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鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第12話「一は全、全は一」

  • 2009/07/05(日) 22:42:12

【感想概略】
原作未読。今回の「鋼の錬金術師」は、エドとアルが、師匠イズミと再会するお話であり、エルリック兄弟の修行時代が描かれるお話である。

今回の見所は、エドとアルの師匠、イズミである。
このイズミ、身体は弱いが、戦闘力は恐ろしく高く、口よりも先に手が出るタイプである。
拳で語り合うということだろうか。

そしてイズミによる指導は、過酷そのものである。
まだ小さなエルリック兄弟を無人島に置き去りにし、「一は全、全は一」という謎の言葉の答えを見つけよとの難題を与えるという、男塾のようなスパルタぶりである。
だがイズミは実は情に篤く、だからこそエドもアルも過酷な修行についてくるのであり、どんな苦しい試練を与えられてもイズミを慕うのである。
このイズミの人間性と、エルリック兄弟との絆が、今回の見所だったと思う。

イズミの夫・シグも、見た目は恐ろしいが、実はエルリック兄弟のことを気遣う根は優しい良識ある大人であり、こちらも魅力的な人物として描かれ、良かったと思う。


(蛇足)
最近、実生活で問題が発生し、「鋼の錬金術師」の感想更新が滞りがちであったが、まずは簡易感想から再開することとした。実はこの12話も、昨日ようやく視聴したものだったりする。本日放送分は、録画はしたので、まずは第13話をGyaoなどで見てから視聴し、お話に追いついていこうとおもう。
実生活の方も、多分今度の日曜には落ち着くと思っている。

このブログは、アニメ・漫画などの感想日記と名乗っているのであり、少しずつでもそちらを再開させていくつもりである。

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第11話「ラッシュバレーの奇跡」

  • 2009/06/14(日) 23:17:52

【感想概略】
原作未読。今回の「鋼の錬金術師」は、エルリック兄弟とウィンリィの冒険が楽しく、同時に考えさせられるところのあるお話である。
両足をオートメイルと化した少女パニーニャとの出会いが描かれ、エドとアルの息のあった連携が描かれ、ウィンリィのオートメイルへの情熱と愛情が描かれ、お産の現場に直面して意外な姿を見せるエルリック兄弟とウィンリィの姿が描かれ、パニーニャの過酷な過去とスリを働く理由が描かれ、ウィンリィとエドとのケンカするほど仲が良く実は互いを大事に思っている姿が描かれ、おもしろかった。


【ラッシュバレーに到着】
エドとアル、そしてウィンリィは、オートメイルの聖地ラッシュバレーを訪れた。
このラッシュバレー、オートメイルを装着した人びとがあちこちに見られ、新型のオートメイルも陳列され、何やら活気に満ち満ちた町である。

そしてやはり、ウィンリィは町のあちこちで目にするオートメイルに大興奮、パラダイスだといい、浮かれまくりである。

呆れるエドだが、町の人々はエドの右腕がオートメイルと気付いた。
するとたちまち興味を示す人々がエドに押し寄せ、オートメイルを観察しはじめた。

どうやらエドの右腕は、見れば見るほど興味深いらしく、町の人々の興奮は高まっていく。
ついにはエドから服を剥ぎ取り、もっとよく観察するのだとエドの腕と足を触りまくるのである。

この辱めにエドは激怒。
これには町の人々も退散である。

【エド、銀時計を無くす】
エドはぶ然として着衣の乱れを直していく。
ところがどうしたことか、エドの顔面が蒼白になっていく。

何と、国家錬金術師の証である銀時計が無いのだと言う。
これにはアルもウィンリィも驚愕である。

銀時計を盗んだ者はすぐに判明した。
パニーニャという、両足をオートメイルと化した少女であり、観光客を狙ってスリを働き、この町では有名な様子である。

エドは町の人々から、パニーニャの居場所を聞き出した。
ドミニクという、この町でもずば抜けて腕の良いオートメイル技師のところにいるという。
さっそく出発するエドたちである。

【エドたち、ドミニク工房へ出発】
町の人々によると、ドミニクの家は町から離れた山の中だという。
オートメイルの品質のため、鉱石の採掘されるところの近くに工房を構えているというのである。

エドたちは、険しい山道を、殺人的な陽射しに炙られながら歩いていた。
これにエドとウィンリィの不快指数は急上昇。

ついには、この町に行きたいなどと言い出したオマエのせいだ、アンタが時計を盗まれるからだ、などと互いに怒りをぶつけあい、罵りあいをはじめるのである。

一方、アルは平常心を失うことなく、周囲に目を配りながら歩みを進めていた。
そして、視線の先に、スリの少女・パニーニャがいることに気付くのである。

【エドたち、パニーニャを追跡】
エドはパニーニャ発見を知ると、瞬時に行動開始。
岩から足場を次々と錬成し、強引に直線の道を切り開き、パニーニャ向けて突き進む。

ついにエドはパニーニャに追いつき、岩の壁を錬成して退路を遮断。
さらに岩の腕を次々と錬成してパニーニャへ繰り出す。
が、パニーニャは岩の腕を全てかいくぐり、驚異的な跳躍力で岩の壁を越えて逃亡してしまう。

逃げおおせたとパニーニャは余裕の笑みを浮かべるが、行く手には、何とアルが待ち構えていた。

アルは地面に手を触れて術を発動。
地面から太い金属製の格子が次々と出現。
たちまち巨大な檻が錬成され、パニーニャは閉じ込められてしまう。

何とこれは、エドとアルによる挟撃作戦だったのである。

【エドとアルVSパニーニャ】
間もなくエドが姿を見せるが、パニーニャはどういうつもりか余裕の表情を崩さない。

パニーニャは、いきなり回し蹴りを放つ。
すると太い金属製の格子は見事に両断され、パニーニャはあっさりと檻から出てきてしまった。
何とパニーニャの右足には、鋼鉄をも両断するブレードが仕込まれているのである。

さらにパニーニャの左ひざから砲身がせり出し、砲撃。
砲弾が次々と爆裂し、逃げ惑うエドとアルである。

一方、パニーニャは、左足にはカルバリン砲を内蔵なのだ言い、何やら嬉しそうな様子である。
パニーニャとしては、全力で遊べる相手の出現が嬉しくて仕方がないというところだろうか。

【ウィンリィ、パニーニャを離さず】
さらに逃げようとするパニーニャだが、ウィンリィがその腕を掴んだ。
ウィンリィは決してパニーニャの腕を離そうとしない。
だがそれは、パニーニャのオートメイルに惚れたためであり、目を輝かせて絶対離さないと言うウィンリィである。

(続く)

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第10話「それぞれの行く先」

  • 2009/06/07(日) 22:39:18

【感想概略】
原作未読。今回の「鋼の錬金術師」は、エドの周囲の人びとにまで、賢者の石を巡る陰謀が及び、ヒューズ中佐が大変なことになってしまうお話である。
エルリック兄弟やウィンリィを気遣う良識ある大人であるヒューズの人徳が描かれ、ヒューズとマスタングの絆が描かれ、賢者の石を巡る陰謀の巨大さの一端が描かれ、見応えがあった。


【ロイ・マスタング、志をヒューズに打ち明ける】
今回のお話は、イシュヴァール内紛の頃からはじまる。
この内紛には、ロイ・マスタングとヒューズも従軍していたが、友軍の損耗も尋常ではない様子である。

マスタングはヒューズに言う。
一人の力など、たかが知れている。
ならば自分は、自分で守れるだけのほんの僅かであっても、自分の大切なものを守ろう。
そして下の者がさらに下を守る、小さな人間なりに、そのくらいは出来るはずだと。

これにヒューズは、ネズミ算かよと笑うが、「この国丸ごと守るなら、ネズミの頂点にいなきゃならねえな」と不敵な笑みを浮かべるのである。

これにマスタングは、理想のために国家の頂点に立ちたいという思いを、ヒューズに打ち明けた。そして、これは自分一人の力では成し得ない、自分一人では無理なのだと何故か力強く断言する。

するとヒューズは、自分はマスタングの理想がこの国をどう変えるか見てみたいといい、笑みを浮かべるのである。

【エドの病室】
エドの病室に、ヒューズ中佐とアームストロング少佐が集まった。
勿論アルは、エドの傍にいる。

そしてエドたちは、これまで判明していることを整理していた。
人柱、賢者の石の錬成陣、そしてウロボロスの入れ墨を持つ者たち。

だが情報は、どれも断片的なものばかり。
手がかりとなりそうな元第五研究所は既に瓦礫の山であり、エドたちは次の一手をどうしたものか、頭を抱えてしまう。

一方、病室の入り口で警護に当たるのは、マリア・ロス少尉とデニー・ブロッシュ軍曹である。
ブロッシュ軍曹は扉に耳を近づけ、室内の会話を伺うが、よく聞こえない。
一方、ロス少尉は耳を塞ぎ、これ以上厄介ごとに巻き込まれたくないから聞きたくないと言う。

その時、何者かがロス少尉に声をかけ、鋼の錬金術師の病室はここだろうかと尋ねた。
何と軍事政権の最高権力者、大総統キング・ブラッドレイである。

【ブラッドレイ、エドを見舞う】
ありえない人物の訪問に、ロス少尉とブロッシュ軍曹は仰天。
直立不動で敬礼するが、ブラッドレイはニコニコと笑顔で二人の間を通ると病室に足を踏み入れ、エドたちの前に姿を見せた。

これにはヒューズ中佐とアームストロング少佐も驚愕、直立不動で敬礼。
そして、何故大総統閣下ともあろうお方が、このような場所に?!と当然の疑問を口にすると、見舞いなのだがと言い、メロンを差し出すブラッドレイ大総統である。

ここら辺、ブラッドレイ大総統が何やら可愛らしくて好きである。

【ブラッドレイ、賢者の石を巡る動きについて話す】
だがブラッドレイ大総統は、すぐに本題を切り出した。
エドたちの目的は、賢者の石ではないか。
実は賢者の石を巡る軍内部の陰謀について、ブラッドレイもその存在は知っており、ヒューズやアームストロングが秘密裏に調査を進めていることも把握しているのだと。
これにはヒューズとアームストログも驚き、緊張の様子である。

さらにブラッドレイは言う。
この陰謀については、実はその規模も目的も未だ掴むことができない。
軍内部の、一体誰が味方で誰が敵かすら分からない状況なのだ。
つまり調査を行なうことすら危険なのであり、ヒューズもアームストロングもこの件からは一先ず手を引くのだと。
そして、陰謀について調査が進めば、その時は存分に働いてもらうので覚悟してほしいといい、頼もしい笑みを浮かべるのである。

これにヒューズとアームストロングは、とりあえず納得した様子である。
後はブラッドレイが上手くやってくれるに違いない、自分たちの出番も間もなくだろうと思っているというところだろうか。

そしてブラッドレイ大総統は、実は仕事をこっそり抜け出してきたのだといい、うるさい部下がいるのだというと、窓から逃げ出すのであった。

【エルリック兄弟とウィンリィ、南部へ出発】
エドとアルは、師匠を尋ねると言い出した。
もっと強くなるため、さらに賢者の石について聞きたいのだという。

この師匠のいる場所はどこか、ウィンリィは地図で確認してみた。
するとウィンリィは、思わぬことに気付いた。
何と目的地の近くには、オートメイルの聖地「ラッシュバレー」があるではないか。
ウィンリィは目を輝かせ、エルリック兄弟に同行を申し出た。

これにエドは遊びに行くのではないと渋い顔である。
が、アルになだめられ、ウィンリィの同行を受け入れるのである。

そして明くる朝。
ヒューズ家の世話になっているウィンリィは、ヒューズの妻子とともに、出勤するヒューズを見送りである。
ヒューズは、仕事があるのでウィンリィたちを見送れないことを詫び、娘エリシアには「なるべく早く帰るよ~」と笑い、家を出た。

間もなく、エドとアル、そしてウィンリィは汽車に乗り、アームストロング少佐たちに見送られながら、南部へと出発した。

【ヒューズ、真相に気付く】
軍法会議所の資料室。
ヒューズは、最近頻発する暴動や内紛、国境紛争に法則性があることに気付いた。
そして賢者の石が生きた人間を材料とすることから、陰謀の真相が何であるのかに思い至った。

だが何者かが、ヒューズに声をかけた。
ウロボロスの紋章を胸に刻んだ女、ラストである。

ラストは指先を凶器と化し、ヒューズへ必殺の一撃を繰り出す。
が、ヒューズは瞬時にナイフを放つ。

そしてヒューズは腕から血を流しながら、資料室を後にし、電話室へ向かった。
一方、額からナイフを生やすラストは、ナイフを引き抜き、人間に後れをとったことに悔しそうな様子である。

【ヒューズ、マスタング大佐への連絡を試みる】
ヒューズは電話室で受話器を取った。
自分の気付いたことを、大総統へ報告するつもりのようである。
だがヒューズは、さらに何かに思い至ると受話器を下ろし、屋外へ向かった。

ヒューズは電話ボックスから東方司令部へ電話をかけ、マスタング大佐と繋げるよう求めた。
だが軍令により、通常は外部からの連絡は取り次がない。
これにヒューズは、自分は中佐なのだぞというと、交換手はヒューズにコードを告げるよう求めた。
ヒューズは懐から手帖をもどかしく取り出し、長いコードを言い終えると、交換手はようやくマスタング大佐に取り次いでくれると言う。後は、マスタング大佐が出てくるのを待つばかりだ。

その時、何者かがヒューズに銃を突きつけた。
マリア・ロス少尉である。

【ヒューズ、銃を向けられる】
だがヒューズは、相手がロス少尉でないことに気付き、何者かと問うた。
ロス少尉の左目の下には、泣き黒子があるのだと。
確かに、目の前の女性に、そんな黒子はない。

すると「ロス少尉」は邪悪な笑みを浮かべると左手で自分の頬をなで、泣き黒子を浮かび上がらせ、これでいいか?とからかうように笑う。
目の前の人物は、ラスト一味の一人、エンヴィーであった。

ヒューズはのらりくらりと話を引き延ばしつつ、右手にナイフを握った。
だが必殺のナイフを放つ瞬間。
ヒューズは硬直した。
何と、ヒューズに銃を向けて薄笑いを浮かべる敵は、妻グレイシアの顔かたちをしているのである。

敵は無抵抗のヒューズに発砲。
次々と急所を撃ち抜いた。

ヒューズは倒れ、帰れなくなったことを妻と娘に詫び、死んだ。

【ヒューズの葬儀】
数日後。
ヒューズの葬儀が行なわれた。
妻と娘、マスタング大佐をはじめとする東方司令部の人々、アームストロング少佐、そして大総統ブラッドレイも参列し、丁重に葬られている様子である。

葬儀の後、マスタング大佐はヒューズの墓前に立ち、リザ・ホークアイ中尉に言う。
錬金術師とはイヤな生き物だ。
いま自分は、どうすれば人体錬成が可能かと、理論を組み立てようと考えずにはいられない。
今ならば、エルリック兄弟が母を失った時の気持ちが分かる気がすると。

ふと、マスタング大佐は空を見上げ、雨が降ってきたという。
だが空は晴天である。
その時、ホークアイ中尉は、マスタング大佐が涙を流しているのを見た。

【マスタング大佐、アームストロング少佐から情報を得る】
マスタング大佐は、ヒューズの殺害現場を訪れた。
そしてアームストロング少佐に、ヒューズ殺害の犯人について尋ねた。

するとアームストロングは言う。
犯人たちの目星はついている。
だがたとえ階級が上であるマスタング大佐の命令でも、自分は答える訳にはいかないと。
そしてアームストロングは去り際、エルリック兄弟が訪れていたと告げるのである。

リザ・ホームアイ中尉は、ヒューズ殺害についてめぼしい情報が得られなかったことに残念そうな様子である。
だがマスタング大佐は、アームストロング少佐はお人よしだと笑い、言うのである。

先ほどのアームストロング少佐の言葉は、犯人は一人でなく複数であり、組織という可能性もあること、少佐が大佐の命令に従えないのは、より上の力が働いていること、そして賢者の石が関係していることを語っているのだと。

そしてマスタング大佐は、亡きヒューズに誓うのである。
ヒューズの敵を討ち、この国の頂点に立つことを。

これにホークアイ中尉は、公私混同だと突っ込みを入れた。
するとマスタング大佐は公も私もあるものか、大総統の地位を得ることも、ヒューズの仇討ちも、どれも自分の意志だと開き直るのである。

そしてマスタング大佐は、上層部に喰らいつくぞ、ついて来るかと言い、不敵な笑みを浮かべた。
するとホークアイ中尉は、何を今更と笑うのである。

【エルリック兄弟とウィンリィ、小旅行を楽しむ】
一方、エドとアル、そしてウィンリィは、汽車で南部に向かっていた。
エルリック兄弟の師匠に会うため、そしてオートメイルの聖地と呼ばれる町「ラッシュバレー」を訪れるためである。

三人は久々に再会し、さらにちょっとした旅行気分であり、仲良くケンカしながら楽しそうな様子である。
そして三人の共通の知人、ヒューズの名があがると、「すごくいい人」「親バカで世話焼きで、鬱陶しいんだよな」などと、それぞれ好ましく思う気持ちを口にし、笑いあった。


【次回】
第11話「ラッシュバレーの奇跡」

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第8話「第五研究所」

  • 2009/05/26(火) 23:59:31

【感想概略】
原作未読。今回の「鋼の錬金術師」は、魂を定着させた鎧と錬金術師との戦いという本作ならではの戦いが描かれ、これがまず見所であった。
第五研究所の番人である二体の空っぽの鎧は、一人がえげつない戦いを得意とする元連続猟奇殺人鬼、一人が正統派の兵法家スタイルの人斬りと対照的であり、それぞれの戦闘スタイルの違いも楽しめた。
そしてエドのアルへの強い信頼が描かれ、エドと自分自身への疑惑を抱いて動揺するアルの内面が描かれ、ロス少尉の決断と行動の迅速さが描かれ、マスタング大佐とヒューズ中佐の長電話が描かれ、いよいよエドの前に姿を見せたラスト一味の暗躍が描かれ、おもしろかった。


【エドとアル、元第五研究所に潜入】
前回、エドとアルは、ドクター・マルコーの暗号を解き、「賢者の石」の研究資料を解読することに成功した。
だがそこには、「賢者の石」は生きた人間を材料に錬成したのだと記されていた。

エドとアルには、他人を犠牲にして「賢者の石」を手に入れるという選択肢はない。
だがそれでは、エドとアルは一生このままということなのか。
必死の努力の末に手にした成果のあまりの残酷さに、エドとアルは打ちひしがれてしまう。
だが二人は、真実の奥の奥にさらなる真実が潜むことに思い至り、前向きさを取り戻した。

そしてエドとアルは、現在は閉鎖された元第五研究所が「賢者の石」の研究施設として怪しいと気付き、密かに敷地内に忍び込んだ。
さらに小さな通風孔からエドが施設内に潜入。
一方、身体が大きくて入れないアルは、外で留守番である。

だが施設内には、侵入者を歓迎する二つの影が、殺意全開の笑みを浮かべていた。

【アルVS殺人鬼バリー・ザ・チョッパー】
そして今回。
元第五研究所の屋上に、何者かが音もなく出現。
屋外でエドの帰りを待つアルを見下ろした。

そして跳躍。
アルめがけて豪刀を振り下ろす。
が、アルは瞬時に気付き、敵の攻撃をかわした。

アルに襲い掛かったのは、髑髏の仮面を被った鎧姿の巨漢である。
この男、自分をナンバー66と名乗り、アルの巨体に似合わぬ素早さを喜んだ。
どうやら、歯ごたえのある敵と戦えることがうれしい様子である。

ナンバー66は、両手に鉈のような豪刀を構えると、二刀を振るい、アルに変幻自在の攻撃を繰り出す。
アルは敵の刃をことごとくかわすと間合いに踏み込み、ナンバー66の顔面に強烈な一撃を浴びせた。
するとナンバー66の兜が吹っ飛んだのだが、何と鎧の中は空っぽである。
アルは、このナンバー66もまた、鎧に魂を定着させた存在であることを理解した。

ここでナンバー66は、自らの正体を名乗った。
自分こそ、かの有名な殺人鬼バリー・ザ・チョッパーなのだと。

得意げなナンバー66改めバリーであるが、アルはそのような名前は聞いたことがなかった。
知らないことにちょっと傷ついた様子のバリーに、アルは自分は東方の田舎育ちであり、都会のことに疎いのだと、何故かバリーに頭を下げるのである。

バリーは、このアルの受け答えに調子が狂う様子である。
だいたい、何で空っぽの鎧を見ても驚いてくれないのか。
バリーは、ちょっと傷ついた様子である。

するとアルは、兜を外して鎧の中身は空っぽなことを見せるのだが、これにバリーは心底驚いた悲鳴を上げるのであった。

【エドVS殺人鬼スライサー】
一方、通風孔から施設に潜入したエドは、かなり広い地下室に辿り着いた。
この地下室、床には何やら怪しげ紋様が描かれている。
エドは、これを見て、「賢者の石」を錬成するための練成陣かとつぶやいた。

すると、エドの察しの良さを誉める声が聞こえ、鎧姿の男が姿を見せた。
この男、自らをナンバー48と名乗り、抜刀。
鋭い斬撃を繰り出す。

エドは即座に右腕に短刀を錬成。
ナンバー48の間合いに踏み込み、胴に強烈な蹴りを浴びせた。
この時エドは、敵の身体は空っぽであり、鎧に魂を定着させた存在であることに気付くのである。

するとナンバー48は、自分の正体を見破ったエドに感心し、かつて殺人鬼スライサーと呼ばれていたことを明かした。
これは、エドの強さと賢さに敬意を払い、せめて冥土の土産に、誰の手にかかるのか教えてやったというところだろうか。

エドはナンバー48改めスライサーに、ここでは死刑囚を材料に「賢者の石」を作っているのだろうと問う。
スライサーは流石に答えてくれないが、兜を取り外して血印を見せ、これを破壊すればお前の勝ちだと自分の弱点を教えるのである。

エドは、弱点を教えてくれた親切ついでに、見逃してもらえないかと言ってみた。
が、スライサーは殺人鬼が獲物を目の前にして黙って見逃すはずなかろうと笑い、殺す気全開である。

【ロス少尉、エルリック兄弟を追う】
ロス少尉は、エドワード兄弟が静か過ぎることを不信に思い、部屋に踏み込んだ。
するとやはり、部屋はもぬけの殻である。

ロス少尉はエドとアルの危険な振る舞いに激怒。
そしてエドとアルは元第五研究所に向かったのだと確信し、ブロッシュ軍曹を率いて急行するのである。

【スライサーの正体】
スライサーはエドに、お前の仲間は今頃、私の連れが始末しているはず、奴は強いぞ、まあ私よりは弱いがと笑う。
するとエドは、ならば心配はいらない、俺は弟にケンカで勝ったことがないと言い、不敵な笑みを浮かべた。

スライサーは刀剣を振るい、鋭い斬撃を縦横無尽に繰り出す。
エドは驚異的な身の軽さで敵刃をことごとくかわすのだが、スライサーの剣の速さは尋常ではなく、エドは攻撃の全てをかわしきれず、徐々に手傷を負っていく。
こうなると、体力の消耗と出血は馬鹿にならず、戦況はエドに不利である。

その時、エドはスライサーの背後に向かって、アルに声をかけた。
強い弟とやらが来たのか?!
スライサーの注意は背後へ向き、エドへの警戒がわずかにゆるんだ。
その瞬間、エドはたちまちスライサーの間合いに踏み込み、血印の記された兜を奪い取った。

これこそ、敵を欺くエドの知略である。
エドは勝利を確信し、スライサーに「賢者の石」について尋ねた。

ところがその時。
首を失った鎧が動き、エドに鋭い斬撃を繰り出した。
間一髪でかわすエドは、なぜ血印を失って動けるのかと驚愕である。

ここでスライサーは驚くべき事実を明かした。
実はスライサーの鎧には、何と二人の魂が、即ち兄と弟の魂を定着させているというのである。
つまりエドに血印を見せたのも、策のうちということだろうか。

【死闘!エドVSスライサー兄弟】
スライサーは、猛烈な斬撃を繰り出し、エドを追い詰めていく。
一方、エドは、疲労と出血のため、もはや限界が近い。

スライサーは止めを刺すべく、エドの間合いに踏み込む。
エドは死の危機に直面するが、その瞬間、スカーの術が目に浮かんだ。
そしてスライサーが攻撃を繰り出す瞬間、エドは右腕を繰り出し、敵の胴に触れた。
するとスライサーの胴は爆散、粉微塵に砕け散り、上半身が千切れ飛んだ。

どうやらエドは、見よう見まねでスカーの術を行使したということのようである。

【エドとスライサー兄弟】
スライサーの鎧はバラバラになり、もはや自力で移動することすら出来ない。
スライサー兄は敗北を認めると、我々を破壊しろとエドに言う。

だがエドは、殺しは嫌だと言う。
これにスライサーは、自分たちはこれで生きていると言えるのかと自嘲する。

するとエドは言う。
あんたたちが人間でないと認めたら、弟も人間でないと認めることになる、あんたたちは人間なんだと。

エドの言葉に、スライサーは何かをかんじた様子である。
そして「賢者の石」について、何か告げようとした。

だがその時、得体の知れぬ武器がスライサーの兜を貫通。
血印を破壊し、命を奪った。

何と、ラストの伸縮自在の凶爪攻撃である。
さらに、エドの前に少年が出現。
スライサーの刀を握ると、地面に転がる胴鎧の血印をメッタ刺しに刺し、命を奪った。
この少年、ラスト一味で変装の名人エンヴィーである。

エドは、無益な殺生に激怒。
エンヴィーを殴りつけようとするが、急に右腕から力が抜けた。
どうやらオートメイルが故障した様子である。

するとエンヴィーは、ケンカせずに済んだと喜ぶとエドに強烈な蹴りを入れ、エドを叩きのめす。
そしてラストはエドに言うのである。
生かされていることを忘れるなと。


【アル、動揺】
アルの予想外の反応と正体に、調子が狂いっぱなしバリーだが、すぐにいつもの極悪な自分を取り戻した。
バリーは、アルの魂を鎧に定着させたのは実兄エドワードと聞くと、意地悪く笑って尋ねるのである。

兄貴と言うが、お前たちは本当に兄弟なのか。
オマエは実は、その「兄貴」とやらに作られた鎧の化物で、記憶もまがいものなんじゃないのか。

このバリーの指摘を、アルは否定しきれない。
アルは動揺して本来の実力が発揮できないようであり、バリーを攻めあぐねてしまう。

一方、バリーは心に迷いが生ずるアルを痛ぶることが楽しくて仕方ないらしく、オレは人殺しが大好きだ、「我殺す、故に我あり」だ、オレは自分の存在などこれだけで実感できるのであり、これで十分なのだと、まさに悪党全開である。

【ロス少尉、参戦】
その時、何者かがバリーに向けて発砲した。
ロス少尉である。

ロス少尉はバリーに投降するよう言い渡す。
だがバリーは不気味に笑い、降参する気などゼロである。

その時、元研究所が不気味に鳴動。
上部構造部に亀裂が入り、壁の一部が巨大なコンクリート塊と化して落下してきた。

これにバリーは、もはや戦いどころではないと判断。
オマエたちも早く逃げた方がいいぞとアルたちに忠告すると、真っ先に逃走するのである。

【エンヴィー、エドを届ける】
元研究所は、地響きを立てて倒壊していく。
どうやらラストが証拠隠滅のため、元研究所を建物もろとも葬り去ろうとしているようである。

ロス少尉たちは、アルに逃げるように訴えるが、アルは兄がまだ中にいるのだといい、動こうとしない。
その時、崩れた壁の向こうから、エドを担いだ少年が笑顔で歩いてきた。
エンヴィーである。
そしてエンヴィーは、エドをアルたちに託し、ちょっと目を離した隙に姿を消してしまうのである。


【次回】
第9話「創られた想い」

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第7話「隠された真実」

  • 2009/05/17(日) 23:59:22

【感想概略】
原作未読。今回の「鋼の錬金術師」は、自分をダメ人間と思い込む少女シェスカとエルリック兄弟との出会いと絆が描かれ、国家権力も関わっている様子の「賢者の石」の謎の一端が描かれ、健全な良識を持ち軍の権益よりも人道を優先するロス少尉とブロッシュ軍曹、そしてアームストロング少佐の姿が描かれ、ロイ・アームストロング大佐の大総統となる野望とその野望を全面的に後押ししている様子の部下たちの様子が描かれ、おもしろかった。


【エドとアル、国立図書館の第一分館を訪れる】
前回、エドとアルは元国家錬金術師ドクター・マルコーと出会い、マルコーから「賢者の石」の研究資料の隠し場所を明かされた。

そして今回、エドとアルは、アームストロング少佐に伴われ、隠し場所である国立図書館の第一分館にやって来た。
だが何と、分館は火災で全焼、蔵書は全て焼けてしまった。
これには落胆するエドとアルである。

この火災、実は「賢者の石」の影で暗躍する謎の女ラストの仕業であった。
目的は、エドをマルコーの研究資料から遠ざけることである。
ラストは、リオールの町ではレト教信者を煽動して暴動を起こし、エドを「大事な人柱」と呼んで密かに様子を伺っている。その背後には「お父様」という黒幕がいるようなのだが、何を企んでいるのだろうか。

【マスタング大佐の野望】
国家錬金術師を次々と殺害している謎の男スカーは、イーストシティに潜伏していた。
軍はスカーの行方を捜索、だが足取りはなかなかつかめない。

この地の部隊を率いるロイ・マスタング大佐は、スカーはイーストシティに居てもらわねば困るという。
セントラルですら持て余したスカーを、自分たちが捕らえれば、大総統となる足がかりとなると不敵に笑うのである。

これにリザ・ホークアイ中尉は、苦笑しながら、不穏な発言は控えて頂きたいというのだが、否定はしない。
どうやらマスタング大佐の部下の多くは、大佐の同志と化している様子である。

マスタング大佐は、国家権力を握ることを画策しているようだが、これは何か目的があってのことと思われる。
マスタング大佐の真意は何か、今後も注目したい。

一方、謎の一味のラストにとって、スカーは邪魔者なようである。
そしてラストはあっさりと、スカー抹殺を決断した。

【スカーVSグラトニー、ラスト】
下水道内を移動中のスカーは、足元を駆けるネズミの様子がおかしいことに気付いた。

直後、巨体の大男が地響きを立ててスカーに突進してきた。
ラスト一味のグラトニーである。

グラトニーは巨体に似合わぬ素早さでスカーに攻撃を繰り出す。
スカーは紙一重でグラトニーの一撃をかわし、グラトニーの腕を一撃、片腕を斬り飛ばした。

だがグラトニーの影からラストが出現、スカーに渾身の一撃を放つ。
つまりグラトニーは囮だったようである。
次の瞬間、猛爆発が巻き起こり、下水道が吹き飛んだ。

この爆発は即座に通報され、直ちに軍が出動した。
ガス爆発と思われているようだが、災害出動というところだろうか。
そして兵士たちが瓦礫をかきわけると、血まみれの衣服が出てきたのだが、何とスカーのものである。
これにマスタング大佐は、瓦礫を全て取り除き、スカーの死体を確認するよう命令を下す。

一方、事故現場を見物する野次馬の中に、何とラストとグラトニーがいた。
実はこの二人、結局スカーは抹殺できず、グラトニーは食べ損ねたと残念そうである。
もっともスカーも負傷したようであり、今後の動きに注目したい。

【エドとアル、シェスカと出会う】
アームストロング少佐は、エルリック兄弟の警護から離れた。
代わって警護についたのは、マリア・ロス少尉とデニー・ブロッシュ軍曹である。

新たに警護についたロス少尉は、エドとアルを連れて、あるアパートの一室を訪れた。
この部屋には分館の資料に精通した元職員が住んでおり、何か手がかりが得られないかというロス少尉の配慮である。

ところがこの部屋、膨大な本で埋め尽くされており、ここに人間が住んでいるのか、疑わしい有様である。
その時、アルは何者かが膨大な本に埋もれていることに気付いた。

これに驚いたエドたちは、崩れた本の山を必死で取り除き、一人の若い女性を助け出した。
彼女こそ、この部屋の主シェスカであり、積んでいた本の下敷きになってしまったのだという。

すごい量の本だと呆れながら指摘されると、シェスカは目を輝かせて語りはじめた。
自分は小さい頃から本が大好きであり、国立図書館に就職できたときはとてつもなく幸せだったのだが、勤務中も思わず本ばかり読んでいたため解雇されてしまったのだと。
シェスカの度の過ぎた本好きぶりに、エドたちは開いた口が塞がらない様子である。

【シェスカ、資料復元を申し出る】
エドたちはシェスカに、マルコーの資料について尋ねた。
するとシェスカは、マルコーの資料は確かにあった、手書きであり、分類の異なる棚に突っ込まれていたから覚えているという。

これにエドたちは複雑な様子である。
マルコーの資料は確かに実在した、だが既に焼失してしまっている、どうしたものか。

するとシェスカは思わぬことを申し出た。
自分は一度読んだ本の文章文言は全て覚えている、内容を書き出すことは可能と。
これにエドとアルは大喜び、資料の復元を依頼した。

【エド、シェスカに大感謝】
シェスカは、5日がかりで資料を書き出した。
だがシェスカが復元したマルコーの資料は、料理の作り方である。

がっかりするロス少尉だが、エドは言う。
これは錬金術師のみに分かる暗号なのだと。

そしてエドはシェスカに大感謝し、国家錬金術師としての研究費用からシェスカに巨額の報酬を支払った。
これにシェスカとロス少尉は驚嘆である。
その金額だけでなく、エドがこのような大金を使用できることにロス少尉は驚きを隠せない。

エドとしては、シェスカの仕事の価値に対し、正当な対価を支払ったということだろうか。
そしてシェスカは、これで病気の母を良い病院に入院させることが出来ると感謝の様子である。

【シェスカ、エドとアルの元を訪れる】
エドとアルは、マルコーの暗号解読に取り組むのだが、暗号は難解であり、そうそう簡単には進まない。
アルは、いっそのことマルコーに聞いてはどうかと言うのだが、エドはそれでは負けになると言い、あくまで自分たちで解読を進めるのである。

そんな二人の元を、シェスカが訪れた。
エドからの報酬により、母を良い病院に入院させることが出来た、その礼を言いに来たのである。

エドとアルは、シェスカを好ましく思っているようであり、暗号解読が難航していると自嘲する。
そしてアルは、シェスカの調子はどうか、仕事は見つかっただろうかと尋ねた。
これにシェスカはまだ見つからないのだと落ち込むのだが、今回の件でこんなダメ人間の自分でも人の役に立つことが出来たと思えたのだといい、エドとアルに感謝の意を伝えた。

するとアルはシェスカに言う。
ダメ人間などではない、何かに一生懸命になれることは才能であり、シェスカは自分に自信を持って良いのだと。

【ヒューズ中佐、エドとアルの元に訪れる】
その時、一人の人物が笑顔で部屋に入ってきた。
ヒューズ中佐である。

ヒューズ中佐はエドとアルに、首都に来たのなら声をかけてくれと友好全開、フレンドリーにエドとアルの最近の調子を尋ねた。
そしてヒューズ中佐は、第一分館もろとも刑事資料が焼失してしまい、仕事が大変なのだと自分の近況を話すのである。

するとエドとアルはヒューズ中佐に、第一分館の資料の内容を一言一句記憶している人物としてシェスカを紹介するのである。
これにヒューズは目を輝かせると採用を即決。
ウチは給料がいいぞといいつつさっそくシェスカを引きずっていくのである

シェスカはあまりのスピード採用に困惑しつつも、一生懸命になれることが才能なのだと言い、自分では気付かない長所を評価し勇気を与えてくれたアルとエドに感謝の様子である。

この一生懸命が才能と言う言葉は、実はエドの言葉のようである。
エドは「言ってくれるねえ」と言い、アルと笑い合うのである。

【エドとアル、マルコーの暗号解読に成功】
エドとアルがドクター・マルコーの暗号解読に取り組む間、ロス少尉とブロッシュ軍曹は室外の入り口で警護の任についている。
だがある日、ロス少尉はエドの大声に仰天、あわてて部屋に駆け込んだ。
ロス少尉としては、解読に行き詰まって兄弟喧嘩でもはじめたのかと思った様子である。

エドとアルは喧嘩をしている訳ではなかった。
エドは言う。
暗号は解読できた。
だがその内容は悪魔の所行。
「賢者の石」の材料は生きた人間であり、それも「賢者の石」一つの材料は複数の人間なのだと。

これにロス少尉は、軍がそのような非人道的なことに関わっていたことに驚きを隠せない。
ロス少尉としては、軍とは国家国民の安全を守るためのものであり、任務のために人を殺めることはあっても、人体実験で人命を奪うなどという非人道的なことは許されることではないと考えているというところだろうか。
そしてエドとアルは、ロス少尉とブロッシュ軍曹に、このことについては他言しないでほしいと頼むのである。

【エド、真実のさらに奥に思い至る】
エドとアルは辿り着いた真実に打ちのめされ、自分たちは一生このままなのではという絶望に打ちひしがれた。

その時、いきなりアームストロング少佐が出現し、エルリック兄弟の悲しみに深い共感を示すのである。
唖然とするエドとアルだが、実はアームストロング少佐はロス少尉とブロッシュ軍曹が何か隠していることに気付き、鍛え抜かれた筋肉を強調しながら問い詰め、あまりの暑苦しさにロス少尉たちは全てを話してしまったのである。

だがエドは、アームストロング少佐の「真実とは残酷なもの」という言葉から、マルコーの別れ際の言葉を思い出す。
そして「賢者の石」には、この資料に記された真実のさらに奥に新たな真実が潜んでいる可能性に思い至り、再び前へ進む力を取り戻すのである。

【エドとアル、第五研究所に目をつける】
早速エドとアルは、マルコーが関わっていた研究所を調べはじめた。
これにはアームストロング少佐とロス少尉、ブロッシュ軍曹も協力している。
この三人は健全な良識を持つ大人であり、軍の権益より人道を断固優先するところは立派だとおもう。

そしてエドは、現在閉鎖されている第五研究所が怪しいことに気付いた。
この第五研究所、刑務所と隣接しており、死刑囚を研究に利用しているのではと推測するのである。

エドとアルは、次の一手の目星がついて喜ぶが、アームストロング少佐は自分が探りをいれるのでじっとしているようにと言い、まさか勝手に忍び込むつもりではないであろうなと?!二人に釘を刺す。
これにエドとアルは、そんなつもりはありませんと全力で否定するのであった。

【エドとアル、第五研究所に潜入】
エドとアルは、アームストロング少佐にはああは言ったものの、さっそく第五研究所に近づき、様子を伺っていた。
この第五研究所、「閉鎖された」はずなのだが、入り口には衛兵が立ち、施設内部には電灯が燈っている。
これは密かに何か行なっていることをうかがわせ、怪しい限りである。

エドとアルは、研究所を取り巻く塀を乗り越えて、敷地に忍び込んだ。
そして施設内への入り口を探したところ、小さな通風孔がある。

エドはこの通風孔にもぐりこみ、潜入を開始。
一方、巨体のため入れないアルは、屋外で待つのである。

だが施設の奥深くでは、二つの凶悪な影が、獲物の来訪を喜んでいた。
影は早速行動を開始。
音も無く屋上に姿を見せると、屋外でエドの帰りを待つアルに目をつけた。
そして跳躍、鉈のような豪刀をアルに振り下ろした。


【次回】
第8話「第五研究所」

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第6話「希望の道」

  • 2009/05/10(日) 23:08:05

【感想概略】
原作未読。今回の「鋼の錬金術師」では、エドとアルとウィンリィとの絆の深さ、ピナコとの絆の深さが描かれ、健全な良識人であるアームストロング少佐のエドとアルを気遣い理解を示す姿が描かれ、「賢者の石」の研究に携わった人物ドクターマルコーとの出会いと「賢者の石」の秘密に迫る手がかりの一端が描かれ、おもしろかった。


【エドとアル、故郷へ出発】
前回、エドは謎の男・スカーの襲撃を受け、オートメイルの右腕を破壊されて錬金術を封じられ、アルは片腕片足を破壊されてしまう。
抵抗の術を失い、死を覚悟したエドだが、間一髪でロイ・マスタング大佐が歩兵部隊と精鋭たちを率いて駆けつけ、スカーを退けた。

そして今回、エドとアルは、アームストロング少佐に付き添われて汽車に乗車し、出発の時を待っていた。
故郷リゼンブールに戻り、失ったエドの右腕を作り直してもらうためである。
エドたちを見送るのは、ヒューズ中佐である。

エドは、アームストロング少佐が付き添うことに不満げである。
するとヒューズは指摘する。
錬金術を使えない今のエドが、スカーの襲撃を受けたらひとたまりもない、だからアームストロング少佐が付き添ってくれるのだと。
これにはエドも渋々納得である。

だがエドは、アルが荷物として貨物車に載せられていると知ると、弟を荷物扱いするなと激怒するのである。
ここら辺はコミカルでおもしろかった。

【エドたち、ドクター・マルコーと出会う】
途中の駅で、アームストロング少佐は、思わぬ人物に気付いた。
元国家錬金術師ドクター・マルコーである。
このマルコーは、かつて軍の研究所で錬金術を医術に応用する研究を行なっていたが、イシュヴァール内乱の後、姿を消したのだと言う。

だがマルコーは、アームストロング少佐が声をかけると、怯えた表情を見せ、逃げ出してしまう。
エドとアームストロング少佐は、一時下車し、マルコーの行方を捜す。
エドとしては、マルコーは生体錬成にも詳しいだろうから、アルの身体を取り戻す参考になるのではと思ってのことのようである。

アームストロング少佐は似顔絵を描き、町の人々にマルコーについて尋ねた。
この似顔絵、かなり上手いのだが、これもまたアームストロング家に伝わる似顔絵術なのだという。
すると町の人たちは、マルコーはこの町で唯一の医者であり、自分たちはマルコーのおかげでとても助かっていること、そしてマルコーはどんな患者も見捨てないのだと、誇らしげに答えるのである。
どうやらマルコーは、この町では誠実な医者として人望が篤い様子である。

間もなくエドとアル、そしてアームストロング少佐はマルコーの家を訪れた。
だが怯えるマルコーは銃を構え、エドたちの全く話を聞いてくれない。
するとアームストロング少佐は、アルの入った木箱をマルコーに投げつけて下敷きにし、頭を冷やさせるのである。

【ドクター・マルコー、賢者の石を見せる】
マルコーは腹を括ったのか、エドたちを自宅に招きいれた。
エドたちは、自分たちは軍の任務で来たのではないこと、そして人体錬成を試みて失敗したことを明かした。

マルコーは言葉は少ないが、エドとアルの苦しみを感じずにはいられない様子である。
そしてマルコーは、自身の秘密について語り始めた。
何とマルコーは、軍の命令で「賢者の石」の研究に携わっていたというのである。

驚くエドたちに、マルコーは、赤い液体の入ったガラス容器を見せた。
マルコーは言う。
この液体こそ、「賢者の石」。
だがこれは不完全な複製品なのだと。

賢者の石について語るとき、マルコーは苦悩の色を隠せない。
マルコーは、「賢者の石」の研究を悪魔の行ないと言うのだが、その罪悪感に今でも苦しんでいる様子である。
そしてマルコーは、石の研究資料を見たいというエドの申し出を、断固拒否するのである。

【ドクター・マルコー、エドたちに秘密を託す】
エドたちは、これ以上の情報をマルコーから得ることはあきらめ、マルコー宅を去った。
エドは、「賢者の石」が生成可能なことが分かればそれだけで収穫だという。
ここら辺、人の心に敬意を払い、他人の大事にするものを尊重するエドは立派だと思う。

その時、汽車を待つエドたちの前にマルコーが駆けつけた。
そしてマルコーは、「賢者の石」の研究資料の隠し場所を記したメモを、エドに渡すのである。
その場所は何と、国立中央図書館の第一分館なのだという。

これにアームストロング少佐は、木を隠すなら森の中と言うが、上手いところに隠したものとマルコーの知恵に感嘆である。
マルコーとしては、エドの心を信じたというところだろうか。
そして立ち去るマルコーを、アームストロング少佐は敬礼で、エドは深々と頭を下げて深謝の礼を尽くすのである。

だがマルコーは自宅に戻ると、思わぬ来客が待ち構えていた。
「賢者の石」を巡る陰謀の影で暗躍する謎の女性ラストである。
ラストはマルコーを利用して、何をするつもりなのか、次回以降も注目したい。

【エドとアル、ピナコとウィンリィに再会】
エドたちを乗せた汽車は、故郷リゼンブールに到着した。
このリゼンブール、丘と牧草地と畑地がどこまでも広がるのどかな村である。

そしてエドたちは、一軒の家に辿り着いた。
出迎えるのは、小柄な老婆ピナコである。

このピナコ、エドとアルの育ての親も同然なのだが、エドに対してやたらと手厳しい。
エドを見ると、「しばらく見ぬ間に…小さくなったね」などと言うのである。

これにエドは激怒。
ピナコを「ミニマム婆あ」と罵倒。
するとピナコは大人気なくエドと罵りあうのである。

さらに何者かがエドの顔面にスパナを投げつけた。
幼馴染の少女ウィンリィの仕業である。
エドは、金属製工具を躊躇なく投げつける幼馴染に「俺を殺す気か?!」と激怒。
だがウィンリィは全く意に介さず、来るなら事前に電話しろとエドに言い放つのである。

さらにウィンリィ、バラバラに破壊されたエドのオートメイルに驚愕、大ショックである。
一方エドは、壊してしまったことを「わりぃわりぃ」と詫びるのだが、あまり誠意がかんじられない。
これにウィンリィは激怒し、エドを怒鳴りつけた。

ここら辺、エルリック兄弟とピナコとウィンリィとの間の、ケンカするほどの仲のよさと絆の深さがかんじられた。

【ピナコ、アームストロング少佐に明かす】
ピナコは、アームストロング少佐にも泊まるようにすすめ、二人泊めるのも、もう一人増えるのも同じこと、代わりに働いてもらうと言い、承知させてしまう。
これは、エルリック兄弟をここまで連れてきてくれたアームストロング少佐に、ピナコなりに礼を尽くしているようである。

アームストロング少佐が薪割を手伝っている間、エドは、母の墓へ向かっていた。

ここでアームストロング少佐は、ピナコからエドとアルの過去を、そしてウィンリィの家庭の事情を聞いた。
二人の父はかつてピナコたちの仲間だったが妻が亡くなっても帰ってこず、生死すら不明であること。母を取り戻すための生体錬成とその失敗、そして二人は故郷を離れる時に自分たちの家を焼き払ったことを。

アームストロング少佐は、少年の身でありながら過酷な過去を背負うアルとエド、そしてウィンリィに言葉が無い様子である。
するとピナコは、アームストロング少佐に、故郷を離れているエドとアルの様子を尋ねた。
二人は手紙一つ出さず、様子がまるで分からないのだという。
ピナコとしては、口には出さないが、エドとアルが心配であり、本心では危険はことはしてほしくないというところだろうか。

これにアームストロング少佐は言う。
二人は名の知れた錬金術師であり、そのために危険な目にもあうようだが、二人は強い、だから大丈夫なのだと。

【ウィンリィ、オートメイルを作成】
ウィンリィは3日でオートメイルを作成すると宣言し、徹夜で作業を行なっていた。
ところがエドは待ちきれないのか、作業中のウィンリィをじろじろ眺め、落ち着きなく周囲をウロウロする。
エドとしては、一刻も早く、賢者の石の研究資料を見に行きたく、じっとしていられないということのようである。

だがウィンリィとしては、ウロチョロされるとうっとしくて仕方がなく、ついにエドを部屋の外へつまみ出すのである。
ここら辺、エドとしては自覚はないが、ウィンリィに甘えているのかもしれない。

そしてついに、ウィンリィはオートメイルを完成させた。
するとエドは大喜びで家の外に飛び出し、アルの鎧を修復。
さっそく二人で組み手をはじめるのである。

エドとアルの元気な姿に、ウィンリィとピナコは、何やら苦笑の様子である。

【ウィンリィとピナコ、エドたちを見送る】
翌日の早朝。
エドとアル、アームストロング少佐は、ピナコとウィンリィの家の前に立ち、ピナコと別れの挨拶を交わしていた。
エドとアルは、徹夜続きで爆睡しているウィンリィを起こさずに旅立とうとする。
その時、寝ぼけ眼のウィンリィが姿を見せた。
そして笑顔で、エドとアル、そしてアームストロング少佐を見送るのである。

今回の帰郷で、久々にウィンリィとピナコに再会したことは、そしてウィンリィに笑顔で送り出してもらえたことは、エドとアルにとって、救いになったように思う。


【次回】
第7話「隠された真実」

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第5話「哀しみの雨」

  • 2009/05/03(日) 23:59:53

【感想概略】
原作未読。今回の「鋼の錬金術師」は、エドがニーナの事件を受け止め、その上で前に進む決意を新たにするお話であり、良い話だったと思う。

政略面では、イシュヴァール内乱の経緯と国家錬金術師による殲滅という軍事政権の暗部が描かれ、レト教の教徒を背後から操って暴動を勃発させる妖艶な美女ラストとその一味の暗躍が描かれ、考えさせられるところがあり、見応えがあった。今後の展開に注目したい。


【エド、ニーナの事件に心を痛める】
前回、エドとアルは、生体錬成について調べるため、「綴命の錬金術師」ショウ・タッカーの元を訪れた。
ここで二人は、タッカーの小さな娘ニーナと愛犬アレキサンダー出会う。
ニーナはエドとアルに興味津々。
そしてエドを「お兄ちゃん」、アルは呼び捨てにして慕い、二人がやって来ると満面の笑みを浮かべ、アレキサンダーと共に歓迎するのである。
だがタッカーは、国家錬金術師の査定に合格するため、ニーナとアレキサンダーを合成、異形のキメラと化してしまう。

エドはタッカーの行ないに激怒。
だがキメラと化したニーナを元に戻す術はなく、ニーナの苦しみを思うと、エドはやり場のない怒りと絶望に苛まれずにはいられない。

そして今回。
エドはニーナの事件に打ちひしがれ、前に進むことができない。

エドはアルに言う。
母を失った時に何とかしたいと思ったが、今度はニーナのことを何とかできないかと思っている。自分は全く進歩していないのだと。
普段はつっぱっているが、実は心優しいエドである。
そんなエドをアルは理解し、気遣うのである。

【エドVSスカー】
ニーナの事件の日以来、雨が降り続いている。
エドは外に出て雨に当たるが、ニーナの事件は受け止めきれず、道を見出すことも出来ない。

そんなエドの前に、額に傷のある若い男が姿を見せた。
国家錬金術師を次々と殺害している謎の男・スカーである。

スカーはエドに襲い掛かり、常人離れした身のこなしでエドとアルの攻撃をことごとくかわし、手に触れたものを爆散させる術を繰り出し、エドを圧倒する。

エドはスカーに只ならぬ脅威を感じ、アルを引き連れて逃走。
だがスカーの追撃は執拗であり、ついに追いつき、アルの片腕片足を破壊する。
さらにエドのオートメイルの右腕を破壊。
錬金術を封じ、エドを追い詰めてしまう。

絶体絶命のエドは、スカーに申し出た。
自分の命は差し出す、代わりに弟の命は助けてほしいと。
アルはエドに逃げるように叫ぶが、エドにはアルを置いて逃げるという選択肢は無い。

【ロイ・マスタング大佐、スカーを包囲】
その時、ロイ・マスタング大佐が歩兵部隊を率いて出現。
何十という銃口がスカーに向けられた。
思わぬ敵の出現に、スカーはエドの抹殺を中止せざるを得ない。

そしてマスタング大佐は不敵な笑みを浮かべ、スカーに向かって歩いていく。
マスタング大佐としては、戦う気全開である。

一方スカーは、相手が「焔の錬金術師」と知ると、神の導きと喜んだ。
スカーは構えを取り、マスタング大佐が間合いに踏み込むのをうかがう。

【リザ・ホークアイ中尉VSスカー】
だが激突の瞬間。
何者かがマスタング大佐に足払いを繰り出して転ばし、スカーの攻撃を空振りさせた。
リザ・ホークアイ中尉の仕業である。

実はマスタング大佐の術は、雨の日はほとんど役に立たない。
そもそもマスタング大佐が自信満満で、雨の中をスカーに戦いを挑むこと自体、間違いなのである。

リザ・ホークアイ中尉は、二挺拳銃を猛射。
凛々しいガンファイトでスカーに立ち向かい、牽制。

そして「豪腕の錬金術師」アームストロング少佐が参戦。
豪快でありながら頭脳的な戦い振りを繰り広げ、スカーと互角の勝負を見せるのである。

この戦いの中、マスタング大佐たちは理解した。
スカーの正体は、7年前に殲滅されたイシュヴァール人の生き残りなのだと。
形勢不利と見たスカーは、石畳を破壊して下水に逃走、勝負を預けた。

【エド、道を見出す】
エドは、片手片足を破壊されたアルを気遣うが、アルはエドを殴りつけた。
アルは本気で怒ってエドに言う。
命を捨てるような選択をするな。
生きてさえいれば、ニーナのような人間を助ける方法も、エドの片腕片足を元に戻す方法も、アルの身体を取り戻す方法も、探すことができるし、きっと見つかるのだと。

エドはアルの言葉に、ようやく一つの道を見出した。
生きて前に進むしかない。
ニーナの苦しみと自分自身の無力さを受け入れた上で、前進していくのだと。

そのためには、今回破壊された鋼鉄の右腕を修復しなければならない。
エドとアルは、久しぶりに故郷へ戻らねばと笑いあうのである。


【次回】
第6話「希望の道」

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第4話「錬金術師の苦悩」

  • 2009/04/26(日) 22:21:10

【感想概略】
原作未読。今回の「鋼の錬金術師」は、真理の探究のためならば幼い娘すら実験材料にしてしまう国家錬金術師と、それでもそんな父を慕う娘の姿が描かれ、犠牲となった女の子を救うことができず、科学と人間の持つ狂気の一面をつきつけられて苦悩するエドとアルの姿が描かれ、考えさせられるところがあり、見応えがあった。


【エドとアル、マスタング大佐に報告】
前回、エドとアルは、レト教の教主コーネロの悪事を暴き、その野望を挫いた。
そして今回、エドとアルはロイ・マスタング大佐の元へ出頭していた。

エドはぶ然とした表情で、教主コーネロは「賢者の石」を利用していたが、それはまがいものだったと報告する。
エドとしては、アルの身体を元に戻すという目的を実現できず、かなりがっかりしている様子である。

するとマスタング大佐は、「綴命の錬金術師」ショウ・タッカーの名を挙げた。
このタッカー、合成生物「キメラ」の権威であり、何と人語を解するキメラの作成に成功したのだという。
これにはエドも感嘆の様子である。

生き物の錬成については、流石のエドとアルもあまり詳しくない。
だが、身体を元に戻す時の役に立つ手がかりを得られるかもしれない。

そしてエドとアルは、タッカーの元へ向かうのである。

【エドとアル、「綴命の錬金術師」タッカーと対面】
エドとアルは、マスタング大佐に連れられ、大きな屋敷に到着した。
これがタッカーの家なのだが、国家錬金術師が与えられる富と権利があればこそのようである。
まずは二人を迎えるのは、大きな白い犬、そして小さな女の子ニーナである。

そしてエドとアルは、「綴命の錬金術師」ショウ・タッカーと対面した。
このタッカー邸、邸内はあちこちにクモの巣がかかり、あまり行き届いていない。
何でも二年前に妻に逃げられ、以来小さな娘ニーナと二人暮しでこのありさまなのだという。

タッカーはニコニコと笑みを浮かべ、一見すると普通の優しいおじさんである。
ここでエドは、生物の錬成について知りたい旨を告げた。

するとタッカーは言うのである。
こちらの手の内を見せるのだから、エドたちの手の内も見せてほしいと。
この時タッカーの目は、全く笑っていない。

これにマスタング大佐は、エドたちの事情を説明しようとする。
エドとアルを気遣うマスタング大佐である。

だがエドは自ら、母を人体錬成しようとしたこと、そのためにアルは身体を失い、自らは片腕片足を失ったことを明かすのである。

これにタッカーは納得し、深く同情する色を見せた。
そして自らの研究室を見せ、書庫に案内し、自由に閲覧することを快諾するのである。

【エドとアル、書庫で調査開始】
エドとアルは、書庫に並ぶ書籍の数々に目を輝かせた。
そしてさっそく一冊を手に取ると一心不乱に目を通し始めた。
エドもアルも、こうなってしまうと声をかけられても全く気付かない。

マスタング大佐は、苦笑しながら書庫を立ち去った。
タッカーは、凄い集中力ですねと感心するのだが、天才というのはいるものですねと、何やら蔭のある表情でつぶやくのである。

【タッカーの苦悩】
実はタッカーは、焦っていた。
国家錬金術師は、年に一回、査定を受ける。
だが認められるような研究成果を上げないと、その国家資格を剥奪されてしまうのである。
これはタッカーにとっては、また元の貧しい暮らしに戻ってしまうことを意味していた。

タッカーは昨年の査定では、あまり良い成績を上げることができなかった。
そして今年は、最後のチャンスなのである。

【ニーナ、エドとアルになつく】
書庫で書籍に目を通すアルは、何者かの視線に気付いた。
タッカーの娘、ニーナである。
ニーナはアルを、じっと見つめ続けている。

間もなく、エドは何者かの笑い声に気付いた。
見ると、ニーナがアルに肩車され、笑っているのである。
ニーナはアルとは、すっかり打ち解けている様子である。

これにエドはアルに、ここに来た目的を忘れないようにと言う。
だが突然、白い巨体にのしかかられた。
ニーナの愛犬アレキサンダーであった。

なし崩しにエドとアルは、ニーナと遊び始めるのである。
ニーナはエドを「おにいちゃん」と呼び、すっかり懐いている様子である。

【エドとアル、ニーナの心を知る】
エドとアルは、ニーナに聞いた。
お母さんがいなくて寂しくないかと。

するとニーナは言うのである。
お父さんがいるから寂しくはない、でも最近は研究ばかりでちょっと寂しいかなと。

エドとアルは、かつて自分たちの父も、研究室にこもり机に向かってばかりで、満たされない思いを抱いていたことを思い出した。
二人には、ニーナの父を慕う気持ちが、そして父と一緒にいられない気持ちが痛いほど良く分かる様子である。

そしてエドとアルは、タッカーの屋敷を訪れた日は、ニーナとアレキサンダーと遊ぶようになるのである。

【エド、キメラの正体を知る】
雨の日。
エドとアルは、またまたタッカーの家を訪れた。

だがいつもなら真先に飛び出してくるニーナとアレキサンダーが、どういう訳か姿を見せない。
鍵はあいているのだが、呼んでも誰も出てこない。

エドとアルは、誰かいないか声をかけながら、屋敷の中を歩き回った。
やがて二人は、一室にタッカーと一匹の動物を見つけた。

するとタッカーは言うのである。
人語を解するキメラの錬成に成功した、これで国家錬金術師の資格を失わずに済むと。
このキメラ、タッカーが教えると、確かに「エドワード…」とつぶやいた。

これにはエドも感嘆、タッカーの苦労が実ったと大喜びである。
だがエドを見たキメラは、ぽつりと言った。
「おにいちゃん…」

エドは理解した。
目の前のキメラは、ニーナとアレキサンダーを合成した結果なのである。
タッカーの妻は、二年前に出て行ったことになっている。
だが実際は、タッカーによってキメラにされてしまい、そのまま命を落としたのである。

【エド激怒】
エドはタッカーの胸倉をつかんで言う。
自分の娘に、ニーナに何ということをするのか。
こんな人の命を弄ぶようなことが、許されると思っているのか。

するとタッカーは壊れた笑みを浮かべて言うのである。
何を怒ることがあるのか。
科学の進歩とは、無数の人体実験の賜物なのだ。
可能性があれば、試さずにはいられないのが科学者というもの。
人の命を弄んだと言うが、君の手足と弟の身体も、命を弄んだ結果だろう。

エドは激怒、鋼鉄の右腕でタッカーを何度も殴る。
それは、アルがエドの腕を掴んで止めるまで続いた。

床には、気絶したタッカーが顔面を腫らして転がっている。
するとキメラと化したニーナは、心配そうに言うのである。
「おとうさん、痛い?」

エドとアルは、こんな目にあわされても父を慕い続けるニーナの姿に、ニーナを助けることのできない自分たちの無力さに、心が苦しくて仕方がない。

間もなく、エドとアルは軍に通報。
タッカー邸は憲兵によって封鎖され、タッカーは監禁状態に置かれた。

【マスタング大佐、エドを叱咤】
雨の中、エドは座り込んでうなだれている。
その背後に立つのは、ロイ・マスタング大佐と、副官リザ・ホークアイ中尉である。

ホークアイ中尉は言う。
悪魔の所行というものがこの世にあるなら、今回の件はまさにそれだと。
口調は冷静だが、ホークアイ中尉としては、今回の事件に激しい怒りと心痛をかんじている様子である。

するとマスタング大佐は言うのである。
自分たち国家錬金術師は、いわば人間兵器であり、命令があれば手を汚すことを辞さない。
人の命をどうこうするという点では、タッカーの行為も自分たちの立場も、大した差はない。
そして「軍の犬」「悪魔」と罵られても、その特権を利用して元の身体に戻ると決めたのはエド自身だ。
これしきのことで立ち止まる暇があるのかと。

エドは、理屈の上ではマスタング大佐の言葉は理解している。
しかしニーナの苦しみを思うと、割り切って立ち直ることなどとても出来ない。

ここら辺、割り切れないことを誰が責められるのだろうかと思うのだが、苦しみは苦しみとして受け止めて、前に進むしかないというところなのだろうか。

【傷の男、タッカーを抹殺】
自宅に監禁されるタッカーは、キメラと化したニーナにつぶやく。
何故わかってもらえないのだろうと。

その時、タッカーの前に何者かが姿を見せた。
浅黒い肌の若い男であり、額には大きな傷がある。
この男、最近国家錬金術師ばかりを狙った連続殺人事件の実行犯である。

タッカーは狼狽する。
外は憲兵たちが固めている。
なのにこの傷の男は、どうやって侵入したのか。
男は答えないが、見張りの憲兵たちは全員血を流して倒れていた。

そして男はタッカーに言い放った。
「神の道に背きし錬金術師、滅ぶべし」

次の瞬間。
男はタッカーの間合いに踏み込み、右手でタッカーの頭を掴み、術を発動。
タッカーは血を噴き出し、即死した。

キメラと化したニーナは、タッカーの亡骸に近づく。
そして涙を浮かべ「おとうさん…」とつぶやいた。

傷の男は、ニーナの姿に全てを悟った。
こうなっては、もはや元に戻る術はないと。
そして苦しまぬよう、ニーナに止めを刺した。


【予告】
第5話「哀しみの雨」

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第3話「邪教の街」

  • 2009/04/19(日) 21:25:56

【感想概略】
原作未読。今回は、いよいよ「賢者の石」を目指すエドとアルの冒険のお話である。
賢者の石を利用して野望の道を突き進む悪党、その背後で暗躍する謎の美女と巨漢、苦しみのあまり宗教にすがろうとする人びと、そしてエドとアルの生き様と戦いが描かれ、他者にすがるのではなく自分の足で立って歩けと言い残すエドの姿が描かれ、考えさせられるところがあり、おもしろかった。


【エドとアル、リオール到着】
前回のラスト、エドとアルの乗る汽車は、リオールの町に到着した。
エドとアルは、「奇跡の業」を使うというレト教の教主コーネロのうわさを聞きつけた。
そして、その「奇跡」の背後に賢者の石があるかもしれないと考えたのである。

まずはエドとアル、町の飲食店で聞き込みである。
すると教主は随分と評判が良い。
町の人々は教主コーネロの起こす奇跡を信じ、教主を篤く支持している様子である。

【教主コーネロの奇跡】
教主の奇跡を見ることは、割と簡単である。
この教主は定期的に信者の前で奇跡を実演しているらしい。

その日も教主コーネロは、神殿のバルコニーに姿を見せると、さっそく奇跡を実演する。
コーネロは、ある時は無から有を生み出し、またある時は花から大きな水晶の結晶を生み出してみせる。

信者たちは、これこそまさに奇跡と熱狂、大興奮である。

一方、エドとアルは冷めた目でコーネロの術を観察している。
コーネロが用いているのは錬金術ではあるが、等価交換の原則から外れている。
それを実現しているのは、賢者の石に違いないと。

【エドとアル、ロゼと出会う】
エドとアルは、レト教神殿の礼拝堂に姿を見せた。
何やら狙っている様子である。

ここで二人は、少女ロゼと出会った。
ロゼは信心深い少女であり、エドとアルに神の教えの素晴らしさを訴え、信仰に生きること説く。
神は、生ける者には祝福を、そして死せる者には復活を与えてくれるのだと。

だがエドはロゼに言う。
錬金術とは科学である。
自分たちは科学者であり、無神論者だ。

そして、人体を構成する物質については既に解明されている。
だがいまだに、人体錬成の成功例は報告されていない。
科学で実現できないことを、信じるだけでなし得るのかと。

さらにまたエドは言う。
信仰から最も遠いはずの自分たち科学者が、いわば神に最も近い領域に近づいているとは、皮肉なものだと。

この挑発的であまりに不遜な物言いに、ロゼは怒りの色を見せる。
ロゼとしては、大事にしているものを踏みにじられたような気がして、さすがに腹が立ったというところだろうか。

するとエドは笑って言う。
そんな風に考えていた者でも、神は受け入れてくれるだろうかと。

この言葉をロゼは喜んだ。
目の前の少年は、まさに不信心を悔い、信仰の道に進もうとしているのだ。
そしてロゼは、教主にエドとアルを取り次ぐのである。

【教主コーネロ、エルリック兄弟との対面を許可】
教主コーネロは、エルリック兄弟の名を聞き、それが国家錬金術師「鋼の錬金術師」であるとすぐに思い至った。
エドとアルは、町の人びとの間でも有名人だが、裏社会でもかなりの有名人のようである。

コーネロは凶悪な表情を浮かべ、「軍の犬」が何をしに来たのかと考え込んだ。
そしてエドとアルとの対面を許可するのである。

【エドとアル、教主コーネロと対面】
間もなく、エドとアルは神殿の一角に通された。
仲介者であるロゼも一緒である。

すると突然、教団の男たちはエドとアルに銃口を向けた。
二人を殺す気全開なのだが、たちまち叩きのめされてしまう。

そこへ教主コーネロが、壇上に姿を見せた。
コーネロはエドとアルを見下ろし、部下が先走ってしまったようだと言う。
その姿は傲然として、少しも悪びれるところがない。

エドは、コーネロの態度は全く謝っているように見えないと指摘する。
もっとも、エドとしても相手に誠意を期待してはいない様子である。

【ロゼの信仰の理由】
エドはコーネロの奇跡をペテンと断言する。

コーネロは、自分の業は錬金術ではなく奇跡なのだと主張。
だがあっさり説得を放棄すると、ロゼに命じた。
エドとアルを撃ち殺せと。

躊躇するロゼに、さらにコーネロは言うのである。
教主に従わねば、亡くなったロゼの恋人は甦らないのだと。

これがロゼが宗教に依存する理由であった。
ロゼは大事な人を失ったことに苦しみ、何かすがるものを求めた。

そんなロゼに教主は、神の教えを信じ教団に従えば死者を甦らせるという安易な救いを示したのである。
そしてロゼは、他人から与えられる救いに全面的にすがってしまった。
自分自身で考えることを全く放棄し、ただ他人の言葉を無批判に受け入れるようになってしまったのである。

まともな宗教ならば、苦しみに直面した時は、これを乗り越える心を助けることを本分とするのではないのか。即物的に死者を甦らせるなどと吹き込むものは、邪教と呼ばれても仕方がない気がする。

【エドVSキメラ】
ロゼはついに発砲。
アルは甲冑の頭部を弾き飛ばされた。
だが、首を失った甲冑は平然と起き上がった。

さらにコーネロは、ライオンと他の生物を融合させた怪物「キメラ」を繰り出す。
キメラはエドに襲い掛かり、鉄をも斬り裂く凶爪を振るい、左腕に喰らいつく。
が、キメラはエドに叩きのめされてしまう。

見ると、エドの片腕片足はオートメイルと化している。
これにコーネロは、アルとエドは錬金術の禁忌「人体錬成」を行なったことを確信するのである。

【エドとアル、逃走】
ここでエドは、単刀直入に問いただした。
コーネロは、賢者の石を使って錬成を行なっているのではないかと。

するとコーネロは機関砲を錬成、エドとアルに向けて猛射。
すぐ近くにはロゼが立っているのだが、お構い無しである。

エドとアルは、ロゼを抱えて逃走開始。
立ち塞がる教団の男たちを叩きのめし、たちまち追っ手を撒いてしまう。

【エド、コーネロの本心を聞き出す】
コーネロは、教主の執務室で思わぬ人物に出くわした。
何とエドである。

エドは、率直に腹を割って話したいと言い、何やら不敵に笑う。
エドとしては、賢者の石について調べることができれば、コーネロが何をしようとどうでも良いというのである。

するとコーネロは、ついに本心を明かした。
賢者の石によって奇跡を演じ、愚か者たちを信徒とし、狂信者たちの軍団でこの国を切り取るのだと。

これにエドは笑う。
だからオマエは小者なのだと。

何と今の会話は、すべて拡声器で街中に鳴り響き、全市民の知るところとなっていたのである。
教主の本心を知った市民たちは怒り心頭である。

【エドVSコーネロ】
一方、教主コーネロも激怒。
賢者の石で武器を錬成するが、石が暴走してしまう。
それでもコーネロは勝負を捨てず、石の力で自らの肉体を強化し、エドに襲い掛かるのである。

超人と化したコーネロは、エドと激闘を繰り広げる。
だがエドの敵ではなく、叩きのめされてしまう。
さらにコーネロの賢者の石は、砕け、塵と化してしまった。

完全な物質である賢者の石が壊れるはずがない。
つまりコーネロが用いていたのは、まがい物なのだ。
エドは落胆、そして命乞いするコーネロを見逃すのである。

【エドとロゼ】
エドはアルに詫びた。
今度こそ、アルの身体を取り戻せると思ったのにと。
アルとしては、エドの片腕片足を元に戻すことが第一であり、エドの気持ちだけで十分というところだろうか。

エドとアルは、立ち去ろうと歩き始めた。
そのとき背後から、何者かが非難の声を浴びせた。
ロゼである。

ロゼは叫ぶ。
これから何にすがって生きれば良いのかと。

するとエドはロゼに言う。
何にもすがる必要はない。
立って歩け。
前へ進め
あんたには、立派な足がついているじゃないかと。

【ラストとグラトニー】
一方、コーネロは逃亡を図っていた。
なにせこれまでコーネロを崇拝していた信徒たちは、いまや激怒してコーネロの行方を追っているのである。

すると謎の美女ラスト、そして巨漢グラトニーが姿を見せた。
実はコーネロに、賢者の石のまがい物を与えたのは、このラストなのである。

ラストは、コーネロはもう用済みなのだと嘲笑。
そして一撃でコーネロを抹殺した。

このラストとグラトニー、賢者の石を巡って暗躍する一味のようである。
この一味が今後どのような動きを見せるのか。注目したい。


【予告】
第4話「錬金術師の苦悩」

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第2話「はじまりの日」

  • 2009/04/12(日) 21:18:45

【感想概略】
原作未読。今回は、エドとアルが少年の身でありながら、故郷を離れて過酷な旅を続ける理由とその目的が明かされるお話である。

まず今回の「鋼の錬金術師」の見所は、幼い頃のいつも一緒なエドとアルの兄弟仲であり、特にエドの今と比べるとまだまだ子どもっぽい可愛らしさである。
5・6歳くらいのエドとアルが錬金術に熱中するようになった理由、牛乳がキライというエドの子どもらしい一面、母を失った二人を心配するウィンリィに対しては子どもっぽく意地を張って強がるエドの姿、母の葬儀に顔を出さなかった父に対するエドの不信と怒り、などなど、可愛らしくて好きである。

そしてエドとアルは母を取り戻すために「人体錬成」を研究、ついに術の発動に至るのだが、ここで「錬成には対価が必要」という錬金術の原理が無慈悲に働き思わぬ結果を招く姿が描かれ、アルを取り戻すためならばエドは命を捨てることもためらわない姿が描かれ、まさに物語の核心の一つであったと思う。

さらにロイ・マスタングとリザ・ホークアイとの出会い、軍人に良い感情を持っていないウィンリィの事情が描かれ、ウィンリイとリザとの出会いと絆の深まりが描かれ、エドの国家錬金術師の試験と大総統キング・ブラッドレイとの出会いが描かれ、ブラッドレイ総統のまさに目にもとまらぬ神速の剣が描かれ、お馴染みの人物同士の出会いの描写もおもしろかった。

【幼い頃のエドとアル】
今回のお話では、エドとアルの幼い頃から国家錬金術師となるまで、そして現在が描かれている。

幼い頃のエドとアルを見ると、アルはエドのことを「にいちゃんにいちゃん」と呼んで慕っている。一方、エドはアルをちょっとぞんざいに扱っている感じである。
この頃のエドは、アルを大事に思ってはいるのだが、弟は自分についてくるのが当たり前とおもっているところがあるように見える。ここら辺、子どもっぽくて可愛らしい気がする。

【エドとアル、錬金術を行使】
そんなエドとアルは、父の書斎の本を見て、錬金術を行使、あっさりと錬成してしまう。
これを見た二人の母は、目をまん丸にして驚愕。
錬金術とは、本を読んだだけで行使できるものではなく、これはまさにエドとアルの並外れた才能の現れである。

だが母の様子を見たエドは、もしかしたらやってはいけないことをしたのだろうかと思い、おずおずと「いけないことだった?」と言う。
これに母は満面の笑みを浮かべ、エドとアルを誉めるのである。
母が喜んでくれる、母に誉められたい、これがエドとアルが錬金術に熱中する理由だったのである。何て可愛らしい理由なんだろうとおもう。

【母の死】
だが二人の母は、流行り病であっけなく亡くなってしまう。
エドもアルも母とは二度と会えなくなったことを悲しみ苦しむのだが、アルは母の死を受け入れようとするのに対し、エドはどうにかして母を取り戻そうと強く思っている様子である。

【人体錬成の研究】
二人は、幼馴染ウィンリィ・ロックベルの家に引き取られるのだが、母を取り戻すために「人体錬成」の研究に熱心に取り組むのである。

この「人体錬成」、錬金術では決して行なってはいけないとされている。
だがエドは、「人体錬成」が実現できるか否かは発想の転換の問題と考えており、必ず方法があると無邪気に思っていた。

この頃のエドもアルも、錬金術の暗部と危険性については、あまり気にしていない様子である。

【人体錬成を発動】
やがてエドとアルは、人体錬成の方法を見出した。
二人はこれで母に会えると喜びながら、地下室で術を執り行う。

だが錬成には対価が必要という錬金術の原理が無慈悲に作動。
アルの肉体は消滅し、エドは片足をひざ下から失ってしまう。

そしてエドは異界に招かれ、アルの身体と自身の片足の対価として膨大な真理を頭に注ぎ込まれるのである。
もはやエドにとっては、錬成陣を描かずに術を発動するなど造作のないことであった。

間もなくエドは、自分が元の地下室にいることに気付き、アルが対価として消滅したという事実を突きつけられた。
するとエドは、アルを取り戻すためならば命を捨てることもためらわず、アルの魂を甲冑に定着させる術を発動させるのである。術は成功、対価としてエドは、片腕を失った。

以後、エドのアルに対する態度は、これまでとは少し違ったものに思える。
エドとしては、アルを一度失ったことが相当こたえているようで、もう二度と失いたくないと思い、今一緒にいられることを大事に思っているというところだろうか。

【ロイ・マスタングとの出会い】
やがて二人の元を、軍人ロイ・マスタングが訪れた。
付き従うのは、リザ・ホークアイ少尉である。
この頃エドは車椅子で生活しており、一見するともはや何もかも失った抜け殻のような目をしている。

ここでロイ・マスタングはエドに勧める。
エドとアルの目的のため、「軍の犬」と呼ばれる国家錬金術師となることを。

この勧めに、ウィンリィも、ウィンリィの祖母も反対である。
だがエドの心は既に決まっている様子であり、力強い眼光を放つのである。

【ウィンリィとリザ・ホークアイ】
一方、ウィンリィは、父と母を軍に徴用されて失っており、任務のためなら人を殺める軍人に良い感情を抱いていない。
その上、軍は、今度はエドまで奪っていこうとしている。

ウィンリィは、握手しようと手を差し伸べたリザ・ホークアイの手を取ろうとしない。
だがウィンリィは、リザと言葉を交わすうちに、リザを人として信頼する。
そして別れ際に手を差し出し、握手を交わした。

【エド、国家錬金術師試験に臨む】
エドは失った片腕片足にオートメイルを装着する手術を受け、本来は三年はかかるリハビリを、血のにじむような努力により一年で済ませた。
そして首都セントラルにおもむき、国家錬金術師の試験を受けるのである。

この時、エドは軍事政権の最高権力者・大総統キング・ブラッドレイと出会う。
ブラッドレイ総統は12歳の受験者がいると聞き、試験を覗きに来たのだという。

このブラッドレイ総統。
顔はいかついが、ニコニコと好ましい笑みを浮かべ、下の者に対しても決して偉ぶるところがなく、なかなか人望がある様子である。

いよいよ試験がはじまると、エドは錬成陣も描かずに術を発動させ、地面から槍を錬成した。
そして槍を掴むと疾走、ブラッドレイ総統に突きつけるのである。

エドは、このようなこともあるから試験方法を変えたほうがいいと言う。
一方、ブラッドレイ総統は全く動じず、ニコニコと笑みを浮かべながら、エドの力を誉めた。
そして、エドはまだまだ世界の広さを知らないと言うと、立ち去るのである。

次の瞬間、エドの槍は真ん中から折れてしまった。
何とブラッドレイ総統、瞬時に抜刀して槍を両断していたのである。
ここら辺、ブラッドレイ総統が格好良かった。

間もなく、エドの国家錬金術師への就任が認められた。
そしてエドは、ブラッドレイ総統より「鋼の錬金術師」の二つ名を与えられるのである。

【エドとアル、汽車でうわさの町へ】
そして舞台は再び現在に戻る。
エドとアルの旅の目的は、アルの身体を取り戻し、エドの片腕片足を取り戻すこと、それを実現してくれるであろう「賢者の石」を見つけ出すことである。

エドとアルは汽車で、気になるうわさのある町「リオール」へ向かっているのである。
どうやら二人は、これまで色々な土地に足を運び、結局有効な情報が得られらなかったことが多かったようなのだが、今度こそは何か手がかりを掴みたいと前向きな様子である。

いつしかエドは、車中で居眠りしてしまう。
エドとしては、アルの前ということで安心して無防備な姿を見せられるというところだろうか
やがて汽車は目的地に辿り着く。
するとアルは、エドに静かに声をかけ、優しく起こすのである。


次回、エドとアルの冒険に期待したい。

【次回】
第3話「邪教の街」