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電脳コイル 感想TOP

  • 2015/09/23(水) 22:31:06

下記リンクをクリックすると各話感想が表示されます。

第1話 メガネの子供たち
第2話 コイル電脳探偵局
第3話 優子と勇子
第4話 大黒市黒客クラブ
第5話 メタバグ争奪バスツアー
第6話 赤いオートマトン
第7話 出動!! コイル探偵局
第8話 夏祭り、そして果たし合い
第9話 あっちのミチコさん
第10話 カンナの日記
第11話 沈没! 大黒市
第12話 ダイチ、発毛ス
第13話 最後の首長竜
第13.5話 電脳コイル自由研究
第14話 いきものの記録
第15話 駅向こうの少年
第16話 イサコの病室
第17話 最後の夏休み
第18話 異界への扉
第19話 黒い訪問者
第20話 カンナとヤサコ
第21話 黒いオートマトン
第22話 最後のコイル
第23話 かなえられた願い
第24話 メガネを捨てる子供たち
第25話 金沢市はざま交差点
第26話 ヤサコとイサコ

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「電脳コイル」、期間限定で無料配信(2011/9/30~10/11)

  • 2011/10/02(日) 23:41:33

アニメ「電脳コイル」は、2007年にNHK教育にて放映された作品であり、放映時は毎週の楽しみだった作品である。

この「電脳コイル」のBD-BOX発売を記念し、全26話を前半、後半に分けて以下スケジュールで11日間無料配信しているそうである。
http://www.tokuma.co.jp/coil/haishin.html

第1話、おさらい篇
9/30(金)正午〜10/11(火)正午

第2話〜第13話
09/30(金)正午〜10/05(火)正午

第14話〜第26話
10/05(火)正午〜10/11(火)正午


またBD-BOX発売として、キャストコメントも公開されている。「今後少しずつ増えていきます」とのことで、こちらも楽しみである。
http://www.tokuma.co.jp/coil/comment.html

電脳コイル 26話「ヤサコとイサコ」

  • 2007/12/04(火) 23:58:31

ついに明かされる「あっち」の謎、「4423」の謎、ヤサコとイサコの謎!
ヤサコとイサコの物語の行方は?!

【感想概略】
今回で最終回であり、ヤサコとイサコの物語には一つの決着がついたのだが、後味のよい終わり方だったと思う。
「電脳コイル」という作品に出会えたことを感謝している。

【幼いヤサコ、オジジに出会う】
前回、ヤサコは「はざま交差点」から「通路」を通って「あっち」へ行った。
イサコの元へ辿り着き、一緒に帰ってくるためである。
ヤサコは、胸の痛みを感じる方にイサコの存在をかんじ、イサコの元を目指す。
だがイサコは、ミチコの囁きに惑わされ、兄と永遠に暮らせる世界を選び、ヤサコを拒絶してしまう。

イサコの拒絶とともに、ヤサコの足元の地面は崩れ出す。
崩壊する空間を、ヤサコは走った。

気が付くと、ヤサコは自らの記憶の風景の中にいた。
それは祖父の葬儀の日。

デンスケと初めて出会ったヤサコは、道に迷い、「4423」と名乗る謎の少年と出会う。
そして、細身の黒い影と出会う。

幼いヤサコは、黒い影に名を尋ねた。
すると黒い影は、「オコノギ」と名乗る。
「わたしとおなじだ」というヤサコの言葉に、黒い影は本来の姿を取り戻す。
黒い影の正体は、ヤサコの祖父・小此木医師であった。

【実験空間4423】
メガバアたちは、イサコのおじが提供した資料と、イサコのおじの話から、「あっち」の真実を、「4423」の真実を、イサコの真実を知った。

かつてイサコが兄とともに交通事故にあった時。
イサコは一命を取り留めたが、兄は事故直後に死亡した。
事故後、イサコは意識を取り戻したが、兄の死を知ると、心を閉ざしてしまった。
この時、イサコの治療を担当したのが、ヤサコの祖父、小此木医師だったのである。

深く傷ついたイサコの心を癒すため、実験空間「4423」が作られた。
そしてイマーゴ機能により、イサコは心の中にある兄を電脳化した。
全ては、突然兄を奪われたイサコが、兄の死を受け入れるため、そして乗り越えるためであった。

だが、イサコの電脳体が戻れなくなる事態が発生してしまった。
すると小此木医師は、イサコを助けるため、イマーゴ機能を用いて自らの電脳体を分離させて実験空間「4423」へ潜ったのである。
そしてイサコは戻ってきたが、小此木医師の肉体は死んでしまった。
イマーゴは大人にはうまく適合しなかったのだという。

イサコのおじは、このことを知っていた。
だが、小此木医師への感謝を、メガマス社との約束により公には出来なかったようである。
イサコは兄が生きていると思い、いつか兄と再会出来ると信じ、それを心の支えにしていた。
イサコのおじは、イサコの心の傷を癒すためにはメガマス社に協力しない訳にはいかなかったのだろう。

間もなく、実験空間「4423」は何らかの原因で変質し、「あっち」と呼ばれる空間へと変容した。

幼いヤサコが迷い込んだのは、「実験空間4423」だった。
だが、いくらコイルスノードであるデンスケが一緒であっても、イサコの意志と無関係に「4423」へ入れるとは思えない。
ヤサコを積極的に求める気持ちがイサコにあったからこそ、ヤサコは「4423」へ入ることができたのではないか。

【ヤサコ、オジジと別れる】
幼いヤサコの記憶の映像は、続いている。
まだ死の意味が分からぬ幼いヤサコ。
ヤサコは、無邪気に「オジジはしんだんだよ」といい、「ワシは死んだんじゃった」というオジジと、ケラケラと笑う。
ヤサコは、言葉を交わしたことはないと思っていたオジジと、実は会っていたのである。

オジジはデンスケを見て、ヤサコがこの空間に来た理由を察した。
そしてデンスケに、ヤサコを守って帰るよう言いつけ、ヤサコにデンスケの首輪を与えた。
この空間に迷い込まないためである。

オジジは、ヤサコに別れを告げた。
だが死の意味の分からないヤサコは、オジジも一緒に帰ろうと涙目で訴える。
するとオジジは、助けなければならない子がいるとヤサコに笑い、消えていった。

記憶の映像が途切れた。
周囲は再び、闇と化した。

【ヤサコ、デンスケに導かれ「あっち」から帰還】
今のヤサコには、どう進めば自分の現実の身体に辿り着けるのか、全く分からない。
すると、大きな目の黒い影が現れ、ヤサコを招いた。
黒い影について行くと、闇の中に白い「通路」が、そして自分の現実の身体が、ハラケンと玉子が見えた。
「通路」を通り、全てが白い空間に抜け出たヤサコは、自分を導いてくれた黒い影が、デンスケであることに気付く。

ヤサコは初めてデンスケを腕に抱いた。
初めてデンスケに触ることが出来た。
去っていくデンスケに、ヤサコはこれまでともに過ごせた感謝を伝え、別れを告げた。

そしてヤサコの電脳体は、現実の身体に戻った。
玉子とハラケンは、安堵した。

【ヤサコの父、正体を明かす】
ヤサコは、とりあえず自身の危機を脱した。
だがイサコは、依然として「あっち」にいる。
ヤサコはふらつく身体で、大黒市のイサコの元へ連れて行って欲しいと玉子に訴えた。

玉子はヤサコをおんぶしてバイクへ急ぐが、何と駐車違反でレッカー移動されてしまう。
すると自動車が停まり、ヤサコの父が顔を出し、三人に乗るよう促した。

玉子は、かつての上司であるヤサコの父に、ヤサコの行動を何とか理解してもらうおうと必死の表情である。
が、ヤサコの父は、コイルタグを差し出す。
驚く玉子に、ヤサコの父は衝撃の事実を明かす。
何とヤサコの父は、コイル探偵局・会員番号壱番だったのである。
お袋にはいろいろ弱みを握られている、と涙を滲ませるヤサコの父に、深く同情する玉子である。

ヤサコの父は、半年前からメガマス社の内部監査に協力していたことを明かす。
まず、カンナの事故は電脳ナビの誤動作であってカンナに非はないことをハラケンに伝えた。
そして、メガマス社内部には旧コイルスと繋がる一派があること、そして彼らが動かしていたは、イマーゴ技術の開発者の息子、猫目宗助であることを告げる。
黒幕の正体を知り、驚く玉子である。

【猫目VSメガバア】
病院では、メガバアがイサコの様子を看ていた。
すると突然、古流の電脳攻撃がイサコを襲う。
即座にメガバアはお札を放ちイサコを守るが、力は拮抗。
ベッドの下に桃色のミゼットが現れ、手の塞がったメガバアの隙を狙うが、モジョが目から光線を放ち、ミゼットを退けた。

メガバアは、技の癖から、襲撃者の正体を猫目と見破る。
何を企んでいると問うメガバアに、何も企んでいない、自分の目的は変わっていないと邪悪な笑みを浮かべこたえる猫目。

メガバアは思い出す。
4年前、猫目は玉子をそそのかし、「通路」を開こうとしたことを。
この時、玉子の電脳体が「あっち」へ行ったまま、意識が戻らない可能性があったことを。
メガバアは、徐々に、ぎりぎりと押されていく。

【タケルの裏切】
突然、猫目の攻撃の圧力が止まった。
タケルの仕業であった。

玉子に背負われたヤサコは、病院の廊下で、猫目の電脳攻撃を阻止するタケルに出くわす。
父の名誉のためだと訴える猫目に、タケルは叫ぶ。
「父ちゃんは、イマーゴや電脳ペットを人の心を治すためにつくったんだ!」

タケルは、パスワードを入力して実行。
すると、猫目の攻撃は完全に消滅した。

タケルは言う
父に教わったパスワードで、猫目のメガネを破壊したのだと。

そしてタケルは、イサコの元へ急ぐよう、ヤサコたちに叫んだ。

【ヤサコとイサコ】
ヤサコは、玉子に支えられ、イサコの病室に辿り着いた。
そしてヤサコはイサコに、戻ってくるよう必死で呼びかける。
だが突然、ヤサコの電脳体が分離する。
目を開くと、ヤサコはイサコの電脳空間にいた。

イサコは、自分が兄を死なせたのだと思っている。
例えもどっても兄を死なせたバカな妹になるだけだと。
ヤサコは、イサコの兄は事故の直後に亡くなったのであり、イサコが死なせた訳ではないと訴えた。

ヤサコは、ミチコの正体に気付いた。
ミチコを生み出したのは、イサコの苦しみ、そしてヤサコのキスなのだと。
ヤサコは、戻ってくるようイサコに叫んだ。
するとイサコは走り出す。

だがミチコは、イサコが自分から離れることを許さない。
イサコが兄の死を受け入れ、ヤサコを受け入れ、ヤサコと心を通わせることを許さない。

ミチコは訴える。
そっちは苦しみと痛みばかり。
こっちにいれば苦しみは無く、永遠に子供のままでいられる。
あなたのお兄さんと永遠に。

イサコの足が止まった。
兄の姿に、再びミチコたちへ向かってふらふらと歩きはじめた。
現実のイサコも、幸せそうな笑みを浮かべ、涙を流す。

イマーゴによるヤサコの負担は、極限に達しようとしていた。
玉子はヤサコを止めようとするが、ヤサコは、自分自身の命が危ないことも眼中に無い。
ヤサコは、イサコの肩を指先がめり込むほど強く掴んで離さない。

ヤサコは眉を吊り上げて叫んだ。
「天沢さんのばかっ
それでも天沢勇子なの!
勇子の勇は勇ましいの勇。
あなたは痛みを恐れない、勇ましい女の子!
だからイサコ!戻ってきなさい!イサコ!」


ミチコはイサコに追いすがろうとするが、背後から何者かに羽交い絞めにされる。
何とノブヒコであった。

ノブヒコはイサコに言う。
これで本当のさよならだと。

イサコは、ミチコとノブヒコに別れを告げ、痛みのする方へ、ヤサコの方へ走った。

鳥居の石段をイサコは下る。
そしてヤサコは石段を登り、イサコを迎える。

「わたし、あなたのことが嫌いだった。
でも分かったの、なぜ嫌いだったのか。
ずっと、怖かった。
誰かと心がつながることが、怖かった。
でも、もう怖くない。」

ヤサコの差し出した手に、イサコは手を重ねた。

イサコは、意識を取り戻した。
ヤサコとイサコは、互いに、ひたいをすりつけあった。

【ヤサコ、イサコからの電話を受ける】
あの事件の後、イサコは何も言わず金沢に帰ってしまった。

そして、翌年の春。
ヤサコたちは中学生になった。
セーラー服で登校するヤサコ。
小学校に上がった京子も、ランドセルで登校である。

急にヤサコへ電話が入った。
イサコからだった。
久しぶりなのか、ちょっと驚いた様子のヤサコである。

ヤサコはイサコに、自分たちは友だちになれたのか尋ねた。
するとイサコはいう。
「言っただろう。わたしは、友だちというものは、よく分からないんだ。」
いっていることは以前と同じだが、イサコの声音は穏やかである。
「そう…」と、ヤサコは少し残念そうに言う。

イサコは、これまで友だちがいなかったためもあるだろうが、自分がヤサコへ抱く感情を何と呼んでよいのか分からないようである。
それでもイサコは、ヤサコの問いに、誠実にこたえた。

「でも…。
お前は…、そうだな…。
同じ道で迷って、同じ道を目指した、仲間だ。
でも、仲間なのは同じ道を目指している時だけだ。
わたしみたいな人間は、いつまでも他人と一緒にいては、自分の道が見えなくなってしまう。

また会おう。
同じ道を迷った時。
それまでは、さよならだ。

わたしはイサコ。
名付け親は、あんただ。」

穏やかな声でいうと、イサコは通話を切った。
イサコは、軽々しいことは口にしない。
「また会おう」というのは、いずれ必ずヤサコに会うつもりなのだろう。

ふと見ると、通りの向こうに、デンスケが見えた。
だが、次の瞬間にはいない。
「京子、見えた?」と尋ねるヤサコ。
京子はただ微笑み、頷いた。


おわり

電脳コイル 25話「金沢市はざま交差点」

  • 2007/11/26(月) 23:58:27

ヤサコ、イサコ救出のため「通路」の向こうへ!
玉子とハラケン、ヤサコに全面協力!
猫目、目的のためならヤサコ抹殺も辞さず!
「ミチコ」登場、イサコの取込み、ヤサコの排除を画策するその真意は?!

【感想概略】
今回も含め残すところ後二話なのであるが、ヤサコの内面、イサコの内面、それぞれの過去とあらたな秘密、猫目の真の目的、最終強化型サッチーと新型サッチーの大空中戦、などなど、おもしろかった。
次回にも大期待である。

【ヤサコ、マユミと再会】
前回、ヤサコはイサコ救出のため金沢市のかつての母校を訪れ、かつての友人マユミに連絡を入れた。
だが、なかなか応答してもらえない。
すると目の前に、マユミ本人が現れる。
ヤサコはマユミに、友だちの命がかかっている、はざま交差点の場所を教えて欲しいと訴えた。

だがマユミは、ヤサコの言葉の一つ一つを批判する。
かつてマユミが嘘つき呼ばわりされた時、ヤサコは周囲に同調し、マユミから離れた。
それも含め、マユミはヤサコを許せない。

「それって本当に友だち?
わたしの時と同じで、あなたが友だちのふりしているだけなんじゃないの?
あの時は、聞きたくないって言ったくせに。
みんなと一緒に、わたしのこと無視したくせに。
あなたはいつだってそう。
表向きはいい顔して、裏では友だちを呼び捨てしたりしている。
ずっと、ずっと、あなたのそういうところ、嫌いだった。
優しいふりして、でも困った時には助けてくれなかった。 」

ヤサコを否定し、ヤサコを許さず、ヤサコを拒否。
自分で何とかしたというマユミは、あなたもそうして、と言い残し去った。

ヤサコは、マユミがイジメにあった時の自分自身の振る舞いを、かなり後悔しているように見える。 だからこそ、イサコがイジメにあったとき、自分自身もいじめられることを省みず、イサコの味方をしたのではないか。

【玉子とハラケン、合流】
ハラケンは、ヤサコを追って金沢駅に辿り着いた。
ハラケンの目的は、「はざま交差点」へ行こうとしているヤサコを止めることだった。
が、ヤサコのメガネを追跡しきれない。

すると背後に、玉子が出現。
何とサッチーを引き連れている。
「わたしをなめるんじゃないわよ!」と怒鳴る玉子である。

ハラケンは、子供たちのため奔走し疲れ果て眠りこける玉子から、黙ってメガネを持ち出した。それにハラケンは病み上がりである。
これではハラケンは、玉子に怒られ、連れ戻されても仕方のないところである。

だが、玉子は苦笑いをすると、より的確にヤサコのメガネを追跡できるようアドバイスした。
そして玉子は、ヤサコの安全確保、そしてイサコの電脳体救出のため、ハラケンとともに、ヤサコの行方を追うのである。

【ヤサコ、「はざま交差点」へ】
ヤサコは自力で「はざま交差点」を探す。
胸の痛みのする方向へ急ぐヤサコ。
その胸は、暗号炉で青白く光っている。
イマーゴ機能によって、ヤサコの心が電脳体に反映されているのだろうか。

そして、ヤサコは「通路」の間近に辿り着いた。
その脇には、何とヌルが立っている。
これまで出会ったヌルは、どれも皆いきなり襲い掛かって来たが、このヌルは紳士的である。

実はヌルの正体は、電脳コイル現象を利用して「あっち」へと意識を送り込む電脳の乗り物「ヌル・キャリア」なのである。ヤサコの目の前のヌルこそ、ヌル本来の姿なのだろう。

このヌルは、ヤサコを小此木先生と呼び、「試験領域」へアクセスするか尋ねてきた。
ヤサコが祖父の電脳メガネをかけているためであった。
ヤサコは、ヌルにエスコートされ、「通路」を通った。

【サッチー、「通路」へ突入】
はざま交差点に辿り着いた玉子とハラケン。
だが既にヤサコは「通路」の向こう側へ行った後だった。

ハラケンは、ヌルに触って電脳体を分離させようとする。
だが、ヌルに触れることができない。
正常に動いている「ヌル・キャリア」が電脳コイル現象を発生させるのは、コイルスのメガネに設定されたアクセス権を持つ者だけなのである。

その時、2機の新型サッチーが飛来、「通路」へ突入していった。
即座に玉子はサッチーにお札を貼り、「通路」へ突入させた。

玉子は表情を緊張させ、確信する。
本社は、イマーゴと電脳コイルの存在が世間に知られることを恐れ、ヤサコもろとも空間を消す気なのだと。

【ヤサコ、赤いサッチーと合流】
「通路」の向こう側には、広大な無人の街が広がっていた。
ヤサコは、胸の痛みのする方へ、イサコのもとへ向かう。

すると猫目の操作する新型サッチーが2機、飛来。
猫目は凶悪な笑みを浮かべ、新型サッチーでヤサコへ発砲。
ヤサコは暗号式を放ち、新型サッチー1機を大破させ、逃走を続けた。

即座に猫目は、新型サッチーの手動修復をタケルに指示。
もう一機で執拗にヤサコを追う。

そこに赤いサッチーが出現。
新型サッチーを攻撃、光線で一機を撃破した。

サッチーからは、ハラケンと玉子の声が呼びかけてきた。
二人の声に、ほっとした表情のヤサコである。

ハラケンの顔は、これまでのどこか思いつめたような表情ではなく、本来の自分らしさを取り戻したような表情である。 これまではカンナの死に自責の念を抱いていたが、カンナ自身からカンナの気持ちを伝えられたためかもしれない。

【ヤサコ、サッチーで空へ】
サッチーは、ヤサコを体内に取込むと、スピードを上げ、そのまま離陸。
指を羽に、ボディを流線型に変形させ、大空へ舞い上がった。
このサッチーを持ち出す時、色々改造したという玉子である。

イサコにもらった胸の暗号が教えるというヤサコ。
ヤサコは、胸の痛みをかんじる方向へ、サッチーを飛行させる。

【イサコ、鳥居の階段を上る】
イサコは、鳥居の林立する山の斜面の石段に立ち尽くしていた。
山の上の方から、イサコを呼ぶ兄の声が聞こえる。
イサコは、階段を上り始めた。

イサコは、兄と過ごした幼い日を思い出す。
幼いイサコは兄に訴える。
「お母さん、ときどきこわいの。
わたしをぶつの。 」

兄ノブヒコは、涙ぐむイサコを勇気付けた。
そして勇子に、兄だけが呼ぶ秘密の名前「イサコ」を与えた。
これが、イサコがその名で呼ばれると怒りの色を見せる理由のようである。

【ミチコ、姿を現す】
イサコは階段を上る。
もうすぐ兄に会えると思うと、自然と笑みが浮かぶが、その表情はどこか儚げである。

一方、ヤサコは胸の痛みにイサコの存在をかんじ、イサコの名を呼ぶ。
ヤサコの叫びは、イサコに届いた。
不思議そうに振り向くイサコ。

すると、謎の声がイサコに、迷わずそのまま進めと囁く。

間もなくイサコの前に、黒い影が現れ、兄の声でイサコを迎えた。
イサコは嬉し涙をにじませ、黒い影に駆け寄った。
この時、ヤサコの声を聞いたことは、イサコの頭から吹き飛んでいただろう。

謎の声は、イサコに語りかける。
「この世界は、もうすぐ滅ぶはずだった。
あちこちが壊れ始め、わたしも兄弟たちも、みんな死んでいく運命だった。
猫目が、この世界を守るために何が必要か教えてくれた。」

いつの間にか、イサコの背後には、亡霊のような髪の長い女性が立っている。
彼女こそ、ミチコである。

【空中戦!サッチーVS新型サッチー】
空飛ぶサッチーを、猫目の新型サッチーが襲う。

赤いサッチーをポンコツ呼ばわりする猫目は、サッチーに光線を連射。
かわしきれず赤いサッチーは被弾、機体後部から炎を上げた。

が、赤いサッチーは高度を下げながらも反撃。
新型サッチーに直撃弾を浴びせた。
そして赤いサッチーは一時着地し、ヤサコを降ろすと、再び空に舞い上がった。

直撃を受け、身動きの取れない猫目の新型サッチー。
だが猫目は、さらに大技を繰り出そうとする。

が、技を放つ直前の一瞬を突き、赤いサッチーが急接近。
両腕で新型サッチーを捕まえた。
滅茶苦茶に光線を乱射する新型サッチー。
だが、赤いサッチーは決して離さない。

赤いサッチーは、敵機を掴んだまま街外れに落下、敵機もろとも大爆発をおこした。

【タケル、離反】
ヤサコを取り逃がし、舌打ちする猫目。

そして猫目は、新型サッチーが何者かの干渉を受けたことに気付き、タケルを問い詰めた。
だが逆にタケルは、猫目に、ヤサコを殺すつもりだったことを指摘する。
猫目は、少し後ろめたそうにタケルの言葉を認めるが、父と母のためだと開き直った。

猫目は、怒りに声を震わせ、メガマス社への怨みを叫ぶ。
イマーゴを開発し、世界で初めて、集合的無意識を電脳空間化した父の研究成果を、メガマス社は奪い、捨てた。

父の名誉を回復する、それが病気の母を救う道なのだと叫ぶ猫目だが、同時にメガマス社への激烈な復讐心と激しい憎悪を隠さない。
「あっち」を維持するため、イサコをミチコへの生贄にしたという猫目。
さらに猫目は、無関係の人間を犠牲とする恐るべき復讐計画を、狂気の笑みを浮かべ嬉々として語る。

猫目のあまりの悪逆さに、タケルはとうとう逃げ出した。

【イサコとミチコ】
山の上には、小さな祠。
穏やかな表情でブランコに腰かけるイサコ。
そしてイサコの背後には、黒い影が無言で立っている。

この黒い影、先ほどはイサコの兄ノブヒコの声で呼びかけたのだが、以後全く無言である。
そして、少し離れたところには、幼いイサコが兄に髪を結ってもらっている。

この空間は、イサコが「幸せだった…と思う」という過去を映し出しはするが、兄と言葉を交わすことはできないらしい。

髪をなびかせ佇むミチコは、イサコに囁く。
「この空間が何のためにあるのか、なぜ生まれたのか、それは私にもわからない。
でも、あなたがここで、お兄さんと幸せに暮らすことで、この空間は守られる。
永遠に…。 」

イサコにとって、今ここにいるのは、「兄」と自分と、そしてミチコだけ。
イサコに嫌な思いをさせるものは、何も無い。
この世界こそが、イサコが安らげるただ一つの場所のようである。

だが、ヤサコが鳥居の階段に辿り着き、上り始めると、幼いイサコが何かに気付いた。
イサコも何かに気付く。

階段を上るヤサコは、イサコの存在をかんじ、呼びかけた。
そしてイサコも、ヤサコが呼ぶ声に気付く。

ヤサコの声にただならぬ執着を見せるイサコに、ミチコは囁く。
「あれは、あなた達の幸せを壊す声。 」

ヤサコは階段を駆け上がるほどイサコの存在を強く感じ、イサコに呼びかけた。
腰かけていたイサコは立ち上がり、ヤサコの声に向かって歩き出す。

すると、空間が軋み始めた。
景色が滲み、亀裂が入った。

この空間は、イサコの自発的意志によって維持されるらしい。
そして、イサコの心がヤサコへ向くと、崩壊をはじめるようである。
この空間にとって、イサコとヤサコはよほど特別な存在であるらしい。
だからミチコは、イサコの心を繋ぎとめようとし、イサコがヤサコを憎悪するよう仕向けるのだろうか。

【ヤサコを憎め、拒め】
ミチコは、イサコの心がヤサコへ動いていくことを制止する。
「勇子、勇子…。どこに行くの?
この空間が壊れたら、あなたのお兄さんも死んでしまうの。
勇子、あなたはこの世界を守らなくてはならない。
あの女は、お兄さんと幸せに暮らせるこの世界を、壊そうとしているのよ。 」

「なぜ、そんなことを… 」
呟くイサコは、ミチコの言葉を、ヤサコが自分と兄との幸せを破壊しようとしているという話を、信じ切れない様子である。

するとミチコは、幼い日のヤサコとノブヒコの映像を、イサコに見せる。
ノブヒコから秘密の名前を与えられるヤサコ。
ノブヒコの頬に口づけするヤサコ。

ミチコは囁く。
「あなたがお兄ちゃんを取られたくないという気持ち。
あなたがあの子を憎む気持ち。
その気持ちから、わたしは生まれたの…。
この世界だけが、あなたを優しく包んでくれる。
あの子は、それを壊そうとしているもの。」

イサコは、兄と幼いヤサコの映像を茫然と眺める。
そしてイサコは、ミチコの言葉を信じ、受け入れた。
だが、その表情に悲壮さはあっても、かつてのような不敵さも凄みも見られない。

【イサコ、ヤサコを拒絶】
ヤサコは必死に、一緒に帰ろうとイサコに訴える。
だがイサコは、ヤサコに拒絶の言葉をぶつけた。

「来ないで!帰って!
わたしの居場所はもう、ここしかないの。
もどっても、わたしはお兄ちゃんを死なせたバカな妹になるだけ…。
ここでお兄ちゃんと暮らすの。 ずっと…。
もう来ないで。
大っ嫌い! 」

イサコはヤサコを、涙ながらに拒絶した。
だが、以前のイサコは絶対に弱みを見せず、本心を決して明かさなかった。
イサコが感情を露わにしたのは、ヤサコになら自分の心をさらけ出してもかまわないという気持ちが心の底にあるからに思える。

一方ヤサコは、ミチコの存在に気付いた。
ミチコの声に耳を傾けないよう、必死でイサコに訴える。

間もなく、階段が崩壊をはじめた。
崩れ去った空間は、真の闇と化す。

足元から闇に侵食される空間を、ヤサコは走った。

【イサコ、ヤサコを拒んだが…】
ブランコに腰かけ、すすり泣くイサコ。
兄と幸せに、永遠に暮らせる世界を守ったはずなのに、何故泣くのか。
兄との幸せな暮らしを奪うはずのヤサコを憎み、ヤサコを拒んで何故悲しむのか。
ヤサコを拒絶してしまったことに、イサコは深く傷ついているように見える。

悲しむイサコに、ミチコは囁きかける。
「これでよかったのよ。
これはあなたが、「勇子」が望んだことなのよ…。
ここで一緒に暮らしましょう。
三人で、永遠に。 」

だが、イサコはつぶやく。
「違う…。何かが、違うわ…。 」

【イサコのおじ、メガバアを訪ねる】
玉子の目の前で、ヤサコの電脳体のリンクが全て途切れた。
メガバアに連絡し、必死で打開策を探る玉子。

その頃、イサコのおじが、メガバアの元を訪れた。
イサコのおじは、「通路」の向こう側に広がる空間について話があるといい、イサコとノブヒコの入院資料を提供する。

資料に目を通し、メガバアは意外な事実に気付く。
ノブヒコの患者番号は「4222」であり、交通事故直後に死亡していた。
そして、患者番号「4223」は、イサコ。
「4423」とは、何とイサコ自身だったのである。

一方、イサコはつぶやく。
「思い出した。わたしはお兄ちゃんとさよならするはずだった。それなのに…」

【ヤサコ、幼い日の記憶に再会】
ヤサコは、闇の中を走り続けた。
そして辿り着いた場所は、何と、改築前のメガバアの家である。
ヤサコの目の前には、幼い日の自分自身の記憶の光景が、再現されていた。

祖父の葬儀の日。
デンスケとの出会い。
謎の少年「4423」との出会い。
闇に襲われ、逃げたこと。
迷子になり、デンスケと歩く幼いヤサコ。
そして、幼いヤサコと歩くイリーガル。
イリーガルは言う。
「わたしは、『4423』を…、『天沢勇子』を捜している… 」


【予告】
ヤサコとイサコの二人の物語は、どのような結末を迎えるのか。
いよいよ次回、最終回が楽しみである

電脳コイル 24話「メガネを捨てる子供たち」

  • 2007/11/18(日) 14:48:51

【感想概略】
今回の主役もヤサコであり、夜の学校での事件で魂が麻痺したようになりながらも胸の痛みをかんじるヤサコ、フミエのヤサコへの友情の厚さ、ヤサコを案じイサコ回復のため奔走する玉子、などなど各キャラクターが魅力的に描かれ、イサコの家庭の事情が明らかとなり、イサコに施された電脳医療の謎、カンナのメガネの情報の謎、ヤサコの過去の謎、などなど恐らく最後の鍵となるであろう謎が浮上し、おもしろかった。
次回、ヤサコの過去とイサコの電脳体救出の行方に期待したい。

【病院のヤサコ】
ヤサコは、病院のベッドで意識を取り戻した。
付き添っていたヤサコの母は、ヤサコの意識回復に安堵の表情を見せ、医師の元へ走った。
すると玉子が現れ、ほっとした様子を見せる。

だが、ヤサコの表情は虚ろで魂が抜けたようである。
電話をかけてきたフミエは、涙声でヤサコの無事を喜び、デンスケの死を伝え、ヤサコを一生懸命元気付けようとする。
が、ヤサコには実感が湧かない。
ただ唯一、イサコの安否を玉子に尋ねた時だけは、ヤサコは必死の形相を見せた。

間もなくヤサコは退院した。

【親たち、メガネを取り上げる】
イサコの入院は、夜に学校へ忍び込んでメガネ遊びをしていて、階段から落ちた、ということになっていた。

この事件をきっかけに、多くの親たちが子供からメガネを取り上げた。
フミエの母も、ダイチチも、子供を怒鳴りつけ、問答無用で没収する。

【ヤサコの母、ヤサコを諭す】
ヤサコの母は、他の親と少し違った。
ヤサコの母は、ヤサコの肩に手を回し、そのまま抱き寄せた。
抱きしめたまま、ヤサコの母はヤサコに語りかける。

「お母さんの身体、あったかい?
やわらかい?
ちょっと痛い?
こうして触れるものが、あったかいものが、信じられるものなの。
ぎゅっとやると、ちょっとくすぐったくて、ちょっと痛いの。
それが生きてるってことなの。
メガネの世界には、それがないでしょ?
戻ってきなさい。
生きている世界に。
あったかい世界に。」

「メガネはもうお終い」とやさしく諭す母。
「うん…」というヤサコ。
だが、必ずしも納得していない様子である。

【フミエたち、ヒマを持て余す】
メガネを取り上げられたフミエ、アイコ、アキラ。
そして元祖黒客のダイチ、デンパ。
5人は土手で退屈そうにしていた。

あまりメガネを使っていなさそうなアイコだが、メガネを取り上げられる時は抵抗したようであり、かなりショックを受けているのはちょっと意外である。

そこへ黒客のナメッチとガチャギリが合流。
やはりメガネを取り上げられていて、元気がない。

いつもクールなガチャギリも、本気の親には逆らえない子供なようで、可愛らしかった。

「敵」同士である元祖黒客と黒客であるが、メガネがないとケンカする気にもなれないというダイチ。
7人は全員でため息をつくのだった。

【玉子、病院のイサコに辿り着く】
玉子は、イサコの意識を回復させるため奔走する。
今のところ、状況は思わしくない。
まず、イサコの電脳体のリンクは全て切れている。
そもそもイサコがどこに入院しているのか分からず、猫目に尋ねても知らないという。
だが、猫目を尾行することでイサコの入院先を突き止めた。
「やはり嘘か…」とつぶやく玉子。

そしてイサコの病室の番号は「4423」。
そこで玉子は、イサコのおじと出会う。

病室のベッドには、無防備な寝顔のイサコ。
剥き出しのイサコの左腕には、大きな傷があった。

玉子は、イサコのおじにこれまで起こったことを全て話した。
だが、おじは特に驚かない。
既に何かを知っているようである。

おじは、イサコの家庭の事情を玉子に語った。

イサコの兄ノブヒコは、既に死んでいた。
イサコの父は、イサコが幼い頃に他界。
さらに母親が入院することになり、おじ夫婦がイサコと兄ノブヒコを預かることになった。

ところが引越しの日、イサコとノブヒコは交通事故にあい、二人とも意識不明となった。
この時治療を担当したのが、ヤサコの祖父・小此木先生であった。
この時、イマーゴによる治療を行なったらしい。
そしてイサコだけは意識を取り戻したが、その時の記憶は思い出せなかった。

玉子は、ノブヒコはその時どうなったのか尋ねるが、イサコのおじはメガマス社との契約で言えないという。
イサコのおじは、「ニジュウニ」という言葉を玉子に伝えた。
今はこれしか言えないのだと。

【フミエ、ヤサコに声をかける】
夕暮の土手で、デンスケの映る小型端末を眺めるヤサコに、フミエが声をかけた。
フミエと歩くヤサコ。
フミエは、何とかヤサコを元気付けようと一生懸命である。
一方ヤサコは虚ろな表情で、デンスケが死んだという実感が湧かない、イサコのことも、という。
ただこの辺が痛いと、ヤサコは胸を押さえる。

その時ヤサコは犬の鳴き声を聞き、デンスケの声が聞こえたと血相を変えた。
ヤサコは声の聞こえる方へ急ぐが、土手のフェンス越しに目に映ったのは、デンスケとは似ても似つかぬ現実の犬だった。

ヤサコは改めてデンスケを失った喪失感に襲われ、金網を掴んでひざをついた。
フミエは、何も言えなかった。

【ヤサコ、マユミに会いに行く】
夜。
ベッドの中でヤサコは、デンスケの映った小型端末を握り締め、「手で触れられるものだけが本物」という母の言葉に自問自答する。
イサコも同じことを言っていた。
何が本物で何がまやかしなのか?
一瞬、「これからは触れられるものだけを信じよう」と心につぶやく。
が、ヤサコはデンスケの映った小型端末を決して離そうとしない。

手で触れられないものは本物ではないのか?

そしてヤサコは、胸の痛みは本物だと思った。
この胸の痛みをかんじる方向に、本当の何かがある。

翌朝。
ヤサコは、祖父の電脳メガネを持ち出し、学校へは行かず、以前住んでいた金沢へ向かった。
転校前は最も仲の良い友人であったマユミに会うためである。
だが、目的はイサコの電脳体救出と無関係ではないだろう。

以前玉子に見せられたハラケンの描いた絵「4つのマンホールがある場所」は「はざま交差点」にあるそうなのだが、どうもこれがマユミと不仲となったことと関係があるらしい。

【玉子、カンナのメガネの情報に気付く】
玉子はなおもイサコの意識回復のため、精力的に活動。
記録にあるコイルドメインは全て消滅、残るは都市伝説にある「はざま交差点」くらいかと頭を痛める。
八方塞かと思えたが、玉子はカンナのメガネにある情報が含まれていることに気付き、何者かに連絡を入れる。
その時、ハラケンが目を醒ました。
そしてハラケンは、疲れて眠りこけている玉子のメガネを持ち出して姿をくらます。
ハラケンは「はざま交差点」へ向かったのだろうが、何のためだろうか。

そして、ハラケンとヤサコの出奔を知った玉子はバイクを飛ばす。

【猫目とタケルの朝食】
同じく朝。タケルの朝食を準備する猫目。
タケルは猫目に尋ねる。
自分たちのやっていることは本当に父の名誉のためになるのだろうか

カンナの死は、猫目が原因だった。
1年前、「通路」を開いた時、カンナが近くに現れ、電脳体が分離した。
自動車の電脳ナビは電脳体をよけて現実のカンナを轢いてしまった。
そしてカンナもイマーゴを持っていたという。

タケルはカンナの死に今でも心を痛めている。
一方、猫目は仕方の無かったことと割り切っているようである。

「ぼく、兄ちゃんのためなら何でもするよ」というタケルが健気である。

そしてタケルに、学校には病欠と届けたという猫目。
猫目とタケルの行き先は、ヤサコと同様金沢だろうか。

【フミエ、ヤサコをかばう】
小学校の旧第一小のワルガキたちは、ヤサコの欠席を「駆落ち」と囃していた。
ハラケンと駆落ちしたと言いたいのだろうか。

フミエはヤサコの名誉を守るため、ワルガキたちを注意する。
するとワルガキたちは、フミエの手首を乱暴に掴み、「お前なんかメガネがなけりゃ何にもできないくせに!」と凄んだ。
髪の毛を引っ張られ、涙ぐむフミエ。
デンパは意地悪しないよう抗議するが、ワルガキたちはデンパを突き飛ばし、声を荒げて凄むばかりである。
アイコも抗議するが、全く聞く耳を持たず、怒鳴り声を上げるワルガキたち。

そこへダイチ登場。
ワルガキたちに背負い投げを決め、「こっちの生徒に手を出すな!」と一喝した。
意外と頼りになるダイチだが、チャックが開いていることをナメッチに指摘されるのだった。

ヤサコのために怒れるフミエは何ていい子なんだろう、ヤサコは何ていい友達に恵まれたんだろうと思った。
そして、自分だって怖いだろうに、フミエのため身体をはるデンパとアイコは何ていい子達なんだろうかと思った。

【ヤサコ、マユミと再会】
金沢に着いたヤサコは、かつての母校の前に辿り着いた。
そしてヤサコはマユミの留守電に、「会いたい、あなたがわたしをいじめていたなんて、もう思っていない」というメッセージを残す。
すると背後から「いじめていたのはあなたの方じゃない?!」という声。
振り向くと、つり目の少女が、怒ったような表情で立っていた。

【予告】
予告映像を見ると、ヤサコは前の学校で、多くの女子からイジメにあっていたようである。
まずヤサコとマユミの再会の続きが気になるところである。
また、真っ暗な電脳空間にイサコが一人立ち尽くしていたが、イサコの電脳体がどこかにいて、現実の身体に戻れば意識は回復するということだろうか。
次回に期待したい。

電脳コイル 23話「かなえられた願い」

  • 2007/11/11(日) 23:58:48

ヤサコとイサコ、猫目の情報でコイルスの空間に辿り着くが?!

【感想概略】
今回は、ヤサコを大事に想いながらもその感情を何と呼んでよいのか分からないイサコ、常にイサコを大切に思うヤサコ、次々と明かされる謎、猫目の陰謀の正体、などなど、見応えのある回であった。
このような物語に出会えたことを幸せに思うのだが、イサコが大変なことになってしまった。
次回がとても気になる。

【ヤサコとイサコ、危地を脱する】
前回、ヤサコとイサコは、死病に侵されたデンスケを助けるため、コイルスの空間を探し回っていた。
だが途中、新型サッチーに追い詰められてしまった。
するとヤサコは、自らの電脳体にオジジのお札を取り込み、新型サッチーに反撃。
二人は危地を脱した。

かなり憔悴した様子のイサコは、ヤサコに、暗号式とイマーゴについての説明不足を詫びた。
そして暗号式の危険性について、ヤサコへ説明を始めた。

ヤサコの電脳体に暗号炉が生成されたのは、ハラケン救出の時、イサコのてのひらから暗号式を受け取った時らしい。
暗号式は、電脳体に暗号炉を組み込み、イマーゴを通じて使用する。
だが、暗号炉がイマーゴと直結している場合、新型サッチーの攻撃を受けると無事では済まないという。そして暗号炉が深く繋がると、それだけ危険が増す。
そしてヤサコの暗号炉は、イマーゴと直結しているという。

イサコは、ヤサコに、「お前はまだ暗号炉の繋がりが浅い、これ以上いじるな」と忠告する。
素直にうなずくヤサコである。

【ダイチ、逃げ回る】
ダイチは新型サッチーから必死で逃げ回り、どうにかデンスケを守り抜いた。
ここら辺は久々にコミカルで面白かった。
そしてヤサコとイサコは、ダイチからデンスケを受け取った。

ヤサコとイサコは夕方まで、古い空間への「道順」を捜した。
だが、見つからない。
イサコは二手に分かれることを提案した。

するとヤサコは、不安そうな表情を見せた。
具合の悪そうなイサコを心配してのことだった。

「わたしは心配される側なのか?」と自嘲的な笑みを浮かべ、「わたしにもイマーゴはある」というイサコ。

心配そうな顔をしながらもヤサコが承知したのは、イサコへの信頼、そしてイサコのプライドを傷つけて嫌われたくないからだろう。

そしてヤサコとイサコは二手に別れ、コイルスの空間への「道順」を探し始めた。

【イサコ、ヤサコに隠し事】
あせるイサコの元へ、何と猫目から連絡が入った。
イサコは、猫目の裏切りに怒りの言葉をぶつけた。

だが猫目は、自分は裏切ってなどいないと主張。
そして、イサコの兄ノブヒコは生きている、「道順」を見つけたので、デンスケを連れて一人で来るように告げた。

やがてイサコは、ヤサコと合流した。
ヤサコは「道順」を見つけられず、憔悴した様子である。
イサコはヤサコに、「道順」を見つけたと告げるのだが、これが猫目からの情報とは言えなかった。

この時イサコは、兄を助けられると信じたかったのだろうが、ヤサコから目を逸らし、隠し事がとても辛そうであった。

【ヤサコとイサコ、コイルスの空間へ】
コイルスの空間は、小学校のあるビルの、博物館のフロアにあった。

ヤサコとイサコはビルへ入り、エレベータで目的のフロアへ向かった。
だが、エレベータの扉が開くと、イサコはヤサコへ、少し待つように言う。
イサコは葛藤する表情を見せ、「すまない」とつぶやくと、デンスケを奪い、ヤサコをエレベータ内に突き飛ばし、暗号式で扉を閉めた。

ヤサコは玉子へ連絡。
即座に玉子はエレベータの扉を開くべくアクセスする。

そしてヤサコは、イサコへ連絡を入れた。
繋がった。

犬は必ず助けるというイサコに、「そうじゃない、どうしてこんなことを?」というヤサコ。
イサコは、危険が予想され、危険に会うのは自分だけでいいと言う。
どうもイサコは、猫目の言葉は全面的には信じられない思っているらしく、ヤサコを危険に近づけたくないようである。

イサコはヤサコに話す。

「お前とは、友達になれたのかどうか、よく分からない。
わたしには、友達というものがよく分からないから…。
でも、こんなに近くまで来てくれた他人は、お前が初めてだ。
でも…やはり…わたしが住む世界は…進む道が違うんだ…。

人と人の間には、距離がある。
遠い距離が。
わたしと兄さんの間にも。
でも、ゆっくりと丁寧に捜せば、隔たりを繋ぐ道が見つかるかもしれない。
その道はすごく細くて、ちょっと目をそらすと、すぐに見失ってしまう。
だから、必死に目を凝らして捜さなくちゃいけないんだ。
道があることを信じられなくなったら、その道は本当になくなってしまうかもしれない。
だから、必ず道はあると信じ続けなくちゃならないんだ。

すまない。
今までの出来事は、多分全て私が原因だ。
この犬も、原川も、そして多分、葦原カンナも。

メガネで見えるものなんて、全てまやかしだ。
もうメガネなんて捨てろ。
そして、手で触れられるものだけを信じるんだ。
さもないとわたしのように、メガネに殺されるぞ。」

「さようなら」と言い残し、イサコは通話を切った。

イサコにとって別れの挨拶を言うことは、最大限の親愛の表現に思える。
そして、これまで友達がいなかったであろうイサコは、自分のヤサコへの感情を何と呼んでいいのか分からないのかもしれないが、これだけの言葉が出てくるのは、ヤサコをよほど大事におもっているからこそという気がする。

【イサコ、デンスケの治療を試みる】
イサコはコイルスの空間に辿り着き、出現させたデバイスにデンスケを置いた。

すると電脳空間上に青く光る鍵が出現。
この鍵をデンスケの首輪の鍵穴に入れて回すと、首輪は青い光の粒子となって消滅。
そしてデンスケの身体に浮いた斑の染みが消えていく。
イサコは、これでデンスケは助かると安堵した。

だが、デンスケの身体の表面に青く光る結晶が噴出。
結晶は光の粒子となって崩壊していく。
明らかに様子がおかしい。

「これはまるでキラバグ」とつぶやくヤサコ。
すると、これを肯定する猫目の声が響いた。

【猫目の告白】
イサコは猫目を問い詰める。

すると猫目は、真実を語り始めた。
コイルドメインでは、コイルスノードはキラバグの代わりに「通路」を開く燃料となるというのである。
猫目の目的は、デンスケを「通路」を開く燃料として利用することであり、デンスケを治療する気など最初から無かったのである。

デンスケを救おうとするイサコだが、障壁にはじかれてしまう。
そして周囲の空間が黒い染みに侵食されていく。
真っ黒な空間からヌルたちが次々と現れる。

猫目は言う。
イサコの兄・天沢ノブヒコは、肉体的には死んでいる。
但し、電脳体は「あっち」で生きている。
やっとお前はノブヒコに会える。

気が付くと、イサコの目の前には、「通路」が開いていた。

猫目は続ける。
これはミチコさんも喜ぶことであり、彼女はイサコに会いたがっている。
そして猫目は、ミチコさんと契約したと驚くべき事実を明かす。

猫目の目的は、「あっち」の存在を実証することだったようである。
イサコが「あっち」へ行き、兄と再会することは、現実世界でのイサコの死も同然である。
だがそれはイサコの本来の願いがかなうことであり、イサコにとって祝福すべきことだと、猫目は本気で思っているようである。

【イサコ、デンスケ救出】
イサコはデバイスを破壊、デンスケを救出した。
だがヌルに掴まれ、ひざをついてしまう。

デンスケはヨロヨロと走るが、出入口付近で倒れてしまう。
イサコは出入口の前に立ち塞がり、「通路」を閉じなければ自分の暗号炉を暴走させると猫目を脅迫する。

「そんなことをすればお前は死ぬ、ノブヒコに会いたくないのか?」
猫目はイサコの行動が心底不思議そうである。

【イサコ、思い出す】
玉子の遠隔操作により、ヤサコが閉じ込められているエレベータの扉が開いた。
ヤサコはエレベータを飛び出し、イサコの後を追った。

一方、玉子は、二人のいるビルへバイクを飛ばした。

ヤサコが辿り着いた先で見たのは、開いた「通路」。
瀕死のデンスケ。
そして、ヌルに取り囲まれたイサコ。

イサコは、自分自身が瀕死であるにも関わらず、デンスケを救えなかったことをヤサコに詫びた。
そしてイサコは、思い出したとヤサコへ言う。
イサコの兄の電脳体が分離したのは、実は幼いイサコが願ったことなのだと。
イサコは、兄と二人だけで暮らしたいと願い、ミチコさんがその願いをかなえ、兄の電脳体を「あっち」へつれていき、兄は戻れなくなったのだと。

イサコは最後に「逃げろ!」とヤサコに言うと「通路」に突撃、猛爆発が起きた。

だがヤサコの周囲にもヌルが次から次へと出現。
ヤサコはヌルに掴まれてしまい、電脳体が分離しかけ、へたり込んでしまう。

デンスケはヤサコを守るためヌルに飛び掛る。
が、ヌルは次から次へとデンスケに襲い掛かった。
やがてデンスケの声は聞こえなくなった。

ようやく玉子が駆けつけた。
新型サッチーも飛来し、ヌルの群れを次々と光線で消去していく。

玉子はコイルタグで、ヤサコの電脳体のズレを治した。
だがヤサコは、イサコの姿が見えないことに気付くと、ふらつく我が身を顧みず、通路の出現した場所へ踏み込んだ。

そこには、電脳体が生身の身体から分離し、全く動かないイサコが横たわっていた。
ヤサコは絶叫した。

視聴者も、このままでは治まらない気分である。

【予告】
病院のベッドに横たわるヤサコは無論気になるが、やはりイサコがどうなるのか、デンスケがどうなったのか、気になるところである。
「あっち」からのイサコ救出が行なわれるのだろうか。
またコイルスの空間ならば、コイルスのデバイスでデンスケを治療できるのであり、デンスケが生きているなら、まだデンスケを救う望みはあるのだろうか。
猫目の明かしていない謎も、まだありそうである。

次回に期待したい。

電脳コイル総復習

  • 2007/11/03(土) 23:55:36

今回は総集編であり、「ヤサコとイサコの物語」「猫目の陰謀」という側面に絞り込まれた内容であった。

ヤサコとイサコの出会い、イサコの兄について尋ねるヤサコ、イサコとともにハラケンを救出するヤサコ、そして京子とデンスケを助けるため共闘するヤサコとイサコ、その背後でイサコのキラバグ集めと「通路」開通を指示し、何らかの目的のために暗躍する猫目が描かれていた。

一度は見たお話のダイジェストなのだが、おもしろかった。
また恋愛要素が一切切り捨てられていたのは、いっそ清々しかった。

電脳コイル 22話「最後のコイル」

  • 2007/10/27(土) 23:58:21

イサコ、ヤサコにより危地を脱する!
明かされるデンスケの秘密!
猫目とタケルの意外な関係!
新型サッチー襲来、イサコとヤサコ共闘!

【感想概略】
今回はイサコとヤサコのお話である。
これまで、ヤサコが差し伸べた手を、イサコは拒絶してきたが、今回、友達になりたいというヤサコの言葉を、イサコは無言だが拒絶しなかったというお話であり、おもしろかった。
イサコとしては、友達の申し出を受け入れたつもりだったのかもしれず、あるいは自分に友達など許されるのだろうかと躊躇しているのかもしれない。

人を傷つけない接し方に慣れていないイサコは、慎重に言葉を選んでヤサコと接するのだが失言の度に謝って言い直し、それでも余裕がなくなるとこれまでのきつい口調に戻ってしまう。
ヤサコを受け入れたからといって、そう簡単にイサコという人間は変われないという描き方は、興味深かった。

映像的には、新型サッチーVS直進くんの戦いが迫力があり、シンプルな形のCGであっても、充分以上に迫力ある映像を作れることが証明されており、おもしろく、興味ぶかかった。

【イサコ、危地を脱する】
前回イサコは、裏切られていたことと兄の死を告げられ、新型サッチーに追われ、神社で狙撃寸前まで追い詰められた。
撃たれる寸前。
ヤサコがお札を投げ、サッチーの動きを封じた。
イサコはヤサコの手引で逃れ、ヤサコ宅にたどり着いた。
神社にまで侵入する新型サッチーも、個人の住居には侵入できないようである。

【イサコ、号泣】
ヤサコはイサコがひざを擦りむいていることに気付き、恐る恐る家に上がるよう誘った。イサコは黙ってついて来た。玄関まで入るイサコだが、立ったままである。
ヤサコはやはり恐る恐る「よかったら上がって」といいながら、救急箱を取りに一度家の中に走ろうとした。

するとイサコは、唐突にヤサコに話し掛けた。
「あの時、初めて会った時、騙して悪かった…」
「さらにあの時の犬は元気か?」と尋ねた。
イサコは、ヤサコを騙し利用することなど何とも思っていない訳ではなく、ずっと気にして忘れられなかったようである。
ヤサコは「お兄さんのためよね」と、イサコの行動に理解を示し、「変なこと聞いちゃってごめんなさい」とイサコのプライベートに踏み込んだことを謝りさえした。

もし敵意の只中に孤立していたら、イサコは虚勢を崩さなかったかもしれない。
だが、安全な家の中に匿われ、一緒にいるのは自分を全面的に受け入れるヤサコだけである。
イサコはついに声をあげて大泣きした。

これにはヤサコも驚き、玄関に飛んで引き返してきたのだった。

【イサコ、手当てを受ける】
居間でイサコは、大人しくヤサコから傷の手当てを受けた。
涙の痕が痛々しいイサコに、ヤサコは「いたい?」と尋ねた。

ヤサコはいう。

「もし良かったら私に話して。ちょっとでも気持ちが楽になるかもしれない。
わたし、ハラケンを天沢さんが一緒に助けてくれて、思ったの。
みんなのしている噂は本当じゃない。
カンナちゃんのこととか、ヌルってイリーガルを呼び出したこととか。
全部ウソなんでしょう?
一緒にみんなの誤解を解きましょう?
おぼえている?
越して来てすぐ、下駄箱でわたしに言ったこと。
悔しかった。
でもずっと気になっていた。
わたし、あなたとお友達になりたい。
気安い気持ちで言ってるんじゃないの。
天沢さんにどんな秘密があっても、絶対逃げずに受けとめるから。」

イサコは弱弱しく「大した…話じゃない」というが、敵意は示さない。

イサコはこれまでずっと人に心を許さずに生きてきたため、打ち明け話など照れくさいのかもしれず、自分に友達など許されるのだろうかと思うのかもしれず、更に話はメガマス社の機密に関わることであり、ヤサコを巻き込みたくなかったのかもしれない。

「そう…。でも…。もし、もし天沢さんがその気持ちになったら、話して」
ヤサコとしては、イサコの助けになりたく、そしてイサコの口から友達になると言われない限り、友達としれ受け入れられたとは思えないようである。

ヤサコはモジョの怪我にも気付き、治療用のメタタグを出そうとした。
するとイサコは、「お前じゃ無理だ」とぶっきらぼうに言う。

ちょっと傷ついた様子のヤサコを見て、イサコは慌てて訂正する。
「あ、いや、違うんだ、これは、普通のペットじゃないから…。」

イサコはこれまで、人間不信の荒野を突き進んできたためか、事実を手短にいう話し方がすっかり染み付いてしまっており、相手を傷つけないような言い方に簡単には切り替えられないようである。

【京子、イサコにデンスケの診察を頼む】
大黒市では、電脳局による大規模な空間フォーマットの真っ最中であり、新型サッチーがあちこちを飛び回り、容赦なくフォーマットを強行していた。
ヤサコは、外の様子を見に居間を離れた。

入れ替わるように、京子が顔を出し、恐る恐るイサコに尋ねた。
「あんごうのおねえちゃん…。あんごうって、デンスケ、なおせるの?」
京子はイサコにデンスケを見せた。
何と、デンスケは死ぬので新しいペットはどうか?と紹介するペット会社のウインドウが表示されていた。

京子はイサコへ、デンスケをなおしてと訴えた。
イサコは、「暗号では普通のペットは直せない、私は何も出来ないんだ…」と涙ぐむが、ふと隣を見ると京子は大泣き直前。
「分かった、何とかしてみる、だまれ、泣くな」と慌てて京子をなだめるイサコである。

【猫目とタケル】
猫目は、イサコを追ってヤサコ宅の近くにたどり着いた。
「例の電脳体さえ手に入れば」とつぶやく猫目。

すると、桃色のミゼットが猫目を伺うことに気付く。
猫目は暗号式をミゼットに向けて放ち、かわされると声をかけた。
「タケル、いるんだろう。何故こんなことをした?!」

姿を見せたのは、何とタケルであった。

タケルは猫目に抗議する。
「兄ちゃんには僕がいるじゃないか!なぜあんな女を!」

桃色のミゼットの主がタケルということは、イサコに対する学校でのイジメをはじめとする残虐な仕打ちは、タケルの仕業だったのだろう。
また、猫目はイサコを裏切ったわけではないらしい。

タケルには、兄をイサコに取られるような気持ちがあったのだろうが、タケルの猫目への愛情の深さ、その裏返しのイサコへの激しい嫉妬と憎悪が伺える。

自分の言うとおりにすることが「父さん」のためになるのだと諭す猫目。
猫目はタケルを抱き寄せた。

この「父さん」とは何者か、気になるところである。

【イサコ、京子の頼みでデンスケを診察】
ヤサコが居間にいないイサコを探して子供部屋に現れると、イサコはいきなり一声「ウソをついていたな」。
相手の自尊心への配慮に欠けたいつもの口調に戻っているイサコだが、隠し事をされたことにちょっと怒ったのだろうか。それてもデンスケを治そうという必死さのあまり、言葉遣いへの配慮が吹っ飛んだのだろうか。

だがイサコ、ヤサコがデンスケの症状を知らなかったことを知ると、ちょっと驚き、再びデンスケの治療を続行する。

いまだ自虐的なイサコだが、ヤサコはたまに夢で「4423」と名乗る少年の声を聞くと話す。
その夢はメガネをかけ、デンスケが側に居る時であることを知ったイサコは、デンスケの異常さに気付き始める。

イサコは、デンスケが特殊な改造を加えられた電脳ペットであることに気付く。
「このペットを誰からもらった?」
「オジジよ」
「そいつをここに連れて来い」
すっかりいつもの口調のイサコ。

だが、亡くなったわと聞くと、「そうか…悪かった」と謝罪。
言葉遣いはぶっきらぼうだが、ヤサコを気遣う気持ちは本物のようである。

【タケルの問い】
タケルは猫目に、「キラバグって本当はなんなの?」の問うた。

猫目はタケルへ答えて言う。
ある実験が行なわれ、呪われた生命体がコイルドメイン生まれた。
生命体は、生存を要求した。この生命体が「ミチコ」なのである。
コイルス社の倒産後、メガマス社は何度もコイルドメインのフォーマットを試みたが、出来なかった。キラバグは、この時生まれた異常空間のカケラだという。

【オジジの部屋】
ヤサコは、イサコをオジジの部屋に案内した。
イサコは「いいのか?」と、人の部屋に無断で入ることに躊躇するのだが、ここら辺からも、イサコ本来の人間性が伺える気がする。
そしてイサコは、ヤサコには妹だけでなく祖母までいることを知ると、「お前には家族が多いんだな…」とぽつりと洩らした。肉親の情に恵まれないイサコの孤独の深さがかんじられた。だが、あのイサコのおばは、悪い人ではない気がする。

オジジの部屋でイサコは、背表紙に「4423」と書いてあるカルテを見つけ血相を変えた。
そこに、メガバアが現れた。
「お主が最近暗号で街を荒らしておる小娘じゃな」
「あんたが古流の親玉か」

どっちもどっちの無礼な物言いだが、ヤサコはイサコのためにメガバアの非礼に抗議する。
「ちょっとオババ!失礼でしょ!私のともだち…、クラスメイトの天沢さん!」

ヤサコは、イサコの口から友達になると聞いていないので、即座に言い直す。
イサコに嫌われないよう、大変な気の遣いようである。

メガバアは、この部屋の主であったオジジについて、オジジは医師であり、メガマス社と契約し、研究を行なっていたと話す。

イサコこれを聞くと、猫目のいう「先生」とはヤサコの祖父のことではと思い至った。
そしてイサコは、猫目から盗み出したパスワードで関係すると思われるフォルダにアクセスした。
すると、オジジの部屋の電脳空間に、さまざまな機器が出現した。

これらの機器は、最初のメガネ会社・コイルス社のデバイスであった。
そしてオジジはメガマス社の依頼で、コイルス社のメガネ技術を調べていたのである。

一方猫目は、この様子をミゼットで盗み見し、デンスケはコイルス製であり、コイルドメインと接続する能力を持つ実験電脳体「コイルスノード」と気付いた。

イサコは、オジジの部屋の資料を調べればデンスケを治せるかもしれないと自信に満ちた笑みを浮かべた。

すると、オジジの部屋の壁に、裏返しの「法」の字が浮かび上がり、新型サッチーが出現。
京子の抱くデンスケめがけて狙撃、かわされると逃げる京子を執拗に追跡する。

メガバアはオジジのお札を投げると、新型サッチーは緊縛された。
オジジのお札の威力は絶大である。

メガバアはお札の束をイサコに渡した。
ヤサコとイサコは、京子を追った。

一方、メガバアは何者かに連絡を入れた。

【玉子、出動】
玉子は、何者かから連絡を受けた。
メガバアだろうか。
そして、追跡班に出動を命じるのだが、それは何とダイチであった。
前回ダイチに頼んだこととは、自分の部下となることだったようである。

【ヤサコとイサコ、京子を追う】
イサコとヤサコは京子を追う。
するとメガバアから連絡が入った。
メガバアはヤサコたちに、オジジの資料によればコイルスの電脳空間ならばデンスケを治療できると伝えた。

ヤサコとイサコが、デンスケの位置をナビゲータから調べるため立ち止まった時。
イサコは、オジジのお札を分析、暗号式と互換性があることを知ると、お札を胸に押し当てた。
するとお札は光を放ちながら、イサコの電脳体に吸収された。
お札は一回しか使えないが、こうすれば暗号式として何度でも使用可能だという。

ヤサコは「じゃあわたし」と訴えるが、イサコは鋭い口調で止め、「お前には無理だ」と言う。
あるレベル以上の暗号式は、電脳体に暗号路を組み込んで使用。
イマーゴを通じて、思考から直接暗号を取り出すのだという。

だがヤサコは、黒客のみんなも暗号を使っていると噂で聞いたと言い、なかなか引き下がらない。
するとイサコ、「いいから私の言う通りに動け!」と一喝。
命令口調に、少しとまどうヤサコである。

イサコはヤサコに納得してもらおうと、事情を説明する。
黒客の暗号は、イマーゴを使わないコピーに過ぎない。
さらに、イマーゴには危険な副作用があり、使いすぎると肉体や神経を傷つけてしまう。
イサコはヤサコがお札を取り込むことに強行に反対する。

イサコは、ヤサコにオジジのお札を一枚渡した。
「お前は私が守ってやる。それが最後の一枚だ。大事に使え。」
ヤサコは、イサコに全面的に従うが、有無を言わさぬ命令口調に、ちょっと悲しそうである。

【京子の逃走劇】
京子は、神社に逃げ込んでいた。
が、新型サッチーは神社にも侵入、ちょこまかと逃げ回る京子を執拗に追い、何度も光線で狙撃する。
猫目は、デンスケを抱える京子を狙うサッチーを操りデンスケを守ろうとするが、数秒しか妨害できない。

それでも京子は更に逃走。別の神社へ駆け込んだ。
社の階段の影に隠れる京子に、サッチーが迫る。
その時、無数のミサイルが次々とサッチーの背後に命中、爆発する。
宙に浮かんでミサイルを撃ちまくる白い立方体の群れは、かつて大黒黒客がイサコとの戦争に使用した「直進くん」であった。

だがこの猛攻にもサッチーの頑丈さはびくともせず、反撃開始。
強力な光線で「直進くん」の群れをたちまち撃破した。

が、この隙にダイチは京子をかかえて神社を離脱した。

【ヤサコの電脳体の暗号路】
ミサイル音を聞きつけたヤサコとイサコは神社に駆け込む。
ヤサコは境内を探すが、京子の姿はない。
その時、イサコは胸を押さえて苦しみ出し、ひざをついてしまう。
ヤサコは血相を変えて駆け寄り、イサコに触れようとする。
が、しばらく躊躇してから、ようやく肩に触れた。
触ったら怒らせるのでは、嫌われるのでは、と思ったのだろうか。

その時、サッチーが2機出現した。
オジジのお札は残り一枚。このままではイサコを守りきれない。

ヤサコは、お札を胸に押し当てた。
苦しむヤサコだが、お札は光るとヤサコの電脳体に吸収された。
ヤサコの腕に、暗号式が青白く光り浮かび上がった。

お札を吸収した苦しみがおさまらないが、ヤサコは暗号式をサッチーに放ち、緊縛。
残る一機は、イサコが暗号式を投げ、緊縛した。

だが、イサコは血相を変え、ヤサコに詰め寄る。
「なぜ、お前の電脳体に暗号路があるんだ?!」
イサコはヤサコのシャツの首を掴み、乱暴に引き下げた
ヤサコの右腕付け根付近、白い肌に暗号式らしきものが青白い光りを強く放っていた。


今回はここで終了である。
ヤサコの秘密とは何か。
イサコとヤサコの間には、もう一波乱あるのか。
玉子と「追跡班」は、さらにどう動くか。
猫目の狙いは何か。
猫目の背後にいるのは何者で、何を狙っているのか。

続きがとても楽しみなのだが、次回は総集編である。
再来週に期待したい。

【予告】
次回は総集編「電脳コイル総復習」である。
これまでの総集編同様、ただの総集編でなく、何らかの付加価値のあるおもしろいお話であることを期待したい。

電脳コイル 21話「黒いオートマトン」

  • 2007/10/21(日) 01:14:02

新学期開始、イサコ、ヤサコに謝罪!
目覚めないハラケン!
イジメにあうイサコ!
電脳メガネの事件の背後に見え隠れするメガマス社の影!
イサコ、裏切られ追い詰められる!

【感想概略】
前回で「通路」騒動は終結し、今回は久々に日常のお話である。
夜の闇の中のお話も悪くないが、昼間の太陽光の中での物語は久々であり、少しほっとした。

女友達同士でつるむヤサコとフミエとアイコ、ヤサコとイサコの接近とこれがおもしろくないフミエ、イジメに会い、更に協力者からも切り捨てられ追い詰められるイサコがはじめて見せる表情と、イサコの危機をかんじ駆けつけようと必死なヤサコ、などなど、おもしろかった。

また、ガチャギリとナメッチも登場。
ナメッチは、サッチーに勝ったことを女子生徒たちに自慢し、胡散臭い目で見られていた。
さらにイサコの強さも自慢しようとするナメッチだが、ガチャギリに耳を引っ張られていた。
二人とも無事だったようで、一安心である。
ガチャギリとナメッチについて、より踏み込んで描かれることも期待したい。

【ダイチ、久々に登場】
冒頭、ダイチは走って登校。
だが学校にたどり着くと、第三小学校の校舎は取り壊しの真っ最中であった。
今日から新校舎に登校と思い出し慌てるダイチだが、ここで玉子と出会い、何事かを頼まれた。
何を頼まれたのかは不明だが、次回に明かされるのだろうか。

なお、前回登場したフォーマットソフトに似た立方体がひっそりとダイチと玉子を伺っていた。
この立方体は、玉子を見張っているのだろうか。

【新学期開始】
夏休みが終わり、新学期の初日。
ヤサコたちは、第一小学校と合併された大黒小学校へ登校した。
学校はなんとビルの最上階にあり、一見するとちょっと落ち着かない印象を受ける。

久々にアイコも登場である。

「夏休みの宿題終わった?」とアイコに尋ねられ、フミエは自慢げに自由研究を見せた。
よくできていると感心するアイコだが、最近見たテレビ番組と似ていることに気付き、「丸写ししたの?」とちょっと咎めるように尋ねる。

「丸写しじゃなくてインスパイアよ、それに三割くらいはオリジナルよ」と必死で弁解するフミエの邪悪な引きつり笑いが好きだ。

女友達三人でつるむヤサコとフミエとアイコであるが、この位の年齢の頃は特に、同性の友人とのつながりを大事にするものであり、子供のリアリティがかんじられ、興味深い。

学校の再編成により、ハラケンも同じクラスになったのだが、欠席であった。
アイコは、残念な様子を見せるが、同じ生物部の仁義というものであろうか。

実はハラケン、電脳体の救出後、一度は目覚めたが、再び眠りについたままなのである。
とりあえずアイコには伏せるフミエとヤサコである。

【イサコ、ヤサコに謝罪】
休み時間。
ヤサコは廊下の窓辺で、ハラケンを案じている。
するとイサコが話し掛けてきた。

イサコは言う。
ハラケンの電脳体のリンクは正常であることを確認したので心配ないと。
イサコがヤサコを安心させようとするとは驚きなのだが、続いてイサコは何と、ヤサコに謝罪したのである。

ヤサコはちょっと驚き、やがて頬を緩めた。

ヤサコは、イサコの兄に何が起きたのか尋ねた。
するとイサコは、メガマス社の機密に関わることも含め、知っていることを誠実に答えた。

そして古い空間に近づかないよう、ヤサコに警告する。
だが、「近づかなければ危険は無い」とその内容はヤサコの身を案ずるものであり、その口調は穏やかである。

ヤサコは、イサコがハラケン救出に使った暗号は、ヤサコの兄の救出に必要だったのでは?と案ずる。
するとイサコは言う。
キラバグを使ったやり方には限度があり、次のやり方を探さざるを得ない、だから気にすることは無いと。

が、後でイサコはキラバグを集めることを猫目に相談する。
イサコはヤサコを気遣い、ヤサコの心痛の種を増やさぬための方便を使ったのである。

立ち去るイサコを、ヤサコは見つめ続けた。

【ヤサコ、タケルと再会】
掃除中。
ヤサコはタケルを見かけ、走りよって声をかけた。

見知らぬ男の子と親しげに会話するヤサコの姿に、アイコは興味津々。
一方フミエは面食らった様子である。
フミエは少なくとも、この情景を好ましくは思っていないようである。

人を待たせていると言って去るタケルであるが、何か裏がありそうである。

【駅向こうの少年たち、イサコを挑発】
イサコは猫目と連絡を取り、またキラバグを集めることを相談する。
だが猫目に今は一切動くなと言われ、一方的に通話を切られてしまう。

その時、イサコは、何者かが電脳へ干渉していることを察知、旧第一小学校のメガネの少年たちの仕業と見抜き、走り去る少年たちを追った。
そしてイサコは先回りすると、少年たちの一人の腕を掴み、説明を求めた。
腕力で男子の動きを封じるイサコは、普通にケンカしても相当強いのかもしれない。

だが「第三小の女子がイジメをしてます!」と大声で言われ、思わず力を緩めた瞬間、タックルを喰らって振り切られ、男の子の人形を奪われ、逃げられてしまう。

追うイサコだが、少年たちを見失う。
そして廊下で、綿のはみ出た人形を見つけた。

一方、少年たちは、桃色のミゼットをボスと呼び、イサコは思った以上の腕前と報告、次の指示を仰いでいた。
黒幕は、やはり猫目だろうか。

なお、イサコは途中でガチャギリとナメッチの近くを駆け抜け、ガチャギリに声をかけられても、こたえる余裕がなかったようだ。

【フミエの嫉妬】
ヤサコはフミエに、イサコのことを嬉しそうに話す。
だがフミエは、そんなヤサコがおもしろくない。

フミエはヤサコに、何で急にイサコの味方になったのかと不満そうに言う。
そして、今度の事件は全てイサコの自作自演かもしれない、イサコに気を許さぬよう忠告する。

いつも快活なフミエらしからぬ陰口じみた発言である。
これは、今までヤサコの一番の友達は自分だったのに、それをイサコに横取りされるような気分がして、嫉妬したところもあるのだろう。

【病室のハラケン】
ヤサコは、ハラケンの病室を訪れた。
迎えるのは玉子である。

前回までのここ数話、玉子はほとんど笑顔を見せなかった。
だが今回、玉子はヤサコに対し、穏やかな表情を見せていた。

ヤサコは玉子に、イサコの兄について尋ねた。
すると玉子は言う。
イサコの兄について病院に問い合わせたが、メガマス社に問い合わせて欲しいといわれた。何か裏があるようだと。

そして玉子はヤサコに、ハラケンが一度目覚めた時に描いた絵を見せた。
ヤサコは心当たりがないという。
だが、動揺を隠したその様子からは、何か知っていることが伺える。
この謎解きもまた楽しみである。

【イサコの家庭】
今回はじめて、イサコの家庭が登場した。
どうやらイサコは、おばと暮らしているようである。
おばは悪い人ではないようだが、イサコは心を閉ざしている。
このおばのいう「サチコさん」とは、イサコの母であろうか。

【イサコ、イジメにあう】
朝、登校中のイサコに、多くの小学生たちが悪意ある視線を送り、ひそひそと話していた。
教室に姿を見せたイサコを見て、ヤサコは不安そうな顔を見せる。

黒板には、「イサコと口をきくと呪われる」「カンナはミチコさんのイケニエにされた」と書かれている。
イサコは傷つくが、黙って黒板の文字を消していく。

ヤサコは手伝おうと立ち上がった。
だがイスにふんぞり返った男子から、お前もミチコに連れてかれるぞと脅され、硬直してしまう。

【ネット上でもイジメ】
イサコへのイジメは終わらない。
ネットの都市伝説関係の掲示板には、「通路」騒動についてイサコと思われる人物への中傷が書き込まれている。
生徒たちはひそひそと話し、イサコへ悪意ある視線を突き刺す。

イサコは完全に孤立してしまう。

【イサコ、走り去る】
ヤサコはイサコに話し掛けるのだが、イサコは「近寄るな!」と怒鳴る。
だがそれはヤサコもイジメに会うのを避けるためらしく、その声にヤサコへの敵意はかんじられないた。
イサコはヤサコに「私に話しかけたら呪われるんだろう?」と諭すようにいう。

だがイサコは悪意の只中で孤立することにかなり傷ついたようで、とうとう走り去ってしまう。

ここら辺、以前の女王様然としたイサコなら、視界に入る全生徒を強大な電脳力で屈服させ、イジメに会うどころか学年全体を仕切ってもよさそうなものだが、実はイサコはそこまで図々しくは無く、傷つくときは傷つくところは普通の女の子に見えた。

【ヤサコ、アキラと出会う】
ヤサコは、走り去ってしまったイサコが気になって仕方がない。
だがイサコに関われば、イジメに会うことは明白である。

ヤサコは、フミエにも引き止められ、一瞬躊躇うが、直ぐにイサコを追って駆け出した。
そして校門にたどり着くが、イサコの姿は既に無い。
だが、アキラとひょっこり出会った。

ヤサコはアキラに、事情を説明し、アキラもイサコの兄を見たことを確認する。
だがアキラは、あの病室で撮影した画像も動画も全て見えなくなってしまったという。
ヤサコはイサコが病院へ向かったと直感、駆け出した。

【イサコ、裏切られる】
イサコは猫目と連絡を取ろうとするが、全く応答が無い。

すると、ボイスチェンジャーで変換されたような声が語りかけてきた。
お前は見捨てられ、全ての罪を負わされ、逮捕され、切り捨てられるのだと。

イサコは、声の発信源に桃色のミゼットを見つけ、モジョたちに捕獲を命ずる。
だがミゼットは攻撃をかわし、捕獲用リングを破壊、傲然とイサコを見下ろした。

謎の声は、嘘だと思うなら病院に行ってみるがいいと高笑いする。

【無人の病室】
イサコは病院へ走るが、兄の病室には何も無い。
謎の声は、嘲るように続ける。

お前の兄・天沢ノブヒコは、数年前に死んでいる。
病室にあったのは無菌室ではなく、立体投影装置だ。
お前は実験に使われていたんだ。
お前は兄を助けるためと騙され、古い空間の調査に利用されていたんだ。
お前は用済みだ。お前は逮捕されるんだ。
原川研一の件も、葦原カンナの事件も、子供たちの失神事件も、全てお前の仕業になるんだ。

そして無人の病室の壁に「法」の文字が浮かび上がり、壁をずるずると通り抜け、立方体のフォーマットソフトが出現した。

どのやら、この威圧的な立方体が、サッチーに代わるウイルス駆除ソフトのようである。
郵政局管轄であるサッチー出現時は「郵」の文字が浮かび上がったが、「法」とは「法務局」のことで、このフォーマットソフトは「法務局」管轄なのであろうか。

そして立方体は、容赦なく光線をイサコへ発砲した。

【イサコ、新型サッチーに追われる】
逃げるイサコを、立方体は執拗に追跡する。
イサコは、猫目の裏切りを身を持って思い知らされた。
イサコは、目尻に涙を浮かべながら逃走し、反撃する。

モジョたちはイサコを庇い、立方体に集中砲火を浴びせる。
だが、一匹が被弾、動けなくなった。
イサコは、危険を顧みず駆け戻り、傷ついたモジョを左手に掴み、また走り出した。

するともう一体の立方体が道を塞ぎ、発砲してきた。
立方体の光線は強力で、イサコの障壁を侵食、ついには突き破り、イサコの腕を掠めた。

イサコは立方体を暗号式で緊縛し、神社の境内に駆け込む。
サッチーならば入り込めない神社であるが、立方体はずぶずぶと電脳空間の壁を通り抜け、侵入してきた。
立方体はエネルギーをチャージ、イサコに照準を合わせた。

イサコは追い詰められた。


今回はここで終了である。
まず、絶体絶命のイサコがこの危機をどう切り抜けるのか、気になる。

そして、これまでの事件の背後には、どうも電脳メガネのメーカー、メガマス社の影があるらしい。
巨大企業の陰謀の矛先が、イサコや玉子、そしてコイル電脳探偵局や大黒黒客に向けられるのだろうか。

デンスケが寝込んでなかなか回復せず、メガバアがなにやら難しい表情を見せる理由は何か。
ヤサコの右腕の付け根あたりが青く光ったのは、何故か。

謎と危機の行方が気になるところであり、来週土曜が待ち遠しい限りである。

【予告】
映像を見ると、ヤサコとイサコの関係に、更なる変化が起きるようにも見える。
楽しみである。

電脳コイル 20話「カンナとヤサコ」

  • 2007/10/20(土) 17:43:17

黒い影に囲まれたヤサコとフミエ!
玉子とメガバア、バイクで乱入!
ヤサコと玉子、ハラケン救出に共闘!
そしてイサコ参戦!

【感想概略】
今回で、「通路」騒動はひとまず終結である。
今回のお話では、過去の罪に決着をつけるため、そしてハラケンを救出するために戦う玉子が描かれ、比較的低姿勢に協力を申し出るイサコの本当は優しさと罪悪感を抱く人間性が描かれ、そして「通路」の謎と玉子の過去などについて明かされ、様々な謎が描かれ、盛り沢山のお話でおもしろかった。

映像的には、「ニーテンゼロ」(「2.0」か?)と呼ばれる立方体のフォーマットソフトVSサッチー及びキュウちゃんと戦いが、シンプルな形であっても動きで十分迫力ある戦いを描けることを証明しており、おもしろかった。

【フミエ、黒い影の包囲に突撃】
前回、ヤサコとフミエは黒い影に追われ、メガバアの結界に守られた隠し廊下に退避した。
が、黒い影は結界を徐々に蝕み、隠し廊下を侵食。
ついに二人は追い詰められた。

フミエは隠し廊下から撃ってで、黒い影の群れからの強行突破を敢行。
劣勢の中フミエは、京子を抱いたヤサコを背に守り、黒い影の群れと果敢に戦い続けた。

が、多勢に無勢である。
群がり襲い来る黒い影に、とうとうヤサコが掴まれてしまう。
ヤサコはへたり込み、気を失った。

その時、玉子とメガバアが、バイクで乱入。
玉子はサッチーをヤサコ宅に突撃させた。
個人宅でも入れるのは、メガバアの許可を得たためであった。

サッチーは光線を撃ちまくり、次々と黒い影を焼き殺し、たちまち全滅に追い込んだ。
ようやく、ヤサコとフミエ、京子の危機は去った。

ヤサコは気が付くと、電脳体のズレは治っていた。
玉子がコイルタグで治したのである。
なお、メガバアによると、コイルタグは、原料となるメタタグが既に無いため、あと数枚しかないという。

玉子は、通路の封鎖及びイリーガル殲滅終了を、猫目に伝えた。
だが依然として、古い空間の拡散は、収まっていない。

この時玉子は、ハラケンが「『イマーゴ』を持つ子供」であることを聞き、血相を変えた。
しかも間もなく、古い空間の大規模なフォーマットがはじまるという。
玉子を探していたヤサコは、たまたまこの会話を聞いてしまったのだが、ハラケンの危機を直感する。

玉子は、全員家から出ないように言い残し、バイクで走り去った。
つい先程までの危機的状況を考えるならば、外出を控えるようにという玉子の指示は、当然に思える。
それでもヤサコは、走ってバイクの玉子を追った。

【玉子、サッチーの戦闘力強化】
玉子はまずはハラケン宅を訪れた。
そこで玉子は、ハラケンが以前カンナの母から預かった「カンナのメガネ」をかけて出かけたことを知った。
行き先は「通路」。
カンナに会うために違いない。
カンナに会えるなら、命の危険も顧みないハラケンである。

次に玉子は、大黒市役所空間管理室へ直行した。
そこでサッチーに違法改造を施し、戦闘力を大幅強化した。
まずはサッチーに装着されるキュウちゃんを、4機から6機に増加して火力強化。
サッチーの口はへの字口になり、装甲防御も強化されたようである。

これをメガマス社の監査担当に見つかり、違法改造でクビだぞと忠告されるが、覚悟の上とまったく意に介さない玉子。
ここら辺は、揺るがぬ玉子が格好良かった。

【ヤサコ、玉子と合流】
玉子はサッチーを率い、出撃する。
そこにヤサコが現れた。
自宅からかなり距離があるここまで、走ってきたのである。

ヤサコは、ハラケンの位置が何となく分かるという特技で、ハラケン救出を手伝いたいと玉子に申し出た。
「それだけ?」と尋ねる玉子。
するとヤサコは、頬を赤らめ、「私、ハラケンのこと…」と言いかけるが、玉子はその言葉をさえぎった。

玉子は、ヤサコとの共闘を了承した。

【玉子、4年前の出来事を語る】
「通路」へ向かう途中。
玉子は、自らの過去をヤサコに語った。

4年前、暗号屋の少女が、都市伝説を調べ、一つの儀式を導き出した。
この儀式とは、「ミチコさん」を呼び出すための暗号の手順である。

少女による儀式は成功し、ある条件が重なると電脳体が分離する現象が、各地で発生した。
この現象を「電脳コイル」という。

この電脳コイル現象を発生させるイリーガルは、Cドメインという未知の領域から出現する。メガバアたちが「ヌル」と呼ぶこのイリーガルは、どうやら最も古い電脳生物らしい。

Cドメインとは「コイル・ドメイン」の略であり、都市伝説では「あっち」への入り口だという。
これらの現象についても、このイリーガルについても、正確な原因は未だ不明である。

そして玉子は告白する。
4年前に事件を起こした少女とは、実は自分なのだと。
同じ過ちを繰り返して欲しくなかったという玉子。
イサコのことにも責任を感じているようだ。

玉子は、過去の罪に決着をつけるため、この一戦に全てを賭けている様子である。
だが、玉子が「通路」を開いた理由は何なのだろう。
気になるところである。

一方フミエは、ヤサコに置き去りにされていた。
フミエがヤサコを追わないのは、メガバアに止められ、ヤサコの無事を保証されたからだろうか。
落ち着いた様子のフミエである。

この時フミエは、メガバアから4年前の出来事について聞いていた。
メガバアはこの事件により、倒れる以前のことが思い出せないのだという。

【ヤサコ、独走】
玉子とヤサコは、ハラケンのメガネを追跡し、倉庫街にたどり着いた。

だがヤサコは、一人で駆け出し、レンガ壁で道を塞いで走り去ってしまう。
玉子は、キュウちゃん1機にヤサコを追わせ(追跡と護衛のためだろう)、自身はサッチーを率いて迂回路を走った。

ヤサコの目的は、「通路」の近くへ行き、そこで黒い影に触られることで電脳体を分離させ、「通路」に入ってしまったハラケンを連れ戻すことであった。

走るヤサコの前に、電脳霧の中から黒い影の群れが出現。
ヤサコに近づいてくる。
だが、まだ「通路」を見つけていないヤサコは、ここで電脳体を分離させるわけにはいかない。

そこに、ヤサコを追ってきたキュウちゃんが出現。
ヤサコを守り、果敢に光線で黒い影と戦う。

が、黒い影の群れは、損害を全く省みず、キュウちゃんに群がった。
一体の黒い影が、背後からキュウちゃんを掴み、引きずりおろす。
黒い影に取り囲まれたキュウちゃんは、何度も何度も光線を放ったが、やがて静かになった。

この辺りは怖く、そしてキュウちゃんが可哀想に思えた。

【イサコ、玉子に協力を申し出る】
ヤサコを追う玉子の前に、イサコがあらわれた。

玉子は激昂し、サッチーでイサコを砲撃しまくる。
「おまえさえキラバグを集めなければ!お前さえいなければ!」と叫ぶ玉子。

言い過ぎに思えるが、玉子はまだ17歳という若さであり、感情が昂ぶって思わず酷いことを言ってしまっても、仕方ない気がする。

一方イサコは、玉子の攻撃に決して反撃せず、協力を申し出た。
イサコは、ハラケンのことについて、かなり罪悪感を抱いているようである。
また、玉子の暴言にも一切反論しないところは、これまでの偽悪的な態度を思うと、痛々しかった。

この辺、これまでの女王様然とした凄みで大人すら威圧してきたイサコとは随分異なる大人しさで、イサコが可愛らしかった。

玉子はようやく興奮からさめ、イサコと共闘する。

【玉子、通路を発見】
玉子とイサコは、「通路」にたどり着いた。

その時、立方体の集合体のようなフォーマットソフトが上空に飛来した。
この立方体、とてもシンプルなデザインなのだが、迫力と重量感があり、なかなか格好良い。

そしてこの立方体は、倉庫街の古い空間をフォーマットしはじめた。
そのフォーマット光線はとんでもなく強力であり、凄まじい勢いで古い空間を消滅させていく。
「通路」に入ったヤサコとハラケンもろとも「通路」を消滅させるまで、たいした時間はかからないようである。

ここで玉子とイサコは、ハラケン救出のため、本格的に共闘を開始した。
まず玉子は、サッチーで立方体によるフォーマットを食い止めて少しでも時間を稼ぎ、ヤサコのハラケン救出を待った。

そしてイサコは、最後のキラバグで、ハラケン救出のための暗号式を組んだ。
それは、電脳体を転送するための暗号式であった

最後のキラバグを使ってしまったら、イサコは兄を回復させるチャンスを永遠に失うかもしれない。
にも関わらず、イサコが躊躇しないのは、例え兄を永遠に失うことになっても、自分の目的ために他の人間を犠牲にはできない心が、イサコ本来の人間性であるために思えた。

【イサコ、暗号式をヤサコに託す】
イサコは、暗号式を「通路」に入ったヤサコへ託すため、ヤサコを探して走った。
そしてイサコはようやく、ヤサコの声を聞きつけた。
イサコは「通路」の向こうのヤサコへむけて声をかけ、ヤサコを呼びとめた。

イサコは、暗号式を込めたてのひらを、空間に押し当てた。
一方ヤサコは、空間越しにイサコのてのひらに触れ、暗号式を受け取った。
するとヤサコの中指には、光る指輪が出現した。

この瞬間、イサコのヤサコに対するわだかまりは消えていただろう。

【ハラケン、カンナと】
ヤサコはついに、ハラケンへ追いついた。
だがハラケンは、一体の黒い影への歩みを止めようとしない。

この黒い影は、カンナであった。
カンタとの再会を喜ぶハラケンだが、笑顔がちょっとあぶなくて好きだ。

ハラケンにカンナの声は聞こえない。
だが、ヤサコには聞こえた。
ヤサコはハラケンへ、カンナの言葉を伝えた。

カンナとハラケンは、互いの想いを伝え合った。
そしてカンナは、ハラケンをヤサコに託し、消滅していった。

立方体のフォーマット光線による「通路」の消滅が、間近に迫っていた。

ヤサコは、ハラケンの胸に触れ、暗号式を発動させた。
するとハラケンの電脳体は、青く光りながら、光の粒子となって消えていく。
電脳体が生身の身体に転送されていくのである。

ヤサコは、消えていくハラケンに告白した。
その声は、はたしてハラケンに聞こえたのだろうか。

ヤサコは崩壊する通路を走り、出口へ向かった。

それにしてもハラケン、カンナにもヤサコにももてもてである。
「もてる生物部の男子」というのは、アニメではかなり珍しい気がする。
だが、同じ生物部でもナメッチやデンパは、色恋とは無縁のようであり、生物部だからもてるという訳ではなさそうである。

【ヤサコ、帰還】
「通路」は、立方体の強力なフォーマット光線により、崩壊寸前である。
このままでは、ヤサコも「通路」もろともフォーマットされてしまう。
ヤサコは出口へ走った。

玉子は、サッチーで立方体を攻撃し、時間を稼ぐ。
そしてついに、ヤサコが「通路」から駆け出してきた。
玉子は、ヤサコの電脳体にコイルタグを貼った。

その時、立方体はフォーマット光線の集中砲火を浴びせてきた。
すると玉子は、改造していないサッチーを風船のように膨らませてハラケンとヤサコを守り、光線を防いだ。
無改造のサッチーはフォーマットの対象外であるため、光線を防ぐ盾になるようである。

こうして玉子とヤサコ、そしてイサコは、ハラケン救出に成功した。

だが、立方体の攻撃を受けたらしいイサコには、何か異変が起きたようであり、気になるところである。

一方、猫目は何者かに連絡していた。
猫目は、イサコにも玉子にも協力しているが、実は二人を利用しているように見える。

【予告】
「通路」騒動は、今回で一段落。
イサコのヤサコに対する感情にも、かなりの変化があったと思える。
今後の新展開が期待される。

次回は新学期、学校が合併され、旧第一小の子供たちがイサコに辛くあたるらしい。
綿が飛び出したストラップの人形が見えたが、いじめによるものなら、かなり悪質である。
大黒黒客はリーダーをこけにされ、黙っているのか。
ヤサコはどうするのか。

猫目の背後にいるのは何者か。猫目の真の目的は何か。
楽しみである。


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