら、下の者の不安を煽ってしまうからである。
少なくとも国民の前では決して動じぬ気丈な皇女として振る舞うマリナは、立派である。
アザディスタン国内では、内紛による治安悪化に乗じた押し込み強盗も発生しているが、マリナ皇女の呼びかけは、決して無駄ではないと思う。

なお今回、シーリンは常にマリナを「マリナさま」と呼んでいた。
これは周りの目を気にしてのことだろうか。
それとも、マリナを皇女の器と認めたからだろうか。

【スメラギ、作戦を指示】
刹那はグラハムの情報から、マスード誘拐の黒幕は、以前モラリアで戦った戦争屋サーシェスと直感。
この線から、マスード監禁場所を推測した。
これに基づきプトレマイオスのスメラギが作戦を立案、マスード救出作戦の内容が決定された。

一方、プトレマイオスでは、ティエリアはスメラギの指示した作戦に大反対。
が、スメラギは「これが一番確実な方法」と自らの考えを曲げず。
そしてアレルヤも、スメラギの作戦に賛意を示した。
みんなに反対され、悔しそうなティエリアが、なにやら可愛かった。

【マスード救出作戦】
刹那たちは、マスード救出作戦が開始する。

まず、刹那がエクシアでマスード監禁場所を襲撃した。
そこは、刹那が少年兵の頃、サーシェスとともに潜んだ隠れ家だった。
サーシェスはカスタム機でエクシアを迎え撃つ。
MSで戦いながら口論する刹那とサーシェスだが、どうやら拡声器で怒鳴りあっているようである。
エクシアは、サーシェス機の腕を斬り飛ばすが、取り逃がす。
この間に、武装集団はマスードを連れて逃走した。

逃げおおせたと思った武装集団だが、その先にはデュナメスが待ち構えていた。
マスードを盾に逃れようとする武装集団に、素手の紅龍が襲い掛かった。
男たちは自動小銃を乱射。
が、銃弾の雨の中、紅龍は男たちの間合いにたちまち踏み込み、素手で次々と叩きのめした。

残った男たちはマスードに銃を突きつけるが、ロックオンに狙撃銃で次々と射殺された。
どうもロックオンは、かつて狙撃と縁が深かったらしい。

武装集団は壊滅し、マスード救出は成功した。

【刹那、マスードを守り王宮へ】
アザディスタン政府に対し、ソレスタルビーイングは連絡した。
マスードを救出したので、王宮へ送り届けると。

そして、王宮前の広場に、一切の武装を身に付けないエクシアが着地した。
機内には刹那とマスードが搭乗している。
エクシアは、王宮へ向けて歩き始めた。

人々の一部が、憎しみを込めてエクシアへ自動小銃を発砲。
さらに、王宮警護のMSアンフも、次々と主砲を発砲した。
あくまで無抵抗のエクシアは歩みを止め、両腕でガードの構えを取る。
が、旧式MSとはいえどMS主砲の威力は凄まじく、エクシアは爆炎に包まれた。
硝煙が晴れ、姿を見せるエクシア。
至近距離から直撃弾を何発も浴びたため、さすがのエクシアも装甲があちこちへこんでいる。
これだけの目にあっても、決して抵抗せず、歩みを進めるエクシアに、発砲したMSたちも、ついに道を譲った。

エクシアは王宮に辿り着くと、ひざまずき、マスードを下ろした。
マスードを無事送り届け、去ろうとするエクシアへ、マリナ皇女が駆け寄った。
刹那の名を呼ぶマリナへ、刹那は言い残し、去った。

これから次第だ。
俺たちがまた来るかどうかは。
たたかえ。お前の信じる神のために。

刹那のいう「たたかい」とは、武力闘争のことではなく、殺し合いを無くすための努力のことなのだろう。

マリナ皇女は、保守派指導者マスードと共同声明を発し、内紛とテロ活動停止を訴えるが、アザディスタンの内紛はその後も終息しない。
だが、改革派と保守派は和解のテーブルにつき、和解への努力は行なわれている。
また、無言で攻撃に耐え、マスードを送り届けたエクシアの姿は、世界中の人々の心に何かを残したようである。

全ては、これからである。

【予告】
次回「決意の朝」
次回は、ガンダム4機が勢ぞろいするようである。
戦闘描写と、ガンダムマイスターたちのドラマに期待したい。

機動戦士ガンダムOO 12話「教義の果てに」

  • 2007/12/22(土) 23:58:17

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【あらすじ】
中東アザディスタン王国、保守派の指導者拉致される!
国内対立激化、クーデター勃発!
暗躍するアリー・アル・サーシェス!
ユニオン、アザディスタン政府を軍事支援!
ソレスタルビーイング、アザディスタンに武力介入!

【感想概略】
今回は、アザディスタン王国が舞台のお話である。
宗教上の解釈のちがいによる対立の発生、未だ解決せぬ少年兵の問題、民俗差別の問題、自らの利益のため戦争を望む人々、戦場に駆り出された少年兵たちに対して見せる刹那の本心の一端、苦悩するマリナ皇女と厳しく接しながらも決して側を離れようとしないシーリン、ガンダムとの戦いに昂揚しながらも人の道を見失わないグラハム中尉、暗躍するサーシェス、などなど、おもしろかった。

【保守派の指導者マスード】
今回の舞台は、中東地域である。
中東アザディスタン王国では、太陽光発電エネルギーの受け入れを巡り、保守派と改革派が対立していた。

アザディスタン国内の寺院。
保守派の人々は、指導者マスードへ、改革派への不満を口にし、決起を訴えていた。
一方、マスードは、人々の訴えに頷きながらも、忍耐強く軽挙をいましめ、神の報いを待つよう諭す。

ところが、武装した謎の男たちがこの寺院を襲撃。
マスードを誘拐してしまう。

マスード拉致に保守派は激怒、アザディスタン国内の対立は激化する。

【マリナ、マスード拉致を知る】
マリナ皇女は、マスード拉致の報告に不安を募らせる。
実はこのマスード、改革派であるマリナ皇女とは知り合いであった。
マスードは、改革によって不満が生じることを見越し、変化を嫌い改革に不満を抱く人々の声を受け止め、暴発を防ぐため、保守派の指導者となっていたのである。

シーリンはマリナに、議会がユニオンから軍事支援を受けようとしていると知らせる。
何故ユニオンがアザディスタンを支援するのか、不安な表情を浮かべるマリナと、ユニオンの損得勘定を推測して顔を曇らせるシーリンである。
いつもは嗜虐的な笑みを浮かべてマリナにいじわるを言うシーリンだが、今回は嘲笑すら浮かべない。
今回のシーリンは、まるで妹を厳しく叱咤しながらも支え、妹の成すべき事をやり遂げさせようとする姉のようである。

一方、アザディスタンへ派兵されたグラハム中尉たちは、ガンダムに会えそうだと嬉しそうである。

【ソレスタルビーイング、アザディスタンへ】
ソレスタルビーイング側も、アザディスタンの国内情勢悪化を受け、行動を開始する。
采配を振るうのは、王留美である。

前回、人革連の超兵機関に武力介入したプトレマイオスは、いまだ宇宙を航行中であり、直ぐにアザディスタンへ駆け付けることは困難であった。

留美は、プトレマイオスに搭載されたガンダム2機を待たず、現在手元にあるエクシアとデュナメスのみでアザディスタンの問題に対応することを即座に決断する。
王留美の、17歳とは思えぬ度胸のよさ、決断力は、たいしたものである。

【刹那、アザディスタンへ】
刹那は、自らアザディスタンへ潜伏する。
アザディスタン風の民族衣装をまとい、庶民街を歩く刹那。
だが、町の人々は刹那に敵意の視線を向ける。

唯一人、水売りの少年だけが刹那に話し掛ける。
少年は、軌道エレベータについて刹那に尋ね、宇宙へ行ったことがあると聞くと目を輝かせる。

少年はいう。
マリナさまが言ってたよ!いつかぼくたちも宇宙へいけるって!

マリナの名を聞き、刹那が不思議そうな顔をすると、ちょっと自慢そうに教えてやる少年。
少年の指差す先には、マリナのポスターが貼ってあった。
少し驚いた表情を見せる刹那。

マリナは、少なくとも子どもには慕われているようである。
そしてこの少年の無邪気さは、今回の救いの一つとなっていた。

だが、少年の祖父が現れ、刹那に出て行けという。
刹那がクルジス人であることが、理由だった。
クルジス人は、アザディスタンでは差別されているらしい。

【ルイス、ルイス母の篭絡に成功?!】
経済特区日本では、ルイスのプロデュースによるルイス母の篭絡作戦が続行中であった。
沙慈の配達したピザに、敵意を和らげるルイス母。
ママはモノに弱いのよ!と自慢げなルイスである。

ルイスはルイス母に訴える。
沙慈は早くに両親を亡くし、姉と二人暮しなのだと。
涙ぐむルイス母。
ママは涙もろいのよ!とまたまた自慢げなルイス、困った笑顔の沙慈である。

ところがルイス母は、沙慈をじっと見ていった。
「あなた、よく見ると凛々しいわね…。似てるわ…。主人の面影がある…」
パパ生きてるしー!というルイスの突っ込みを完全に聞き流し、頬を赤らめるルイス母。

そして、沙慈にぴったりくっついてテレビを見るルイス母。
「ベタベタしないでー!」と怒るルイス。
困惑した笑顔の沙慈である。

ここら辺、おもしろかった。
全員無事生き延びることを期待したい。

【アザディスタンでクーデター勃発】
夜。
アザディスタンでは、ついに超保守派によるクーデターが勃発した。
太陽光発電エネルギー受信施設では、警護のMSアンフが、いきなり僚機に攻撃を開始する。
何と兵の中に超保守派が浸透していたのである。

ここにグラハム中尉の駆るカスタム・フラッグが飛来。
太陽光発電エネルギー受信施設を守るためである。
だが、戦うMSのどちらがクーデター派なのか、見た目では全く分からない。

すると遠距離から光線がMS群を狙撃。
次々と撃破していく。
敵の狙いを予測し、付近に潜伏していたデュナメスの武力介入であった。

だが今度は、何者かが多弾頭ミサイルを発射。
無数のミサイルの群れが、太陽光発電エネルギー受信施設を襲う。
ミサイル群を狙撃するデュナメス。
だが、全て撃ち落すには余りに数が多すぎた。
太陽光発電エネルギー受信施設はミサイルの雨を浴びまくってしまう。

ミサイルを放ったのは、アリー・アル・サーシェスであった。
実は、保守派の指導者マスードを誘拐したのも、サーシェスだったのである。
サーシェスは、かつての刹那の上官であり、そして最近まで民間軍事会社で傭兵稼業で稼いでいた、まさに「戦争が飯の種」という戦争屋である。
アザディスタンの内部対立を煽るサーシェスは、極悪人にしか見えないが、目的は戦争を巻き起こすことと、同時にガンダムを捕らえることだろうか。

グラハム中尉は、ガンダム発見を喜び、デュナメスに襲い掛かる。
カスタム・フラッグはデュナメスに高速で接近。
狙撃をかわすと、デュナメスに蹴りを入れる。

奇襲と離脱を繰り返し、デュナメスと互角の勝負をみせるカスタム・フラッグ。
だがグラハム中尉に、クーデター勃発との通信が入る。
ガンダムとの戦闘に昂揚しながらも、グラハム中尉は、民主国家軍隊の本分を見失わず、勝負を放棄し、首都へ向かうのであった。

【シーリン、マリナを叱咤】
アザディスタン各地でクーデター派のMSが次々と決起。
首都へ向かう。
クーデター派の通った後には、破り捨てられたマリナ皇女のポスターが散乱している。
どうやらマリナは、改革派の象徴として保守派に憎まれているようである。

マリナ皇女は、シーリンをはじめとする側近たちとシェルターに逃れた。
クーデター派は、現政権の進める改革政策に大反対である。
改革派の象徴であるマリナ皇女の近くにいることは危険極まりないのだが、シーリンは決してマリナの側から離れようとしない。

マリナは、精神的にも打ちのめされ、すっかり疲弊した表情である。
エネルギー問題解決のための太陽光発電システムの受け入れが、かえって国内の対立を激化させてしまった。
たとえクーデターを鎮圧できても、国内には激しい対立感情が残ってしまう。
祖国のため、国民のため、良かれと思って頑張ったことが、全て裏目に出てしまった。
マリナは自責の念から涙を流す。

だが、シーリンは「毅然としなさい!」とマリナを一喝する。
まだ終わっていないというシーリン。
マリナはシーリンを見上げ、決然とした表情で、黙って頷いた。

ここら辺、どんな危機に陥ろうとも決してマリナから離れず、前向きに事態へ立ち向かうシーリンは格好良かった。

【刹那、戦死者に少年兵を見て…】
刹那は、クーデター派のMS群との戦闘の死者の中に、少年兵たちの姿を見つける。
刹那は、MSの群れに刀剣をかざして斬り込み、次々と斬り捨てる。

この戦闘を、アレハンドロ・コーナーが見ていた。
刹那の戦闘を、コーナーは、ガンダムの性能に頼りすぎていると評する。

デュナメスを飛行させるロックオンは、昇る朝日の中、瓦礫の街に佇むエクシアを見つける。
エクシアに搭乗する刹那はつぶやく。
「俺は、ガンダムになれない」

【予告】次回:聖者の帰還
次回、アザディスタンのクーデターはどのような結末を迎えるのか。
この事件はマリナに何を残すのか。
シーリンの真意は何か。
描かれるのが楽しみである。

機動戦士ガンダムOO 11話「アレルヤ」

  • 2007/12/15(土) 23:58:09

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【あらすじ】
アレルヤ、人革連・超兵機関への武力介入をスメラギに進言!
ソレスタルビーイング超兵機関への武力介入開始!

【感想概略】
今回はアレルヤが主役のお話である。
過去の記憶に苦しみ葛藤するアレルヤ、前回の苦戦に落ち込みまくりのスメラギ、実は情に厚い側面を垣間見せた刹那、自分以外の者がマリナをいじめることを許さないシーリン、セルゲイ中佐の見せる良識、などなど、各人物の内面と同時に、超兵機関の実態が描かれ、おもしろかった。

【ガンダム鹵獲作戦失敗の波紋】
前回、人革連・特務部隊とガンダムが衛星軌道上で激戦を繰り広げた。
そして今回、衛星軌道上を漂うデブリから、ユニオンはこの事件を察知、その情報はグラハム中尉とその部下たちにも伝えられた。。
この戦闘で少なくともティエレン20機が撃破されたとの知らせに、部下たちは驚嘆の色を見せる。
一方、グラハム中尉は闘志を燃やすのである。

さらにユニオンでは、エイフマン教授とビリー・カタギリが、ガンダムの動力機関の秘密に迫りつつあったが、その実態の一端に驚嘆を隠せない様子である。

一方、人革連のセルゲイ中佐は、ガンダム鹵獲作戦の失敗により何らかの処罰を受ける覚悟をしていた。
だが上官は、軍上層部でのセルゲイ中佐への評価は変わらず、処罰も無ければ辞表も受け付けないという。そして、人革連の上層部がユニオンと接触を図っているとセルゲイに告げる。

【ティエリア、スメラギに八つ当たり】
前回、プトレマイオスは、ガンダム鹵獲を狙う人革連特務部隊の大兵力の襲撃を受け交戦。
敵将セルゲイ中佐の采配に翻弄されたが、激戦の末、プトレマイオス及びガンダムは、どうにか敵軍を退け、危地を脱した。

そして今回、プトレマイオス艦橋に乗り込んできたティエリアは、この件はスメラギの責任だと非難。
スメラギは謝罪するが、ティエリアは許さない。

だがロックオンは、ナドレの姿を晒したのはティエリアの責任、スメラギの責任だけを追及しても問題解決にはならず、あの大兵力を相手に死者が出なかっただけで十分ではないかと指摘。

すると、ティエリアはぷいっとそっぽを向いて出て行ってしまった。

ティエリアの剣幕に、プトレマイオスクルーたちはドン引きである。
だが、わざわざ八つ当たりに来るなんて生真面目で可愛いと、ティエリアに理解を示すロックオンである。

【アレルヤ、超兵機関への武力介入を進言】
アレルヤは前回、ティエレンタオツーと交戦、敵パイロットは強化改造された人間と気付き、人革連では未だに人間を改造して兵士とする「超兵計画」が続いていることを確信した。

超兵機関は「紛争を幇助する団体」であり、間違いなく、ソレスタルビーイングの武力介入の対象である。だが、超兵機関を攻撃することは、「戦闘用に改造された」というだけで何の罪も無い少年少女たちに銃を向け、虐殺することを意味する。

苦悩するアレルヤに、アレルヤの中のもう一つの人格「ハレルヤ」は言い放つ。
迷わず超兵機関を潰せ。
超兵計画を推進する関係者たちを殺せ。
そして、超兵に改造された罪の無い少年少女たちも、全員殺せ。

アレルヤは、国家権力による非人道行為の被害者である自分の同類たちを殺すことに、どうしても納得できない。
アレルヤは、少年少女たちを何とか保護する道を模索しようとする
するとハレルヤは問う。
戦闘用に改造された人間に、どんな未来がある?!
お前がソレスタルビーイングへ来たのは、戦うことしか出来ないからだ。
それが俺たちの運命だ。

思わず叫ぶアレルヤ。
すると、いつの間にか刹那が後に立っていた。
少し驚くアレルヤに、刹那は「どうした?」とちょっと心配そうに尋ねた。
「何でもないさ」と誤魔化すアレルヤである。

刹那は、口下手で言葉によるコミュニケーションが苦手なため、血も涙もないと誤解されがちだが、実は情に厚く、仲間思いのいい子なんじゃないかと思う。

間もなくアレルヤは、スメラギに超兵機関への武力介入作戦を進言した。
それはアレルヤにとっては、自らの過去を、そしてハレルヤのことも全てスメラギに明かすことを意味していた。
神妙な顔のスメラギは、「本当にいいのね?」と尋ねる。
だがアレルヤは、揺らぐ様子を見せない。
これを受けてスメラギはこの作戦案を了承、実行へ移すのである。

二人の会話をティエリアは聞いていた(盗聴?)。
アレルヤの正体を知るティエリアだが、この時、瞳が金色に輝いていた。
ティエリアは一体何者なのか。明かされるのが楽しみである。

【アザディスタン王国にて】
アザディスタン王国では、マリナ皇女が、国連大使アレハンドロ・コーナーと対面していた。
側には、シーリンが立っている。

シーリンは、公にはマリナの侍女でしかなく、そもそもアザディスタン王国は、女性の政治参加を禁止している。
理不尽な理由から、シーリンは同じテーブルにつくことを許されず、座ることすら許されない。

コーナーは、太陽光発電の受信アンテナ建設現場をマリナが訪れることを提案。
するとシーリンは、「暗殺されるためにですか?」と鋭い言葉を浴びせる。

いつものシーリンは、マリナに意地悪を言ってばかりである。
マリナはシーリンに意地悪を言われると、そんなこと言わないで…といい、すがるような目をシーリンに向ける。
マリナとシーリンはまるで、姉にどんなに意地悪を言われても、姉が大好きで深く慕い続ける妹と、妹を誰よりも愛し、妹の傷ついたすがるような目が可愛くて意地悪ばかり言ってしまう姉のようである。
そんなシーリンだが、マリナを危険に晒すことは許せないようである。

さらにシーリンは問う。
中東にはエネルギー不足に陥っている国は数多いというのに、なぜ国連はアザディスタンだけを支援するのか。
何か裏があるのではという疑念を抱くシーリンである。

するとコーナーは笑顔で答える。
国連がアザディスタンを支援するのはあなたたちに要請されたからであり、国連はアザディスタンをエネルギー問題に苦しむ中東諸国を救済するモデルケースにしたいと考えている、と。

確かに表向きはコーナーの言う通りである。
だが、シーリンの目から険しさは消えない。

【エクシアとデュナメス、紛争へ武力介入】
ソレスタルビーイングは、再び紛争への武力介入を開始した。
南アフリカの国境紛争地域では、デュナメスとエクシアが武力介入を実行。
エクシアは、陸戦用MSアンフの群れに斬り込み、刀剣でアンフを次々と斬り捨てる。
エクシアに敵MSの注意が集中すると、少し離れた丘の上からデュナメスが狙撃を開始。
狙撃と斬撃で、敵MSを次々と撃破していく。

【アレルヤ、超兵機関へ武力介入】
一方、宇宙では、キュリオスとヴァーチェが、武力介入作戦を開始した。
標的は、人革連のスペースコロニーに設けられた超兵機関のビルである。

迎撃の敵MSにヴァーチェが応戦。
そしてキュリオスはスペースコロニーのセキュリティをたちまち解除し、難なくコロニー内へ侵入した。
コロニー内での重火器の使用は、コロニー在住者の死を意味するためか、敵の反撃はない。
キュリオスはあっさりと超兵機関ビルに辿り着き、ミサイルランチャーを向けた。

だが、ビル内に同類の存在をかんじたアレルヤは、撃つ事が出来ない。
どうにか同類の少年少女たちを保護できないかと思案するアレルヤに、ハレルヤは言い放つ。

どうやって保護する?
施設から逃げたお前が、まともに生きてこられたのか?
できもしないことを考えるな。

このままでは、彼らがあまりにも不幸だ、今は不幸をかんじてなくてもいずれ自覚するようになる、彼らは生きているというアレルヤを、ハレルヤは嘲笑する。

施設にいる奴らは、自分を不幸とは思っていない。
ティエレンに乗っていた女が、自分を不幸とかんじていると思うか。
自分の考えを、相手に押し付けるな。
そして奴らは、いつか俺たちを殺しに来る。

お前の優しさは、自己満足のための偽善だ。
俺は他人など、どうでもいい。
俺は、俺という存在を守るために戦う。

言葉に詰まるアレルヤに、「では何故お前はここへ来た?殺しに来たんだろう?」と問うハレルヤ。
「ガンダムマイスターとして…」と弱弱しく答えるアレルヤに、ハレルヤは言葉の刃で斬り付ける。
立場で人を殺すのか?!
引き金くらい感情で引け!
自分のエゴで引け!

アレルヤは、超兵機関ビルへミサイルを猛射。
巨大なビルは直撃弾を無数に浴び、紅蓮の炎に包まれ、業火の中で跡形も無く崩れ落ちた。

そしてスメラギは作戦成功を受け、超兵機関の情報をマスコミにリークする指示を出すのである。

キュリオスは作戦を完遂し、帰還する。
ハレルヤは、「それでこそ俺の分身」と高笑いをあげるが、その頬を涙が伝っていた。
実はハレルヤが憎悪し殺意を抱くのは、利益のためには争いも辞さぬ者、そして無批判に国家権力を肯定する者かもしれず、今回の改造兵士大量虐殺は、ハレルヤとしては精一杯の慈悲だったのかもしれない。

【アレルヤ、スメラギと乾杯】
作戦終了後、スメラギの自室を訪れたアレルヤは、相変わらず飲酒中のスメラギに一杯所望した。
だがスメラギは、アレルヤは未成年だと言い、頑として許さない。
するとアレルヤ、先ほど20歳になったとちょっと照れたように笑う。
スメラギは笑うと、アレルヤに琥珀色の液体の注がれたグラスを渡し、乾杯する。
誕生日を祝うスメラギに、アレルヤは礼を言う。
だが、何故こんな苦いものを?と腑に落ちない様子である。

スメラギは「そのうち分かるわよ、きっとね」と小さく笑うのであった。

【セルゲイ中佐、技術者を拘束】
セルゲイ中佐は、ソレスタルビーイングが超兵機関への武力介入を決行との報告を受けた。
だがセルゲイ中佐は、ソレスタルビーイングを非難しきれない様子である。

そしてセルゲイは、配下の超兵機関技術者を拘束した。
この技術者、アレルヤの存在に気付きながら、保身のため、アレルヤのデータを抹消していたのだが、セルゲイに発覚してしまったのである。

連行される技術者を見送るセルゲイ中佐の前に、何故かソーマ・ピーリス少尉が現れた。
セルゲイ中佐はソーマ少尉へ「待機中だぞ、持ち場へ戻れ」と声をかける。
大人しく従うソーマ少尉だが、いわば命令を無視してセルゲイ中佐に会いに来るというのは、恐らく命令絶対を叩き込まれたであろうソーマにとっては大きな変化なのではないか。
ソーマは、はじめて自分のことを親身になって考えてくれるセルゲイ中佐と接するうちに、敵意以外の人間的な感情が芽生えはじめているのかもしれない。


【予告】次回「教義の果てに」
次回はアザディスタンを舞台としたお話のようである。
刹那、マリナ、そしてシーリンの活躍に期待したい。

機動戦士ガンダムOO 10話「ガンダム鹵獲作戦」

  • 2007/12/08(土) 23:54:57

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【あらすじ】
セルゲイ中佐の特務部隊、プトレマイオスとガンダムを追い詰める!
足止めされるプトレマイオスとエクシア、デュナメス!
アレルヤとティエリア、反撃の行方は?!

【感想概略】
今回は、前回の続きであるが、追い詰められたキュリオス及びヴァーチェの戦い、アレルヤとティエリアの新たな一面、ティエレンタオツーに思い入れがあったり味方の危機に無関心ではいられないというソーマ・ピーリスの人間性の一面が描かれ、おもしろかった。
今回の本編とはほとんど関係の無かったルイス母とルイス及び沙慈とのやりとりも好きである。

【キュリオス、人革連に鹵獲される】
前回、人革連はセルゲイ中佐を指揮官として大規模なガンダム鹵獲作戦を開始、数十万の探査装置を衛星軌道上に放った。
間もなく探査装置は、ガンダムを整備中の母艦プトレマイオスを発見。
セルゲイ中佐は配下の大部隊を繰り出す。

敵に発見されたことに気付いたプトレマイオス側は、スメラギが即座に迎撃作戦を立案、実行に移した。

が、セルゲイ中佐はソレスタルビーイング側のさらに裏をかいていた。
キュリオスは、ガンダム捕獲部隊主力の待ち伏せにあい、さらにアレルヤはソーマ少尉の存在により、頭痛に苦しみだす。

そして今回アレルヤは、あまりの頭痛の激しさに、何と気を失ってしまった。
こうなると、キュリオスは単なる鉄人形である。
あっさり捕まり、敵の輸送艦に収容されてしまう。

間もなくヴァーチェが飛来。
敵艦内部にキュリオスがいることを知ると、ティエリアはアレルヤの失態に激怒。
「万死に値する」とつぶやき、敵艦に砲口を向け、アレルヤもろともキュリオスを破壊しようとする。
だが、セルゲイ中佐率いるMS部隊の襲撃を受け、敵艦を取り逃がしてしまう。

【ハレルヤ目覚める】
キュリオスを収容した人革連の輸送艦では、人革連の技術者たちが困っていた。
キュリオスを捕らえたはよいが、コクピットハッチの開け方がさっぱり分からないのである。
仕方ないので、工作機械でハッチに穴を開けようとしたその時、アレルヤのもう一つの人格が目覚めた。アレルヤの第二の人格は、ハレルヤと呼ばれる。
このハレルヤ、温和なアレルヤと真逆であり、好戦的で凶暴、そして残虐である。

ハレルヤは凶悪な笑みを浮かべると、まずは敵艦を内部から破壊、爆発四散させた。

【ヴァーチェVSティエレンタオツー】
ヴァーチェは、セルゲイ中佐率いるMS部隊に苦戦していた。

ヴァーチェの砲撃の威力は絶大だが、速射はできない。
セルゲイ中佐はこの弱点を突いてヴァーチェを攻撃、翻弄する。

ソーマ・ピーリスもティエレンタオツーで果敢に攻撃を繰り返すが、ヴァーチェの戦闘力は尋常ではなく、間合いに踏み込んできたティエレンタオツーの右足を一瞬の隙をついて破壊する。
怒りの色を見せるソーマ。
普段は感情をあまり表に出さないソーマだが、このMSには思い入れがあるらしい。

人革連MS部隊は、ワイヤーとトリモチでヴァーチェを絡めとって動きを封じる。
ヴァーチェは敵に砲口を向けようとするが、敵MSによってたかって押さえつけられしまう。
絶対絶命と思われたその時、ヴァーチェの装甲が次々と内側から吹き飛び、ワイヤーを引きちぎった。
そして、細身のMS・ガンダムナドレが姿を現した。
自由の身となったティエリアは反撃開始、セルゲイ配下のMSを次々と撃破する。
戦況不利と見たセルゲイは即座に作戦中止を決断、兵を退いた。

ティエリアは危機を脱したが、ナドレの姿を予定よりも早く晒してしまい計画を歪めてしまったと、悔し涙を流す。

【ハレルヤ極悪非道】
血に飢えた笑みを浮かべたハレルヤの飛ばすキュリオスは、撤退するセルゲイとソーマ、そしてミン中尉の機体に遭遇する。

ハレルヤは、強化改造された人間がティエレンタオツーに乗っていると見抜き、嬲るような攻撃を繰り返す。
敵パイロットを「女」と呼ぶハレルヤだが、ソーマのことを知っているようである。

死の恐怖をさんざん味あわせることを楽しむような戦い方はやり過ぎかもしれないが、国家権力による人体実験の犠牲者ということを思えば、ハレルヤが人革連の将兵に激しい憎悪を燃やすのも無理はない気がする。

ティエレンタオツーは、先ほどのヴァーチェとの戦闘で大きなダメージを受けていた。
さらに、今回が初陣のソーマ少尉と、数々の戦闘を潜り抜けてきたアレルヤとでは実戦経験の豊富さの違いもあってか、ティエレンタオツーは手も足も出ない。

すると、ミン中尉がキュリオスとティエレンタオツーの間に割って入り、キュリオスに掴みかかった。
セルゲイ中佐とソーマ少尉を逃がすためだった。

ソーマ少尉は、ミン中尉を助けようとする。
味方の危機を放っては置けないソーマ少尉である。
だが、セルゲイ中佐はソーマ少尉を説き伏せ、離脱した。

ミン中尉はキュリオスに掴みかかりながら叫ぶ。
いつかお前たちは、我々が築き上げてきた国を、秩序を乱した報いを受けるのだと。
するとハレルヤは反論する。
人を改造して兵士にする社会にどんな秩序があるのかと。

ハレルヤの言葉の方が、筋が通っている気がする。
ただ、超人機関の実態については、セルゲイ中佐も最近まで知らなかった。
このことから、人革連の非人道行為は、民衆だけでなく軍の将兵にも、その実態はほとんど秘匿されていることが考えられる。
そうならば、ミン中尉が国家の暗部を知らなかったとしても、止むを得ないのかもしれない。

ハレルヤは、楽には殺さねえと残虐な笑みを浮かべる。
そして、灼熱する刃をミン中尉機の胸部装甲にゆっくりと突き刺し、複合装甲を溶解させる超高熱の刃をコクピットに突きいれ、ミン中尉の絶叫を嘲笑いながら嬲り殺した。

正気を取り戻したアレルヤは、ハレルヤが殺しを好きなのは、実は自分の本質なのではと苦悩する。

【スメラギの涙】
プトレマイオスとガンダムは、どうにか人革連の攻撃を退けた。
スメラギは歯を食いしばり、また間違えてしまったとつぶやき、涙を流す。
スメラギの過去に何があったのか、いずれ描かれるのが楽しみである。

地上では、王留美は、ガンダムはイオリア・シュヘンベルグの求めた理想を体現しているというのに、ガンダムマイスターたちは不完全だと、少し失望の色を見せた。

【予告】
次回は、アレルヤが主役のお話のようである。
アレルヤの過去についても触れられるようであり、楽しみである。


なお余談であるが、今回のハレルヤの残虐ぶりを見て、1980年代のアニメ「SPT蒼き流星レイズナー」の悪役・ゴステロをちょっと思い出した。ゴステロとハレルヤの唯一の共通点は、殺しを楽しんでいる点である。

このゴステロ、殺人が大好きなのだが、その理由は何かトラウマがあるという訳ではなく、純粋に殺しが好きという、言い訳のしようの無い極悪人であった。

その発言も「俺は人殺しがだ~い好きなんだ!」「卑怯者~?名誉な言葉だぜ~」「たまらないな!人殺しというやつは!」などといった名言(迷言?)が数多く、かなり人気のあるキャラクターであった。

機動戦士ガンダムOO 9話「大国の威信」

  • 2007/12/02(日) 20:07:07

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【あらすじ】
人革連、大規模なガンダム捕獲作戦を決行!
セルゲイ中佐の奇策、プトレマイオスを追い詰めるが?!

【感想概略】
これまでは、攻めるのはソレスタルビーイングであり、国家勢力は守勢に立たされていた。
だが今回は攻守逆転し、人革連は国家勢力ならではという大規模な作戦で攻めにまわり、ガンダム及びプトレマイオスは危機に陥ってしまう。
今までにない大ピンチをどう切り抜けるか、否応なくこれまでと違う顔を見せる作戦立案指揮チーム、セルゲイ中佐とスメラギの知恵比べ、などなど、おもしろかった。
また、ルイスのお母さんが新しく登場。若くて綺麗なルイス母の今後の活躍に期待したい。

【人革連、ガンダム捕獲作戦開始】
人革連でガンダム捕獲部隊を指揮するセルゲイ中佐は、大規模な作戦を開始する。
それは、数十万の探査装置を飛ばしてガンダムを見つけ、大兵力を投入して捕獲することであった。
これほどの物量作戦はそうそう出来まいとつぶやくセルゲイ中佐。
確かに金銭面だけ見ても、探査装置を数十万機用意するだけでも、凄い金額が必要だろう。

【ルイス母登場】
経済特区日本。
沙慈は、ソレスタルビーイングと世界情勢をテーマにしたレポートに頭を悩ませる。
ソレスタルビーイングの登場で沙慈は、戦争を決して自分と無関係な世界の話ではないと気付いた。
一方ルイスは特にそんなことは思わず、レポートなど適当にやればいいと発言。
すると、ルイスの母が登場。
久々の再会に、ルイスは母に抱きつき、抱擁を交わした。

が、ルイス母は、ルイスを連れ帰ると発言し、ルイスの手を引っ張って強引に連れて行こうとする。
世界が危険なことになっているのに、一人娘を外国になど置いておけないというルイス母。
もっともな理由である。

ルイスは嫌がり、恋人が連れて行かれようとしているのよ!と沙慈に訴える。
この発言に驚くルイス母だが、沙慈も「いつの間に?!」と滅茶苦茶驚いている。
沙慈としては、付き合っているつもりはなかったらしい。

次回、この三人がどうなるのか、期待したい。
ルイス母は死なないという方向で、丸く治めて欲しいところである。

【マリナ皇女、アザディスタン王国で国連大使一行を迎える】
マリナ皇女はアザディスタン王国へ一時帰国し、国連大使の一行を盛大に出迎えた。
この国連大使が、何とアレハンドロ・コーナーなのである。
アレハンドロ・コーナーといえば、ソレスタルビーイングの関係者であり、ガンダムが武力介入したと聞くと不敵な笑みを浮かべ、世界が変わるなどと言っていた男である。

マリナは、この交渉が上手くいけば、アザディスタンは救われると安堵の笑みを浮かべ、コーナーに感謝の意を述べる。

一方シーリンは、マリナと談笑するコーナーを、ぎらりと睨んでいた。
いくら国連とは言え、何の見返りもなくアザディスタンを援助するとは思えない、何かを企んでいるのではと疑うシーリン。

最近公式HPにシーリンの情報が新たに掲載されたが、これによると、アザディスタンでは何と、女性の政治参加が禁止されており、シーリンの言動に棘があるのはこのためだという。
シーリンは、アザディスタンの現在の政治体制にはかなり批判的なのだろう。

マリナの援助要請外交にシーリンが冷ややかな理由の一つは、マリナは今の国家体制も含めて母国を守ろうとしているからだろうか。
シーリンは、古い国家体制のまま経済危機を乗り切ったとしても、それは現在の権力階層を守ることでしかなく、庶民の不平等は固定されたまま、それでアザディスタンの国民に本当に未来があるのか、と思っているのかもしれない。
仮にシーリンが、革命による国家体制の革新を望み、利権としがらみでがんじがらめとなり思い切った政策を打ち出せない現政権には成し得ない大胆な政策でこそ、アザディスタンの危機を乗り切れると思っていても、違和感はない。

【プトレマイオス乗員の休息】
衛星軌道上に浮かぶガンダムの母艦プトレマイオスでは、ガンダム4機の整備が行なわれていた。
ガンダムマイスターと作戦立案指揮チームは、ひとときの休息である。
とは言っても、ソレスタルビーイングは世界のお尋ね者である。
怪しい者が近づいて来ないか、見張りを怠るわけにはいかない。

そんな訳で、クリスティナは艦橋で当直任務についていたが、フェルトが不調のため、彼女の分も働いているのであった。
ここに操縦士リヒテンダール・ツーリが登場し、クリスティナに見張りを代わろうと申し出た。
喜び感謝して、クリスティナは食堂へ行く。

【フェルトとロックオン】
その頃ロックオンは、一人佇むフェルトに声をかけた。
ところがフェルト、涙を流している。

日頃は感情を表に出さないフェルトが、悲しみの色を見せるとは余程のことである。
ロックオンは一瞬少し驚くが、穏やかな兄貴の表情で「どうした?」と尋ねた。

するとフェルトは、ぽつりぽつりと事情を話し始める。
自分の両親は、第二世代のガンダムマイスターであったこと。
今日はその両親の命日であること。
死因は聞かされていないこと。

ロックオンは、ガンダム開発の功労者であるフェルトの両親に対し、現ガンダムマイスターとして感謝の意を示す。
フェルトはまだ14歳だというのに、感情を表に出さず、内面を見せようとしないのは余程のことなのだが、それは両親の死と無関係ではないのだろう。
そしてフェルトは両親を敬愛しており、ロックオンの言葉は何よりも嬉しいものだったのではないか。

両親の遺志を継いだのかとの問いに、フェルトは黙って頷いた。
ロックオンは、フェルトを「きみは強い、強い女の子だ」と誉めた。
そして頭をなで、頭を抱き寄せた。
妹を励まそうとする兄貴のようなロックオンは格好良かった

ロックオンは唐突に、自分の本名は「ニール・ディランディ」であり、出身地はアイルランドであること、テロで両親を失った過去を明かす。
どうして?と少し驚きの色を見せるフェルトに、教えてもらってばかりじゃ不公平と笑うロックオン。

ここにアレルヤが登場、寄り添う二人を見ると頬を赤らめて目を逸らし、失礼と謝るのであった。
アレルヤは、現代(?)の若者とは思えぬ純情さである。

【刹那とティエリア、一緒に食事】
食堂でクリスティナは、刹那とティエリアと相席する。

だが、この二人、食事中全く無言。
ただ黙々と食べるのみだが、二人とも表情が真剣である。

クリスティナは気まずくて仕方ないのだが、刹那とティエリアは何とも思わないらしい。

刹那の場合、少年兵時代は何も食べられない日も少なくなかっただろうし、そもそも三度の食事など取れなかったのではないか。だから刹那は食事の時は、完全に食べることに集中し、周りが目に入らないとしても、無理は無い気がする。

ティエリアの食事姿は、刹那とそっくりに見えたのだが、彼の過去と関係があるのかもしれない。

【セルゲイ部隊、プトレマイオスを探知】
クリスティナは、あんなので味なんて分かるかと怒りながら、艦橋へ戻った。
すると、観測機器の示す数値から、プトレマイオスの位置が何者かに探知されたことに気付く。
ツーリを怒鳴りつけるクリスティナだが、各種観測機器の示す値から現状を読み取れる人間が事実上2人だけというソレスタルビーイングの人事にも問題がある気がする。

一方、セルゲイ中佐の部隊はプトレマイオスの位置を探知。
即座に、MSを満載した宇宙輸送船4隻で急行する。
作戦直前、セルゲイ中佐は、ソーマ・ピーリス少尉に調子を尋ねる。
そして、この前のようなことは御免蒙ると言う。
だが、嫌味をいった訳ではなく、出来ればソーマに戦闘などさせたくないからの発言に思えた。

まだあどけなさの残る年頃のソーマ。
ソーマは、命令通りに戦う戦闘人形として、人の情けを知らずに育ち、自分の境遇に疑問を抱くことすらできない。
セルゲイ中佐は、ソーマの生い立ちに痛々しさをかんじ、ソーマにこのような人生を与えたものに怒りを抱いている。
ソーマ自身の意志とは無関係に戦闘に駆り出され、傷ついたり命を落としたりするかもしれないことを、セルゲイは納得など出来ないのではないか。

セルゲイ中佐の言葉に、承知しております、と答えるソーマ。
ソーマの言葉は、セルゲイの期待に応えたいという気持ちの表れに思えた。

【スメラギ、即座に作戦決行】
プトレマイオスの戦力はガンダム4機だが、整備が終わったのはエクシアのみ。
他の三機は、コンディションが万全とは言えなかった。

作戦立案指揮チームのスメラギは、この極めて限られた戦力で危機を乗り切る策を、即座に立案した。
まずキュリオスとヴァーチェを敵艦隊方向へ出撃させ、デュナメスとエクシアは艦の守りについた。
そしてプトレマイオスはそのまま前進を続ける。

【セルゲイ中佐の知略】
だが、敵もさるものである。
セルゲイ中佐は、スメラギの作戦を見抜く。

まず、キュリオスとヴァーチェにはそれぞれ、無人の艦船を突撃させる。
そして、MSを満載した艦船でプトレマイオスに襲い掛かった。

敵の猛攻を何とかしのぐプトレマイオス。
クリスティナは戦闘と死の恐怖に、すっかり怯えパニックに陥ってしまうが、フェルトとスメラギの言葉に落ち着きを取り戻す。
作戦立案指揮チームは、ガンダムマイスターたちのように戦闘慣れしている訳ではなく、それどころか戦闘そのものはこれが初めてかもしれないことが伺える。

だがスメラギは、敵の狙いは迎撃に出撃したキュリオスとヴァーチェの捕獲であり、自分の作戦が見抜かれ、裏をかいたつもりがかかれていたこと、そして敵の戦い方から、敵将が「ロシアの荒熊」セルゲイであることに気付く。

その頃、空の輸送艦を撃破したキュリオス及びヴァーチェはそれぞれ、プトレマイオスへ急ぐ。
するとキュリオスの目の前に、敵MSの大部隊が出現。
キュリオスに搭乗するアレルヤは、以前低軌道ステーションでかんじたものと同じ頭痛に襲われる。
敵MS部隊の中に、「超兵1号」ソーマ・ピーリス少尉がいることがアレルヤの頭痛の原因なのだが、ソーマは涼しい顔。
超人機関が施した、「強化された人間が近づくと錯乱することを防ぐ対策」は、有効なようである。
今後はソレスタルビーイングも、同様の対策を講ずるべきかもしれない。


今回はここで終了である。
絶体絶命のプトレマイオスとガンダムたちは、この危機をいかに乗り切るのか。
次回の戦いに期待したい。

機動戦士ガンダムOO 8話「無差別報復」

  • 2007/11/24(土) 23:56:17

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【あらすじ】
世界各地で無差別爆弾テロ発生!
テロ組織はソレスタルビーイングの紛争介入中止と武装解除を要求!
王留美、エージェントを率いテロ組織壊滅に挑む!

【感想概略】
今回は、主な戦力がガンダムであるソレスタルビーイングがテロとどう戦うかというおもしろさがあり、17歳とは思えぬ王留美の貫禄ある采配ぶり、卑怯を嫌うグラハム中尉の漢気、少ないながらも良識派・セルゲイ中佐とソーマ少尉が登場、そしてマリナと刹那の主義主張のぶつかりあいのおもしろさがあった。

【王留美、テロ組織の拠点捜索を指揮】
前回、世界各地で無差別爆弾テロが発生。
テロ組織は、ソレスタルビーイングの紛争介入中止と武装解除を要求した。
前回から引き続き、テロへの怒りに燃えるロックオン。
ロックオンの回想によると、彼は少年の頃、テロ行為によって親しい人を死に追いやられたらしい。
ここら辺がいずれ明かされることを期待したい。

さてソレスタルビーイングは、テロ組織の要求に従うつもりはない。
だが、今回の相手は市民社会に潜伏するテロリストである。
いつものような軍隊や武装集団といった、堂々と姿を晒して真正面から武力でぶつかりあう連中とは勝手が違っている。

そして今回指揮をとるのは、何と王留美である。
王の作戦は、まずテロが予測される地域の付近をエージェントに見張らせ、テロが発生したら実行犯を捕らえて拠点を吐かせ、最後にガンダムでテロ組織の本拠地を壊滅させる、というものであった。
ソレスタルビーイングは少数精鋭とのことだが、それでもかなりの人数のエージェントが世界各地に潜伏しているようである。

南海の孤島に潜伏するスメラギ一行、ガンダム技師の男、及びガンダムマイスターたち。
スメラギたち作戦立案指揮チームは、何故か水着姿。
特にスメラギの巨乳は、目の毒である。

アレルヤは、非常時と思えぬスメラギの振る舞いをたしなめる。
が、スメラギは、今は王留美たちの情報を待つしかない、これはカモフラージュだと主張。
ロックオンは、スメラギの態度は強がりなのだと理解を示すが、目のやり場に困るアレルヤだった。

間もなく、4機のガンダムは、それぞれ世界各地に潜伏。
刹那はエクシアとともにスコットランドに潜伏し、命令を待った。

【グラハム中尉、及びセルゲイ中佐の動向】
今回の敵はテロリストということもあり、グラハム中尉も、セルゲイ中佐も、あまり出番が無かった。

それでもグラハム中尉は、ほとんど抑止効果は無いと分かりながらも偵察飛行を行う。
部下たちもグラハムの意気にかんじ、同行する。
卑怯を嫌うグラハムの漢気が好きだ。

そしてセルゲイ中佐は、テロについて情報を収集するのだが、ソーマ・ピーリス少尉は、セルゲイ中佐の任務とテロは関係ないのではと指摘する。
ソーマは家族もなく、人の情けも知らず生きてきたようであり、そもそも親しい人間がいたことがなく、人の死に心を痛めるという感覚がよく分からないのかもしれない。

セルゲイ中佐は、多発テロはソレスタルビーイングが原因であり、彼らが絡んでくるかもしれないというのだが、テロにより犠牲者が出たことに心を痛めている様子である。

【絹江、疲労困憊して帰宅】
経済特区日本では、沙慈の姉・絹江は疲れ切って帰宅する。
報道機関に勤務する絹江は、ソレスタルビーイングによる連日の武力介入及びこれに反対する無差別テロ発生により、取材活動が大忙しとなっていたのである。
絹江は、テロ犠牲者の家族に取材、きつかったという。

戦争を無くすなど無理なのではという沙慈。

すると絹江は言う。
ソレスタルビーイングも、実はそう思っているのではないか。
戦争根絶を掲げているが、その裏に真の目的があるのではないか、と。

だが、少なくとも刹那とティエリアは、本気で戦争根絶を目指しているようである。

【刹那、テロ実行犯を追跡】
やがて、スコットランドで無差別爆弾テロが発生した。
事件現場の近くにいるという理由で、刹那に実行犯追跡の命令が下った。
刹那はバイクを飛ばし、実行犯の自動車を追う。
途中、マリナ皇女一行の自動車とすれ違うのだが、マリナはその僅かな瞬間に、刹那の衣服はアザディスタン風の民族衣装と気付くのだった。

さて、実行犯の車に追いついた刹那。
いきなり懐から銃を取り出し、サイドガラスに連射しまくった。
が、銃弾は防弾ガラスにことごとく跳ね返されてしまう。
あきらかにカタギの車ではない。
この自動車を運転する人は、よほどこういった荒事に慣れているのか、刹那に反撃したりせず、いきなり方向を変えると、猛スピードで走り去るのだった。

さらに銃を撃とうとする刹那だが、騒ぎに気付いたパトカーが出現。
警官が降りてきて刹那にIDカードの提示を求めた。

刹那はどうするのか?
警官を叩きのめして逃走するのかと思ったが、マリナ皇女一行が引き返し、刹那を連れと偽り、警官から引き取るのだった。

【刹那、マリナと出会う】
マリナが刹那を助けたのは、刹那の民族衣装から同国人と思ったからだった。
アザディスタンの人間が外国にいることは、よほど珍しいことらしい。
が、刹那はアザディスタンではなく、クルジス出身と聞くと、マリナは後ろめたそうな表情を見せる。
6年前、クルジスはアザディスタンに滅ぼされたという。

マリナは自己紹介し、刹那は偽名を名乗った。
刹那と話すマリナは、ちょっと嬉しそうである。

マリナは、刹那に話す。
援助を求めるため外交を行なっていること。
アザディスタンの国内情勢は緊迫、保守派と改革派が対立し、武力抗争に発展しかねないこと。
そうなったらソレスタルビーイングがやって来て、紛争の平和的解決など一切試みることなく、武器を手に争うものは見境無く殺されるだろうということ。
マリナはソレスタルビーイングを狂信者の集団と呼び、嫌悪を隠そうとしない。
いつもとは少し様子のちがうマリナである。

マリナの話は、仕事の愚痴ともとれる。
だが、それは無理のないことに思える。
マリナはまだ24歳でしかないのに、祖国の命運を背負った外交交渉を行なっている。
そして大した成果を上げることが出来ないでいる。
責任の重さに押し潰されそうな気持ちになり、無力さに挫けそうになり、誰かに悩みを聞いて欲しくても、シーリンは嗜虐的な笑みを浮かべ意地悪なことを言うばかり。
ただ悩みを聞いて欲しかった、自分の悩みに共感して欲しかったと思っても、無理はないとおもう。

だが、刹那はマリナの話に共感を示さない。
戦争がおこれば、人は死ぬ。
話し合いの間も、人は死ぬ。

刹那の口ぶりの異様さに、マリナは目の前の小柄な少年が、今より幼い頃に戦っていたことに気付く。
今も戦っているという刹那に、保守派の刺客かと尋ねるマリナ。
刹那は答える。
あんたを殺しても、何も変わらない。世界も変わらない。
そして刹那は、自らのコードネームを「刹那・F・セイエイ」と明かし、紛争が続くようならアザディスタンへも向かうと言い残し、去った。

刹那の言葉は、マリナにはかなりショックだったようである。
ソレスタルビーイングの構成員に出会ったこともショックだっただろうし(半信半疑のようだが)、刹那のような少年がもっと幼い頃に戦争に駆り出され、今も戦っていることもショックだろうし、現在祖国に脅威を与える存在は、アザディスタンの戦争が生み出したものであることも、ショックなのだろう。

マリナと刹那の出会いは、今後の二人にどのような影響を与えるのだろうか。

【ソレスタルビーイングと各国諜報機関、持ちつ持たれつ】
王留美はエージェントを指揮し、引き続きテロ組織の拠点解明に取り組んでいた。
テロの実行犯は捕らえたが、テロ組織は既に拠点を引き払った後だった。
振り出しに戻ったかと思われたが、王たちはネットワークに流出したテロ組織の情報を察知する。
それはAEUの諜報機関が故意に流したものだった。
他国領内のテロ組織拠点への武力行使は、まともな国家には困難だが、私設武装組織・ソレスタルビーイングならば造作もないことである。
世界が私たちに動けと言っていると、不敵に笑う王留美である。

一方、全く別の場所で不敵に笑うAEU諜報機関の長官が好きだ。

【ガンダム、テロ組織拠点を襲撃】
そして、王留美たちの突き止めた情報に従い、ガンダム4機は世界各地のテロ組織の拠点を襲撃する。
こうなると、もはやテロ組織にまともな反撃手段はない。
唯一、エクシアの襲撃を受けた洋上のテロリスト艦船は、水中用モビルアーマーで反撃を試み、エクシアを海中に引きずり込んで一瞬善戦したが、結局はエクシアの刀剣に斬り捨てられ、粉微塵に爆発した。

その他の地域のテロ拠点も、ガンダムの圧倒的攻撃力の前に、塵となるまで焼き尽くされるのだった。

【予告】
次回は、国家軍隊が圧倒的物量でソレスタルビーイングに戦いを挑むようである。
ソレスタルビーイングとしても、これは予測していた事態だと思うのだが、どう戦うのか、楽しみである。
また、ソレスタルビーイングに反対する市民運動も起こるようであり、世論の動きとソレスタルビーイングの反応が楽しみである。