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クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 感想TOP

  • 2015/09/23(水) 21:35:56

下記リンクをクリックすると各話感想が表示されます。

第1話 堕とされた皇女
第2話 まつろわぬ魂
第3話 ヴィルキス覚醒
第4話 ひとりぼっちの反逆
第5話 アンジュ、喪失
第6話 モモカが来た!
第7話 サリアの憂鬱
第8話 ビキニ・エスケイプ
第9話 裏切りの故郷
第10話 絞首台からサヨナラを
第11話 竜の歌
第12話 右腕の過去
第13話 武器工廠(アルゼナル)、炎上
第14話 アンジュとタスク
第15話 もう一つの地球
第16話 共鳴戦線
第17話 黒の破壊天使
第18話 決別の海
第19話 時の調律者
第20話 神の求魂
第21話 遺されるもの
第22話 Necessary
第23話 ゆがむ世界
第24話 明日なき戦い
第25話 時の彼方で

最近ほしい本

  • 2015/05/25(月) 21:44:04

最近ほしい本は以下の通り。
アニメ「クロスアンジュ」の出演声優とキャラクターに焦点を当てた本とのことで、声優インタビューと美麗イラスト多数とのことであり、楽しみである。
明日発売とのことなので、明日仕事が終わったら、勤め先の最寄り駅近くのアニメイト及びメロンブックスに探しに行くつもりである。
すんなりと入手出来ることを期待したい。

■クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 キャラクター&VOICE BOOK

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第25話「時の彼方で」

  • 2015/03/29(日) 22:16:56

【感想概略】
今回は「クロスアンジュ」の最終回である。

まず戦闘描写は迫力があり、アンジュ、サリア、ヒルダ、サラがそれぞれ敵ラグナメイルと激突。
技の限り、力の限りを尽くして激闘を繰り広げ、そして強い意志と想いによって逆境を乗り越えて勝利を掴み、まさにクロスアンジュ世界の最強決戦が楽しめた。

そして、ジルは最後の時にサリアと和解し、主な人物たちは最終決戦を生き延びることが出来、ラストでは各人の新生活の様子が描かれ、後味のよいラストだったと思う。
また、桑島法子の演ずるヴィヴィアンが生き延びることができてほっとした。

当初、アンジュの行動には自分勝手で思いやりに乏しいという印象を抱き、あまり好感をもてず、だが彼女の境遇を考えれば、人間不信に陥り、ヴィヴィアンが差し伸べた手を拒むのもやむを得ないのだろうと思っていた。

だがアンジュは、ノーマたちサラたちとぶつかり合う中で成長し、どんな逆境にあっても前向きさを失わず、自分の生き方は自分で考え、自分の意志で決める、自分の運命は自分で切り拓く生き様を行動で実践するようになり、その生き様には共感を抱いた。

この「クロスアンジュ」、全25話を通して退屈することはなく、毎回楽しませてもらい、そして素晴らしいラストを見せてもらった。見応えのある、おもしろい作品に出会えたことを感謝している。


【サリアとジル、和解】
前回、ジルはエンブリヲの駆るラグナメイル・ヒステリカに撃たれ、重傷を負った。

そして今回。
アウローラにサリア機が着艦した。
サリアはぐったりしたジルに肩を貸し、駆けつけたマギ軍医に早く担架を持ってきてくれるよう訴える。
だがジルは、もはや自分は長くないことを悟り、治療を断るとタバコを一本もとめた。

マギ軍医は、ジルが楽になるよう上半身を起こして抱きかかえる。
そしてタバコに火をつけ、ジルに咥えさせた。

ジルの傍らにはサリアが座り込んで離れない。
謝罪するサリアにジルは笑いかけ、サリアの頬に手を触れ、サリアへの想いを明かした。
「ホント、あんたは私にそっくりだよ…。まるで、妹みたいに…。
真面目で、泣き虫で、思い込みが激しいとこから、男の趣味までね…
だから、巻き込みたくなかった…
ごめんね…辛く当たって…」

ジルの全身から力が失われ、口からタバコが落ちた。
サリアはジルを抱きしめ、ジルのために泣いた。

【アンジュ、時空の狭間で目覚める】
前回、アンジュはエンブリヲにさらわれた。
そして今回、アンジュは、豪華な部屋のベッドの上で目を覚ました。

するとアンジュは早速行動を開始。
部屋を駆け出し、まずは屋外に出た。
そしてここがアルゼナルであることに気付く。
だがこのアルゼナル、島が宙に浮いており、明らかにおかしい。

その時、エンブリヲが姿を見せ、アンジュに語りかけた。
ここはオリジナルのアルゼナルなのだと。

敵意を燃やすアンジュに、エンブリヲは余裕の表情で語りだす。
「少し昔話をしようか。

この島は世界最高の素粒子研究所でね。
私はここで多くの物を発見し、生み出した。
別世界への進出は、新たな大航海時代の幕開けとなる。

有人次元観測機「ラグナメイル」。
この機体で、別世界への扉を開く計画だった。

だが、突如発生した局所的インフレーションによりシステムが暴走。
この島は時空の狭間に取り残された。

だが、それこそが全ての始まりだった。
ここは、時が止まった世界だったからね。
無限の時間を持つ私だけの庭。
宇宙で最も安全な場所。

私はここからラグナメイルを操り、世界への干渉を始めた。
戦争を終わらせ、新たな地球を用意し、人間を作り直したんだ。人類を導く調律者としてね。

残念ながらマナによる高度情報化社会は失敗したが、君だけは違った。
私に相応しい強く賢い女。イレギュラーから生まれた天使」

睨みつけるアンジュをエンブリヲは引っぱたいて言う。
「これからは二人っきりなんだよ、永遠に、ここで」

【アウラ、アウローラ艦内に語りかける】
時空融合による世界の崩壊が進み、アウローラは不気味に振動する。
その時、振動が止まり、何者かがアウローラ艦内に語りかけた。
「時間と空間の狭間、虚数の海…。エンブリオはそこにいます」

謎の声に、ヒルダは周囲を警戒。
一方サラは、声の主がアウラであることに気付いた。

だがヒルダたちはアウラの言葉に困惑してしまう。
エンブリヲは時空の狭間にいるなどと言われても、どうすれば彼の元の行けるのか、見当すらつかない。

するとアウラは、ヒルダたちに語りかける。
ヴィルキスならば時空の狭間に行ける、自分が時空融合を抑えている間に早く行くようにと。
だがタスクは、ヴィルキスはアンジュにしか扱えないと言い、苦い表情を浮かべる。

これにアウラはこたえる。
「いいえ…。人類の未来を照らす光、ラグナメイルはそのために作られしもの。強き意志、人の想いに応えてくれるはずです」

ヒルダは、タスクにヴィルキスを託した。
今アンジュと最も強くつながっているのはタスクと認めてのことである。

そしてタスクはヴィルキスに搭乗。
指輪を手に、ヴィルキスに何度も呼びかける。
だがヴィルキスは全く反応しない。

【アンジュ、戦意を失わず】
時空の狭間。
アンジュはエンブリヲから逃亡を図り、走り回るが、逃げ切れない。
ならば戦うのみ。

アンジュはエンブリヲに鋭い蹴りを放つ。
だがエンブリヲは右手でアンジュの蹴りを平然と受け止める。
同時にアンジュの服が裂け、アンジュは一糸まとわぬ姿にされてしまう。

思わず胸と局部を隠すアンジュを、エンブリヲは引っぱたいて言う。
「君は汚されてしまった。浄化しなければね、私の愛で」

どうやらエンブリヲ、アンジュがタスクと一線を超えたことに心底激怒しているらしく、この場でアンジュと結ばれることでそれが浄化されるという理屈のようである。
だがこれはアンジュにとって絶対に受け入れられないことである。

その時、アンジュの右腕、続いて左腕に蔦がからみつき、両腕を左右に引っ張り、アンジュを地面に固定した。

それでもアンジュは戦意を失わず、エンブリヲを睨みつけて罵る。
「この暴力ゲス男!偉そうなこと言って!結局はやりたいだけなんでしょ!」

エンブリヲはアンジュを引っ叩き、宙に四角い画面を表示させる。
そこには、アウラが結界を展開し、アウローラを守る姿が映しだされた。だがアウラの羽根の先端は浸食されつつあり、このままでは長く保ちそうにない。

アンジュの左足、そして右足に蔦がからみつき、両足を左右に引っ張る。
エンブリヲは冷笑を浮かべ、アンジュの足の間に立つ。
するとアンジュは、「永遠がたり」を歌い始めた。

どれほど絶望的な状況であっても、アンジュは戦う意志、抵抗する意志を決して失わない。

【タスクたち、時空の狭間へ】
タスクの呼びかけに、ヴィルキスは全く反応しない。
それでもタスクは諦めず、何度も何度もヴィルキスに呼びかける。
ついにタスクは涙をにじませ、涙が指輪に零れ落ちるが、それでもヴィルキスに呼びかけることを諦めない。

すると指輪が光り、タスクにアンジュの声が聞こえた。
そしてヴィルキスが起動、機体色が黒くなり、機体各所に赤い線が浮かび上がる。
これでヴィルキスは、時空の狭間に突撃できるようになった。

一方サラは焔龍號に搭乗、ヴィルキスと一緒に敵の本丸に斬り込むつもりである。

クリスは自分のラグナメイルをヒルダに託す。
ロザリーはヒルダに「絶対死ぬんじゃねえぞ」と声をかけた。
ヒルダはこれに応え、ラグナメイル・テオドーラに搭乗した。

サリアもラグナメイル・クレオパトラに搭乗。
アンジュ奪還、そしてアレクトラの仇・エンブリヲ打倒に闘志を燃やす。

そんなサリアにエルシャとヴィヴィアンが駆け寄る。
そしてエルシャは、サリアの肩に手を触れ、笑顔で見送る。
「サリアちゃん、必ず帰ってきて」

そしてタスクの駆るヴィルキスは、サリア機、ヒルダ機、サラ機と共に発光、姿を消した。
次の瞬間、4機は時空の狭間を航行していた。

【タスクたち、アンジュの歌声を聞く】
時空の狭間をタスク、サリア、ヒルダ、サラは飛行する。
だがアンジュがどこにいるのか分からない。

するとサラが「永遠がたり」を歌い始めた。
そして、タスク、サリア、ヒルダは必死でアンジュの気配を感じ取ろうと四方に感覚を研ぎ澄ます。

一方、アンジュはエンブリヲに組み敷かれ、恐怖と嫌悪のあまり声も出ない。
だがその時、アンジュにサラの歌が聞こえてきた。
アンジュは再び「永遠がたり」を歌い始めた。

するとタスクたちに、アンジュの歌声が聞こえてくる。
タスクたちは歌声に向かって急行。
間もなく、宙に浮かぶ島を発見した。

【タスク、アンジュ救出】
オリジナルのアルゼナルの空が発光、ゲートが開き、ヴィルキスを始めとする4機が飛び出した。

そしてタスクはヴィルキスで突撃。
手裏剣でアンジュの手足を拘束する蔦を切断し、アンジュを掴むと飛翔。
女の敵・エンブリヲの魔手からアンジュを救い出した。

ヴィルキスの機上で、アンジュは全裸でタスクの膝の上に乗り、助けてくれた礼を言う。
するとタスクは笑顔で、アンジュからお守りとして借りた、アンジュのパンツを返すのだった。

一方ヒルダは、アンジュとタスクを見て、拳を振り回して怒っているようである。
ヒルダとしては、今アンジュと最も強くつながっているのはタスクと認めはしたが、アンジュを諦めたつもりはなく、アンジュが誰かとひっついているなど我慢ならないというところだろうか。

【アンジュ、ヴィルキスで飛翔】
タスクはヴィルキスを着陸させ、機体から降りるとコンバットナイフを抜き、サーベルを構えるエンブリヲに向き合う。
だがナイフでは、サーベル相手に不利である。

するとサラは帯剣をタスクに投げ渡す。
タスクは、サラの剣を受け取ると抜刀、エンブリヲの振り下ろす剣を受けとめた。

そしてアンジュはヴィルキスの座席にまたがり、操縦桿を握った。
すると機体色が白く変化。
同時にアンジュの身体が光りに包まれ、その光はライダースーツとなっていく。

こうしてアンジュは一瞬で戦支度を整えるとヴィルキスで飛翔、駆逐形態に変形、戦列に加わり、サラたちに伝えた。
「皆、時空を操っているのはあのラグナメイルよ。それをエンブリヲが操作している!」

アンジュの言葉にサラたちは、ヒステリカとエンブリヲ、両方倒さないと世界を守れないことを理解した。
そしてサラ機、サリア機、ヒルダ機も駆逐形態に変形、ヴィルキスと並び、ヒステリカの前に陣取る。

だがエンブリヲはアンジュたちを冷笑すると、3機のラグナメイル、レイジア、ビクトリア、エイレーネを召喚し、アンジュたちを迎え撃つ。
そして自身はサーベルを振るい、タスクと戦うのである。

【アンジュたち、二手に分かれる】
サラは焔龍號で牽制射撃しつつ、自分たちは召喚された3機と戦う、アンジュはヒステリカを倒すよう叫ぶ。

これをアンジュは承知、ヒステリカに襲い掛かる。
そしてサリアはエイレーネ、ヒルダはビクトリア、サラはレイジアを迎え撃ち、激闘を繰り広げる。

一方、エンブリヲはサーベルでタスクを猛攻。
タスクは斬撃を受け止めつつ、エンブリヲに一太刀浴びせた。
ところがエンブリヲは、いつものように不確定世界の本体と入れ替わらない。
タスクは、目の前のエンブリヲが本体であることを悟った。

ところがエンブリヲは一瞬で姿を消し、次の瞬間には別の場所に出現してタスクに拳銃を発砲。テレポーテーションで移動しながら銃で撃つという攻撃を繰り返す。

【エンブリヲ、サリア機とヒルダ機の制御を奪う】
サリアはクレオパトラで抜刀、エイレーネに斬撃を浴びせ、刃で押し合う。
すると、エイレーネからエンブリヲの声が語りかけてきた。
「戻って来てくれると信じていたよ、サリア」

これにサリアは「ええ、あなたを倒すためにね!」と叫び、刃で敵機を押し返して距離をとる。
そして瞬時に敵機の間合いに踏み込み、「これはアレクトラの仇!」と叫び、必殺の斬撃を振り下ろす、まさにその瞬間。

突如、サリア機が停止してしまう。
何と、エンブリヲがラグナメイルのコントロールを操っているのである。
エンブリヲは「君は私に従っていればいいんだよ」と冷笑。
そしてサリア機は銃口をサラに向けて発砲。
間一髪、サラは砲撃をかわす。

一方、ヒルダ機もコントロール不能に陥ってしまう。
これもエンブリヲの仕業である。
ヒルダは操縦桿を握り、必死で操作を取り戻そうとする。

【エンブリヲVSタスク】
エンブリヲは、銃弾で傷ついたタスクを再びサーベルで攻撃しながら、呪いの言葉をぶちまける。

「なぜアンジュを抱いた!?
女など、現実の世界にはいくらでもいる!
いくらでも選べたはずだ!

私は千年待った…
私には、アンジュしかいなかったのに…」

エンブリヲは瞬間移動でタスクの背後に出現、タスクの右腕の付け根を刺す。
だがタスクは刀を逆手に持ち、エンブリヲの胴を刺し貫いた。

【サリアとヒルダ、機体の制御を取り戻す】
アンジュはヴィルキスでヒステリカに斬撃。
だが剣は光の盾に受けとめられ、ヴィルキスとヒステリカは刃で押し合う。
やはりヒステリカは強敵であり、そのスピード、パワーともに尋常ではない。

ヒステリカは、エンブリヲの声で語りかける。
「アンジュ、君も人間だ。私が導かねば幸福にはなれない。」

この言葉にサラは激怒、エンブリヲを罵倒する。
「だから無理やり拐かし、暴力で支配しようとした、と。恥ずかしい男ですね、調律者よ」

ヒルダも激怒、「そんな卑怯な男にコマされるアンジュじゃねえっての!」と叫ぶ。

二人の言葉にアンジュは笑みを浮かべ、ヴィルキスでヒステリカを刃で押し返す。
さらに強烈な蹴りを入れて距離をとり、決然と言う。
「その通りよ!私は、誰の思い通りにもならない」

アンジュの言葉に、サリアも叫ぶ
「そうよ、私だって…。
アウラが言ってた。ラグナメイルは、人の想いに応えてくれるって。
私は私よ!もう誰の支配も受けない!」
すると、サリアの指輪が発光。
サリア機の機体色が青色になり、エンブリヲの呪縛を破り、コントロールが復活した。

ヒルダも「私も、クソみたいな男の思い通りにはならねえ!」と気合一声!
するとヒルダの指輪が輝く。
テオドーラの機体色が赤色になり、機体の制御を取り戻す。

ヒルダは瞬時にビクトリアの間合いに踏み込み、渾身の斬撃を繰り出す。
ビクトリアは胴体を横一文字に両断され、爆発四散した。

そしてサリアはエイレーネに突撃、渾身の突きで敵機を刺し貫く。

【サリアとヒルダ、敵ラグナメイルを撃破】
エンブリヲは、アンジュたちの行動が心底理解できないようであり、疑問が口をつく。
「何故だアンジュ?
無限の時間に無限の愛。
私に支配されることの何が不満というのだ?」

これにアンジュは叫ぶ。
「人間だからよ!
支配をブッ壊す。
好戦的で反抗的なイレギュラー。
それが人間なの!」

一方サラは、レイジアに突撃。
銃剣で敵機を刺し貫き、発砲。
レイジアは爆発四散した。

サリア機は、エイレーネの砲撃を瞬間移動でことごとく回避して翻弄。
その一瞬の隙に、ヒルダ機はエイレーネに渾身の斬撃を浴びせる。
エイレーネは爆発四散。
ヒルダは親指を立ててウインクし、サリアに笑いかける。
これにサリアも笑顔でこたえた。

【アンジュVSエンブリヲ】
アンジュはヴィルキスでヒステリカの攻撃をかわしつつ、間合いに踏み込み、銃を持つ右腕を斬り飛ばす。
「今ならわかるわ。
なぜノーマが生まれたのか…
人間は、アナタなんかに操作されないという遺伝子の意志。

なぜノーマが女だけだったのか。
愛する人と子を成し、あなたの世界を否定するため。

だからお母様は歌と指輪を託してくれたのね。
最悪な創造主が作った、この腐りきった世界を壊すために!」

だがエンブリヲはあくまで上から目線である。
「千年の中から選んでやったのに…」と恩着せがましいことを言う。

そして「私の愛を理解できぬ女など、最早不要!」と叫び、ヒステリカはディスコード・フェイザーを展開、エネルギーを充填していく。
どうやっても思い通りにならないアンジュを、機体もろとも消滅させるつもりである。

これにアンジュは激怒、エンブリヲを徹底的に罵倒する。
「何が愛よ!
キモイ髪型でニヤニヤしてて、服のセンスも無くて、いつも斜に構えてる恥知らずのナルシスト!!
女の扱いも知らない、千年引きこもりの変態オヤジの遺伝子なんて生理的にムリ!」
アンジュはヴィルキスでディスコード・フェイザーを展開、エネルギーを充填していく。

そしてヒステリカはディスコード・フェイザーを発砲。
続いてヴィルキスも発砲。

光線は空中でぶつかり合い、押し合う。
だがヴィルキスの光線が押し勝ち、ヒステリカにディスコード・フェイザーが直撃した。
爆炎が晴れ、姿を見せたヒステリカは、両足も翼も吹き飛ばされ、機体表面は溶け落ち、かろうじて宙に浮いている。

エンブリヲは、ただでさえタスクとの戦いで大分消耗していたが、ヒステリカ敗北がよほどショックだったようで、隙が生じた。
タスクはこれを見逃さず、「父と母と、仲間の無念!」と叫び、エンブリヲの間合いに踏み込むと剣光一閃。
エンブリヲは脳天から真っ二つになり、血を吹き上げて倒れた。

ヒステリカは左手を突き出し、ヴィルキスに向けて加速。
するとアンジュは、ヴィルキスで加速して叫ぶ。
「私を抱こうなんて、1000万年早いわ!」

アンジュは渾身の斬撃をヒステリカに浴びせる。
ヒステリカは真っ二つに斬り裂かれ、爆発四散した。

【アンジュ、建国宣言】
アンジュたちはオリジナルのアルゼナルに着陸した。
見上げると、空は青空になっている。
そしてアウローラも現れ、海上に着水した。

大空をゆったりと飛翔するアウラが、アンジュたちに語りかける。
「ようこそ、我々の星。真なる地球へ。
時空が解放され、全てがあるべき場所に戻ったのです。
時空融合は停止し、世界は解放されました。
戻ってきたのです、世界が。あなた達の手に。」

アンジュに、サラが笑顔で問う。
「これから、どうされるのですか?
あなたたちが戦う必要も、私たちが殺し合う理由も、もうないのです」

アンジュは少し考え、答えた。
「国を作るわ、ここに。私たちだけの国。
ノーマも、人間も、ドラゴンも関係ない。
皆が自分の意志で生きる、厳しくて当たり前の国」

これにヒルダは笑顔で言う。
「アタシは、アンタと一緒に行くよ。どこだってさ。」

だがモモカは、元の地球の人々がどうなるのか気になるようであり、「あちらの地球は、どうなるのでしょうか?」と心配そうに言う。

これにアンジュは表情を曇らせるながらも言う。
「知ったこっちゃないわ。
エンブリヲは死んだ。
これからはもう、誰も導いてくれない。
自分たちの力で生きていかなければ、のたれ死ぬだけよ。」

モモカは、「そう…ですね…」と言い、アンジュの言葉を止むを得ないとは思うが、それでも破壊された世界に残された人々を思うと心が痛むようである。

その頃、元の地球は時空融合でことごとく破壊され、国家も崩壊。
秩序が失われ、荒廃した世界と化していた。
そして廃墟の一角では、3人の男達が、子供たちから食料を略奪。
手に入った食料に凶悪な笑みを浮かべて喜ぶ。

その時、何者かが男達に銃を向けた。
何と野戦服姿のシルヴィアである。
シルヴィアは、自動小銃を背負い、拳銃を手にし、五人ほどの仲間を率いている。

男達は懐から銃を取り出して構えるが、全員瞬時に射殺された。
すると子供たちは大慌てで、男達に奪われた自分たちの食料を拾い集める。
シルヴィアは子供たちに「死にたくなければ、戦いなさい」と声をかけ、去り際に小さく笑った。

そしてアルゼナルで、アンジュは全員に呼びかけた。
「私達も行きましょう、自分の道を、自分の足で」

【解放後の世界】
その後。

サラは大勢の見守る中、今回の戦いでの功を大巫女に賞された。
これには普段クールなナーガも、嬉し泣きである。

ヴィヴィアンは、実家にサリアたちを招待した。
出迎えるのはヴィヴィアンの母ラミアであり、サリアは花束、エルシャは菓子折りを手に訪ねているが、近くには大型ドラゴンもおり、サリアはかなりびっくりしているようである。
サリアたちは、改めてラミアとも親交を深めたことだろう。

都市の廃墟では、ジャスミンがアウローラを着地させ、広報用ロボットと何か話しているようである。
アウローラの周囲では、パラメイルが資材運搬に活躍している。
ロボットが持っているのはドラグニウムに見えるが、ジャスミンはこの地で何か事業をはじめるのだろうか?

ロザリーとクリスは、売店のアクセサリーを二人で覗いている。
可愛い髪留めを探しているようである。
この店舗、結構大勢の客で賑わっているが、営業再開したジャスミンモールだろうか?

アルゼナルの墓地には、マリカ、ターニャ、イルマ、アレクトラの墓標が建てられた。
墓には花が供えられ、友人知人たちが詣でていた。
故人を偲ぶのは、ジャスミン、マギ軍医、メイ、サリア。
ノンナ、メアリー、ロザリー、クリス。
そしてエルシャ。
ロザリーはマリカを思うと涙が抑えられないようで、後輩思いの良い先輩であることが伺える。クリスもまた、マリカの墓標を前に、罪悪感に苦しんでいるようである。

海の近くには、「喫茶アンジュ」が開店した。
ウェイターはタスク。
ウェイトレスは、アンジュとモモカ。
そしてオペレーター三人娘、パメラ、ヒカル、オリビエである。

この喫茶アンジュの目玉はやはり、モモカの手料理だろう。
多分、当初の客層の多くはノーマたちで、アルゼナル食堂に加えて昼食を食べに来店する気がする。ヒルダなどは、入り浸っているかもしれない。
さらにアウラの民にも客層を広げていくのだろう。
サラが来店すれば、アウラの民へのよい宣伝になる気がする。

休日は、アンジュとサラのカラオケ対決である。
同席するのはヴィヴィアン、そしてナーガとカナメである。
サラを見つめるナーガは、目尻を下げて蕩けそうな表情であり、その愛情の深さが伺える。

マギ軍医は、病院を建設している。
建設現場では、ドラゴンとパラメイルがクレーン車の代わりに鉄骨などを運んでおり、メイはフォークリフトを運転。
さらに現場には、エマも作業着姿で働いている。
エマも、自分の意志で、自分の出来ることを見出していくのだろう。

アウラの民の神殿前では、アルゼナル司令姿のアンジュ、サラ、そして大巫女が握手を交わし、これをアウラが見守っている。
最終決戦でサラとヒルダが結んだのは、一時的な軍事同盟だが、改めてアウラの民とアルゼナルは、平和共存のため正式に手を取り合うということなのだろう。

そして、戦いが無くなってもパラメイルには平和目的の役割があり、元第一中隊とサラたち、そしてタスクで、編隊を組んで飛行することもあるようだ。

飛行任務を終え、滑走路を歩くアンジュたちの目はみな輝いている。
アンジュたちはこれからも、自分で考え、自分の意志で行動し、厳しくて当たり前の世界で、自分の運命を切り拓いていくのだろう。

ノーマたちと、古の民、モモカたち元マナの民、アウラの民、そしてシルヴィアたちに、幸多からんことを。


おわり

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第24話「明日なき戦い」

  • 2015/03/22(日) 22:36:50

【感想概略】
今回は、ノーマ及びアウラの民の同盟と、エンブリヲ一味との最終決戦の第二ラウンドである。
戦闘では、激戦につぐ激戦が繰り広げられ、圧倒的物量に追い詰められるアウローラに味方してドラゴンが参戦、かつてボス級の圧倒的な強敵であった大型ドラゴンたちが頼もしい味方として敵機を撃破しまくる戦いぶりと展開は見どころの一つであり、見ていて精神が高揚した。

そして、こじれにこじれたクリスとロザリー、ヒルダが本心でぶつかり合って和解する姿は、今回の大きな見どころだったと思う。

サリアとジルの戦いでは、サリアは初めてジルに本心をぶつけ、どんなに頑張ってもジルが選んでくれなかったこと、ジルが愛してくれなかったことに傷つき、絶望し、なのに今になって姿を見せたジルへの怒りをぶちまけていたが、サリアは言いたいことを言って少しはすっきりしたのではと思う。

一方ジルは、サリアの怒りをひたすら受け止め、エンブリヲは誰も愛さず利用するだけと訴えるが、ジルはサリアへの心をまだ明かしてはいないと思う。
サリアもまた、ジルが全力でぶつかってきたこと、大型ドラゴンの突撃からジルが助けてくれたことに心を動かされつつあるようだが、まだまだ心が揺れているように思える。
サリアとジルについては、次回決着をつけることを期待したい。

また、タスクとエンブリヲの戦いでは、自分はアンジュの全裸を見ただの、自分は一線を超えただの、世界の命運を賭けた戦いの真っ最中にこの二人は下品なことで張り合い、エンブリヲがタスクの言葉に心底ショックを受け、タスクに激怒するところはバカバカしくて思わず笑ってしまった。

次回、ついに最終回である。
どのような結末を迎えるのか、最後まで見届けたい。

【サリアVSジル】
前回ラスト、アウラの元へ飛ぶアンジュの前に、ラグナメイル・クレオパトラを駆るサリアが立ち塞がり、アンジュに猛攻を繰り出す。そこにジルがラグナメイル・レイジアを駆って割って入った。

そして今回。
ジルはサリアに、自分がかつてエンブリヲの愛人であったことを明かし、エンブリヲに会いに来たという。
この言葉にサリアは激怒、エンブリヲの元には行かせないと叫ぶ。

するとジルは不敵な笑みを浮かべ、エンブリヲのところには行かせないが、アウラの元には行っていいらしいとアンジュに言う。
アンジュはニヤリと笑い、ヴィルキスを急加速、サリア機を迂回し、アウラへ続くメインシャフトに突入した。

【エンブリヲVSタスク】
エンブリヲはラグナメイル・ヒステリカを駆り、タスクの駆るパラメイル、アーキバス・バネッサ・カスタムと激闘を繰り広げていた。

エンブリヲは、人を精神的に追い詰め、心を折るのが好きなようである。エンブリヲは闘いながら、自分はアンジュの全裸を見たと自慢し、アンジュを飼い慣らすのが楽しみと豪語、タスクに精神的打撃を与えようとする。

ところがタスクは、自分はアンジュと一線を超えた、三日三晩愛しあったと反撃してきた。

これにエンブリヲは激しく動揺、そして激怒。
「なんたる卑猥で破廉恥な真似を…貴様の存在…全ての宇宙から消し去る!」と叫び、本気でタスクを殺しにかかかるのである。

【サラ、メインシャフトに突入】
前回、サラは竜神機・焔龍號を駆り、メインシャフトに突入。
襲い掛かる殺人円盤の群れを撃破しつつ突き進み、ついに地下の最奥部、アウラの捕らえられた巨大な水槽に辿り着いた。

サラは焔龍號の銃で、巨大な水槽を撃つ。
が、水槽には傷一つつかない。
続いてサラは抜刀、水槽に斬りつけるが、何のダメージも与えることが出来ない。

その時、地下最奥部にも殺人円盤の群れが次々と出現。
サラに襲い掛かるのである。

【エルシャ出撃】
ミスルギ上空のアウローラは、機銃で円盤の群れに応戦。
ヴィヴィアン、メアリー、ノンナもパラメイルで敵機を次々と撃墜し、アウローラを守る。

だが円盤はやられてもやられても次々と新手を繰り出して数で押しまくり、ついにアウローラは被弾、機関部を損傷、高度を保てず海面に着水してしまう。

身動きとれず、対空砲座も動かないアウローラに円盤の群れが殺到。
ヴィヴィアンはさすがに手堅く戦い続けるが、新兵メアリーは弾切れになってしまう。
攻撃の手段を失ったメアリーに、殺人円盤が襲来。
が、円盤はメアリーの目前で爆発する。
パラメイルで出撃したエルシャの仕業であった。

【アンジュ、サラに加勢】
ミスルギ地下の最奥部では、サラは襲い来る円盤の群れを次々と撃墜。
だが敵は次々と新手を繰り出し、サラは防戦に追われ、アウラ奪還に取り掛かれない。

そこにアンジュがヴィルキスで駆けつけ、円盤の群れを撃墜。
「何てこずってるのよ、あんなおもちゃに」とサラを叱咤する。

するとサラは、「遅いですよ」と言うと、アンジュに円盤の群れを任せ、自分は焔龍號で収斂時空砲の発射準備をはじめた。
何と、かつてアルゼナルの半分を消滅させた大破壊兵器で、アウラを閉じ込める水槽を破壊しようというのである。

これにはアンジュも驚き、「アレ打つつもり?アウラごと吹き飛ばさない!?」と言う。
するとサラは「3割引で撃ちますから、ご安心を」と笑うと、「永遠がたり」を歌い始めた。
直後、焔龍號が金色に輝き始め、肩のパーツが開いて収斂時空砲がせり出し、エネルギーが充填されていく。

【アウラの民、アウローラを援護】
アウローラを守るパラメイル部隊は疲労の色が濃い。
エルシャが参戦し、一時は持ち直したが、敵は次々と殺人円盤の群れを繰り出し、このままでは包囲殲滅されてしまう。

エルシャはヴィヴィアンに新兵二人を託すと敵の大群に突撃。
円盤の群れを引きつけてヴィヴィアンたちが逃げる時間を稼ぐ。

だが多勢に無勢。
ついにエルシャ機は四方八方から襲い掛かる円盤に右腕を斬り飛ばされ、左足を斬り飛ばされ、行動不能に陥る。
そしてエルシャ機のコックピットに円盤が命中。
エルシャ機の装甲はこの一撃には持ちこたえるが、円盤は猛スピードで回転しながらコックピットの装甲を斬り裂いていく。エルシャは死を覚悟し、目を閉じた。

その時、大型ドラゴンが出現し、魔法陣を展開。無数の光線を放つ。
ドラゴンの光線は、エルシャ機を斬り裂く円盤を破壊し、エルシャ機に殺到する円盤を全て撃墜した。

空を見ると、複数のワープゲートが開き、ドラゴンたちがゲートから出現し、円盤の群れを攻撃している。
驚くアウローラ艦橋に、アウラの大巫女が通信、アウラの民はアウローラを援護することを宣言した。

そしてアウローラの周囲に、かつて圧倒的な強敵であった大型ドラゴンたちが陣取り、襲い来る敵機を次々と撃破していく。
メイがアウローラ機関部の修復を終え、アウローラが飛翔すると、大型ドラゴンたちも共に飛び立ち、エンブリヲへの突撃を再開するのである。

【エンブリヲ、サリアたちを捨て駒にする】
いまやエンブリヲ一味のラグナメイルは、エンブリヲ機を含めて5機。
うち、サリア機はジルに釘付け。
クリス機はロザリーとヒルダに釘付け。
ターニャ機とイルマ機はナーガとカナメに釘付け。
エンブリヲ自身はタスクに釘付けであり、さらにアウラの民も参戦。

いまやエンブリヲ一味に、ミスルギ地下最奥部に突入したサラのアウラ奪還阻止に向かえる者はいない。

「形勢逆転だな、エンブリオ!」とタスクは叫ぶ。
だがエンブリヲは涼しい顔で「そう見えるかい?」と笑う。

そして次の瞬間、エンブリヲは配下のラグナメイル4機を瞬間移動させ、ドラゴンの群れの真っ只中に放り込んだ。
大型ドラゴンにぶつけられたターニャは、ドラゴンの反撃で即死。
ターニャの死に動揺するイルマも、ドラゴンの反撃で戦死した。

何とエンブリヲ、ダイヤモンドローズ騎士団を盾として時間を稼ぎ、その間にアンジュを迎えに行こうというのである。

動揺するサリアに、大型ドラゴンが突撃。
が、間一髪でジルがサリアを突き飛ばして救う。
ジルは「これがエンブリヲの本性だ。目を覚ませ、サリア。私のように、全てを失う前に…」と言い残し、メインシャフトに飛び去った。

【クリス逆上】
クリスは、自分がエンブリヲに捨て駒とされたことに動揺。
「また捨てられた…」とつぶやき、絶望と怒りで自暴自棄となり、ラグナメイル・テオドーラであたり構わず発砲。次々とドラゴンたちを撃ち殺していく。

ロザリーとヒルダはクリス機を牽制。
攻撃をかわしながらヒルダはクリスに呼びかける。
「自分から友達だって名乗る奴が、本物の友達なわけねえだろ」

だがクリスは、「アンタ達が私を見捨てたからでしょ!」と怒鳴り、それもこれも皆ロザリーとヒルダのせいだと叫ぶ。

ロザリーは、「私は見捨ててなんかいない!」と呼びかける。
だがクリスは聞く耳を持たず、「よってたかって、私のことバカにして…私がこんなにも辛くて、苦しんでるのに…どうして分かってくれないのよ!」と叫んだ。

が、ヒルダは、クリスの一瞬の隙を突き、クリス機に急接近すると組み付き、「いい加減にしろ、この根暗ブス!」と一喝。
続いてヒルダ機は、クリス機のコックピットハッチを鋼鉄の腕でこじ開け、引きちぎり、ハッチを放り捨てた。

ハッチを失い生身の姿を晒すクリスに、ロザリーは「そうだよ!言わなきゃ分かんないんだよ!私、バカなんだから!」と叫び、パラメイルを飛翔形態に変形してクリス機に突撃した。

動揺したクリスが発砲。
ロザリー機は被弾しながらも、クリス機に急接近する。
そしてロザリーはパラメイルのコックピットから飛び出し、クリスに飛びついた。
二人は勢い余ってラグナメイルから落下、地上に向けて落ちていく。

【ロザリー、クリスに告白】
落下しながらも、ロザリーはクリスを抱きしめ、離そうとしない。
「離して…落ちてる…」というクリスに、ロザリーは「いいよ、一緒に死んでやる」と言い、唇を重ねた。

驚くクリスに、ロザリーは告白する。
「私は、アンタがいなくちゃダメなんだ!
アンタが好きなんだよ!
私がアンタのこと見捨てるわけねーだろ!
私達だけじゃねーか。
アンタの胸のサイズも、弱い所も、ヘソクリの隠し場所も全部知ってるのは。
もう一回信じてくれよ…
もう一回友達になってくれよ…クリス…」

地上に激突寸前。
ヒルダは急降下してロザリーとクリスをキャッチ、胴体着陸で機体を損傷しながらも無事着地、どうにか二人を救助した。

クリスはロザリーを抱きしめ、ロザリーの想いを受け入れた。
だがクリスは、改めてマリカを手にかけてしまったことを後悔し、表情を曇らせる。

罪の意識に苦しむクリスに、ロザリーは言う。
「マリカのお墓買って、一生憶えておいてやろうぜ、私たちでさ」

「ばかみたい…世界が終わろうってのに、何してるの、私たち?」と泣き笑いのクリスに、ヒルダは「仲直り、だろう?」と言い、微笑んだ。

【サラ、アウラを解放】
ミスルギ地下最奥部で、サラは焔龍號の収斂時空砲を発砲、アウラを閉じ込める水槽を破壊した。ついにアウラは解放され、空高く飛び立った。

一方、ミスルギ地下のエンブリヲの元に、ジルが姿を見せた。
ジルはエンブリヲに、「私も、連れて行って」と言う
だがエンブリヲは険しい表情で拒絶。そして「その右腕で私を殺す気かい?」と問う。

ジルは「違うわ、だってあなたは死なないでしょう?」と言うとニヤリと笑い、右腕をエンブリヲに向けた。
直後、右手首がスライドして銃口が出現、発砲、エンブリヲに命中した。

すると、撃たれたエンブリヲの身体は凍結していき、たちまち凍りついた。
これぞ、死ぬと不確定領域の多重存在と入れ替わるエンブリヲの技を封ずる、ジルの秘策である。
ジルはエンブリヲ確保を通信で連絡した。

だが次の瞬間、無人のはずのラグナメイル・ヒステリカが動き出し、「こんな手を考えていたとはね」と嘲笑。
頭部から光線を発砲、ジルを撃ち抜いた。

ジルは倒れ、エンブリヲの本体はラグナメイルらしいことを悟った。

【アンジュ、エンブリヲにさらわれる】
アウラが解放され、エネルギー供給は止まっても時空融合は止まらない。
機体で飛行するアンジュ、タスク、サラは困惑する。

その時、ヴィルキスを駆るアンジュの背後から、何者かが親切に説明をはじめた。
「アウラのエネルギーは時空融合の起爆剤。あとは無限宇宙の位相エネルギーで、勝手に融合は進むのさ」

何とアンジュの背後、ヴィルキスの頭部にエンブリヲが腰掛けている。
アンジュは躊躇なく拳銃を発砲。
だがエンブリヲの姿は消え、次の瞬間にはアンジュの右側に出現し、アンジュに手を触れた。
するとエンブリヲは消え、アンジュも服を残して瞬間移動してしまった。

【予告】
最終回「時の彼方で」

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第23話「ゆがむ世界」

  • 2015/03/15(日) 23:59:22

【感想概略】
今回は、ノーマ及びアウラの民の同盟と、エンブリヲ一味との最終決戦がいよいよ幕を開けたお話である。戦闘では、同盟とエンブリヲ側の総力をあげたぶつかり合いが描かれ、まずこれが大きな見どころであった。
そしてヒルダの想いをアンジュは真正面から受けとめ、アンジュとリィザは和解し、エマは自らの意志でリベルタスへの参加を決意し、これまでの迷いや苦悩に各人がそれぞれ自らの意志で決着をつけるところも見どころだったと思う。

さらに、ロザリーはクリスとの対決に臨み、ジルはサリアと真正面から向き合い、アンジュはシルヴィアと本音でぶつかり合い、これまでこじれにこじれた思いに各人は、見栄や世間体をかなぐり捨てて本当の心でぶつかっていくところも見どころであった。
なおロザリーとクリス、ジルとサリアの決戦は次回であり、楽しみである。

【ノーマ、アウラの民と同盟を結ぶ】
前回、エンブリヲは自らの理想の世界を実現するため、いよいよ二つの地球の時空融合を開始、これに伴い、世界各地で天変地異が巻き起こっていた。

エンブリヲはミスルギ皇都の沿岸に艦隊及び空飛ぶ殺人円盤の大群を配置し、手ぐすねひいてアンジュたちを待ち受ける。

そしてアウローラ艦内では、ヒルダはサラの手を取り、アウラの民との同盟を結んだ。時空融合を阻止するため、アウラを奪還するためである。
ヒルダは同盟を結ぶのはアンジュを連れ戻してからとの条件をつけていたが、事ここに至ってはそうも言っていられない。
「地球が無くなったら、ブッ壊す世界も無くなっちまうしな」と不敵に笑うヒルダである。

その時、アウローラに何者かが通信で呼びかけてくる。
アンジュであった。

【アンジュたち、アウローラに帰還】
間もなく、アンジュ、モモカ、タスクはアウローラにの発着場に着艦。
ヒルダ、ロザリー、ヴィヴィアン、メイ、そしてマギ軍医とジャスミンが出迎え、アンジュの無事を喜ぶ。

エマもまた姿を見せ、モモカの無事を喜ぶ。
そして自ら、リベルタスへの参加を申し出た。
これにアンジュは笑顔を浮かべる。

アンジュは、ラグナメイル・レイジアが飛翔形態で駐機していることに気付き、少し驚く。
するとヴィヴィアンは、エルシャが帰ってきたのだという。
エルシャ復帰を喜ぶアンジュである。

その時、サラが、ナーガ、カナメ、そしてリィザを伴って姿を見せた。
サラはアンジュに、アウラの民とノーマが同盟を結んだことを伝え、「あなたは如何なさいますか?」といたずらっぽく問うた。
無論、アンジュは参加を了承する。
サラは「共に戦う時が来たのですね、互いの世界を守るために」と言い、友アンジュと一緒に戦えることに感慨深げである。

するとアンジュは「違うわ、サラ子。私はあの変態男に世界を好き勝手にされるのが我慢できないだけよ」といたずらっぽく笑い、サラと固く握手を交わした。
『世のため人のため』などという大義名分は胡散臭いと思い、自分が戦うのはあくまで個人的な怒りのためとの立場をとるアンジュである。

だが、サラの部下として同席するリィザは、申し訳無さそうな表情で俯き、アンジュを見ることが出来ない。
かつてリィザはジュリオと共謀してアンジュを陥れたが、その後モモカに助けられ、モモカの敬愛するアンジュに対し罪悪感を抱いているようである。

アンジュはリィザに気付くと彼女の前に立った。
そして先日、リィザがモモカにアンジュの監禁場所を教えてくれたことに謝意を表し、「忙しくなるわよ、あの男を抹殺しないといけないんだから」と言って笑う。
アンジュの度量の広さにリィザは深く感動した様子である。

アンジュはジルがこの場にいないことに気付き、司令はどこかとヒルダに問う。
するとヒルダは司令は自分であると答えた。

アンジュはまずはヒルダと一緒に、ジルの元へ向かった。

【アンジュ、ジルと再会】
ジルの部屋。
アンジュはアウローラ脱走以来、しばらくぶりにジルと再会した。
「よく帰ってこられたな」というジルに、「みんなのおかげよ」と答えるアンジュである。

アンジュはジルに、どうすればエンブリヲを殺せるのか問うた。
エンブリヲは殺されるたびに、不確定領域の多重存在と入れ替わる、これをどうすれば討てるのか。

するとジルは言う。
不確定世界にエンブリヲの本体がある。「歌」を知り、ヴィルキスを解放したアンジュであれば、と。
アンジュはジルの言葉を理解した。

これはアンジュにとって、ジルへの用件の一つ目であり、用件はもうひとつある。
アンジュはジルに、これからどうするのか問うた。

ジルは、司令官はヒルダに譲ったと言い、そっぽを向く。
これにアンジュは怒り、ジルの胸ぐらを掴み、「腑抜けたこと言ってるんじゃないわよ!あなたの復讐に巻き込まれて、どれだけの人が人生を狂わされたとおもっているの!」と詰め寄る。

ジルは、革命にも復讐にも失敗した自分に何が出来るのかと自嘲する。

これにアンジュは怒り、ジルを引っぱたいて言う。
「私を逃してくれたのはサリアよ。哀れだったわ…。あなたを忘れるために、エンブリヲに入れ込んじゃって…責任ないとは言わせないわよ、アレクトラ・フォン・レーベンヘルツ」

言い残し、アンジュはヒルダを伴って去った。
残されたジルは、苦い表情で唇を噛み締めた。

【ヒルダの告白】
アウローラ艦内の廊下を歩きながら、ヒルダはアンジュに司令をやってくれと言う。
これにアンジュは当惑しながら「別にいいけど?」とあっさり承知した。

だがヒルダの様子が少しおかしい。
ヒルダは、アンジュもサラもジルも、生まれながらのリーダーはやはり違う、黙っていても人が集まってくると言って寂しそうな表情を浮かべ、「アタシはやっぱ、鉄砲もって敵に斬り込むのが性にあってるよ」と少し投げやりに、自分を卑下するようなことを言う。

ヒルダの様子がおかしいことにアンジュは気付き、何を拗ねているのかと尋ねた。
「別に、すねてねえよ…」と言いながらヒルダは動揺。
するとアンジュはヒルダの頬をつまみ、思っていることを言ってくれるよう促した。

ヒルダは背を向け、「言ったら、嫌われる…」と弱々しく言うが、もうアンジュを誤魔化せないと覚悟を決めた。ヒルダは俯いたまま、ついに本心を明かした。

「アンジュ、アンタはね、アタシの王子さまなんだ。
でも、アンタにはお姫様のダチもいて、男もいて…
わかってる…変だよな…女同士なんて…」

ヒルダはせめて、自分はヘンなのだと自分自身を笑う。
だが、これでアンジュに嫌われた、アンジュを失ったと思うと涙があふれて止まらない。
アンジュは自分を笑うだろうか?軽蔑するだろうか?嫌悪するだろうか?

だがアンジュは笑わない。
ただ真剣な表情でヒルダを見つめる。
そしてアンジュはヒルダを抱き寄せ、唇を重ねた。

アンジュはヒルダから顔を少し離す。
そして「変だなんて、誰が言ったの?そういう下らない世界をブッ壊すんでしょう?二人で」と言い、凛々しい笑みを浮かべる。

ようやく笑ったヒルダを、アンジュは再び抱きしめた。
「ヒルダ、新しい世界には、あなたもいてくれないと困るわ」

【タスク、アンジュのお守りを受け取る】
アウローラ艦内。
作戦開始が迫る中、アンジュはタスクがいつも守ってくれることに改めて礼を言い、何かしてほしいことは無いかと尋ねた。

これにタスクはアンジュの肩を掴み、「君が無事ならそれで…」と格好良いことを言う。
だがアンジュはあまり感銘を受けた様子はない。
タスクの腕を鬱陶しそうに押しのけ、そういうのはいいので何か言えと促す。

これにタスクは困りながら、何かお守りになるものをと遠慮がちに言う。
だがアンジュは、今とくに持っているものが無い。

アンジュはちょっと考えると、タスクに向こうをむかせた。
そしてパンツを脱ぐとタスクのズボンのポケットに押し込み、絶対見るな、出すな、調べるな、必ず返すよう念を押し、立ち去った。

タスクはポケットの中に手を入れ、何やら温かいことに首をかしげる。
そして、一瞬見ようとするが、すぐに思い直し、必ずこれをアンジュに返すことを心に誓うのである。

【総司令アンジュの訓示】
アウローラは、ミスルギ皇国の暁の御柱に急行していた。
舵を握るのはジャスミン、戦闘管制はエルシャ、艦の制御管制及び索敵は、パメラ、ヒカル、オリビエのオペレーター三人娘。
そしてリィザと、真実を知り自らリベルタスへの参加を申し出たエマも艦橋にいる。

アウローラ艦橋では、敵の大艦隊の接近を探知した。
間もなく、最終決戦の幕が上がる。

ヴィルキスに搭乗したアンジュは、総司令として全員に語りかける。
「反社会的なバケモノと呼ばれたノーマと、互いに戦い合っていたアウラの民、私たちと一緒に来てくれる人たちと、古の民。
迫害されてきた私たちが、世界を守るために一緒に戦うなんて、痛快じゃない?

戦いましょう。
私たちが、私たちの意志で、生きるために。

戦わずに滅ぼされる私たちじゃないでしょう?
作戦名『ラストリベルタス』。
神様だろうが、なんだろうが、殺して、勝って、生きるわよ、みんなで!」

アウローラの全員は鬨の声をあげた。

【敵艦隊と戦闘開始】
敵の大艦隊はアウローラを探知、アスロック魚雷を猛射。
魚雷多数がアウローラに迫る。

これにアウローラは冷却魚雷を発射。
敵魚雷群の目前で爆発すると巨大な氷が多数発生、敵魚雷群は氷に衝突し、次々と爆発する。

この隙にアウローラは海上に浮上。
同時に全砲門を開き、ミサイルを猛射。
ミサイルは次々と敵艦を直撃、撃沈していく。

そして海上を疾走するアウローラは、航空モードに変形、海面から離陸した。
続いて量子フィールドを展開、艦全体を半透明の膜が覆うのだが、一種のバリアーのようである。

【アンジュ、敵艦を次々と撃沈】
エンブリヲは自軍艦隊が大損害を受けても冷笑を浮かべる。
そして第二陣として、空飛ぶ円盤型の自動戦闘機械を多数、出撃させた。

この空飛ぶ円盤は、直径2メートルほど。
攻撃方法は、機関砲で銃撃、円盤の淵から棘々を生やして猛スピードで回転しながらの体当たり、そして自爆攻撃である。

アンジュはヴィルキスを駆り、パラメイル隊を率いて離陸。
敵艦隊及び空飛ぶ殺人円盤の大群に襲いかかった。

アンジュの駆るヴィルキスは、装甲が赤くなり、光学障壁を展開する。
ヴィルキスの大技の一つ、『ミカエル・モード』である。

アンジュはヴィルキスで敵艦を体当たりで撃沈。
さらに剣で敵艦を横薙ぎにして撃沈。
続いて敵艦の艦橋を剣で真っ二つにして撃沈。
次々と敵艦を撃破していく。

そして、空飛ぶ無数の殺人円盤にはヒルダたちが応戦。
敵機は群れをなして連携し、素早い動きで襲い掛かるが、ヒルダたちは変幻自在の高機動戦闘を展開、敵の大群をかわし、次々と撃墜していく。

【アウローラ、冷線破壊砲を発砲】
飛行するアウローラは、暁の御柱を射程圏内にとらえた。
これにジャスミンは冷線砲の発射準備を指示。
すると船体下部が開き、巨大な砲塔がせり出し、エネルギーを充填していく。
これぞアウローラの秘密兵器、冷線破壊砲である。

一方エンブリヲはラグナメイル・ヒステリカを駆り、ダイヤモンドローズ騎士団を従え、暁の御柱の前に陣取った。
エンブリヲは「沈み給え、古き世界とともに」と笑い、「永遠がたり」を歌い始めた。
するとヒステリカの肩のパーツが開いて大破壊兵器「ディスコード・フェイザー」がせり出し、アウローラに狙いを定め、エネルギーを充填していく。

これにアンジュはヴィルキスでエンブリヲ機の前に立ち塞がり、アウローラを背に庇い、ディスコード・フェイザーを展開、エネルギーを充填していく。

間もなく、エンブリヲはディスコード・フェイザーを発砲するが、アンジュも発砲。
両機の大破壊光線は空中でぶつかり合い、相殺して消滅した。

そしてアウローラは冷線破壊砲を発砲。
光線は暁の御柱を直撃、巨大な御柱は倒壊した。
そして御柱の基部に、巨大な穴が姿を見せた。

アウローラ艦橋のリィザは叫んだ。
「あれが、アウラへ続くメインシャフトです!」

【アンジュVSサリア】
アンジュは、再びヴィルキスでミカエル・モードを発動。
自ら先陣となり、全機を率いて突撃を敢行する。

これにエンブリヲは、ダイヤモンドローズ騎士団に迎撃を命令。
4機のラグナメイルがアンジュたちの前に立ち塞がる。

ナーガとカナメは、ターニャ機とイルマ機と交戦。
この間にサラはアウラを目指す。

市街地を低空飛行するロザリーとヒルダの前には、クリスが立ち塞がった。
するとロザリーは抜刀、クリス機に斬撃を浴びせ、猛然と襲い掛かる。

そしてアンジュとタスクの前には、エンブリヲの駆るヒステリカが立ち塞がった。
タスクはパラメイルでエンブリヲ機に襲いかかり、アンジュにアウラの元へ行くよう叫ぶ。
アンジュはこれを了承、ヴィルキスを加速し、メインシャフトへ向かう。

だがアンジュの前に、ラグナメイル・クレオパトラを駆るサリアが立ち塞がった。
「待っていたわよ、アンジュ」
サリアは、アンジュを倒して自分の勝ちをエンブリヲに認めさせる、もはやその一念のみにすがり、アンジュへの憎悪を燃やし、猛然とアンジュに襲いかかった。

【ヴィヴィアン、ノンナを助ける】
アウローラは冷線破壊砲を展開した時、量子フィールドを解除していた。
冷線破壊砲の発泡後、フィールドはすぐには展開できないらしく、ヴィヴィアン、そして新兵ノンナと新兵メアリーが、敵の放った殺人円盤を迎撃する。

この殺人円盤の数は尋常ではなく、数で押しまくる。
メアリーとノンナはパラメイルで応戦するが、ノンナ機は円盤をかわしきれず、左腕に被弾、失速してしまう。
落下していくノンナ機に、次々と敵機が襲い掛かる。

その時、ヴィヴィアンがパラメイル・レイザーで飛来、ブーメランを放つ。
ブーメランはノンナ機に襲い来る敵機を次々と撃墜、この間にノンナ機は機体を立て直して上昇、戦列に復帰した。

強く凛々しいヴィヴィアンに、ノンナもメアリーも惚れなおしたようである。

【ジル、出撃】
アウローラはようやく量子フィールドを展開しはじめるが、対空砲火をくぐり抜けた一機の円盤がアウローラの発着場装甲に特攻、自爆した。

衝撃に吹き飛ばされるメイを何者かが抱きとめ、受け身をとる。
何とライダー姿のジルである。
ジルはアンジュの言葉に、心を動かされ、出撃を決意したようである。

ジルは、メイの無事を確認し、これまで腑抜けた姿を見せてしまったことを詫びた。
そしてジルは、メイと、着弾現場に駆けつけてきたマギ軍医に言う。
「行ってくるよ、私たちのリベルタスを終わらせる。」

ラグナメイル・レイジアに搭乗したジルを見送るマギ軍医は「私はアンタを許しちゃいない。だから、帰ってきたらちゃんと愚痴につきあいな」と言い、ジルと笑い合う。

そしてジルは「アレクトラ、出撃する」と言い、レイジアで出撃。
大空に舞い上がると、空飛ぶ円盤の群れに発砲、次々と命中弾を浴びせ、撃墜していく。
ジルの圧倒的な強さに、第一中隊のエース・ヴィヴィアンも感嘆の様子である。

【アンジュとシルヴィア】
ミスルギ皇宮には銃を持った市民たちが乱入した。
市民たちは、車椅子を失って動けないシルヴィアを見つけると、為政者は何をしていたのか、何とかしろと責め立て始めた。
これにシルヴィアは、「知りません、そんなこと!私は何も悪くありません!」と言い返す。

そこに轟音が轟き、分厚い壁を突き破って巨大な戦闘機械が姿を見せた。
アンジュの搭乗するヴィルキスである。

市民たちは、今度はアンジュを責め立て、皇室は民を守る義務があると言い、自分たちを守ることを求める。
そして、この騒ぎはノーマの仕業だろうと決め付け、自分たちが死んでもよいと言うのかと叫ぶ。

するとアンジュは「ええ」と即答。
これに怒った市民の一人はアンジュに銃を向けた。
するとアンジュは躊躇なく発砲、この市民を射殺した。
市民たちは恐怖して逃げ去り、シルヴィアだけが取り残された。

アンジュはシルヴィアに、「あなたもとっとと逃げるのね」と言う。
だがシルヴィアは、自分はアンジュのせいで歩けなくなったのだと言い立てる。

これにアンジュは激怒、シルヴィアに威嚇射撃して叱りつけた。
「甘ったれてるんじゃないわよ!何でもかんでも人のせいにして。
宮廷医師が言ってたわ、あなたの怪我、完全に治ってるって。
あなたは自分で立とうとしないから立てないだけ」

それでもシルヴィアは「助けて…私はあなたの妹なのですよ!」と言い、これまでアンジュをバケモノだの殺人鬼だのと罵り、鞭打ち、処刑しようとしたことを棚に上げ、アンジュの情けにすがろうとする。

アンジュはさらに威嚇射撃し、「死ななきゃ治らないのかしら、その腐った性根は…」と言い、眉を釣り上げた。

シルヴィアは恐怖のあまり腕で這い、立ち上がり、走って逃げ出した。
そして自分が歩けることに気付き、茫然とした様子である。

通常、筋肉というのは使わないと衰えてしまう。
長期間歩いていない場合、リハビリしなければ歩くことは困難である。
シルヴィアの場合、多分マナの力で足の筋力が維持されていたのだろう。

アンジュはシルヴィアが歩けるようになったことを見届けると、笑みを浮かべ、その背中に声をかけた。
「戦いなさい!一人で生きていくために!
もう会うことはないわ。さようなら、たった一人の、私の妹…」

アンジュはヴィルキスで去った。
一人残されたシルヴィアは、「お姉さま…」とつぶやき、立ち尽くして泣いた。

【ジルVSサリア】
大空に舞い上がったヴィルキスを、サリアがラグナメイル・クレオパトラで待ち構えていた。
凶暴な笑みを浮かべ「ずいぶん遅かったじゃない」というサリアに、アンジュは「野暮用を片付けていただけよ」と答える。

サリアは殺気をみなぎらせて抜刀、ヴィルキスに渾身の斬撃を叩き込む。
だがサリア機の斬撃を、ラグナメイル・レイジアが剣で受けとめた。

サリア機はレイジアに剣で押し返され、距離をとる。

そしてサリア機の前に立ち塞がるレイジアのコックピットが開き、ジルが姿を見せた。
驚愕するサリアに、ジルは不敵な笑みを浮かべて言う。
「エンブリヲの騎士というから、どれほど強くなったかと思ったが、期待はずれだな、サリア」

【予告】
次回「明日なき戦い」

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第22話「Necessary」

  • 2015/03/08(日) 20:28:50

【感想概略】
今回は、アンジュが復活し、タスクとモモカが生還し、アウラの民とノーマが同盟を結び、エンブリヲがいよいよ世界を壊して作りなおす作戦を開始し、エルシャがアウローラに投降するなど盛りだくさんのお話であり、おもしろかった。

なお、タスクが自爆して助かった方法について全く説明が無く、予告ナレーションで「どうせ俺の忍法はご都合主義だよ!」などと発言していたが、これが全ての説明のようであり、やることが豪快すぎて笑ってしまった。

【エンブリヲ、サリアをお仕置き】
ミスルギ皇宮内、周囲をぎっしりと書籍に囲まれた薄暗い一室。
サリアはエンブリヲの膝の上でうつ伏せになり、お尻を叩かれていた。
前々回、アンジュを逃したお仕置きである。

なぜアンジュを逃したのか、エンブリヲは問う。
だがサリアは答えず、逆に質問する。
「どうしてアンジュが必要なんですか…私はもう、用済みなんですか」

エンブリヲは冷笑し、サリアは嫉妬からアンジュを逃したのだと理解した。
そして微笑を浮かべ「私の新世界を作るのは、強く賢い女たちだ。だから君たちを選んだ。アンジュも同じ理由だ」と人材の選考基準を語った。

エンブリヲが思い浮かべるのは、裸エプロンで料理の腕を振るうターニャ、エンブリヲをモデルに絵筆を振るうイルマ、エンブリヲとゲーム機を楽しむクリスである。
エンブリヲは彼女たちをそれぞれ、強く賢いと考えているようである。

そしてエンブリヲは険しい表情で「愚かな女に用はない」と言い放つのだが、サリアにはショックな様子である。
エンブリヲはサリアを膝から突き落とすと、「サリア、君が本当に賢く強いなら、やるべきことはわかるね?」と問う。
これにサリアは敬礼し、「アンジュを捕らえ、服従させます」と答えた。
エンブリヲはサリアの言葉を了承し、成果を見届けるつもりのようである。

だがサリアは内心では、エンブリヲはサリアを評価しておらず、サリアを愛してもいないことが分かっていた。
サリアは自室でコンバットナイフを抜くとプリティサリアンの衣装に突き刺す。
そして、自分がアンジュを倒せば、エンブリヲは自分の勝ちを認める、それが出来れば何もいらないと思い定め、アンジュを倒すことを決意するのである。

【ヒルダたち、アウローラに帰還】
ヒルダたちはサラたちを連れてアウローラに帰還した。
アウローラの発着場では、整備兵たちがパラメイルの整備で大忙しである。

そして発着場の隅では、移送車に寝かされたリィザが、エンブリヲは二つの地球を時空ごと融合させて新しい地球を作ろうとしていることをヒルダたち、サラたちに伝えていた。

だがリィザが奴隷生活で受けたダメージはかなり重いようであり、マギ軍医は尋問を中断させ、リィザを病室に運んでいった。
たとえ怪しげな初対面の人物であっても、病人のことを第一に考え、治療を優先させるマギ軍医である。

【ノーマとアウラの民、同盟を結ぶ】
サラはヒルダたちに、エンブリヲの作戦が完遂すれば人類は滅亡してしまことと伝えた。そして、自分たちの龍神機だけではエンブリヲの防衛網を突破することは不可能であることを認め、ヒルダにノーマとの同盟を求めた。
ヒルダもまた、自分たちだけではラグナメイルに敵わないことを認め、ドラゴンとの同盟を了承した。但し、アンジュを連れ帰ってからだと言う。

その時、虚ろな目のエマが近づいてきて、男性の声で「おや?アンジュは戻っていないのか」と話しかけてきた。そしてエマの右脇の空中に長方形の画面が出現し、エンブリヲの姿が映し出された。

ジャスミンの番犬バルカンは、唸り声をあげてエマ監察官に飛びかかるが、エマは裏拳をバルカンに浴びせ、一撃で叩きのめす。

ヒルダは銃を抜いてエマに狙いを定めるが、サラはヒルダを制し、エマは操られているだけと言う。
サラは「逃げた女に追い縋るなど、無様ですわね、調律者殿」とエンブリヲを嘲笑した。

これにエンブリヲは冷笑で答えるが、サラは不敵な笑みを浮かべると刀を突き付け、「焦らずとも、すぐにアンジュと共に伺いますわ、その首貰い受けに!」と宣戦布告。
そしてサラは、エマに雄叫びを浴びせると、空中の画面は粉々に砕け、エマは気を失った。

サラは不敵に笑ってアンジュは必ず帰ってくるという。
なぜ断言できるのか、ヒルダが問うと、サラは自信に満ちた笑みで「友ですから」と答えるのであった。

【エルシャ、子供たちの再生をエンブリヲに懇願】
ミスルギ皇宮では、エルシャはエンブリヲに、先の戦闘に巻き込まれて亡くなった子供たちをもう一度生き返らせてもらえるよう懇願していた。

だがエンブリヲはこれを拒否、新しい世界は新たな人類のものであり、あの子供たちは連れていけないと言い放つ。
そしてエルシャに「君には新たな世界で、新たな人類の母になって貰いたい」と笑う。

エンブリヲとしては、エルシャに大変な名誉を与えているつもりかもしれない。
だがエルシャにとって、子供たち一人一人がかけがいのない存在であり、「新たな人類」などと代えられるものではない。
人の心を読むエンブリヲであるが、エルシャが子供好きということは分かっても、子供たち一人ひとりに、人間一人ひとりに代わりなど無いという気持ちが分からないようである。

あまりの絶望に、エルシャは声にならない悲鳴をあげ、涙が溢れてとまらない。
エルシャはエンブリヲに駆け寄って跪き、自分はどうなっても構わないので子供たちを生き返らせてもらえるよう必死で訴える。

だがエンブリヲは手を触れずにエルシャの喉を締めあげると宙に浮かせ、「もう少し物分かりの良い女かと思ったが…」と言うとエルシャを落下させた。
倒れて打ちひしがれるエルシャに、エンブリヲは「これ以上手をかけさせないでくれ。私は忙しいんだ」と苛立ったように言い、立ち去った。

エルシャは泣き崩れた。

【ヒルダとロザリー】
アウローラ艦内、ヒルダとロザリーの相部屋。
ロザリーはヒルダに、ドラゴンと一緒に出撃すると言う。
クリスを殺すためなら、マリカの仇を討つためなら何でもするというロザリーに、ヒルダはかける言葉がない。
「何でこんなことになっちまったんだろうな…教えてくれよ、ヒルダ…私、バカだからわかんねえよ…」と言って泣くロザリーの肩を、ヒルダは無言で抱いた。

【ジルとジャスミン】
司令を解任されたジルの元を、ジャスミンが訪れていた。
ジャスミンは、ヴィルキスを撃墜したのはクリスであることを告げると、ジルは少し驚いている様子である。
ジルが、クリスをあまり高く評価していないことが伺える。

クリスがダイヤモンドローズ騎士団で活躍しているのは、ラグナメイルの性能だけでなく、自分に自信をもつことで本来持っている力が出せるようになっているところもあると思う。

ジャスミンが、敵は兵隊も隊長も優秀だと言うと、ジルはそっぽを向いて「何が言いたい」と不機嫌そうである。

サリアたちは元々はジルの部下であり、ジャスミンの言葉は、ジルへの皮肉ともとれる。
ジルは彼女たちの力を十分引き出すことができず、リベルタスを重視するあまり彼女たちの心に配慮をせず、道具扱いした。そのため彼女たちは、表面的には自分たちの心に配慮するエンブリヲに寝返ってしまった。
だがジャスミンの言葉は、ジルに全て委ねたとはいえ、ジルのやり方について来たジャスミン自身への反省もあるだろう。

おもしろく無さそうなジルに、ジャスミンは静かに言う。
サリアにもっと優しくしていれば、あの子が敵になることは無かったのではと。

無言のジルを残し、ジャスミンは立ち去った。

残されたジルは、かつてエンブリヲとの戦いに敗れ、ただ一人重傷を負いながらも生還した時、幼いサリアが自分のために涙を浮かべてくれたことを、仇をとると言ってくれたことを思い出していた。

【エンブリヲ、世界の破壊を開始】
マナ諸国では、突然マナが使えなくなった。
エンブリヲがアウラのエネルギーを全て世界再編作戦に投入しているためである。

このため制御を失った自動車があちこちで事故を起こす。
同時にビルでは火災が発生し、世界はいきなり混乱に放り込まれた。

その頃、マナ諸国の首脳陣は、エンブリヲと会見。
首脳たちは、自分たちが新世界の住人になれると信じて疑わず、脱出の方法を笑顔でエンブリヲに問う。
だがエンブリヲは「誰が諸君を連れて行くと言ったかね?」と言い放つ。

動揺する首脳たちに、エンブリヲは「新たな世界は賢い女達が作る。出来損ないどもは、世界を混沌にした責任をとりたまえ」と言い、困惑を黙殺する。
そして、出席者たちは次々とドットに分解されて姿を消していった。

【エルシャとクリス】
雨の中、エルシャはスコップを握り、ミスルギ皇宮の庭に、亡くなった子供たちの人数分の墓穴を掘った。
そして子供たち一人ひとりを埋葬し、一人ひとりの墓標をたてて名前を刻み、それぞれの子供が好きだったものを墓前に備えた。一人には熊のぬいぐるみを、一人には花を、一人にはスケッチブックを。

埋葬を終え、バルコニーに立ち尽くすエルシャを、クリスが呼びに来た。作戦がはじまるという。

だがエルシャは、子供たちを亡くしたことで、改めて自分自身とは何なのか、見つめなおし考えることを突き付けられていた。

エルシャは思う。
自分には、子供たちしかいなかった。だから利用されたのだと。
エルシャは自分自身を「何もない…浅くて薄くて…ちょろい女」と自嘲する。

そしてエルシャは暗い笑みを浮かべ、クリスに問う。
「いいの?このまま友達を…ヒルダちゃんとロザリーちゃんを殺すことになっても?」

クリスは、ロザリーとヒルダの名を聞くと怒り出し、「望むところだけど?!」と言い放つ。
エルシャは「そう…」と言い残し、ロザリーとヒルダを思い出して怒るクリスを残して立ち去った。

間もなく、エルシャはラグナメイル・レイジアで脱走した。
そして機首に白旗がわりの白いブラジャーを括りつけて、アウローラに通信で呼びかけ、投降の意志を伝えた。

【アンジュ、孤島に辿り着く】
自動操縦の小型飛行機で、アンジュはある島に辿り着いた。
そこは、かつてヴィルキスが墜落した時に漂着し、タスクと過ごした島だった。

島の小屋は、以前と同じままである。
アンジュは、タスクを、モモカを失ったことに打ちひしがれ、心には絶望しかない。
そしてアンジュは、タスクの日記を見つけた。
そこには、最後の仲間が死んで一人になってしまったことへの絶望。
アンジュと出会ったことの喜び、アンジュを守ることが自分だけの使命と思い定めたことが書き綴られていた。

アンジュはタスクの愛情の深さを知り、モモカを想い、改めて絶望に打ちひしがれ、銃を自分自身に突き付け、引き金に指をかけた。
だが母が、モモカが、タスクが自分を守ってくれたこと、これまで出会った仲間たちのことを、多くの戦いと絶望を乗り越えてきたことを思い出すと、どうしても引き金を引くことができない。

海辺で沈む太陽を眺めながら、アンジュは悲しみにくれていた。
すると背後に若い男性が現れ、明るく声をかけて来た。
何とタスクである。

タスクは笑顔なのだが、アンジュは「タスクは死んだわ!これはエンブリオの見せてる幻」と言い、なかなか信じようとせず、タスクを引っ叩くのである。
タスクは殴られても笑顔で「俺は生きてるよ」と語りかける。
するとアンジュは「確かめるわ」というと全裸になってタスクを押し倒し、そのまま一夜を過ごすのだった。これでアンジュは、タスクが生きていることを確信出来たようである。

そして翌朝、小屋に戻るとモモカが笑顔で出迎えた。
目を丸くするアンジュに、モモカは懐から銃弾のめり込んだフライパンを取り出す。
エンブリヲに撃たれた時、服の中にこのフライパンを忍ばせていたので助かったのだと言うモモカである。
アンジュはモモカを抱きしめ、モモカが生きていたことを喜ぶのであった。

だがモモカの、マナの力が使えなくなったという言葉にアンジュとタスクは何事かを直感。
そして突然雷鳴が轟き始める。
海を見ると、地平線の彼方には巨大な黒雲が巻き起こり、稲妻が見える。
二人は、エンブリヲがいよいよ世界の破壊と再生を開始したことを理解した。

アンジュは、タスクの亡き母のライダースーツを身にまとっていた。
まずはヴィルキスを回収に行こうと言うタスクに、アンジュはその必要は無いというと右手をあげ、「おいで、ヴィルキス」と呼びかけた。
するとヴィルキスが目の前に瞬間移動して出現した。

【予告】
次回「ゆがむ世界」

不死身のエンブリヲを、アンジュたちはどうやって倒すつもりなのだろうか。
そして、サリアとジル、クリスとロザリーそれぞれの対決の行方はどうなるのだろうか。
次回も注目したい。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第21話「遺されるもの」

  • 2015/03/01(日) 23:59:15

【感想概略】
今回は、ヒルダたちがアンジュ救出作戦を決行、アンジュはエンブリヲの元からの脱出に成功するが、その代償はあまりにも大きかったというお話であり、見応えがあった。

メカ戦では、ミスルギ皇宮の上空でのサラの率いる龍神機部隊とラグナメイル部隊との戦い、そしてラグナメイル「テオドーラ」とヒルダの率いるパラメイル部隊の戦いが描かれ、迫力があった。
特に、クリスの駆るテオドーラと、ヒルダの駆るアーキバス・ヒルダ・カスタムとの戦いは、絶対兵器ラグナメイルに、極限までチューンアップされた現用機でいかに立ち向かうかという面白さがあり、見応えがあった。

モモカとタスクを失ったアンジュはどうなるのか、クリスに後輩を殺されたロザリーとヒルダはどうなるのか、子供たちを失ったエルシャはどうなるのか、リベルタスの行方はどうなるのか。
次回にも注目したい。

【アンジュ救出作戦、発動】
前回、アウローラではジル司令が失脚、ヒルダが新司令となった。
一方、ミスルギ皇宮ではアンジュとモモカがヴィルキスでエンブリヲの元から脱走した。
だがアンジュはラグナメイルの猛追を受け、追い詰められれてしまう。
その時、サラが龍神機三機で出現。
アンジュに味方し、ラグナメイル部隊の前に立ち塞がった。

そして今回、アウローラのヒルダたちはアンジュ救出作戦を発動した。
タスクによると、人間の世界は、防空はエンブリヲ頼みで大した戦力は無く、侵入は難しくない。
問題は、サリアたちのラグナメイルである。

これにヒルダは作戦を考案、詳細を説明する。
まずヒルダとロザリーは、パラメイルでミスルギ皇国に侵入、敵ラグナメイルをおびき出し、陽動を行なう。

その隙にヴィヴィアンはミスルギ中枢を強襲。アンジュとヴィルキスを捜索し、見つけ出す。
ヴィヴィアンは匂いでアンジュの所在が分かるそうなのだが、これはドラゴン特有の超感覚だろうか。

そしてアンジュの位置を確認したら、タスクは超低空から侵入、アンジュを助けだし、ヴィルキスに乗せて敵地を離脱する。
なおパラメイル隊の新兵三人は、国境近くの空域で待機、アンジュとヴィルキスの脱出を援護する。

新兵三人は、「人間の世界に飛ぶなんて、初めてで…」と言い、不安を隠せない。
するとロザリーは、「安心しな、アタシもはじめてだ」と笑う。
ロザリーも本当は怖いのだが、後輩たちを気遣い、安心させようとしており、いい先輩だとおもう。

そしてヒルダの率いるパラメイル6機とタスクの搭乗する小型飛行機はアウローラを飛び立った。

【サラ、ナーガ、カナメVSダイヤモンドローズ騎士団】
ミスルギ皇都上空では、サラはアンジュと通信機で通話。
「しばらく見ないうちに、随分みすぼらしくなって。それに、風下だと何だかにおいますわ」などと軽口をたたくのだが、これはサラなりに、疲弊した様子のアンジュを気遣っているのだろう。

そしてサラはアンジュに「お風呂にでも入っていらしたら?ここは私が引き受けますので」と言い、この場は自分たちに任せて脱出するよう申し出た。
これにアンジュは、サラたちに感謝すると背後を委ねてヴィルキスを急加速、脱出を開始した。

サラはアンジュを見送ると、目の前のラグナメイルに襲いかかる。
アンジュ脱出の援護だけでなく、アウラを奪還するつもりなのである。

ダイヤモンドローズ騎士団は、思わぬ新手の出現に対し、4機の戦力を二手に分けた。
まず3機は、サラの率いる龍神機と戦う。
そしてクリスの駆る1機が、アンジュを追撃する。

【ヴィヴィアン、アンジュを発見】
ミスルギ皇国上空に突入したヒルダたちは、既に戦闘が開始されていることに気付いた。
その時、ヴィヴィアンは「アンジュいたぁぁ!」と叫び、アンジュの存在を感じる方向へ向けて飛翔、ヒルダとロザリーもこれに続く。

間もなく、ヒルダもアンジュがヴィルキスで接近していることを確認し、「助けに来たぞ、アンジュ」と通信機で呼びかけた。
アンジュもヒルダの声を聞いて表情を明るくする。

一方、クリスはラグナメイルを駆逐形態に変形すると着地。
ロングレンジライフルを構えてヴィルキスの翼に狙いを定め、発砲した。

その時、ヴィルキスの装甲が赤くなり、光学障壁を展開、光線砲の狙撃を弾き飛ばした。
だがこれでエネルギー不足に陥ったのか、ヴィルキスの動力は停止、急降下をはじめた。

【クリスVSヒルダ】
失速したアンジュを追うクリスの前に、ヒルダたちがパラメイルで立ち塞がった。
道を譲るよう迫るクリスに、ヒルダは「アンジュは私が貰ってく、邪魔すんな」と言い、一歩も退かない。

これにクリスは「へぇ…助けに来たんだ…私のことは、見捨てたくせに」とつぶやき、怒りを色を見せる。
クリス機は抜刀、ヒルダ機と斬り結ぶ。

絶対兵器ラグナメイルに、ヒルダは極限までチューンアップしたとは言え現用機で立ち向かうが、全く危なげが無い。
刃を押し合うヒルダはクリスに、「アンタが私に勝てると思ってんの?」と言う。
これにクリスは「私のことなんて、弱くて使えないゴミ人形くらいにしか思ってないんでしょ?」と言い、更に暗い怒りを燃え上がらせる。
一方ヒルダは、クリスをそんな風には思っていないようで、「はぁ?」とクリスの発言が心底意味不明な様子である。

クリスは凶悪な笑みを浮かべて「邪魔すると、殺すよ」と言い、機体から殺気を放つ。
ヒルダは「やってみろよ」と不敵に笑い、クリス機と斬り結びながらタスクに通信、ヴィルキス墜落を伝え、アンジュ救出を頼んだ。

【モモカ、アンジュを蘇生】
街外れの川の畔では、モモカがアンジュに人工呼吸を行なっていた。
ヴィルキスは川に墜落し、エンブリヲの拷問で衰弱したアンジュは溺れてしまい、呼吸停止に陥ったようである。

モモカが根気よく人工呼吸を繰り返すと、アンジュは咳き込んで水を吐き出し、目を覚ました。見ると、川にはヴィルキスが浮かんでいるが、徐々に沈みつつある。

アンジュはとりあえずヴィルキスを残し、モモカの肩を借りて脱出を再開、アウローラと合流するため、海を目指す。

【アンジュとモモカ、海を目指す】
アンジュとモモカは街に潜り込み、路地裏に隠れた。アンジュはすっかり衰弱しており、もはや徒歩での脱出は困難である。
モモカはアンジュを休ませ、移動のための自動車を探しに出かけた。

ようやく一息つけたアンジュだが、その前に、人形を抱いた女の子が現れた。
そしてエンブリヲの声で「疲れただろう?アンジュ」と声をかけた。
何と女の子の脇の空中には四角い画面が浮かび上がり、エンブリヲの姿が映し出された。
アンジュは驚愕して立ち上がり、女の子から後ずさる。

一方タスクは、ヴィルキスの墜落地点の川に駆けつけた。
そしてヴィルキスが川に沈んだこと、街へ向かう足跡を確認し、アンジュとモモカの後を追った。

【クリス、長年の恨みを明かす】
ミスルギ皇都上空では、クリスがロザリー達を攻撃。
ロザリーは防戦しながらクリスに必死で「待ってくれクリス、なんでアタシ達が殺し合わなきゃいけないんだよ」と訴える。

だがクリスは「人のこと見殺しにしておいて…」と言い、全く聞く耳を持たない。
ロザリーは「あの時は、助けに行きたくても行けなかったんだ」と訴えるが、クリスは「助ける価値もないから、でしょ?」と言い、ロザリーを全く信じようとしない。

クリスは機体をホバリングして空中で静止。
ラグナメイルを飛翔形態に変形して姿を見せると、お下げ髪をまとめている赤い髪留めを見せ、「これ、憶えてる?」とロザリーとヒルダに問うた。

そしてクリスは、長年積りに積もった、ヒルダとロザリーへの恨みをぶちまけ始めた。

赤い髪留めは7年前のフェスタの時、三人でプレゼント交換した時にもらったものである。
当時クリスはお下げ髪を二つ結っていたが、髪留めはひとつ。
どうしようかと思案するクリスに、ヒルダは「お下げ、一つにしちゃえば?」と何の悪気もなく言い、クリスは笑って受け入れたのだが…。

「酷いよね…あの髪型気に行ってたのに」とクリスは言い、ラグナメイルのコックピットからヒルダに怒りの目を向けた。

このクリスの怒りは、ヒルダにはあまりピンと来ないようである。
ヒルダは、自分の発言を人がどう思うか、自分がどう思われるかをあまり気にせず、人に自分の提案を退けられてもあまり気にしない(ジル司令にアンジュ救出を提案して却下された時も、納得しないが、傷ついたりはしなかった)。

またヒルダは、大抵のことは3日も経てば過ぎたことになってしまい、あまり気にしないように思える(アンジュとアルゼナルを脱走した時、アンジュはヒルダから受けた嫌がらせの数々を恨み、ヒルダを置いていこうとしたが、ヒルダは「そんな昔のこと」をアンジュがまだ怒っているとは思わなかった)。

ヒルダは、デリカシーに欠けるところがあるが、悪気がある訳でなく、クリスがどうして自分たちに激怒しているのか、なかなか理解できない。

【クリス、ロザリーとヒルダに怒りをぶつける】
クリスはこれまでの我慢の数々を思い出しながら、「ずっとずっと我慢してた…何でも受け入れようとしてた、アンタ達のわがままも、自分の立ち位置も…友達だと、思ってたから…」と言い、初めて二人に本心を明かす。
だが「なーんて、わかるわけないか」と自嘲的に笑い、「人の気持を考えない女と、何も考えていないバカに…」とヒルダとロザリーを拒絶する。

そして「でも、エンブリオ君は違うよ…」と言う。
エンブリヲは、友達の和を守るためクリスが自分を犠牲にしてきたことを理解してくれた、危険な戦場で死にかけているクリスを命がけで助けてくれた、そして友達になってほしいと言ってくれたのだと。

クリスはエンブリヲに与えられた指輪を見せると「これが、永遠の友情の証」と言い、赤い髪留めを外すと投げ捨て、「あんた達は、友達なんかじゃなかったんだ!」と叫び、ヒルダとロザリーに猛然と襲いかかった。

【モモカ、操られる】
アンジュはモモカの運転する自動車で逃走を続けていた。

突然、モモカは虚ろな目でアンジュの方を向いた。
そして空中に画面が出現し、画面の中からエンブリヲがアンジュに語りかける。
「忘れたのかね?この人間達を作り出したのが誰なのか」

アンジュは空中の画面を殴って粉砕。
するとモモカは正気を取り戻すが、よそ見運転状態で走行していたため、自動車は街灯に激突して停止、衝撃でモモカは意識を失ってしまう。

アンジュは気を失ったモモカを自動車から下ろす。
ところが、虚ろな目をした街の人々が、アンジュとモモカに近づいてくる。
人々の頭上には、四角い画面が浮かび、その中でエンブリヲが冷笑を浮かべているのである。

アンジュはモモカを抱え、人々から逃げ出した。

【サラたち、戦場を離脱】
ミスルギ皇宮上空では、サラは三機の龍神機を率い、ラグナメイル三機と激戦を繰り広げていた。
攻防は一進一退であり、負けることはないが、勝つことも出来ない。

サラは現有戦力でのアウラ奪還は不可能と判断し、ナーガとカナメに撤退を命じた。
そして、バルコニーからサラたちの機体を見上げるリィザに、語りかけた。
「リィザ、あなたは合流するのです。あなたに何があったのか、今は問いません。
ですが、多くの仲間を死なせたことを悔やんでいるなら、より多くの仲間を救うため、共に戦いなさい」

その時、シルヴィアが小銃を持って現れ、リィザに地下牢に戻るよう言い渡す。
リィザはシルヴィアを一瞥すると「哀れな子…あなたのお兄さんを殺したのは、あの男だというのに」と言い残し、翼を広げて空に飛び立つ。そしてカナメの駆る碧龍號につかまり、サラたちと共に去った。
一方残されたシルヴィアは、リィザの言葉に動揺するのだが、実はエンブリヲに何か疑念を抱いているのだろうか。

そしてエルシャは、世話をしていた子供たちが戦闘に巻き込まれ、変わり果てた姿で横たわっていることに気付き、言葉を失っていた。

【アンジュ、エンブリヲの元に誘導される】
アンジュとモモカは、エンブリヲに操られた街の人々から逃走。
ビルに走りこみ、階段を駆け上がるが、行く先々に街の人々が現れ、アンジュを捕らえようとする。

エンブリヲはアンジュに語りかける。
「逃げられないよ、アンジュ。賢明な君なら、薄々気付いているのだろう?
マナを使う人間たちは全て、私の支配下にある。その次女が、近くにいる限り…」

つまり、モモカと一緒にいる限り、アンジュの居場所はエンブリヲに筒抜けということなのだが、それでもアンジュには、モモカを置いて逃げる選択肢は無い。

ビルの屋上庭園に駆け込んだアンジュとモモカが見たのは、ベンチに腰掛け、読書しながらアンジュを待っていたエンブリヲである。
エンブリヲは本を閉じると立ち上がり、「またお仕置きが必要かな?」と言うのだが、さすがのアンジュもあの発狂寸前まで追い詰められた拷問を思い出し、恐怖で顔をひきつらせる。

その時、タスクが小型飛行機で飛来。
機銃でエンブリヲを蜂の巣にするとアンジュたちの前で停止、機体から降りた。
そしてタスクは、アンジュとモモカを機体で脱出させ、エンブリヲに立ち向かう。

【タスクVSエンブリヲ】
まずタスクは閃光手榴弾を投擲、強烈な光でエンブリヲの視界を一瞬封じ、その隙にエンブリヲの背後に回ってナイフで急所を刺す。
エンブリヲは倒れるが、次の瞬間にはサーベルを握って平然と立っており、有効な攻撃の出来ないタスクを見下して笑う。

タスクは手裏剣を取り出し、エンブリヲに投げる。
エンブリヲはサーベルで手裏剣を弾くが、その一瞬の隙にタスクはワイヤー銃を発射。
ワイヤー先端の金属部品はエンブリヲの右手首を貫通。
金属部品が開いて返しとなり、ワイヤーは外れなくなる。

これぞ、「死ぬ」と姿を消して別の場所に現れるというエンブリヲの技を封じる戦法である。
タスクはワイヤーでエンブリヲがこの場から移動出来ないようにし、アンジュが逃げる時間を稼ぐ。

【サラたち、ヒルダ隊と合流】
ミスルギ皇都上空では、ヒルダ、ロザリー、ヴィヴィアンがクリスの駆るラグナメイルと交戦していた。
ラグナメイルの性能は圧倒的なようで、第一中隊のトップエースであるヴィヴィアンも、クリスの強さに舌を巻いていた。

その時、ヒルダ機にタスクから、アンジュの保護を要請する通信が入った。
ヒルダは全機に撤退を命令、全機は飛翔形態に変形し、高速で離脱する。

だがクリスは執拗にヒルダたちを追跡、ロザリー機に照準を合わせ、引き金を引こうとする。
その時、新兵の一人マリカがパラメイルで飛来、クリス機を銃撃。
クリスは銃撃をかわすが、ロザリー機を攻撃し損なった。

マリカはロザリーを心配して居ても立ってもいられず、援護に来たのである。
新兵三人は、ヴィヴィアンの大ファンだが、ロザリーのことは面倒見の良い先輩として慕っているようである。

だがクリスは攻撃を邪魔されたことに怒り、ロザリーを援護して果敢に戦うマリカ機にラグナメイルで剣を投げた。
クリス機の剣は猛スピードでマリカを機体もろとも両断、マリカは即死し、機体は爆発四散した。

ロザリーは激怒、クリス機に襲いかかる。
その時、クリス機に何者かが牽制射撃した。
サラの駆る焔龍號である。

3機の龍神機の出現に、クリスは舌打ちすると戦場を離脱した。

【アンジュ、再びエンブリヲの元に誘導される】
ビルの屋上庭園では、タスクはナイフを握り、サーベルを振るうエンブリヲと斬り結んでいたが、エンブリヲを倒すことは出来ない。
エンブリヲは「無駄なことを」とタスクの戦いを嘲笑する。

これにタスクは「無駄じゃないさ、ハイゼルベルグの悪魔。不確定世界の住人。少しでもお前の足止めが出来るならな」と不敵に笑う。
エンブリヲの右手首には依然としてワイヤーが突き刺さっており、さすがのエンブリヲも、これを抜かない限り移動できないようである。

タスクの言葉にエンブリヲは「ほう、サルも少しは賢くなったか」と笑うが、「だが、所詮はサル…」と言いながら拳銃を取り出すと自分のこめかみに発砲、血を吹き上げて倒れた。死んで移動する技の発動である。

一方、アンジュとモモカは小型飛行機で逃走を続け、ついに海岸まで到達する。
だが突如モモカが正気を失ってアンジュに組み付いた。

眼下のテラスには、紅茶を口にするエンブリヲが見える。

【モモカ、エンブリヲの術を破る】
正気を失ったモモカは、機体を無理やりエンブリヲの元へ着陸させた。
目の前にはエンブリヲ、そして背後のモモカは操られており、アンジュは絶対絶命である。

そこへタスクが駆けつけ、エンブリヲにアンジュの解放を要求する。
だがエンブリヲの動きに警戒するタスクに、モモカがサーベルで襲いかかった。

タスクは驚きながらもナイフでモモカの斬撃を防ぐが、ナイフを弾き飛ばされてしまう。
さらにモモカは、猛スピードで無数の突きをタスクに繰り出す。
タスクは致命傷は回避するが、身体のあちこちを切り刻まれてしまう。

アンジュはモモカに、タスクへの攻撃を止めるよう呼びかけるが、モモカは全く反応しない。
エンブリヲは「無駄だよ。創造主の命令には抗えない」と笑う。

エンブリヲに操られ、タスクに止めを刺そうとするモモカに、アンジュは必死で「目を覚ましなさい、モモカ!」と叫んだ。

アンジュの叫びに、正気を失っていたモモカが反応。
アンジュと過ごした日々を次々と思い出し、正気を取り戻していく。

そしてモモカはタスクにアンジュを託すとサーベルを構え、「逃げて下さい、姫さま」と叫び、エンブリヲに突進した。

モモカが術を破ったことにエンブリヲは少し驚きながらも冷笑を浮かべて拳銃を発砲。

銃弾はモモカの右胸に当たるが、モモカは怯まず突進。
マナの力で身体能力を高め、エンブリヲをサーベルで刺し貫いた。

さらにモモカはマナの力で自動車を動かし、エンブリヲに激突させた。
モモカは、自動車もろとも崖下の林に落下した。

動揺するアンジュをタスクは抱きかかえ、小型飛行機の座席に座らせた。
その時、エンブリヲが平然と姿を見せてタスクを銃で撃ち、冷笑する。
「いやいや…驚きだよ。ホムンクルスたちの中に、私を拒絶するものがいたとは」

【タスク、アンジュを逃がす】
アンジュは激怒。
エンブリヲに襲いかかろうとする。

だがタスクは、アンジュの腕を手錠で小型飛行機に固定。
さらに自動操縦をセットしてロックした。
そして「君は生きるんだ。必ず帰るから、君のところに」と言い、制止するアンジュに口づけし、ペンダントを渡すと無理やり発進させた。タスクは笑顔でアンジュを見送った。

エンブリヲは「下郎が…」と吐き捨ててタスクに発砲。
タスクは被弾して膝をつくが、「しつこい…男は…嫌われるよ!」と叫び、身体に巻きつけていた爆弾を起爆した。

小型飛行機で遠ざかるアンジュは、背後に巨大な爆発を見た。


【予告】
次回「Necessary」

モモカとタスクが大変なことになってしまった。
アンジュはこのショックからどうすれば立ち直れるのだろうか。
クリスも後輩を殺してしまったが、ロザリーたちはどうすればクリスと和解できるのだろうか。

次回も注目したい。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第20話「神の求魂」

  • 2015/02/22(日) 20:43:55

【感想概略】
今回は、精神を破壊されそうになっても決して屈しないアンジュの気合と根性、かつてアンジュを陥れたリィザにすら優しいモモカの人間性、ヒルダとロザリーがそれぞれの想い人を取り返すことを決意する姿が描かれ、ジル司令が全てを仲間たちに明かしヒルダにリーダーの座を委ねる姿が描かれ、アンジュにどれほど嫉妬してもアンジュを助けるサリアの姿が描かれ、おもしろかった。

そしてラスト、アンジュとモモカの絶体絶命の危機に、サラが焔龍號を駆り、蒼龍號と碧龍號を率いて駆けつける場面は、かつての「最強の敵」が「頼もしい味方」となってピンチにかけつけるという、正に少年マンガの王道といえる燃える展開であり、見ていて精神が高揚した。


【タスクとヴィヴィアン、アウローラの独房に収監】
前々回、アンジュ、ヴィヴィアン、タスクは、ラグナメイルを駆るエルシャとクリスからアウローラを守るために激戦を展開。
アウローラは海中に潜行してラグナメイルから逃れるが、アンジュとモモカは捕まり、ヴィヴィアンとタスクは機体を損傷した。

そして今回、タスクとヴィヴィアンは、救助要請を発信してアウローラに回収されたのだが、ジル司令はアンジュを逃したタスクに激怒。タスクとヴィヴィアンを独房に放り込んだ。

ヴィルキスがなければエンブリヲを倒せず、リベルタスはもう終わりだと怒り心頭のジル司令に、ヒルダはアンジュ救出を提案する。
だがジル司令は、逃げ回るだけが精一杯という戦力でどうやってアンジュを奪い返すのか、仮にアンジュを奪還してもアンジュは自分の命令には従わないと言い、ヒルダの提案を却下した。そしてアルゼナルに向かうことを命じ、補給を行なってから今後の作戦を通達すると言い渡す。

一方ヒルダは、戦力不足は認めるが、アンジュが言いなりにならないことに怒るジル司令には納得できない様子である。

【エンブリヲ、アンジュに求婚】
ミスルギ皇国の皇宮では、アンジュはモモカを伴い、エンブリヲに招待され、彼の元を訪れていた。
アンジュはテーブルにつき、エンブリヲの淹れた紅茶を口にするが、モモカの淹れてくれた紅茶の方が何百倍もおいしいと一蹴、要件を早く言うよう促す。

するとエンブリヲは「君を妻に迎えたい」とアンジュに申し出た。
これにアンジュは「はぁ?」とバカにしたような表情を浮かべる。
一方、窓の外で聞き耳を立てるサリアは嫉妬と怒りに表情を歪める。

エンブリヲは、自分は妻の願いを叶え、世界を壊そうと言う。
そして人類再生の計画について語り始めた。

かつてエンブリヲは、欲のために戦争を繰り返す、旧世界の人類に絶望した。
そして人類を争いを好まぬように作り変え、マナの力と物に溢れた世界を与えた。

だが今度は人類は堕落してしまった。
与えられることに慣れ、自ら考えることを放棄し、誰かに命じられれば簡単に差別し、虐殺さえ行なうありさまである。

エンブリヲは、人間は何も変わっていない、本質的には邪悪で愚かなままなのだと思い、今の人類にも失望した。だが自分とアンジュの生み出す人類なら、きっと正しく良きものとなるはずだと言うのである。

アンジュは、どうやって世界を壊すつもりなのか問う。
するとエンブリヲは語り始めた。
ミスルギ皇国に伝わる歌「永遠がたり」は、宇宙を支配する法則をメロディに変換したものである。「永遠がたり」の旋律をラグナメイルで増幅し、アウラのエネルギーを使って平行宇宙の二つの世界を一つに融合し、一つの地球に作り直すのだと。

以前、ドラゴンたちの地球で、アンジュはサラと、都を襲った不可思議な竜巻に立ち向かい、ヴィルキスと焔龍號による収斂次元砲の砲撃で竜巻を消滅させ、人々を守ったことがあった。実はあの竜巻は、地球の融合の実験だったとエンブリヲは明かす。
つまりエンブリヲの言うように、二つの世界を一つに融合することは、いま生きる人類の抹殺を意味するようである。

【アンジュ、求婚にナイフで返答する】
このエンブリヲの求婚に、アンジュは行動で応えた。
まずエンブリヲの手を掴むと小型ナイフで手の甲を突き刺し、テーブルに縫い付ける。アンジュはテーブルに飛び乗ると足で小型ナイフを踏みつけ、エンブリヲの手をさらに深く刺す。
「この世界に未練はないわ。でも、あなたの妻になるなんて死んでもゴメンなの!」

そしてアンジュはエンブリヲの前髪を乱暴に掴むと無理やり顔をあげさせ、「調律者さん、あなたが死になさい!」と言うと、ナイフでエンブリヲの喉を掻き切った。
エンブリヲは血を吹き出して倒れた。

ところが次の瞬間には、エンブリヲはアンジュのそばに平然と立ち、「血の気の多いことだ」と言って笑みを浮かべるのである。
そしてアンジュのこめかみを指で軽く突くと、アンジュは絶叫を上げて倒れ、全身に脂汗を浮かべて苦しみ始めた。何とアンジュの痛覚を五十倍にしたのだという。

次にエンブリヲは、アンジュの額を軽く突く。
するとアンジュは頬を紅潮させて熱っぽい表情を浮かべ、胸と股間に手を回し、全身を汗ばませて身をよじり始めた。
モモカは慌ててアンジュに駆け寄って助け起こすが、アンジュは潤んだ瞳でモモカに「もっと触って…」と言う。
今度は痛覚を全て快感に変換したというエンブリヲである。

モモカは怒り、エンブリヲにアンジュを今すぐ元に戻すよう要求する。
だがエンブリヲは冷笑を浮かべると、アンジュとともに一瞬で姿を消した。

【ヒルダとロザリー、アンジュとクリスの奪還を誓う】
アウローラ艦内のヒルダとロザリーの相部屋では、ロザリーはヒルダのベッドに潜り込んでヒルダに口づけし、「いいだろう?」と誘う。

だがヒルダはロザリーに謝り、気分じゃないと拒んだ。
ヒルダの反応に、ロザリーはヒルダのアンジュへの想いを確信した。
そしてロザリーもまた、クリスへの想いを打ち明けた。

するとヒルダは、ロザリーに手を差し伸ばす。
「取り戻しに行こうぜ。クリスも、アンジュと一緒に」

ロザリーはヒルダの手をとり、自分たちの想い人を取り戻すことを決意した。

【ヒルダ、タスクに協力を求める】
アウローラの独房で眠るタスクは、何者かが自分に馬乗りになっていることに気付いて目を覚ました。
何と下着姿のヒルダである。
ヒルダは、タスクのことを見境なくアンジュの股間に顔を埋めるケダモノだと思っている。
そこでアンジュ救出に成功したら自分の身を差し出すことを条件に、力を貸してほしいと申し出たのである。

だがタスクは「やめてくれ!」と言いながらヒルダを押しのけた。
思わぬ反応に少し驚くヒルダに、タスクは激しく狼狽しながら、初めてはアンジュと決めている、いや戦いが終わるまでエロスはご法度、いや騎士として色仕掛けには屈しない、いやそもそもセクハラと言われることは全て事故で自分にやましいつもりはないと必死で訴えるのである。

これにヒルダは「要はただのヘタレってこと?」と言うと大笑し、タスクはアンジュを大事におもう純情な少年であることを理解した。
そして改めてタスクに、アンジュ救出に力を貸してほしいと申し出、ジル司令はどうも信用出来ないと打ち明けた。

その時、アウローラが突然浮上を開始した。

【ジルVSヒルダ、ロザリー、ヴィヴィアン、タスク】
アウローラのパラメイル格納庫に、パラメイルライダー姿のジル司令が現れた。
そこにヒルダが現れ、「あ~ら司令、お出かけ?」と声をかけた。
さらにロザリー、ヴィヴィアン、タスクも姿を見せる。
そしてヒルダは、ジル司令がうなされ、「エンブリヲ様」とつぶやくのを聞いたこと明かした。

するとジル司令はヒルダに牽制射撃。
ヒルダたちが身を隠した隙にパラメイルに飛び乗り、発進シークエンスを開始しようとする。

これにヒルダたちは、束になってジル司令に立ち向かう。
まず機上のジル司令を、ヒルダが右から、ロザリーが左から牽制射撃。
そしてジル司令の注意がロザリーに向いた隙に、ヴィヴィアンが機上のジル司令に飛びついて引きずり下ろす。
ジル司令はすぐに立ち上がるが、タスクが先端にオモリのついたワイヤーを発射。ワイヤーはジル司令の鋼鉄の右腕に巻きつき、行動を制限する。
そしてヒルダとロザリーが二人がかりでジル司令の足に組み付いて押し倒し、銃を突きつけた。

【モモカ、リィザを介抱】
モモカはミスルギ皇宮内で、根気強くアンジュを探していた。
すると女性の悲鳴と、鞭打つ音が聞こえてきた。
覗きこむとそこは拷問部屋であり、リィザが両手を拘束されて釣りされげられ、シルヴィアに鞭打たれていた。
実はシルヴィアは、美しい女性を痛めつけたい、苦痛に表情を歪ませ、悲鳴をあげさせたいという欲求を以前から抱いており、リィザに対してその欲求を爆発させているのかもしれない。

やがてシルヴィアは立ち去り、吊り下げられたまま気絶したリィザが残された。
モモカは拷問部屋に忍び込み、リィザを床におろして横たわらせ、楽になるよう上半身を抱きかかえ、意識朦朧とするリィザに水を与えた。

リィザは夢中で水を飲み干すとようやくモモカに介抱してもらっていることに気付き、「どうして…」と問う。

モモカは厳しい表情で「ジュリオ様と一緒にアンジュリーゼ様をおとしめたこと、忘れていません」と言う。そして「だから、アンジュリーゼ様に謝ってください。それまでは絶対死んではダメです」と言い、屈託のない笑みを浮かべる。

リィザはモモカに心を動かされ、アンジュが捕らえられていると思われる場所をモモカに教えた。

【ジル、全てを明かす】
アウローラの一室、左腕を手錠でベッドに拘束されたジル司令は、ジャスミン、マギ軍医、ヒルダ、ロザリー、メイ、タスクたちに、かつてのエンブリヲとの戦いで、エンブリヲの術に堕ちて身も心も奪われたこと、そしてジルを助けるために仲間たちがみな死んだこと、自分にできる弔いはエンブリヲを殺すことなのだと、初めて明かした。

これにマギ軍医は怒り、ジルを引っぱたいて叫ぶ。
「アタシはあんただから一緒に来たんだ。あんたがダチだから…ずっとついて来たんだ。なのに、利用されてただけなんてさ…何とか言えよ!アレクトラ!」

激怒し、深く傷ついている様子のマギ軍医であるが、ジルを深く思えばこそだろう。
そして黙って殴られるジルは、マギ軍医を、仲間たちを傷つけてしまったことを申し訳なく思うと同時に、長年誰にも言えず一人で抱え込んでいたことを知ってもらうことが出来、すっきりしているように見えた。

ジャスミンはマギ軍医をなだめ、かつてエンブリヲの術に堕ちたことのあるジルをボスに据えてはおけない、指揮権を剥奪すると言い渡した。
これにジルは同意し、次期リーダーにヒルダを指名、「お前なら、間違えたりしないだろう…」という。
ヒルダは驚くが、ジルに敬礼し、指名を受け入れた。

ジルは、エンブリヲは今、アンジュという新しいオモチャに夢中になっており、隙が出来ている、今が攻める好機と言う。ヒルダたちは、実はジルはエンブリヲを一人で討ちに行くつもりだったことを理解した。そしてアンジュ奪還に行動開始するのである。

【エンブリヲ、アンジュを責める】
ミスルギ皇宮の一室でアンジュは床に転がされていた。
エンブリヲは椅子に腰掛けて紅茶を飲みながらアンジュの感覚を操り、ある時は激痛を与え、ある時は快感を与え、発狂寸前に追い詰めていた。
アンジュは絶え間ない苦痛のあまりエンブリヲに屈しそうになるが、すぐに正気を取り戻し「くたばれ、クズ野郎」とエンブリヲを罵倒。精神が壊れそうになっても決して屈服しようとしない。

エンブリヲはアンジュの強靭な精神力に感嘆して喜び、アンジュが屈するまでまだ時間がかかりそうだと思い、一仕事済ませてこようと考え、席を外した。二つの地球を融合して人類を抹殺する計画を、早速実行するつもりなのである。

【サリア、アンジュを逃がす】
すっかり衰弱したアンジュの前に、サリアが姿を見せた。
エンブリヲの術は永続するものではなく、時間が立つと解けるもののようで、今のアンジュに術はかかっていないようである。

サリアは、エンブリヲに求婚されたアンジュに激しく嫉妬したが、アンジュが苦しむことには耐えられず、アンジュを逃しに来たのである。

ヨロヨロと立ち上がったアンジュは、サリアの背後に回ると首に腕を回して締め上げた。見事な裸締めであり、サリアは頸動脈を圧迫されて気を失った。サリアはアンジュを逃したのではなく、逃げられたことを装うためであり、アンジュのサリアへのせめてもの思いやりである。

そこへモモカが駆けつけた。アンジュはサリアの服を脱がせて身につけ、モモカの肩を借りて脱走を開始するのである。

【サラ、アンジュ救出に駆けつける】
エンブリヲは、ミスルギ皇国地下の奥深くで、二つの地球を融合して人類を抹殺する作戦を実行しつつあったが、アンジュ脱走に気付いた。さすがのエンブリヲも舌打ちし、エルシャたちにラグナメイルでアンジュ捕獲を命じた。

アンジュとモモカは屋外に出るが、ラグナメイルを駆るエルシャに発見された。
二人は走ってラグナメイルから逃れようとするが、絶体絶命の状況である。

その時、アンジュの指輪が光るとヴィルキスが目の前に瞬間移動で出現した。
アンジュはヴィルキスに搭乗、モモカを席の後ろに乗せて飛び立つ。

だがアンジュは、エンブリヲの拷問から逃れたばかりでまだまだ回復出来るものではなく、エルシャ機、クリス機の追撃を振りきれない。

その時、上空にワープゲートが開き、光線砲がラグナメイルを牽制射撃した。
そして三機の龍神機が出現した。
サラの駆る焔龍號、そして蒼龍號、碧龍號である。

サラは焔龍號を駆り、ラグナメイルに襲いかかった。
「借りを返しに来ましたよ、アンジュ」


【予告】
次回「遺されるもの」

予告ナレーションでは、モモカとタスクが「死亡フラグかと思いました~」「俺たちが死ぬわけないよね!」などと明るく言っているのが不吉である。次回タイトルも不吉である。
次回どうなるのか、注目したい。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第19話「時の調律者」

  • 2015/02/15(日) 22:40:36

【感想概略】
今回は、まず冒頭のアンジュたちとラグナメイルの戦闘では、ヴィヴィアンがパラメイルでラグナメイル相手に互角の戦いを繰り広げ、久々に戦うヴィヴィアンの姿が見られてよかった。

そしてサリア、エルシャ、クリスそれぞれがエンブリヲ側に寝返った理由が描かれ、ジル司令の全く反省も改心もしない姿が描かれ、ヒルダがジル司令に違和感を感じつつある姿が描かれ、地下に閉じ込められたアウラが登場し、エンブリヲの人の心を読み、その人の最も望むものを与えるという能力の一端が明かされ、エンブリヲの術にも屈しないアンジュのド根性が描かれ、おもしろかった。

【ラグナメイル、アウローラを発見】
前回、ジル司令はモモカを人質にとってアンジュを脅迫、さらにアンジュを叩きのめすと首を締め上げ、命令に従うことを迫った。

以前からジル司令のやり方に疑問を抱いていたタスクは、ついにジル司令との決別を決意。密かに艦内に仕掛けておいた催眠ガスで乗員たちを眠らせてアンジュとともに逃げ出し、モモカを救い出し、アウローラの制御を一時乗っ取り、海上に浮上した。

だがジル司令は、自分の腿にナイフを突き刺し、催眠ガスで朦朧とする意識を無理やり覚醒させてアンジュを追ってきた。
これにアンジュはジル司令に一対一の決闘を挑み、激闘の末、ジル司令を倒す。

そしてヴィルキスを駆り、ヴィヴィアン、タスク、モモカとともにアウローラから飛び立った。ノーマ解放のため、アンジュによるリベルタスを行なうため、まずはサラの元を目指す。
だがアウローラ浮上はラグナメイルを駆って偵察中のサリア、エルシャ、クリスに感知されてしまう。

【アウローラ防衛戦】
そして今回。
エルシャとクリスはラグナメイルを駆り、アウローラに襲いかかる。
これにアンジュ、ヴィヴィアン、タスクはそれぞれ自機を駆り、ラグナメイルの前に立ち塞がった。

ラグナメイルはタスク機にワイヤーを射出、命中。
タスク機はバランスを崩すが、ヴィヴィアンはパラメイルを駆り、空中でタスク機を抱きとめた。続けてブーメランをクリス機に投げて牽制する。

だがエルシャ機が、タスク機を抱えたヴィヴィアン機を砲撃。
ヴィヴィアン機は被弾、モモカが振り落とされてしまう。
モモカは落下しながらマナの力を発動、減速するとゆっくり降下していく。

一方アウローラでは、ジャスミンが舵を握って操船。
意識を取り戻した主任オペレーターのパメラに潜行を指示した。
アウローラは潜行開始し、海中に姿を消した。

なおも海中に砲撃するクリス機に、アンジュはヴィルキスで銃を向けて牽制。
アンジュは、エルシャとクリスを敵とは思わず、なぜ仲間のいる船を攻撃するのか問う。
だが、エルシャもクリスもアンジュの呼びかけには応えず、撤退してしまう。

敵影が消え、モモカの無事を喜ぶアンジュだが、この一瞬の隙に何者かがヴィルキスを攻撃、コックピットハッチを弾き飛ばした。サリアの駆るラグナメイル「クレオパトラ」の仕業である。

ハッチを失い、むき出しとなったアンジュをサリアが銃撃。
アンジュは空中に投げ出され、意識を失った。

【アンジュ、ミスルギ皇宮で目覚める】
アンジュはモモカの声に目をさますと、自分がかつての住まい、ミスルギ皇国の皇宮の自室にいることに気付いた。そして胸を見てサリアが撃ったのは麻酔弾と知り、少し屈辱を感じているようである。

アンジュはモモカの無事を喜び、ヴィヴィアンとタスクの安否を案ずるが、「お二人はお強いですから」というモモカの言葉に励まされ、二人の無事を信じることにした。

そして机の引き出しを開けるとペーパーナイフ、万年筆など、尖っていて武器になりそうなものを取り出す。
これらを武器に、立ち塞がる者を叩きのめし、エンブリヲの元を目指そうというのである。
敵の本拠地に連行されたことを逆手にとり、敵の大将エンブリヲの首を狙う、実に前向きなアンジュである。

だがそこに、サリアがターニャとイルマを率いて現れた。

【サリア、エンブリヲに心酔】
アンジュは、エンブリヲを「エンブリヲ様」と呼ぶサリアに、「何があったの?あんなに司令が大好きだったあなたが?」と問う。
するとサリアは語りだした。
サリアはアンジュに海に落とされた後、エンブリヲに救助され、高く評価され、世界を変えるという大事業に力を貸してほしいと頼まれたのだと。

そしてサリアは、胸を張ってアンジュに言うのである。
「私は見つけたの、本当に守るべき人を。エンブリヲ様の親衛隊、名付けてダイヤモンドローズ騎士団。私が騎士団長のサリアよ」

すっかりエンブリヲに心酔するサリアだが、無理も無い気がする。
それまでサリアは、幼い頃から慕ってきたジル司令のため、ずっと頑張ってきたのに、認めてもらえず、愛してもらえず、アンジュには敵わないと自信喪失し、すっかり傷ついていた。

だがエンブリヲはサリアを高く評価し、エンブリヲの事業に是非とも力を貸してほしいと頼んだ。
自分を評価してくれること、大きな仕事を任せてくれること、そして自分を愛してくれること、これこそサリアが望んだものなのである。

だがサリアが本当に愛してほしいのは、やはりジル司令だろう。
いずれサリアは、今の状況に疑問を抱くようになるのではないか。

【アンジュ、ダイヤモンドローズ騎士団を叩きのめす】
アンジュは、エンブリヲに心酔するサリアを嘲笑し、「要するに、路頭に迷っていたところを新しい飼い主に拾われたってことね」と要約する。

これにサリアは激怒、アンジュに近づくと引っ叩く。
サリアはエンブリヲから与えられた指輪を見せびらかし、「私はエンブリヲさまに愛されているの。誰にも愛されていない貴方とちがってね」と勝ち誇る。

が、アンジュはサリアの胸を万年筆で軽く付き、妖しい刺激にサリアが胸をかばった隙に銃を奪う。
ターニャとイルマは瞬時に銃を抜くが、アンジュは一瞬早く発砲。
イルマの銃を弾き飛ばす。
続けてアンジュは、一瞬でターニャの間合いに踏み込み、強烈な蹴りを入れる。

たちまち部下二人を叩きのめされたサリアはアンジュに襲いかかるが、腕をとられて投げられ、ベッドに叩きつけられた。
圧倒的な強さのアンジュであり、「弱っ!サラ子に比べたら弱すぎよ!」と言葉でサリアの心に止めを刺す。

さらにアンジュは、騎士団のネーミングセンスを罵倒、騎士団制服も酷評、プリティサリアンの方がよほど似合っていたと指摘する。

そしてアンジュとモモカは部屋を駆け出し、エンブリヲ捜索を開始した。

【アンジュ、エルシャと再会】
城内を移動するアンジュとモモカは、庭で子供たちを世話するエルシャに気付いた。
物陰に隠れるアンジュだが、子供たちはアンジュに気付き、「アンジュおねえさまだ!」「いつきたの?」「おねえさまも騎士団なの?」と無邪気に声をかけてきた。

アルゼナルでは、エースパイロットは子供たちの憧れの的だが、アンジュもまた「きれいで強くて格好いいお姉さま」として、子供たちに慕われているようである。
目をキラキラさせた子供たちに囲まれ、引きつるアンジュの前にエルシャが現れ、アンジュとモモカをテーブルに招いた。

エルシャは、お絵かき帳にクレヨンで夢中でお絵描きする子供たちの様子を見ながら、アンジュに語る。
ジュリオ軍がアルゼナルを攻撃した時、子供たちは一度は死んだ、それをエンブリヲが生き返らせれくれた、今はこの「エンブリヲ幼稚園」で園長として子供たちの世話をしていると。

そしてエルシャは言う。
「エンブリヲさんがね、あの子達が安心して暮らせる世界を作るんだって…。私はそれに協力するって決めたの。
あの子達を守るためだったら、何だってやるわ。
人間どもの抹殺だって…。
アンジュちゃんを殺すことだってね…」

子供たちが安心して暮らせるようにしたい。
これがエルシャの望みであり、さすがのアンジュもこれを否定することは出来ず、複雑な様子である。

【アンジュ、クリスと再会】
庭で駆けまわる子供たちの一人が転ぶと、エルシャが駆け寄り、抱き起こす。
エルシャの目が子供たちに向いている間に、アンジュはモモカに、エンブリヲの元を目指そうと声をかけるが、クリスが現れ、案内するという。

アンジュは早速クリスに話しかけるが、クリスは「無理に話しかけないでいいよ…どうせアンタ、私に興味ないでしょ?」と言う。
クリスとしては、アンジュは自分を見下している、どうせ対等の相手と思っていない、憐れみで話しかけないでほしいとおもっている、というところだろうか。
だがアンジュは、クリスを仲間と思っており、見下している訳ではないようにおもう。

【クリス、エンブリヲについて語る】
アンジュは、無理に話しかけなくていいという言葉に構わず、「怒ってたわよ、ヒルダたち」というと、クリスは言う。
「怒っているのはこっち…。
私のこと助けに来るなんて言って、見捨てたんだよ、アイツら…。
でもエンブリヲくんは違う。
命がけで私を助けてくれた…
私と仲良くなりたいって言ってくれた…。
本物の友達…」

クリスの言葉に、アンジュは表情を曇らせ、言葉をかけることが出来ない。

絶対裏切らない、対等な関係の親友。
これがクリスの求めるものなのである。
クリスは自室でエンブリヲとゲーム機で遊んだりしているのだが、気心の知れた友達と、のんびりまったり暮らしたいというのが、クリスの望みなのかもしれない。

だが、クリスがヒルダとロザリーに怒るのは、それだけ二人に情が移っていればこそだろう。

【シルヴィア、リィザを鞭で懲らしめる】
城の図書室に行くと、車椅子の少女が、全裸の若い女性を鞭打ち、叱責していた。
鞭を振るうのは、何とシルヴィアである。

そして鞭打たれるのはリィザ・ランドックなのだが、全裸で背中にドラゴンの翼、お尻には尻尾が生えており、口にはマスクが取り付けられて喋れないようである。
どうやらリィザは、サラの率いるドラゴン大部隊の壊滅後、エンブリヲからシルヴィアに下げ渡され、奴隷としてシルヴィアにこき使われているようである。

シルヴィアは、「これは四巻ではありませんか!?私が持って来いと言ったのは三巻です!」と些細な理由でリィザと鞭打つ。
さらにリィザがシルヴィアに無理やり薬物を飲ませたことを罵り、「おじさま」が助けてくれなかったら一生目がさめないところだったと激怒。
もはや持ってくる本を間違えたことはそっちのけで「トカゲ女!」と罵り、リィザに暴力を振るうのである。

【アンジュ、シルヴィアと再会】
アンジュは思わずリィザの名を呼んだ。
かつての凛々しい近衛長官リィザとは、あまりに変わり果てた姿に驚いたようである。

するとシルヴィアはアンジュに気付くと動揺。
「お母様を、お父様を、お兄様を殺め、最後に私を殺しにきた…そうなのね…来ないで!この殺人鬼!」と叫び、興奮して手がつけられない。

シルヴィアとアンジュの父・ジュライ皇帝は、長兄ジュリオに処刑されたのであり、そのことはシルヴィアも知っているはずなのだが、エンブリヲに記憶を操作されているのだろうか。

そこへサリアがターニャとイルマを率いて駆け込んできた。
アンジュは銃をサリアたちに向ける。

その時、エンブリヲが姿を見せ、「読書中は、少し静かにしてくれるとありがたいのだが」と言い、笑みを浮かべる。

【エンブリヲ登場】
エンブリヲは本を小脇に抱え、「やはり本はいい。この中には、宇宙の全てが詰まっている。それに比べてこの世界の、何とつまらないことか…」と言いながらゆっくりと、無言で睨むアンジュに近づいてくる。

エンブリヲはサリアに、アンジュと二人にさせてほしいと言い、「いけません!この女は危険です!」というサリアを制し、アンジュを連れて図書室を去った。
残されたサリアは、傷つくと同時に悔しそうである。

【ジル司令、激怒】
アウローラでは、ジル司令はアンジュ脱走に激怒していた。
同席するのは、ジル司令を手当するマギ軍医、ジャスミン、メイ、ヒルダとロザリーである。

ジャスミンは、アンジュたちはアウローラを守ったのだと言い、取りなそうとする。
だがジル司令は全く聞く耳を持たず、「アンジュはもっと従順になるように仕込んでおくべきだった」と、人間を完全に道具扱いするようなことを言うのである。

この発言に、ヒルダは不愉快そうであり、ロザリーは悲しそうな表情を浮かべる。

【ヒルダとロザリー】
ヒルダとロザリーは相部屋のようで、二人は下着姿でくつろいでいた。
ロザリーはなぜアンジュが脱走したのか見当すらつかない。
そしてヴィルキスが無いとリベルタスが出来ないというが、これからどうするのだろうかとつぶやく。

一方ヒルダは、アンジュには脱走したくなるようの理由があったに違いないと断言するのだが、アンジュへの信頼が伺える。さらに先ほどのジル司令の発言もあり、ジル司令に対し違和感を感じているようである。

そしてヴィルキスがなければリベルタスは不可能という件については、「だったら、取り返せばいいだろう。アンジュを」と不敵な笑みを浮かべるのである。
どうやらヒルダは、何か作戦を思いついたようである。

【アンジュ、エンブリヲを撃つ】
エンブリヲはアンジュを連れてエレベーターで地下に降りた。
そこには、ビルのように巨大な透明な水槽が据え付けられており、液体で満たされた水槽内には、大型ドラゴンが眠っている。
これこそドラゴンたちの始祖アウラである。
アウラの体表には、大きな円柱が何本も突き立てられており、この円柱でドラグニウムをアウラ体内に注入、これによりアウラが発生するエネルギーが、人々のマナの力の源になっているのである。

アンジュはエンブリヲの頭に銃を突きつけ、いますぐアウラを解放することを要求した。
エンブリヲは余裕の笑みで「断る、と言ったら?」と言う。
するとアンジュは躊躇なく発砲、弾丸はエンブリヲの後頭部から額を貫通、エンブリヲは倒れた。

そしてアンジュはアウラを見上げ、ヴィルキスで運べるだろうかと思案する。
ところが、即死したはずのエンブリヲが平然と立っていて、アンジュに「気が済んだかい?」と話しかけてくるのである。
アンジュは何度もエンブリヲを撃ち、そのたびにエンブリヲは倒れるのだが、次の瞬間には何事もないかのように立っている。

アンジュはジル司令の言葉を思い出し、「神…さま…」とつぶやくが、エンブリヲはその呼び名はチープな表現で好きではない、自分は世界の音を整える調律者だという。

【エンブリヲ、アンジュに術を仕掛ける】
エンブリヲはアンジュに、自分を殺してどうするのか尋ねた。
アンジュは、世界を壊し、ノーマを解放すると迷わず答える

するとエンブリヲは問う。
ノーマは本当に解放を望んでいるのか。

エンブリヲの問いに意表を突かれ、即答できないアンジュにエンブリヲは言う。
確かに今の世界に、マナの使えないノーマの居場所は無い。
だがドラゴンと戦うという役割が与えられている。
居場所や役割を与えられれば、人はそれだけで満足し、安心できるものだ。
自分で考え、自分で生きることは、人間にとって大変な苦痛なのだ。

そしてエンブリヲは、アンジュの破壊衝動は、不安からであると指摘して言う。
これまでアンジュは、奪われ、騙され、裏切られ続けてきた、どこに行くのかすら分からない、だから恐れて牙を剥くのだと。

アンジュは、エンブリヲの声を聞いていると意識が無くなりそうになることに気付き、必死に気合を入れて意識を保とうとする。
エンブリヲはアンジュの心の強さに感嘆するが、ついにアンジュの瞳から意志の光が失わてしまう。

そしてエンブリヲはアンジュに、「解放してあげよう、不安から。望むものを何でも与えてあげよう。だから全てを捨てて、私を受け入れ給え」と言い、アンジュに口づけする。
だがその瞬間、アンジュはタスクとの口づけを思い出すと正気に戻り、エンブリヲの唇に噛み付いた。

アンジュは銃を拾うとエンブリヲに狙いを定める。
「何でも与えてあげる?
生憎、与えられたもので満足できるほど空っぽじゃないの、私!
神様だか調律者だが何だか知らないけど、死ぬまで殺して世界を壊すわ」

一方、術を破ったアンジュにエンブリヲは驚嘆。
そして喜ぶとアンジュに跪いて言うのである。
「私は、君に出会うために生きてきたのかもしれない。この千年を…」

これにはアンジュも呆気にとられてしまう。

【ヒルダ、ジル司令のうわ言を聞く】
アウローラ艦内。
ヒルダはジル司令の部屋の扉をノックして名を名乗り、「今後の作戦行動についてお話が…」と要件を伝える。
だが返事は無く、苦しげなうめき声が聞こえる。

この時、ジル司令は悪夢を見ていた。
それはかつてアレクトラと名乗っていた頃。
ヴィルキスを駆り、多くの仲間たちと戦いを挑んだ時のことである。
戦いの中、アレクトラはエンブリヲの術に堕ち、エンブリヲと愛し合った。
そして正気に戻ったアレクトラが見たのは、累々と倒れる仲間たちの屍である。

ヒルダが部屋をのぞき込むと、ジル司令はうなされながら「ごめんなさい…エンブリヲ様…」とつぶやく。
ヒルダのジル司令に対する違和感はいよいよ大きくなっているようである。

【予告】
次回「神の求魂」

予告では、まずロザリーとクリスのナレーションが笑えた。
予告映像では、ジル司令が手錠でベッドに拘束されている姿が写っていたが、ヒルダたちがクーデターでも起こすのだろうか。そして、いまだエンブリヲに捕らわれているアンジュはどうなるのか。次回も注目したい。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第18話「決別の海」

  • 2015/02/08(日) 23:59:20

【感想概略】
今回は、ジル司令がアンジュに自分自身を重ねて見ていたことが明かされ、ジル司令がエンブリヲを深く憎悪する理由の一端、ヒルダがアンジュに特別な想いを抱いている姿、ジル司令に助けられて恩義を感じるエマ監察官の姿、ノーマの長老であり良心としてのジャスミンの活躍、アンジュが自分のやり方で、自分を信じてくれる人々と、自分の信じる人達と一緒に、ノーマ解放のためリベルタスを行なうことを決意する姿が描かれ、おもしろかった。

【アンジュ、ドラゴンとの共闘を提案】
前回アンジュたちは、ヒルダたちと再会、潜水空母アウローラと合流した。
そして今回、アンジュはアウローラのミーティングルームで、報告と提案を行なっていた。

会議に参加するのは、アンジュと同行していたヴィヴィアンとタスク。
アンジュの侍女モモカ。
アルゼナルの幹部であるジャスミンとマギ軍医。
戦力の要であるパラメイル隊のヒルダとロザリー。
技術部門の代表メイ。
そしてジル司令である。

アンジュは、まず報告する。
ドラゴンとは、もう一つの地球に住む遺伝子改造された人間であり、マナの力の源はドラゴンたちの始祖アウラの放つエネルギーである。

そしてアンジュは提案について、まずは結論から話をはじめた。
ドラゴンたちは人間たちと違い、話のできる相手であり、ドラゴンたちと協力すべきと。

続いてアンジュは、ドラゴンたちと共闘すべき根拠を説く。
ドラゴンたちの望みはアウラの奪還である。
上手くすれば全てのエネルギーが絶たれ、人間たちのマナも世界も停止する。
この言葉に、ヒルダ、ロザリー、メイは大いに関心を抱く。

さらにアンジュは説くのである。
アウラ奪還が成功すれば、何よりマナのエネルギーを得るためにドラゴンを狩るなどという馬鹿げた戦いを終わらせることができる。
だが、サラたちの侵攻作戦は失敗、被害は尋常ではないはず。
互いの目的のため、協力するのが一番の近道、と。

【ジャスミン、ドラゴンとの共闘に前向き】
アンジュの提案に、ジャスミンは「敵の敵は味方か」と言うとニヤリと笑い、ドラゴンとの共闘に前向きである。
これにロザリーは驚き、あいつらは仲間を大勢殺してきたバケモノだ、協力などあり得ないと不信と嫌悪を隠そうとしない。

これにヴィヴィアンは少し立腹の様子である。
だがサラがドラゴンの大群を率いてアルゼナルを襲撃してから、それほど日数は経っておらず、ロザリーをはじめとする一般隊員の心情としては無理もないかもしれない。

【ジル司令、エンブリヲ抹殺に固執】
ジル司令は、ドラゴンは信じるに値しないと言い、共闘に全く否定的である。
さらにジル司令は、ドラゴン一匹を助けただけではリベルタスは終わらない、神気取りの支配者エンブリヲを抹殺し、この世界を壊す、それ意外にノーマを解放する術は無いと断言する。
ジル司令は、アウラ奪還の意義すら認めていないのである。

ジル司令は、アンジュに言う。
忘れたわけではあるまい。
祖国に、民衆に、兄妹に裏切られて来た過去を。
人間どもへの怒りを。
差別と偏見に満ちたこの世界をぶち壊す。
それがお前の意思ではなかったのか。

そしてジル司令は意地の悪い笑みを浮かべて言う。
腑抜けたものだな。
ドラゴンどもに取り込まれ、洗脳でもされたか?
それとも、女になったか?
ピンクの花園で男と乳繰り合いたいなら、全てを終わらせてからにしろ!

【ジル司令、ドラゴンとの共闘を検討】
一方的に決めつけられ、アンジュはジル司令に怒りの目を向けるが、ジャスミンとマギ軍医の考えはジル司令とは必ずしも同じではない。

ジャスミンは、アルゼナルの戦力が心もとないことも事実と言い、ドラゴンとの共闘を検討することをジル司令に説く。

さすがのジル司令も大先輩ジャスミンの言葉を簡単には退けることは出来ないようで、情報を精査の上、今後の作戦を通達すると言い渡し、立ち去った。

退室時、ヒルダ、ロザリー、ヴィヴィアン、メイ、マギ軍医が立ち上がってジル司令に敬礼するのだが、ジル司令の人望の篤さが伺える。

ジャスミンは、ジル司令に立腹するアンジュに、あれでもアンジュが無事に戻ってきてジル司令は嬉しいのだと言う。
アンジュをいたわり、ジル司令との仲を取りなそうとする、実は優しいジャスミンである。


【アウローラの食堂】
アウローラの食堂で、ヴィヴィアンはモモカのこしらえたカレー定食を笑顔で食べていた。
ヒルダはアンジュに、「戦場からロストして、帰ってきたら男連れ。どんだけ自分勝手なんだよ、アンタは」と顔を近づけて食ってかかるが、アンジュは「ごめん、ヒルダ」と笑う。
するとヒルダは頬を赤らめてそっぽを向いてしまう。

顔の火照りがなかなかおさまらないヒルダは、「アンタがいない間、大変だったんだからな」と言って誤魔化す。
するとロザリーは、アンジュが消えた後の状況を話しだす。
アルゼナルは壊滅し、仲間が大勢殺された、クリスたちは寝返り容赦なく撃ってくる、「あんなのもう友達でもなんでもねえよ」と。

アンジュはアウローラのパラメイルライダーがヒルダとロザリーだけと知ると、「よく沈まなかったわねえ、この船」と率直に無礼なことを言う。

これにはロザリーは「ケンカ売ってんのか、テメエは」というが、「コイツらが頑張ってくれたからな」と言い、パラメイル隊の新人三人、メアリー、マリカ、ノンナを紹介した。
戦力不足のため、正式なライダーに急遽昇格したのだという。

新人たちに感謝する、結構いい先輩のロザリーなのだが、「このあたしがみっちりしごいたおかげで、何とか一丁前に…」と余計なことを言い出す。

ところが新人三人はヴィヴィアンの元に駆け寄ると、「第一中隊のエース、ヴィヴィアンお姉さまですよね?」「ずっと憧れていました!」「大ファンです!」と言い、キラキラした目でヴィヴィアンを見つめた。

これにヴィヴィアンは「そっかー♪」と満面の笑顔を浮かべ、「よし!食え食えー♪」と上機嫌で食べいたカレーをすすめるのである。
一方ロザリーは、「あんたら、あたしにはそんなこと一言も!?」と叫ぶのだが、新人三人の目に映るのはヴィヴィアンのみであり、ロザリーの声は全く届かないのであった。

【エマ監察官、ジル司令を弁護】
ヴィヴィアンたちのやり取りに食堂の空気は和むのだが、タスクは浮かない顔である。
アンジュはどうしたのかと問うと、タスクはジル司令の様子が気になるという。

これにヒルダは言う。
ジル司令は自ら元王族であったことを明かし、人間たちの冷酷さを非難、そしてノーマ解放のためのリベルタスの大義を説き、理想実現まで隊員たちの命を預かると演説したと。
だがヒルダは「意気込みは分かるけど、ガチすぎてちょっと引くわ…」と言い、ジル司令の理想に全面的に共感を抱いているわけでは無さそうである。

その時、カウンターから「あなたにあの人の何がわかるのよ!?」という声が聞こえ、酔っ払った女性が現れた。エマ監察官である。
驚くアンジュたちにモモカは、エマ監察官はこの艦に乗って以来、ずっとこの調子なのだという。

すると泥酔したエマ監察官は、「仕様がないでしょー!殺されかけたのよ!?同じ人間に!」と叫ぶ。
だが急に涙ぐみ、「なのにね…司令ってばね…私をこの船に乗せてくれたのよ…?今までノーマに酷いことをしてきた私を…。あの人だけよー!この世界で信じられるのは!」と勝手にしゃべりまくる。
怒り上戸、泣き上戸であまり酒癖の良くないエマ監察官である。
そして現れたマギ軍医に肩を抱かれ、連行されるのであった。

呆気にとられるアンジュたちだが、ロザリーは「でも監察官の言う通りだ。アタシらにとっちゃ、信じられるのは司令だけだからな…この世界で…」という。
ロザリーの言葉に、アンジュは複雑な様子である。

【シャワー室のアンジュとヒルダ】
アウローラのシャワー室でアンジュはシャワーを浴びていたが、肌に刺激を感じて「しみる…」とつぶやいた。

すると背後から何者かが「海水、混じってるからね」と答えた。
声の主はヒルダであり、彼女もシャワーを浴びに来たようである。

ヒルダは背後からアンジュにピッタリと寄り添うと、「アンタ、ちょっと太った?」と言い、「本当!?どの辺?」というアンジュの乳房を揉むように触りながら「こことか…」という。

ちょっと驚くアンジュに、ヒルダは「何の連絡もよこさないでさー、心配ばっかりさせて…」と少しすねたように言いながらアンジュのお腹を撫でて、指を下の方に滑らせていき、「なのにアンタは男なんかと!」というとアンジュの脇腹の肉をつまんだ。アンジュは痛みとも快感ともつかない表情を浮かべるが、ヒルダに抗議はしない。

ヒルダはシャワーのお湯を止め、「ねえ、したの…?あの男と…」と少し不安そうに尋ねる。
アンジュは驚きながら「してないわよ!」と答えると、ヒルダは「本当に?」と言い、表情を明るくした。
そしてヒルダはアンジュの肩に口づけし、「おかえり、アンジュ」と上機嫌な声で言うと、シャワー室を立ち去った。
少し呆気にとられるアンジュである。

【タスク、かつてのアレクトラを思う】
夜、アウローラの格納庫にタスクが姿を見せた。
格納庫ではメイがヴィルキスを整備していた。
いつリベルタスをはじめても大丈夫なように、念には念を入れているのだといって笑う。そして、タスクがヴィルキスを修理してくれたことに礼を言い、格納庫を後にした。

タスクは並ぶ機体を眺めながら思い出していた。
かつてジル司令がアレクトラと名乗っていた頃、ノーマを解放し、差別のない、子供たちが笑って暮らせる世界を作ってみせると、幼いタスクに語っていたことを。
そしてタスクは自機から円形の機械を取り出した。何事かを行なうつもりのようである。

一方、ジル司令は自室で、エンブリヲとの過去を思い出し、激怒していた。
どうやらジル司令は、かつてエンブリヲとは深い仲だったようである。

【ジル司令、真意を明かす】
翌日、アウローラ艦内のミーティングルームで、会議の続きが行われた。
ここでジル司令は、ドラゴンたちとの共闘を了承、アンジュにはドラゴンたちの世界に行き、同盟構築のため交渉するよう命じた。

驚くアンジュたちに、ジル司令は何か企んでいるような笑みを浮かべながら、作戦について説明する。
まず敵の拠点は暁の御柱である。
これは戦闘中にラグナメイルに取り付けた発信機で調査した。
ここにエンブリヲもいると思われる。

そして作戦であるが、まず暁の御柱の南西方向からドラゴンたちが侵攻、ラグナメイルをおびき出す。
アウローラはラグナメイルの探知出来ない深さを航行して接近、ドラゴンたちの背後に浮上。
ドラゴンたちとラグナメイルを挟撃、敵兵力を排除し、全兵力で暁の御柱に侵攻する。

アンジュは、サリアたちはどうするのかとジル司令に尋ねた。
アンジュとしては、サリアたちを助けるのは当然のことであり、どうやって助けるつもりなのかを聞いているのである。

するとジル司令は、持ち主を裏切るような道具はいらない、全てはリベルタスのための道具であり、それはアンジュも、ドラゴンも、そしてジル司令自身もだと言う。

アンジュは、ジル司令に本当は何を考えているのか問う。
するとジル司令は嘲笑を浮かべ、真意を明かす。
真の作戦はドラゴンたちを捨て駒とし、アンジュの駆るヴィルキスでエンブリヲを討つこと。
アンジュは、ジル司令の作戦に猛反対し、このような作戦には協力しないと言う。

するとジル司令は、モニターに画像を写した。
それは手足を縛られ、減圧室に閉じ込められたモモカである。
ジル司令は、モモカの命が惜しければ従えとアンジュを脅迫する。

これにはジャスミンとマギ軍医が抗議するが、ジル司令は長い付き合いの二人の言葉すら黙殺する。

【ジル司令、モモカを人質にとる】
アンジュは激怒、銃をジル司令に突き付け、モモカの解放を要求。
するとジル司令は、鋼鉄の右腕でアンジュの銃を掴むと机に押さえつけ、テーブルを飛び越えてアンジュに蹴りを入れ、壁に叩きつけた。
そして鋼鉄の右腕でアンジュの首を掴むとそのまま持ち上げ、首を締め上げながらアンジュに服従を求めるのである。

タスクはやめさせようとジル司令に駆け寄るが、ジル司令は左腕の裏拳でタスクを殴り飛ばす。圧倒的な強さのジル司令である。

するとタスクは、懐から小さなリモコンを取り出してボタンを押した。
あくまで従わないアンジュに、ジル司令は左腕を振り上げるが、めまいを感じ、アンジュを締め上げる右腕からも力が抜け、座り込んでしまう。
見ると、ジャスミン、マギ軍医も同様に意識朦朧としている。
タスクが万一のため、艦内の通風口に仕掛けた催眠ガスのためである。

タスクは酸素マスクを装着。
アンジュにも酸素マスクを装着させると二人でミーティングルームから走りだした。

アンジュとタスクはまずはモモカを減圧室から助け出した。
そしてブリッジで艦を操作して海上に浮上させると、パラメイルの格納庫に向かう。

一方、食堂で食事中のヴィヴィアンもまた、食堂の隊員たちが次々と倒れるのを見るとタスクが脱出作戦を発動したことを知り、酸素マスクを装着、パラメイル格納庫に走った。

【アンジュVSジル司令】
パラメイル格納庫に、アンジュとタスクとモモカ、そしてヴィヴィアンが揃った。

だがそこに、ジル司令がアンジュを追ってきた。
何と右太ももにナイフが突き刺さっている。
催眠ガスで朦朧とする意識を、激痛で無理矢理覚醒させているのである。
さすがはジル司令、とてつもないド根性である。

アンジュは、リベルタスのためならどんな犠牲も顧みず、人間も機械も全てリベルタスのための道具であり、道具に意思など無用というジル司令の主張に納得できない。
それではノーマの意志を無視して戦わせる人間たちと同じだと指摘するが、アンジュの言葉はジル司令の心に届かない。

アンジュは「勝負しましょう。サラ子は人質なんて卑怯な真似、しなかったわ」と言い、ナイフを抜いて構えた。
ジル司令が勝てば、言うことを聞くというのである。

ジル司令はナイフを構えると、アンジュに猛然と襲い掛かり、斬撃を繰り出して猛攻。
催眠ガスを吸い、さらに腿の刺し傷で動きが鈍っているというのに、ジル司令の強さは尋常ではない。

アンジュはジル司令の斬撃を受けとめ、刃で押し合うが、体格も体力も上のジル司令にじりじりと押されていく。
その時、アンジュは後ろに身を捨ててジル司令のバランスを崩し、その腹に片足を当てて頭越しに投げた。見事な巴投げである。

ジル司令は両手をついて着地、だがナイフを手放してしまう。
するとアンジュはナイフを投げ捨て、叫ぶ。
「何が正しいのかなんて、誰にも分からない。
でも、あなたのやり方は大嫌いよ!
アレクトラ・フォン・レーベンヘルツ!」

ジル司令は鋼鉄の右腕で渾身の一撃を放つ。
が、アンジュは攻撃を紙一重でかわしつつ、ジル司令の後頭部に回し蹴りを浴びせ、床に叩きつけた。
さすがのジル司令も、もはや戦える状態ではないのだが、目を見開き、アンジュの言葉を受け入れようとはしない。

その時、背後からジャスミンがジル司令に声をかけた。
「もうやめな、ジル。あんたの負けだよ…」

長い付き合いの仲間の言葉に、ジル司令はついに気力の糸が切れ、意識を失った。

【アンジュ、リベルタス実行を決意】
アウローラのハッチが開く。
ヴィルキスに搭乗するアンジュに、ジャスミンはこれからどうするのかと尋ねる。

するとアンジュは笑顔で言う。
「私がやるわ、リベルタスを。
あの人のやり方は間違っていたけれど、やっぱり、ノーマの解放は必要だもの。
私を信じてくれる人と、私が信じる人達と一緒に。」

アンジュはヴィルキスを駆り、タスク機とヴィヴィアン機を率いて離陸、空に舞い上がった。

そしてアンジュはタスクに、ヴィルキスに向けて発砲してくれと言う。
ピンチになると、ヴィルキスはもう一つの地球へ跳ぶ力を発揮する、だから発砲してくれと言うのだが、タスクは躊躇。
すると「じゃあアタシがやるー♪」とヴィヴィアンが発砲しようとする。

その時、サリアたちの駆るラグナメイルが出現、ヴィルキスに襲いかかった。

【予告】
次回「時の調律者」

次回は、アンジュがミスルギ皇国に連行されるようだが、サリア、エルシャ、クリスともう少し落ち着いて話ができるのだろうか。エンブリヲはアンジュを利用して何を企んでいるのか。そしてシルヴィアは相変わらず鞭を振り回しているようだが、どのような活躍を見せるのか。次回も注目したい。