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風林火山 第17回「姫の涙」

  • 2007/04/29(日) 21:42:20

勘助、由布姫を見逃す!?
高遠頼継、武田に反旗!
禰々、狂乱!
武田家、諏訪を完全制圧!


【感想】
前回、諏訪頼重は晴信により切腹に追い込まれた。
未亡人となった禰々は、これまで大人しい優等生だったが、兄に裏切られ夫を失った怒りと悲しみは激しく、その憎悪は心配する三条夫人にさえ向けられ、「義姉上は、兄にとってもはや人ではない。子を産むだけの腹じゃ」と、かなりひどい暴言を叩きつけていた。

山本勘助は囚われの由布姫を一度は逃がすが、結局、晴信の命令に従い、由布姫を甲斐に護送した。
これまで勘助は悪役然としていたが、今回は晴信と由布姫の間での苦悩し、久々に人間味を見せていた。

なお由布姫は感情が高ぶると片方の目が小さくなり、顔の筋肉を痙攣させるのだが、そんなところも味に思えてきた。

今回、諏訪家の庶流・高遠頼継が武田家に反旗を翻したが、鎮圧され、諏訪は武田家に完全併合されてしまった。
野心家・高遠頼継とその弟・坊主頭の連峰軒は、見た目に結構いい味が出ていたので、あっさり退場したのは少々残念である。

次回、由布姫が甲斐に乗り込む。
諏訪頼重の娘・諏訪御料人といえば、これまでは大河ドラマ「武田信玄」で南野陽子の演ずるこい姫の大人しそうなイメージが強かった。
一方、「風林火山」の由布姫は、晴信を殺しかねない危険人物と武田家重臣たちが恐れる程の剛の者であり、活躍を期待したい。

まずは三条夫人との対決が楽しみである

武門の王 上(北方謙三/集英社文庫)

  • 2007/04/24(火) 21:49:41

日本の南北朝時代。九州を南朝方とするため送り込まれた後醍醐天皇の皇子・懐良親王の戦いの生涯を描く。北方謙三初の歴史小説。


【あらすじ】
14世紀、鎌倉幕府の滅亡後。日本列島は、足利尊氏率いる室町幕府と後醍醐天皇の南朝が争う乱世であった。

劣勢の南朝は、勢力挽回の一手として、後醍醐天皇の皇子である懐良親王を九州に送り込む。
僅かな従者とともに四方敵ばかりの九州に上陸した少年・懐良親王は、南朝方の土豪の元に身を寄せて力を蓄え、「征西府」を旗揚げする。
そして征西府と敵対する薩摩の守護・島津家の軍勢を迎え撃ち、これを退けた。

やがて庶子から当主となった肥後の豪族・菊池武光が、一族郎党を率いて懐良親王に合流する。
この菊池氏の軍勢を主力に、征西府は合戦を重ね、敵対勢力の地方対中央及び中央内部での内紛も利用しつつ、勢力圏を拡大。
ついに九州を「征西府」のもとに統一し、大宰府に本拠地を置くのである。

【感想】
日本の南北朝時代。九州は唯一南朝が優勢であった地域ということに興味があり、北方謙三の中国時代小説「楊家将」が面白かったので「武門の王」を読んだのだが、おもしろかった。

物語のおもしろさの第一は登場人物の魅力だとおもうのだが、本作「武門の王」では、まず主人公である懐良親王が大変魅力的な人物に描かれていた。
懐良親王は「争いのない国」という、中世の人間が考えただろうかという理想を目指しているのだが、作中では全く違和感はなかった。

僅かな供が従うばかりだった少年・懐良親王には、徐々に個性的な仲間が増えていく。ここには人物の魅力と、仲間が増え人材が充実していくおもしろさがあった。

だが仲間が増えても懐良親王の勢力は依然弱小である。
この弱小勢力が強敵と戦うのだが、そこには合戦の迫力以上に知恵比べのおもしろさ、弱小勢力が考えに考え抜いて戦うべき時に戦って段々と大勢力へ発展していく爽快感があった。

「武門の王」には、武士だけでなく海の民や山の民など、中世ならではの非農業民も登場。
これらの様々な人々が、当時の九州及び畿内近国・日本六十余州、さらには高麗・中国の諸勢力と密接に影響しあう政治劇を展開。
歴史作品のおもしろさの一つ、現代世界とは質的に異なる世界であると同時に、現代と地続きの異世界である中世世界も楽しめた。

巷談 中国近代英傑列伝(陳舜臣/集英社新書)

  • 2007/04/23(月) 22:13:18

中国の近代とは、だいたい1840年のアヘン戦争から洋務運動・戊戌変法・辛亥革命に至る清末民初、軍閥時代、抗日、国共内戦から中華人民共和国の成立までの、激動の時代を指す。

本書「巷談 中国近代英傑列伝」は、この中国近代に活躍した人物や時代を象徴する人物など15人を紹介する人物評伝である。


【感想】
中国史に興味があり、陳舜臣の著書も好きなので、読みやすさと面白さ、知的好奇心を満たしてくれることを期待して読んだのだが、それぞれの人物の魅力や時代の面白さが伝わる内容であり、分かりやすく面白かった。

この時代は、日本と中国が相互に影響を与えあっており、アヘン戦争の敗戦に幕藩体制の日本が衝撃を受けたり、中国で魏源が海外事情について記した「海国図志」を幕末の在野の知識人が買い入れて研究したり、日本の明治維新や自由民権運動を中国側が意識しているところは、興味深かった。

風林火山 第16回「運命の出会い」

  • 2007/04/22(日) 21:43:23

諏訪頼重切腹!
諏訪家残党壊滅!
由布姫監禁!


【感想】
今回は武田家による諏訪攻めの仕上げであった。

まず武田晴信は、降伏した諏訪家当主・諏訪頼重を切腹させ、諏訪領を併合。
続いて桑原城に篭城する諏訪家残党を、板垣信方と山本勘助の率いる軍勢が攻撃。由布姫を自害に追い込もうとする。しかし由布姫は自害を拒み、勘助に斬りかかるが、捕らえられ、監禁されてしまう。

武田家譜代家臣たちは、将来への禍根を断つため諏訪家の血筋を根絶やしにしようとする勘助を「主のためなら、如何に非情なこともやってのける男」と評する。

今回、武田家は弱小勢力・諏訪家を弱いものいじめする悪者にしか見えず、後味があまり良くなかった。今回のテーマは、「上司のためなら情すら捨てる部下は偉い」というものだろうか?

史実では、晴信が家督を継いだばかりの武田家の武力はさほど強力ではなく、武力で真正面から戦うことは危険極まりないことだったので、謀略で敵を内部分裂させた上で軍勢で討つ、という戦い方をしたのだという。

大河ドラマ「風林火山」でも、武田家の内情を苦しいものに描き、当時は諏訪家も強敵であったように描けば、諏訪攻めは弱いものいじめに見えなかったかもしれない。

知られざる素顔の中国皇帝 歴史を動かした28人の野望(小前亮/ベスト新書)

  • 2007/04/21(土) 22:14:42

「知られざる素顔の中国皇帝」は、中国史上初めて皇帝を名乗った始皇帝の秦から、中国最後の王朝である清までの、28人の皇帝についての人物評伝である。

【感想】
本書「知られざる素顔の中国皇帝」では、以下5つのテーマごとに5~6人の皇帝をとりあげ、皇帝たちの事績と人物像を、人物の面白さや歴史のエピソードを中心に紹介している。

第1章 創業の英雄…王朝の創始者、初代皇帝。
第2章 血塗られた玉座…クーデターにより帝位についた皇帝。
第3章 見果てぬ夢…帝位の目前で夢破れた者、 一代で滅んだ王朝の皇帝。
第4章 天涯をめざして…外征により最大版図を実現した皇帝。
第5章 愛すべき皇帝たち…個性的な名君たち。

著者は元歴史研究者の歴史作家なので、最新の研究成果が反映され、面白い視点からお馴染みの皇帝やマイナーな皇帝を紹介していることを期待して読んだのだが、期待以上に読みやすく、分かりやすく、面白かった。

特に、10世紀の五代十国時代に活躍した乱世の皇帝・後周の世宗についての見方が面白かった。

世宗は即位から39歳の若さで早世するまでの僅か6年の間に内政を整備し皇帝直属軍を強化、連年の征戦により周辺諸国から領土を奪い勢力圏を拡大。
世宗の事業を受け継ぐ宋の趙匡胤による中国統一の基礎を築いた皇帝であり、「早死しなければ、乱世を統一し、遼から燕雲十六州を奪回していただろう」とすら評されることが多い。

一方、本書「知られざる素顔の中国皇帝」では、世宗の内政外征は全力疾走であり、特に連年の征戦は後周の国力を上回っており、続けていれば国が内部から崩壊した可能性があるという見方をしており、この評価は斬新に思えた。

一人の皇帝について触れると同時に、その皇帝の生きた時代についても取り上げているので、個々の皇帝と同時に中国史全体の勉強になった。

幻剣蜻蛉(戸部新十郎/祥伝社文庫)

  • 2007/04/20(金) 22:00:04

江戸時代初め、加賀潘取り潰しを狙う幕府の前に立ち塞がる中条流の奇剣士・富田一放の活躍を中心に描かれる連作短編集。

【感想】
富田一放をはじめとする登場人物は魅力的、物語はテンポ良く進み、剣の戦闘描写は迫力があり、おもしろかった。

戸部新十郎の剣豪小説の大きな魅力の一つは、無駄な描写を徹底的に削ぎ落とした戦闘描写である。

本作でも立合いの描写は、「この世に奇妙や不思議はない」という立場をとりながら、超人的な遣い手の繰り出す剣技は、長年修行を積んだ剣客の目にすら、奇妙不思議としか見えないという描き方をしている。
そして描写に費やすページ数は、時には1ページ弱と極限までしぼりこまれている。

こうして描かれる一見するととても短く抽象的にすら見える立合いはしかし、多くの言葉を費やしての細かな描写より、かえって迫力や凄みをかんじさせるのである。

ブラックマジック (柿沼秀樹/GA文庫) 感想

  • 2007/04/19(木) 21:50:40

かなり前によんだ士郎正宗の単行本「ブラックマジック」には、近未来の地球を舞台にした女性型戦闘アンドロイドの話と、金星を舞台とした話が掲載されていた。
小説「ブラックマジック」は、後者の小説化作品である。

【感想】
舞台は金星連邦の統治する太陽系、物語は首都ティオティワカンの地下層の街からはじまる。「第3惑星の金星化」という言葉が見えるところから、時代は恐らく地球に生物が現れる以前であろう。

主人公ダリィは、記憶を無くした戦闘サイボーグ少女である。
ダリィは為政者の巨大な陰謀が実行されるのを食い止めるため、革命勢力とともに戦闘を繰り広げる。
全編戦闘アクションの連続であり、小隊単位の集団戦闘及び個人同士の戦闘が楽しめた。

巻末には主人公ダリィをはじめとする作中人物の設定資料や、宇宙船の3DCG設定、背景美術の設定などが掲載されており、こだわりのかんじられる設定画を見ると得をした気分がした。

作者はアニメ原作・脚本・プロデュースに長年携わっている方なのだが、あとがきには同人誌時代の士郎正宗や園田健一の作品を見てレベルの高さに脅威を覚えたり、商売仇になる前に味方にしてしまえと思ったことなどが書いてあり、あとがきもおもしろかった。

FLAG -戦場カメラマン・白州冴子-(渡辺麻美/HJ文庫)

  • 2007/04/17(火) 22:05:25

【あらすじ】
時代は近未来。
舞台は、内戦が続くアジアの小国ウディヤーナ。

このウディヤーナでは、長年内戦が続いていたが、ようやく停戦が実現しようとしていた。停戦の機運を生み出したのは、「FLAG」と呼ばれる一枚の旗である。

この「FLAG」が何者かに奪われてしまった。
すると国連は、国連軍特殊部隊「シーダック」へ「FLAG」奪回を命令。
そして、この「シーダック」のFLAG奪回作戦を同行取材するのは、駆出しのカメラマン・白州冴子であった。


【感想概略】
小説「FLAG」は、高橋良輔監督による同名アニメの小説化作品である。

アニメは3話までしか見れなかったので、続きを知りたくて本作を読んだのだが、主人公・白州冴子の視線で、戦場カメラマンの戦場同行取材を追体験でき、同時に、対テロ戦部隊の日常や作戦行動を描いた作品としても、国連軍の内情を描いた作品としても楽しめた。

【架空の国ウディヤーナ】
「FLAG」の舞台、架空の国ウディヤーナは、チベットやネパールを思わせる国である。この種の作品でチベットやネパールがモデルのものはあまりないので、まずそこが斬新だった。

宗教の描き方も興味深く、おもしろい。
まず、このウディヤーナには「活仏」がいる。
それは、男性である「ラ・ポー」と、生き神の少女「クフラ」の二人なのだが、二人とも対照的である。
そして、この「二人の活仏」が物語の展開に大きな影響を与えており、無意味な設定は無いという感じである。

また、ラ・ポー率いるゲルト派の教義は「破壊」なのだが、これはボトムズの宗教結社マーティアルの教義「武は万物の調和なり」が思い出され、興味深い。

【カメラの視線】
アニメ「FLAG」の画面は、デジカメや軍用照準カメラといった「カメラごしの画像」として描かれている。
これは電子式カメラの普及した現代が舞台であること、カメラマンの話であることをかんじさせ、おもしろかった。

【ロボット兵器ハーヴィック】
「FLAG」に登場するロボット兵器「ハーヴィック」は、2足歩行モードと車両モードへ変形できる変形ロボットである。
「FLAG」のテーマの一つは、「変形ロボットでリアル寄りの物語を作れるか?」ということかと思うのだが、アニメではハーヴィックは物語に違和感なく溶け込んで見えた。なお小説「FLAG」では、戦闘描写はかなりあっさりしており、最近読んだボトムズ外伝小説「コマンドフォークト」と対照的にかんじた。

【特殊部隊シーダック】
特殊部隊「シーダック」のメンバーたちは、各人が内面に葛藤を抱えているが、健全な良心・良識を持ち、それぞれ考えがあって軍人を志した人たちとして描かれている。
「FLAG」では、現代社会の軍人を、人間として描こうとしているように見えた。ただし一歩間違えると戦争や軍隊を美化するような内容になってしまうので、難しいところだとは思う。

【白州冴子】
白州冴子は、等身大の現代の若い女性に見えた。このような「等身大」の日本人女性が、ロボットアニメの主人公というところも、斬新な気がした。
また白州は、心の中に「いつか殺してやりたい人リスト」があり、たまに名前を書き加えているそうである。一見屈託のない白州のこういうところが好きである。
物語は白州の視線で描かれ、白州の目線で冒険を楽しみ、白州とともに考えさせられた。

そして、白州冴子が最後に死んでしまうとは思わなかったので、少しショックだった。アニメでも、白州は死ぬのだろうか?

第1巻のサブタイトルは「戦場カメラマン・白州冴子」だが、これは白州が死んでもFLAGの物語は続くという意味に思えた。

続巻を期待したい。

装甲騎兵ボトムズ コマンドフォークト~群狼邂逅~(野崎透/HJ文庫)

  • 2007/04/16(月) 22:29:04

アニメ「装甲騎兵ボトムズ」のオフィシャルスタッフによる、ボトムズの外伝小説。

【あらすじ】
アストラギウス銀河を二分した百年戦争の末期。
惑星テゲンの国家ヒュロスに、200機以上撃破のスーパーエースのみで構成された部隊「コマンドフォークト」が創設された。
本作は、部隊誕生以前の隊員たちの戦いを描いた連作短編集である。

【感想概略】
どの短編もストーリはテンポ良く展開し、メカ描写や戦闘描写も迫力があり、ATの戦局に果たす役割が各話で描かれ、人物も魅力的に描かれており、楽しめた。

【挿絵】
挿絵は塩山紀生。
塩山紀生の絵があると、正に「ボトムズ」に見えるから不思議である。

【AT】
テレビシリーズのATは、電子系センサーを利用しているように見える描写はあまりなく、もっぱらターレットレンズを通しての目視で行動しているように見えた。「青の騎士」も同様だったと思う。
第二次大戦中の光学系観測器のみを頼りとする時代の兵器が、ATのイメージだったのかもしれない。

一方、「コマンドフォークト」では、ATはセンサー技術及びコンピュータ技術の塊として描かれている。
21世紀の現代では、兵器は索敵も情報処理も高度に電子化・IT化されている。
「コマンドフォークト」のATは21世紀の兵器をイメージしたものに思えた。

「コマンドフォークト」に描かれるATは、各種センサーを装備し、金属探知機で地雷原の存在を察知、爆発に含まれるポリマーリンゲル液の濃度でAT撃破を確認する。

そして指揮官機ATは、部隊各機の機体状況をモニタリングし、高度な部隊運動を行い、AT部隊は地上の戦闘機と呼べる機動戦闘を展開するのである。
ここら辺は「ガサラキ」のタクティカルアーマーの部隊行動を思い出させるが、戦闘指揮車両なしで変幻自在の部隊戦闘を行ってしまうのが、ATのすごいところである。

テレビシリーズと「コマンドフォークト」のAT描写の違いは、作品の作られた時代を反映してのことなのだろう。

【軍人】
テレビシリーズでは、軍は軍の都合で戦うものであり、民間人など全く考慮していない。兵の多くは、自分の意思とは無関係に戦わされているように見える。「青の騎士」では、軍の非情さはより徹底している。
これは歴史の中で多くの軍隊が見せてきた姿を反映しているのだと思う。

一方、「コマンドフォークト」では、軍は国民の生命財産を守るために存在するもの、少なくとも本来はそうあるべきものとして描かれている。そして軍人は何らかの目的意識を持って軍に身を置いている。
これは、現代民主国家の軍隊の理想的なありように思えるが、このような軍の描き方もあると思う。
ただ一歩間違えると、軍や戦争を美化しているように見えてしまうので、そうならないことを期待している。

テレビシリーズと「コマンドフォークト」の軍や軍人の描き方の違いも、ベトナム戦争の記憶がまだ新しく、アフガニスタン内戦へのソ連軍介入は継続中という東西冷戦の1980年代前半と、超大国アメリカが発展途上国へ軍事介入し泥沼化する2000年代という時代を反映してのものなのだろう。

【女性】
テレビシリーズには、女性が極端に少ない。「コマンドフォークト」でも女性は二人だが、一人はパイロットの一人に恋愛感情を抱いているようだ。

あとがきを見ると、作者は何とかストーリーに女性を登場させたいようである。個人的には、ボトムズに恋愛は無用と思うので、今後も恋愛は最低限にしてほしいところである。

次巻が楽しみである。
そして、いずれはアニメ化してほしい。



風林火山 第15回「諏訪攻め」

  • 2007/04/15(日) 21:45:50

【感想】
武田晴信は、盟約を裏切った豪族・諏訪頼重の領地へ出兵。
諏訪氏庶流の豪族・高遠頼継を味方として諏訪を攻め、ついに諏訪頼重を降伏させる。

今回は、戦いの目的や方法がややこしかったが、整理すると以下のようなところであろうか。

■「風林火山」における諏訪攻めの目的
①裏切り者・諏訪頼重を成敗する。
②諏訪頼重に嫁いでいる晴信の妹・禰々が、諏訪方に殺されることを防ぐ。

■方法
①武田への味方を約束している高遠頼継を参戦させ、「武田家の出兵は、高遠頼継の差し金」と諏訪頼重に思い込ませて恨みを高遠へ向けさせ、武田家出身の禰々が殺されることを防ぐ。
②諏訪頼重の軍勢を武力で敗北させ、①の上に、頼重に徹底抗戦ではなく武田家への降伏を選択させる。

今回は、武田勢が諏訪勢と本気で戦うか疑って兵を出そうとしない高遠勢を、いかに出兵させるかに、知恵比べの面白さがあったと思うのだが、話がややこしかった気もする。

また兵数で劣る諏訪勢を、さらに謀略で追い詰めるという、ほとんど弱いものいじめのような戦であり、互角の者同士の戦いとはとても言えないものだったので、爽快感には乏しかった気がする。

はやく上杉謙信に登場してもらい、互角の者同士の戦いを見せてもらいたいものである。

なお、今回の話がややこしかったのは、本当のところは「信濃侵攻の拠点としていた諏訪領を、武田の直接支配下に置くための侵略戦争」である諏訪攻めを、「武田は悪くない」というように描こうとしたが、話に無理が出てしまったということだろう。