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ハヤテのごとく! 第16話「負けてもマケンドー」

  • 2007/07/15(日) 12:58:27

ハヤテの初登校日!
死闘、ハヤテVS野々原!

【感想概略】
原作未読。今回は執事の以外な姿も、おもしろかった。全体の1/3はカルチャー番組のパロディだったが、さすがにこれはアニメ完全オリジナル?!

【東宮くん、執事・野々原に命令!】
前回、ハヤテとナギは剣道部の見学に訪れた。
ところが部員の東宮くんは、ヒナギクと親しげなハヤテに嫉妬、勝負を申し込む。
だが東宮くん、ハヤテが強そうなのを見ると、自分の代わりに勝負することを、執事・野々原に命じた。

少年漫画では、見た目にいかにも強そうな巨体怪力の大男よりも、野々原のような細身の優男こそ、恐ろしく強い場合が圧倒的に多い。
とてつもなく強そうな野々原を相手に、ハヤテはどう戦うのか?!
期待が高まるというものであった。

ハヤテはスポーツの素晴らしさをナギに伝えるため負けられないと強く思う。
だがナギは、勝敗がどうなろうと、剣道をする気など全く無かった。

【執事・野々原のスパルタ教育】
主の命令に「分かりました」と笑顔の野々原。
が、何と、まずは東宮くんを叩きのめし始めた。
自分で戦わず他人に戦わせるのは卑怯であり、その腐った性根を叩きなおす、という理由であった。

ハヤテは、執事が主人にあんなことをしていいのかとオロオロする。
すると、執事・氷室は平然というのであった。
「我々は主の道具ではないからね。
ただ、言われたことをやればいいというものではないのだよ」

ここら辺は、なるほど!理に適っている、と目からウロコの気分であり、野々原と氷室が立派に見えた。

【東宮くん、ナギに挑戦!】
さて、根性を叩きなおされたはずの東宮くん。
今度はナギに勝負を申し込んだ。

主VS主、執事VS執事が戦えばよい、という理屈である。
だが剣道部最弱とはいえ、日々稽古している東宮くんが、インドア派のナギに剣道勝負を挑むことは、やはり卑怯である。
しかし、野々原は「よくぞそこに気付かれた」と喜んだ。

あきれるヒナギク。
が、全く稽古していないナギが肩を痛めても大変と、ナギの代理で勝負すると東宮くんに言い渡した。

【ハヤテVS野々原】
こうして、ハヤテVS野々原、ヒナギクVS東宮くんの勝負開始である。
まず、ヒナギクはあっさりと東宮くんに面を叩き込み圧勝する。

一方、ハヤテVS野々原の勝負は、ほとんど超人バトルであった。
野々原はいきなり、ウルトラ兄弟のような「必殺技」を繰り出す。
唖然とするハヤテに、氷室は「執事たる者、必殺技の一つや二つ、持っていなくてどうする?」と突っ込みどころ満載の発言だが、納得するハヤテである。

まともに戦っては勝ち目が無いハヤテ。
だが、氷室の「執事たる者、転がっているゴミを見過ごしていては、掃除もままなりませんよ」という言葉から、死中に活を見出す。
そして、床で伸びている東宮くんを盾とするというかなりえげつない戦法で、勝負を乗り切るのであった。

野々原は「気絶した情けない坊ちゃまの顔を見ると、必殺技を叩き込まずにはおれない私の心の隙を突いた、良い手でした」とハヤテを讃える。
困った笑いのハヤテであるが、心中に必殺技会得を誓うのであった。

さて、この勝負を見たからといって、ナギはやはり剣道をする気になどならない。
ナギは、その理由をいちいち挙げてヒナギクを「剣道をバカにするなー!」と激怒させ、どつかれる。
が、ヒナギクと帰りの挨拶をするハヤテに、「ヒナギクはまだ怒っていたか?何故あんなに怒っていたのだ?」とひそひそ尋ね、こっそりヒナギクの顔色をうかがうのは可愛らしかった。

その夜、ハヤテはナギの思いつきで、必殺技会得のため、虎と戦わされた。

【カルチャー番組のパロディ連発!】
今回の残り1/3は、本編とは全く関係のないパロディの連発であった。はじめは少々面食らったが、楽しめた。この手法は、工夫次第でものすごく面白くなるのかもしれない。

【今回気付いた小ネタ】
今回、本編は短かったが、いつも以上に小ネタが多かった気がする。

◆面を付けない理由の説明に取り出した絵は「赤道鈴之助」
◆鉄球を打つ特訓は「巨人の星」、道着姿で池に放り込まれる特訓は「姿三四郎」、樽に入って斜面を転がる特訓は、分からなかった(「柔道一直線」?)。
◆「白い悪魔」は、ガンダムのゲーム内でジオン軍将兵がガンダムを罵っての言葉。
◆ナギはよく「キン肉マン」を引き合いに出していた。
◆「虎の穴」は「タイガーマスク」。

電脳コイル 10話「カンナの日記」

  • 2007/07/14(土) 21:51:39

キラバグと結合したイサコ、恐怖の代名詞サッチーを撃破!!
合宿終了!マイコ先生の生物部仲直り作戦成功?
イサコに追放されたダイチ、新団体「元祖黒客」旗揚げ!
ヤサコ一味、謎を解く鍵「カンナの日記」を発見!


【感想概略】
今回もおもしろかった。物語の謎を解く鍵が次々と登場、さらに新登場人物も出現し、今回はストーリーの曲がり角というところであろうか。


【覇王イサコ】
合宿の夜、校内に潜入したイサコはキラバグを捕らえ結合。
オバちゃんが校内に放ったサッチーの攻撃にビクともせず、返り討ちに撃破してしまう。さらにイサコは、身を潜めるオバちゃんへ宣戦布告!
その凄みは、もはや女王様どころではなく拳王様であった。

今のイサコの戦闘力を「北斗の拳」のラオウとするなら、フミエは風のヒューイくらいであろうか。覇王イサコの豪拳に、今後フミエたちがどうやって対抗するのか?楽しみである。

【ダイチ追放】
肝試し対決の結果であるが、「引き分けね」というフミエに、ダイチたちが「おれたちの勝ちだ!」「そうだそうだ!」とコブシを振り上げ勝敗にまじめにこだわるのは、可愛らしかった。

だが、真の恐怖はこれからであった。

イサコは、フミエたちから電脳メガネを取り上げる目的を果たせなかったのは、作戦失敗であると断じ、何とダイチを本当に大黒黒客から追放してしまう。
しかも実は、ダイチ追放は当初からの目的だったらしいのである。

残った大黒黒客のメンバー達に、暗号式を一つ教えてやるというイサコだが、黒客を鍛え上げ、使える戦闘集団に仕立てるつもりであろうか?

恐ろしく強い上、謀略まで用いるイサコ女王様と、新生大黒黒客の今後の活躍に注目したい。

【第三勢力、「元祖黒客」旗揚げ!】
一方、追放されたダイチの元へ、デンパが現れる。
かつての恩義を忘れず、あくまでダイチとの友情を重んじるデンパは立派であった。

そしてダイチはデンパと「元祖黒客」を旗揚げする。
ここに「コイル電脳探偵局」「大黒黒客」とならぶ第三勢力が誕生したのである。

決してめげないダイチと、真の友デンパの今後の活躍に期待したい。

【オバちゃん、職場で叱られる】
サッチーをイサコに撃破されたオバちゃんは、上司であるヤサコの父の叱責を受ける。

お尻のポケットに手を突っ込みながらしぶしぶ謝罪するが、今後同様のことがあれば減俸と言い渡されると「えぇー?!」という姿には、強い共感をおぼえた。

早速イサコの秘密について調査を開始するオバちゃんは、現在イサコに力で対抗できそうな唯一の人物である。いずれイサコに大人の実力を教えてくれることを期待したい。

【イサコの「お兄ちゃん」】
これまで仲間無用、情け無用のイサコであったが、今回初めて、イサコが心を許す人間の存在が明かされた。少なくとも、二人ほどいるらしい。

一人は、イサコのセリフに現れる「お兄ちゃん」である。実の兄か詳細は全く不明であるが、イサコは、この「お兄ちゃん」と再び会うため、キラバグを集めているようだ。

そしてイサコが心を許すもう一人は、入院中のおじであった。
このおじの前では、イサコは親愛の情を隠さず、年相応の表情を見せ、もうすぐお兄ちゃんが戻ってくると話す。

これまでイサコの家族は全く描かれていなかったが、どうも複雑な事情がありそうである。

なおこの情報は、電脳ペット「ミゼット」を通してアキラに関知されたようであり、大黒黒客にも知れるであろう。この秘密を知り、大黒黒客はどう動くのだろうか。

【謎の少年「4423」】
ハラケンのイリーガルの研究を手伝うヤサコとフミエ。ハラケンは、キラバグから「4423」という声が聞こえたと話す。

この言葉から、ヤサコは幼少の頃、「4423」と名乗る少年と出会ったことを思い出す。

幼い日、迷子になったデンスケを見つけてくれた少年は自分を暗号名「4423」と名乗った。
実は優子に「ヤサコ」の名を与えたのは彼であった。

「暗号名『ヤサコ』、いまから君はぼくの子分だ」という少年に、「やだ!わたし、『4423』のこいびとになる!」と頬に口づけしたことを思い出し、ヤサコは赤面するのである。

この少年はかなり変わっているが、何者なのか、どのような謎を秘めているのか、気になるところである。

【「カンナの日記」発見】
ヤサコとフミエも参加しての、ハラケンのイリーガルの研究は続いていた。
ハラケンの情報を手がかりに、複雑な経路をたどって事故現場へ向かうのだが、その情報源は何とハラケンの見た夢であった。

夢に付き合わされると知りフミエが不満顔なのは当然な気がするのだが、何と「カンナの日記」が発見されてしまうのである。ハラケンは予知夢を見れるのか?

そして久々登場のメガバアとヤサコのひらめきにより、「カンナの日記」の封印解除に成功するが、そこにはカンナのハラケンへの恋心が綴ってあった。

カンナの想いを知ったハラケンは、人が変わったようになり、とり憑かれたようにイリーガルの謎を解こうとする。ヤサコはハラケンに淡い想いを抱いているようで、複雑な様子である。

そんな二人を見つめる若い男。
何か秘密を知っているらしい新たな人物が登場したところで、今回は終了であった。


次回は笑える話のようであり、楽しみである。

彩雲国物語 2巻 黄金の約束(雪乃紗衣/角川ビーンズ文庫)

  • 2007/07/13(金) 23:34:31

本書は、中華風異世界「彩雲国」を舞台としたファンタジー小説の続編である。
紅秀麗、静蘭といったお馴染みの登場人物たち、そして燕青や黄奇人などなどの新キャラクターの活躍が楽しめ、おもしろかった。

【感想概略】
主人公・紅秀麗は、彩雲国でも屈指の名家の息女である。
とはいっても秀麗の父・邵可は実家を出奔してしまっており、秀麗一家の収入は朝廷の府庫に勤める父・邵可の僅かな俸禄、軍に勤める家人・茈静蘭のささやかな俸禄、そして秀麗が様々な賃仕事で稼ぐ給金などであった。
秀麗は、家格が高くても生活感覚は庶民そのもののであり、そして社会の混乱や因習がいかに人びとを苦しめるかを身を持って知っているのである。

この彩雲国は、理想の国からは程遠い社会である。
国内には、男尊女卑や富の偏在といった理不尽が依然としてはびこり、様々な社会悪や因習に人びとの心は縛られ、苦しむ庶民も数多い。
秀麗自身も男尊女卑の因習や社会の混乱に苦しみ、そして苦しむ人びとの姿に心を痛めている。

同時に彩雲国の朝廷や王宮も、理想の小世界などではない。
彩雲国の権力中枢は、しらがみと利権と因習が複雑にからみあう世界であり、この権力中枢そのものを動かすことは容易ではなく、少数の権力者が改心したくらいでは世の中が良くなるものではないものとして描かれている。
この硬派な世界観も好きである。

さて前巻で、家計のやりくりに苦しむ秀麗は、破格の報酬に惹かれて無気力国王・紫劉輝の教育係を引き受けた。そこで秀麗は、朝廷の中枢で活躍する能吏や武人たちと出会い一目置かれるようになり、そして国王から思いを寄せられるようになった。

だが秀麗は、思いがけず王宮で築いた「華麗な人脈」を利用して話の分かる権力者に働きかけ、国内を慈悲深く支配してもらうおうとは思わない。
秀麗は、あくまで自分自身の力で生き、そして問題に対しては自分の出来ることからアプローチをかけていくのである。
今の秀麗は、社会の中では小さな存在であり、彩雲国社会の様々な弊害が、秀麗の前に立ち塞がるのである。だが秀麗は悪戦苦闘しながらも一歩一歩前進していく。
この秀麗の生き様が好きである。

そして秀麗の奮闘をきっかけに、僅かに兆した時代の変化は潰えることなく芽吹きはじめ、水面下に潜んでいた人々の思いは徐々に表面化して社会を動かす力となっていく。秀麗を取り巻く状況は僅かずつだが確実に変化し、さらに彩雲国社会そのものも少しずつ変わっていくのである。
この社会派的な視点を持つ硬派な展開も、「彩雲国物語」の魅力である。

彩雲国物語 1巻 はじまりの風は紅く(雪乃紗衣/角川ビーンズ文庫)

  • 2007/07/12(木) 22:53:11

【感想概略】
アニメ化・マンガ化もされている人気の中華風ファンタジー小説。
中国史が好きであり、中華風ファンタジーも好きなので読んだのだが、魅力的な登場人物、テンポの良いストーリー展開、そしてストーリーに社会的な問題への視点があり、おもしろかった。

【あらすじ】
舞台は、中華風異世界の彩雲国。

主人公は16歳の少女・紅秀麗である。
この世界は未だ家柄が重視される社会なのだが、秀麗は、名門中の名門、紅家の直系のお姫様であった。

…なのであるが、秀麗は貧乏ということは厳然たる事実であり、父と家人の静蘭ともども、苦しい家計のやりくりに、日々あえいでいた。

ここら辺は、徳川の名門でありながら貧乏な武士を描いた「御家人斬九郎」を思い出したが、貧乏な名家にも色々あるものである。

斬九郎は「かたてわざ」という副業で母を養っていたが、紅秀麗は、寺子屋の師匠や商家の帳簿付け、富豪の臨時侍女などなどの、様々な賃仕事で家計を支えていた。

そんな秀麗の元へ、ある日高額の仕事の依頼が舞い込んだ。
家計の苦しさに、秀麗は内容も聞かずに飛びつくのだが、その仕事とは、側室として後宮に上がり、無気力国王の根性を叩き直す、というものだった…。

【実は社会派作品】
ファンタジー作品には、主人公が美男の金持ちと両想いとなってメデタシメデタシ、富裕者や特権階級を無批判に格好良いものとして描きかねない危うさがある。

この点「彩雲国物語」は、社会差別の弊害や為政者の失政が社会にもたらす害悪が切実な問題として描かれ、作品世界に厚みを与えていた。

【問題意識を忘れぬ少女・紅秀麗】
主人公・紅秀麗は、名門出身だが庶民として生きており、社会に生きる民衆として苦しみ、男尊女卑社会で理不尽さを味わってきた。

そして秀麗は、これらの問題への問題意識や批判精神を抱き、これを決して失わない。

その姿、心意気は格好良かった。

彩雲国は依然として男尊女卑や富の偏在といった社会差別が弊害をもたらす社会であり、立ち塞がる壁は大きいのであるが、今後も社会派・紅秀麗の活躍を期待したい。

魔法少年マジョーリアン(石田敦子/双葉社)

  • 2007/07/11(水) 23:46:21

【感想概略】
作者はアニメーター石田敦子。
絵が上手く、「魔法少女」ということで毎回の変身場面は色っぽいが、何より二人の小学生・マサルとイオリの心の動きに、おもしろさをかんじた。

【あらすじ】
二人の小学生、いじめっ子のマサルと一見少女のような少年イオリ。

正反対の二人の少年は、2体のウサギのような謎の知的存在(後に「ジェン太」と「ダー子」を名乗る)の力により魔法少女に変身、異形の敵と戦うことになる。

マサルは相変わらずイオリを「女みてーで、きもちわりー」といじめつづけるが、二人の関係は徐々に変化していく。

一方、「ジェン太」と「ダー子」は、謎の敵と戦う理由を二人になかなか明かさない。
何か裏があるらしいのだが…。

【マサルとイオリ】
作品の面白さの第一は、登場人物の魅力だが、イオリとマサルの二人の主人公には、それぞれ共感をおぼえ、好感を抱いた。

小学生だから内面が単純というものではない。
通常ならばいじめの加害者と被害者以上の関係になり得なかったイオリとマサルだが、魔法少女へ変身する力を得ることにより、二人は交流を持たざるを得なくなる。
この二人のそれぞれの葛藤が、本作の大きなおもしろさの一つである。

一見がさつなマサルだが、家に帰ると3人の姉と口うるさい母に抑圧されており、女性嫌いはそのためらしい。
実は小1の時、イオリを男子と知らずに一目惚れし、その後男子と知って激しく動揺。
これもイオリを「おとこおんな」といじめる理由の一つらしい。

イオリの家は、翻訳業の母との母子家庭である。
イオリは、外で働く母を支え、家事全般をこなしてきた。
一見イオリが女性的なのは、繊細さを抑圧されずに育ってきたためもあるのだろう(余談だが、私の育った地域では、親や親戚、地域社会は男子に逞しさと猛々しさを求め、繊細さは軟弱として否定される傾向があり、男子はがさつに振舞うことを求められるところがあった。今は違うかもしれない)。
見かけとは裏腹に、イオリは恋愛感情に疎く、このためマサルの行動が理解できず、苦しんだりするのである。

【マサルの姉たち】
マサルの姉たちは、それぞれの葛藤が個性的でおもしろかった。

19歳の一見派手風な長女・麻里は、マサルの変身した少女ル・マーサに助けられ、彼女に一目ぼれする。

高校生でガリ勉風の次女・真由は、マサルに勉強を厳しく仕込むが、小学生のイオリに好意を抱き、自分は変態では?と苦悩する。

中学生の三女・真央は、これまで自分を好きになってくれたのは弟マサルだけであり、マサルに強い執着を抱き、時には常軌を逸した行動に出るのである。

マサルの姉たちは、今後どのように動くのだろうか。


無論マサルとイオリの関係はどうなるのか、「ジェン太」と「ダー子」の真の目的は何か、気になるところである。
続刊が楽しみである。

狐とアトリ 武田日向短編集(武田日向/角川コミックスドラゴンJr.)

  • 2007/07/10(火) 23:32:18

表題作を含む3篇を収録した短編集。
まず絵が上手く丁寧、何より物語がおもしろかった。

「狐とアトリ」
中世の日本を舞台とした伝奇作品。
山奥の神社を祀る美しい隻眼の巫女と、妹の童女・アトリ。
アトリは優しい姉を熱烈に慕うが、極端に嘘を嫌い、人を化かす狐を嘘つきと嫌っていた。
時に、些細な嘘をついてしまい「今日、妾は嘘つきの悪い子じゃった」と自己嫌悪に陥るアトリだが、姉は云う。
「そなたが嘘をつこうとも、私はずっと一緒におる」
二人には、アトリの憶えていない秘密があったが、アトリはだんだんと思い出し始める…。

描き下ろしの6頁の番外編では、その後の二人を描いており、短いながらも良い話だった。

姉とアトリ、それぞれの二面性もおもしろかった。


「ドールズ・ガールズ」
入院中の内向的な少女・実(みのり)の病室に、お洒落で外向的な少女・叶(かなえ)が入院してきた。
実(みのり)は正反対のタイプの叶(かなえ)に心を開こうとしないが、ふとしたことから二人は打ち解ける。
だがある日、叶(かなえ)の何気ない一言に、実(みのり)はショックを受け、心を閉ざそうとするが…。

描き下ろしの番外編では、その後の二人を描いており、こちらも良かった。

病院なのに叶(かなえ)はとてもお洒落なのだが、病状や病院の方針によっては許されるのだろうかと色々想像させられ、違和感はかんじなかった。


「やえかのカルテ番外編」
獣医学校で学ぶ少女やえかを描く同名作品の番外編。
本編を読みたくなった。

ヒャッコ(カトウハルアキ/フレックスコミックス)

  • 2007/07/09(月) 23:46:48

私立上園学園を舞台に、主人公・上下山虎子をはじめとする個性的な生徒たち(奇人変人?)の日常を描く。

おもしろかった。
登場人物たちが、今を無心に楽しんでいるかんじが好きである。

【登場人物について】
◆上下山虎子(かげやまとらこ)(1話~)
学内で迷子になり、直進すれば目的地に辿り着けると思い、2階の窓から飛び降りてみたり、誤って窓ガラスを割り、教師に目撃されると瞬時に教師に当て身をあて証拠隠滅を図るなど、一見するとかなり変わった少女。
嫌いな訳ではないが、兄弟や家族と上手くいっていないようだが、反抗期のためでもあるのか?
早乙女雀とは親友。

◆早乙女雀(さおとめすずめ)(1話~)
寡黙な少女。
身体能力がとても高く、2階からの降下も、Y字バランスも難なくこなす。
常人とは異なる感覚の持ち主で、体育のある日は、ブルマで登校したりする。
虎子の親友で、何日も虎子の家出に付き合い、「初キッスだってあげちゃうぜ」と言われると何の躊躇もなく、虎子にキスしていた。

◆伊井塚龍姫(いいづかたつき)(1話~)
とても真面目で少女。
当初は虎子のようなタイプが苦手で、友達と思いまとわりつく虎子を鬱陶しく思い、はっきり口にするのだが、虎子は全く気にせず、気がついたら虎子とは腐れ縁になっていた。

◆能乃村歩巳(ののむらあゆみ)(1話~)
奇人揃いの本作登場人物の中で一番の常識人。
入学当初は自分に自信が無く、友達が一人もできないかもしれないと不安を抱いていた。
虎子たちの常識を超えた行動に振り回されることが多いが、それを楽しんでいる様子である。

◆杏藤子々(あんどうねね)(4話~)
虎子たちのクラスの学級委員長だが、歩巳のスカートをめくったり、虎子に迫るなど女子へのスキンシップが好きでバイセクシャルを名乗り、ワイロに弱いという、一般にイメージされる委員長とはかなりかけ離れたキャラクター(ワイロとバイセクシャルは関係ないが)。
首と袖口にファーをあしらった学生服という奇抜な学生服を愛用。
生徒会長を目指しているが、目的は「女子のスカートの丈を5センチ短くする」などかなり不純。

◆幕之内潮(まくのうちうしお)(4話~/5話より本格登場)
一見不良っぽい服装をしているが、別にヤンキーではない。
プリン及び子猫などが好き。
虎子は潮にまとわりつき、「ヤンキーがプリン食べるの?」「ヤンキーだから小動物が好きなのよね」などと、あくまで潮をヤンキーにしたがっていた。その度に潮は「アタシはヤンキーじゃねえ!」と反論していたが、ついに「ヤンキーが猫好きじゃおかしいかよ!」と根負けしていた。

◆古囃独楽(こばやしこま)(4話~6話より本格登場)
ストリートダンサーと女子高生を足して割ったような制服の女子高生。
美術の人物クロッキーの時間に、歩巳や虎子に悩殺ポーズをとらせ写真に納めて楽しむ。さらにそれを影で売却している。
多彩な人脈を持つようである。

この他、いいかげんな姿勢の先生や、アホな男子生徒なども、いい味を出していた。
続刊が楽しみである。

風林火山 第27回「最強の敵」

  • 2007/07/08(日) 23:53:18

晴信、村上攻めの下知を下す!
甘利虎泰、村上に内応?!
板垣信方、晴信を諌める
実は善人?小山田信有


【感想概略】
今回は、信濃最強の武将・村上義清との戦いを前に、決して一枚岩ではない武田家の内情と、村上・小笠原といった周辺諸勢力のドラマが楽しめた。
「最強の敵」とは、自分自身の心の驕りのことなのだろう。
今回の盛り上がりが、さらに次回のドラマを盛り上げてくれることを期待している。

【晴信、独断で村上との戦を決定】
評定の席で晴信は、独断で村上との戦を決定、家臣に下知を下す。
晴信の独裁、ここにきわまれりである。

勘助は晴信に「まずは敵を見定めることが肝要。敵はお屋形様の心中に有り。」と訴えるが、「敵は村上と見定めておるわ!」と晴信またもブチ切れである。
最近の晴信は、勘助に一言何か言われると、まずはキレ気味の笑みを浮かべ、二言目には怒り出すことが多い。

甘利虎泰は勘助の態度に不満を抱き、勘助の真意を問いただすが、「一つの負け戦が、後の百の勝ち戦を生むこともござります」という勘助の言葉に激怒。何かを決意して立ち去る。

【甘利虎泰、村上に内応?!】
村上の間者・平蔵は、信濃衆・相木市兵衛に村上攻めの情報を村上義清に伝えるよう指示され、信濃へ旅立つが、途中、抜刀した編み笠の武士の群れに取り囲まれ、捕われてしまう。

やがて、村上領に平蔵は現れるが、伴っているのは何と武田家重臣・甘利虎泰であった。
村上義清に目通りかなった甘利虎泰は、甲斐のため主君・晴信を討った後は村上に後ろ盾となってほしいと訴える。
これは村上を討つための偽装なのだろうが、老骨に鞭打ち、死を決して卑怯者の芝居を打つ甘利虎泰は、渋くて格好良かった。

【久々登場、小笠原長時】
信濃守護・小笠原長時が久々に登場である。
評定の席で、落ち着き無く歩き回る小笠原に意見するのは、何と高遠頼継であった。
諏訪家の庶流・高遠頼継は、武田に味方して由布姫の父・諏訪頼重を滅ぼし、次は武田に反旗を翻して敗れた武将であるが、ギラギラと何か企んでいそうな目は相変わらず、元気そうでなによりであった。

「お屋形様は、武田に怯えておられるのか!」「憤っておるのじゃ!」とまずは軽く会話が交わされると、いよいよ高遠頼継の本領発揮である。
頼継は、武田が村上と戦っている隙に武田占領地へ攻め込めば良いと提案。小笠原長時はこの策に目を輝かせるのである。
小笠原長時と高遠頼継、この信濃の最凶タッグの今後の活躍に期待したい。

【諸角定虎、密かに信繁を次期当主へ推す】
重臣たちがよく訪れる大井夫人のもとへ、今回は諸角定虎と晴信の弟・信繁が訪れる。

諸角は、「ご先代・信虎さまが、晴信さまでなく信繁さまに家督をお譲りになろうとしたのは、今にして思えば間違いではなかったのかもしれませぬ」と洩らす。
信繁に危険発言を注意されるが、「いや、言わせて下され」と言葉を続け、「もし村上との戦で本陣が突かれることになれば、命に代えても信繁さまをお守りいたします」と発言。

実は武田家の内情は、一歩間違えればクーデターすら起こりかねない危険な状態であるが、あくまで信繁を支持する諸角定虎の信念は、格好良かった。

【実は善人?小山田信有】
前回、志賀城攻めで敵将の未亡人・美瑠姫を捕虜とした小山田信有。
とっくの昔に手篭めにしたのかと思ったが、実は紳士的に扱っていたのである。

「私を弄べばよいであろう!」と敵意を隠さぬ美瑠姫に、小山田は「わしを弄んでいるのはそなたであろう」と意外なことを言う。
さらに小山田は美瑠姫に「そなたは子ができぬそうじゃな。そのためにこれまで辛い思いをしてきたのであろう。そしてそれ故、誰かが夫からそなたを救うことを待っていたのであろう?」と指摘。
図星を突かれたようで驚く美瑠姫に「あの時、わしは一目でそなたに惚れた。だから分かるのじゃ」と、今まで見せたことのない優しさの小山田であった。

女性の意思を尊重する紳士・小山田は格好良かった。
前回私は「小山田が極悪化」などと書いたが、あれは誤りでした。

【板垣、晴信を諌める】
由布姫の元を訪れた勘助は、はじめて敗北を恐れる晴信の心を知る。

晴信は板垣に、城の築城や、より強権的な支配政策を板垣に語るが、反対されるとたちまち怒りをおもてにする。もはや他人に求めるのは意見ではなく賛同のみの晴信。
板垣は、晴信に自信をお持ちくだされと、涙ながらに訴える。
初めは憤っていた晴信だが、一瞬、目から驕りと恐怖の影が消えたように見えた。

様々な不安要因を抱えながら、次回はいよいよ猛将・村上義清との戦いである。
板垣信方・甘利虎泰の活躍に期待したい。

ハヤテのごとく! 第15話「サムライ、ブシドー、動くヴァンダム」

  • 2007/07/08(日) 12:26:08

ハヤテ、ナギと初登校!
次々と出現、異様な執事たち!

【感想概略】
原作未読。今回も楽しめた。
今回のテーマは、素直になれないナギのかわいさと、これから次々と登場するであろう他家の執事との戦いの暗示だろうか。

【登校前】
再び学校へ通えるようになったハヤテは、早朝から喜びを隠し切れない。
そこへ、なぜか怒ったヒナギク登場。実は昨夜パーティーの途中で姿を消したハヤテを、ずっと探していたのである。
なお、ここまでしてもらってもヒナギクの好意に気付かず想像すらできないハヤテなのであった。

そしてナギは飛び級で高校に通っていることが明らかとなるが、理由が「6・3・3で12年も学校に通いたくないから」というのが凄い(「一日中マンガとゲームで過ごしたい」というナギの気持ちは、よく分かります…)。

【初登校】
登校したハヤテとナギは、次々と異様な執事たちと出会う。

まず、主であるタイガ坊ちゃんに花びらを撒かせて登場する執事・氷室。
主人を「金づる」と呼び、目にも止まらぬ速さでハヤテのネクタイを奪う氷室は、超人にしか見えず、今後の更なる活躍が期待される。

そして剣道部の見学中、東宮くんが呼び出した執事・野々原。
主人に代わってハヤテとの剣道対決に臨む野々原だが、これは無茶苦茶強いんじゃないか?とにおわせるところで、今回は終了である。

なお、今回意外だったのは、ナギが剣道部に所属していたことである。理由が「ヒナギクに憧れて」というのも可愛らしい。ナギは伊澄に「結婚してください!」とプロポーズしてみたり、実は気が多い?

【「執事」は超人?】
今回登場した、氷室や野々原といった超人のような「執事」たち。
彼らは、これまで登場した咲夜の執事や伊澄の執事とは明らかに異なる、常人を超越した存在として描かれていた。

「ハヤテのごとく!」では、「執事」とは一種の超人であり、「男塾」や「北斗の拳」の拳法家、「ファイブスターストーリーズ」の騎士にあたる存在に思えた。

そのうち執事同士が戦う武道大会が開かれたりするのだろうか?


次回の第一の楽しみは、野々原の超人ぶりと、そんな強敵とハヤテがどう戦うか、そして勝負の行方である。コンバットバトルストーリーを期待したい。

電脳コイル 9話「あっちのミチコさん」

  • 2007/07/07(土) 23:49:18

生物部の夏休み合宿!
肝試し対決、コイル電脳探偵局VS大黒黒客!
イサコ、夜の学校へ侵入!
オバちゃん、サッチーを引き連れ夜の学校へ!


【感想概略】
今回は、イサコの秘密、オバちゃんの目的、ハラケンの知る秘密、そして「ミチコさん」の謎の一端が明かされる前哨戦に思え、謎に対する期待が高まり、おもしろかった。次回が楽しみである。

【合宿直前】
合宿直前、ハラケンはイリーガルに託された電脳物質の発する音の調査をデンパに依頼。
この時、デンパがいじめられた時、唯一人味方したのがダイチだったという過去が明かされる。
ここでは、一見対立しているような大黒黒客とハラケンとの絆が描かれていた。

その頃、ダイチたちはフミエの弟アキラを「お前、二重スパイじゃねえだろうな」「なんで姉貴のグループじゃなく、オレたちと一緒にいるんだ」と問い詰めると、アキラは「おねえちゃんに人生を吸い取られそうで」と洩らし、泣き出してしまう。
ダイチたちはアキラにすっかり同情するのだが、大黒黒客がどんどん善人に見えてくる今日この頃である。
いずれフミエとアキラの姉弟の葛藤が描かれることを期待したい。

一方フミエはダイチ一味との肝試し対決に備え、ヤサコを特訓、メガビームの素振り百回を課していた。
もはやすっかり仲良しのヤサコとフミエである。

同じ頃、オバちゃんはサッチーの警備行動圏拡大を、上司であるヤサコの父に進言するが、退けられ、密かに独自行動を決意する。
オバちゃんがここまでする理由は何なのか、明かされるのが楽しみである。

【生物部の夏休み合宿】
実は生物部に在籍していたダイチ一味が、マイコ先生の教育的配慮で合宿に参加することを知ったフミエは不満顔である。
フミエは大黒黒客と戦っているつもりだが、大人から見れば子供同士のゲームなのだろう。

マイコ先生に好意を抱くウチクネ先生は、合宿に参加したがるが「頼もしい殿方が二人も参加します」と露骨に難色を示される。

当日現れた頼もしい殿方、一人は柔道三段の教頭先生。
そしてもう一人は、卓球一筋ダイチの父であった。

前回に続き登場したダイチの父。
合宿は全て「強化合宿!」「素振り百回!」「生物部の素振りは何だ?!」という豪快な漢(おとこ)であり、その行動発言を見ているとあらゆる悩みが些細なことに思えてくる素晴らしさであった。

【まずは怪談】
消灯時間が訪れると、コイル電脳探偵局VS大黒黒客の肝試し対決の幕開けである。

フミエは怖い話が苦手なことを知ったダイチたち。敵の弱点を徹底的に突くのが大黒黒客の流儀であった。

まずは景気づけに怖い話を始め、フミエを怖がらせていい気分のダイチである。
するとハラケンは自分の知る「ミチコさん伝説」をぽつぽつと語り始め、生物部を恐怖のどん底へ叩き込んだ!
しかも凄いことに、ハラケンには怖がらせる意図は全くないのである。
さらに別バージョンの伝説を紹介しようとするが、顔面蒼白の生物部員たちに全力で断られ、ハラケンは少し残念そうであった。

【肝試し開始】
ウイスキーボンボンで泥酔したマイコ先生も参戦し、いよいよ肝試し開始である。

ここで実は、フミエだけでなくダイチも怖がりであることが明らかになった。
肝試しですっかり消耗したフミエとダイチは、ほとんどホセ・メンドーサ戦後の矢吹丈であった。
またナメッチも、普段はクールなガチャギリもかなり怖がっていたのが可愛らしかった。

電脳肝試しは、ダイチ一味もフミエたちも恐怖に駆られて闇雲に弾丸を撃ちまくり、ほとんど火力と物量のぶつかり合いと化していた。
ここでヤサコは意外に善戦、防壁を瞬時に展開して攻撃をしのいでいた。フミエの特訓の成果だろうか?

肝試しの最中、謎の少女の笑い声が夜の校内に響き渡るが、ヤサコたちも、ダイチ一味も、互いに相手のイタズラと思い込む。
しかし、真実は違った。

【イサコ、「ミチコさん」と結合】
肝試しの真っ最中、イサコは夜の学校へ侵入、「ミチコさん」を追う。
一方オバちゃんも、サッチーを引き連れ夜の学校へ忍び込む。
そしてハラケンは、謎の声にひかれ無人の教室へ。

「電脳コイル アクセスガイドBOOK」を読んではじめて気付いたのだが、実は肝試し対決は、イサコの夜間校内作戦を隠蔽するための陽動作戦だったのである。見ている時は分からなかった…。

笑い声をあげながら夜の校内を駆ける「ミチコさん」を、イサコは暗号式で捕獲。
そしてイサコは、「ミチコさん」と結合、その現場をヤサコは目撃してしまう。

肝試しで開始した今回だが、シリアスに終了である。
次回はどうなるのか、楽しみである。