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最近の体調(痔)

  • 2015/08/31(月) 23:12:17

一昨日、痔の再手術を受け、本日は術後経過を診察してもらうため、午前休をとって横浜市の松島病院に行ってきた。
診察した医師からは特にコメントはなく、また一週間ほどしたら来るように言われた。
今のところ問題はないのだと思いたい。

アルスラーン戦記 第21章「別れの詩」

  • 2015/08/30(日) 23:59:40

【感想概略】
今回は、アルスラーン陣営の内部対立を和らげるため、ギーヴが憎まれ役となって出奔し、ザラーヴァント、イスファーン、トゥースの三人がアルスラーンの人間性に触れて心酔、アルスラーンに改めて忠誠を誓うお話であり、面白かった。

ギーヴは、もともとはファランギース目当てでアルスラーンたちと行動を共にするようになった男である。
だが、アルスラーンの人間性を知るにつれ、アルスラーンに情がうつり、今ではアルスラーンのために憎まれ役となり、そしてファランギースと離れてアルスラーンのために一人旅をすることに何の疑問も持っていない。
このギーヴの姿が今回の大きな見どころだったと思う。

また、ギーヴが追放される時、なんとか思いとどまらせようとするキシュワードは何ていい人なんだろうと思った。

【アルスラーン陣営の内部対立】
前回、アルスラーンは新参の将ルーシャンをサトライプに任命、これによりアルスラーンは側近ばかりを重用する訳ではないことを示し、新参の将たちの不満はある程度は和らいだ。
またルーシャンは実務家として有能かつ勤勉であったようで、出陣の準備は順調に進んでおり、これにはナルサスも笑顔である。

だが、新参の将たちの不満はなかなかに根深い。
新参の将たちにしてみれば、アルスラーンの側近のほとんどは、身分や家柄、宮廷内の地位を重んずる従来のパルス貴人の価値観からすると、見劣りのする人々ばかりである。

まずダリューンは、アトロパネテ会戦直前に万騎長の地位をアンドラゴラス三世から剥奪されている。
軍師ナルサスは智略で三ヶ国連合軍を撃退したものの、アンドラゴラス三世の不興を買い宮廷から追放されている。
ファランギースはただの神官。
エラムは解放奴隷の子。
アルフリードは山賊を働くゾット族。
ジャスワントは外国人。
そしてギーヴは楽士などという得体のしれない人物である。

これにギーヴは一計を案じ、ナルサス、ダリューンと相談した。

【ギーヴ追放】
そして出陣前夜。
イスファーンがギーヴに激怒した。

イスファーンの兄・シャプールはアトロパネテ会戦でルシタニアの捕虜となり、エクバターナの城外でボダン大司祭から拷問を受け、せめてパルスの矢で死ぬことを望んだ。ギーヴはこれに応えて塔の上からシャプールの眉間を射抜き、拷問の辱めと苦痛から解放した。
だがイスファーンは、理屈では分かってはいてもギーヴに対して複雑な思いを抱いており、それがギーヴのからかうような態度に怒りが爆発したのである。

激怒するイスファーンに、ギーヴは薄笑いを浮かべ、シャプールを苦しみから救ったことに恨まれる筋合いはない、むしろ礼を言われても良いくらいだと言う。
これにイスファーンは抜刀、ギーヴも剣を抜き、激しく打ち合う。
見かねたファランギースは二人の間に短刀を投げ、ケンカを中断させた。

そしてダリューンを伴ったアルスラーンが姿を見せた。
ダリューンはギーヴを殴り、イスファーンを挑発したことを叱責した。
「以前よりお前の勝手な行動は目に余っていた。
殿下のお優しさに甘えるのもいい加減にしてもらおう」

だがギーヴは、ダリューンが相手でも全く怯まない。
「口を開けば『殿下、殿下』。
あんたこそ、ちょっと過保護すぎやしないか?」

そしてアルスラーンはギーヴに追放を言い渡した。

すると殴られて頬を腫らしたギーヴは薄く笑って言う。
「良い機会だ…。
殿下には世話になったが、もともと俺は宮仕えなど性に合わなくてな…。
お達者で、殿下。ご武運を祈ってますよ。」

双刀将軍キシュワードは、何とか取りなそうとするが、ギーヴは出て行ってしまった。

【アルスラーン軍、出陣】
ペシャワール城の一室で、アルスラーンは「あれでよかったのだな」とナルサスに言う。
先ほどのギーヴ追放は、実は全て芝居であった。

ナルサスは、アルスラーンに心情的に辛いことをさせたことを詫びるが、「彼が憎まれ役を引き受けてくれたことで、ひとまず諸侯たちの不満を抑えることが出来たでしょう」と言う。

アルスラーンは傷ついた表情を見せながらも納得した。
そして翌日、アルスラーンは軍勢を率い、ペシャワール城を出陣した。

一方、エクバターナのルシタニア本陣もペシャワール城のアルスラーン陣営の動きは察知していた。
宰相兼国軍最高司令官の王弟ギスカールは部下から、パルス全土に散っていたルシタニア部隊はエクバターナに再集結しつつあるとの報告を受けるが、銀仮面の部隊は、未だ姿を見せないという。

するとギスカールは不敵な笑みを浮かべて言う。
「よい。放っておいても奴は必ずここへ来るだろう。
アルスラーンの首を掻き切るためにな。
利用できるうちは、利用してやるまでだ。
最後に笑うのは誰か、楽しみにしているがよい」

【アルスラーン軍の軍議】
アルスラーンは諸将を集め、ナルサスを進行役として軍議を開いていた。
軍師ナルサスは、エクバターナ攻略のため、まずは聖マヌエル城を攻略することを進言する。
さらにナルサスは、この聖マヌエル城の城守バルカシオンは、ルシタニア本国では王立図書館長を務めた人物であり、もともと武人ではなく、これが攻略の鍵となるという。

諸将に異論はなく、アルスラーンは聖マヌエル城の奪還を全軍に命じた。

だがここで、ザラーヴァント、イスファーン、トゥースの三人が、アルスラーン軍の進軍路の近くに位置するチャスーム城塞の攻略を願い出た。この三人、一刻も早く何らかの戦功を挙げたいようである。

が、ナルサスは「頼もしい申し出ですが、その必要はありません。戦略上、このチャスームを攻める必要はないということです」と言い、三将の顔を立てながらも、攻略提案をやんわりと退ける。

そしてアルスラーンは「戦わずにすむ戦で、大事な将兵を失いたくはない。ここは退いてくれぬか?」と三将を説得する。王太子が部下を説得しようとすることに、三将は少し驚いた表情を見せながらも、この場はアルスラーンの言葉を受け入れた。

【チャスーム城塞の攻略】
アルスラーン軍の先鋒は、ザラーヴァント、イスファーン、トゥースがそれぞれ率いる部隊である。
だがザラーヴァント、イスファーンはどんどん行軍速度を上げ、本隊を大きく引き離して走り始めた。これにトゥースは内心で舌打ちしながらも騎兵500を率い、ザラーヴァント隊、イスファーン隊の後をおう。

まもなく、ザラーヴァント、イスファーン、トゥースはチャスーム城塞に突撃、城塞の側面に回りこむ。
が、背後に岩山から丸太や岩が次々と落下。
道を塞がれ、アルスラーン本隊から分断されてしまう。
これぞ、地形を最大限に活かし、トラップで敵兵を分断し、各個撃破するチャスーム城塞の戦法である。

【アルスラーン、三将の救出を指示】
夕方、アルスラーン軍はザラーヴァント、イスファーン、トゥースの部隊が敵軍の罠にはまったことを知るが、アルスラーンには、味方を捨て駒にするという選択はない。

アルスラーンは、進軍停止と救出部隊の準備を命じた。
これにナルサスとダリューンは好ましい笑みを浮かべる。

そしてナルサスはアルスラーンの指示を承諾。
さらにエラムとアルフリードを既に偵察に出したことを報告するのである。

間もなく日が沈み、エラムとアルフリードが帰還するが、さすがの二人も闇の中を行動する部隊は発見できなかった。
このままでは、ザラーヴァント、イスファーン、トゥースの部隊は闇の中でルシタニアに壊滅させられてしまう。

その時、アルスラーンは闇の中で何か音を聞いた。
それは琵琶を爪弾く音色である。

これにファランギースは「どうやら物好きな精霊が、彼らの居場所を教えてくれているようですな」と笑う。

【三将、友軍に合流】
ザラーヴァント、イスファーン、トゥースの部隊は敵地で孤立。
敵の大軍に囲まれていた。

三人は死を覚悟した。
そして自分たちが捨て駒となることで、アルスラーンの本隊は無傷で進軍できる、そう考えれば決して無駄死ではないと笑う。

その時、敵の背後に騎兵部隊が突撃、ルシタニア部隊を撃破しはじめた。
ダリューンの率いる部隊である。

ザラーヴァント、イスファーン、トゥースの三人はこの機を逃さず友軍と合流、壊滅の危機を脱した。

【三将、アルスラーンに忠誠を誓う】
アルスラーンの前で、ザラーヴァント、イスファーン、トゥースの三人は膝をつき、頭を下げていた
ザラーヴァントは言う。
「なぜ戻って来られたのですか?我々を捨て駒にして、そのまま先に進んでしまえばよかったものを…」

するとアルスラーンは言う。
「国を取り戻すためのこれからの戦い、多くの犠牲が必要だろう。
だがそれでも私は、少しでも多くの者に生きてほしい。
どうかお主たちの力を、生きるために借してくれまいか?」

ザラーヴァント、イスファーン、トゥースはようやく理解した。
アルスラーンにとって部下とは、それぞれ尊厳を持つ人間なのであり、決して戦争ゲームの駒なのではないのだと。

ザラーヴァント、イスファーン、トゥースは主君への礼をとり、改めてアルスラーンに忠誠を誓うのであった。

【ギーヴ、アルスラーンのために旅立つ】
一方、崖の上から一件落着を見届けたギーヴは、一人旅立とうとしていた。
そこにファランギースが現れ、「何も言わずに行くつもりか?」と尋ねる。
これにギーヴは、「宮仕えが性に合わんってのは本当だからな。しばらく戻るつもりはない」と答える。

ファランギースはこれ以上は止めず、アルスラーンの伝言を伝えた。
するとギーヴは「生きることは旅立つこと、死もまた同じ」と四行詩を詠じ、軽そうな笑みを残して去った。


【予告】
次回「出撃前夜」

再手術

  • 2015/08/29(土) 23:59:28

本日、横浜市の松島病院で、7/17の手術の術後経過を診察してもらったところ、手術によって出来た傷がポケット状になっており、この状態では治らないとのこと。
そこで再手術を行ない、ポケット状になっている傷を治る形態に整形する処置を行なった。
8/31に術後経過を見てもらいに松島病院に行く予定。

今日買った漫画:まんがタイムきららキャラット2015年10月号

  • 2015/08/28(金) 23:59:26

毎月楽しみにしている4コマ漫画雑誌なので、今号も購入。


今日買った漫画:コミックキューン2015年10月号

  • 2015/08/27(木) 23:53:38

新創刊の4コマ漫画雑誌。
本日、仕事帰りに最寄り駅の駅ビル内書店で見かけ、手に取ると見た目よりも重く、パラパラと見ると面白そうなので購入。


今日買った本:覇帝フビライ

  • 2015/08/27(木) 01:33:32

元のフビライは中国史及び世界史の有名人であり、フビライの時代を舞台とした作品は結構多いが、フビライを主人公とした作品は珍しい気がする。
史実を踏まえたしっかりとした内容と、天下取りのスペクタクルを期待して購入。


電車遅延

  • 2015/08/25(火) 23:57:16

通勤に東急鉄道を利用しているのだが、本日午後9時頃に駅に行くと東急が止まっているとアナウンスされていた。
どのくらいの時間で復旧するのか分からなかったので、まずJRで横浜駅まで行き、そこから市営地下鉄に乗り、自宅マンションまで8分ほどの駅にたどり着いた。
自宅マンションに到着したのは午後10時半頃、普段の倍以上の時間がかかった。

急に背中が痛くなった

  • 2015/08/24(月) 23:32:14

昨日10:30頃、急に背中が痛くなった。
特に重いものを持ったとか、急に動いたということはなく、何がきっかけなのか分からないが、以前からたまにこういうことがある。
歩いても痛いので2時間ほど横になっていたら、痛いことは痛いが歩けるようになった。
そこで、昼食など食料品を買いに近所のスーパーに出かけたのだが、歩いてもいたら、また背中が痛くなってきた。
結局昨日は背中の痛みが引くよう一日中自宅でおとなしくしていた。
そして本日、昨日よりはマシだが背中が痛む。
とりあえず本日は早めに寝ようと思う。

アルスラーン戦記 第20章「騎士の素顔」

  • 2015/08/24(月) 01:28:52

【感想概略】
今回は、アルスラーンとエトワールが偶然再会し、この再会によってアルスラーンはパルスをよりよい国とするためにはヒルメスを退けることも辞さぬ覚悟を固め、エトワールはパルス人に対し、「邪悪な異教徒」とは決めつけられない複雑な思いを抱くというお話であり、おもしろかった。
また、エトワールが従軍して軍功を挙げようとする事情が明かされ、大所帯となり古参と新参者の対立が発生するアルスラーン陣営をいかに円滑に運営するかというナルサスの智略が描かれ、戦国絵巻のおもしろさも楽しめた。

【ペシャワール城に諸侯集結】
前回、アルスラーンは東方要塞ペシャワールでルシタニア追討令、奴隷解放令を発布し、国内諸侯に打倒ルシタニアのため参集するよう檄を飛ばした。
そして今回、ペシャワール城には、兵を率いた諸侯が続々と集まっていた。

集まった諸侯は、まずオクサス領主の息子ザラーヴァント。
万騎長シャプールの弟・イスファーン。
レイの城主・ルーシャン。
などなど、多士済々のようである。

アルスラーンはペシャワール城の大広間の壇上で、参集した諸侯たちの挨拶を受けていた。
この様子を物陰から眺めるアルフリードはファランギースに、自分たちは歴史の分岐点を目の当たりにしているのかもしれないと興奮気味である。
一方ファランギースは、歴史の分岐点という言葉には同意しつつも、味方が大幅に増えつつあることを単純には喜べないようで、物憂げな表情である。

【ダリューンとナルサス】
アルスラーンの諸侯引見の後、ダリューンはナルサスに、これほど人が集まるとは思わなかったと言い、少し驚いている様子である。
するとナルサスは不敵に笑っていう。
諸侯たちにも思惑がある、早めにアルスラーン陣営に参加して軍功を上げて発言力を強め、奴隷解放を思いとどまるよう、アルスラーンを説得するつもりなのだと。

【ジャスワントVSザラーヴァント】
ペシャワール城のアルスラーン陣営では、ナルサスたち古参に対する新参者の不満が高まりつつあった。

夜、新参の将ザラーヴァントはアルスラーンの部屋を訪れた。
が、部屋の入口をジャスワントが見張っており、ザラーヴァントを頑として部屋に入れようとしない。
ジャスワントとしては、夜にいきなりアルスラーンに会いに来た無礼者を通さないのは、アルスラーンの安全のため当然のことである。

だがザラーヴァントは、ジャスワントの取り付く島もない態度に納得がいかない。
そもそも外国人であるジャスワントが、アルスラーンの忠臣顔をしているのも気に食わない。
ザラーヴァントはジャスワントを罵倒、黒犬と罵った。

ジャスワントは激怒して槍を構え、ザラーヴァントも剣を抜く。
二人が同時に一撃を繰り出した瞬間、何者かが割って入り、二人の槍と剣を受けとめた。
双刀将軍キシュワードの仕業である。

キシュワードにたしなめられ、ジャスワントとザラーヴァントは渋々剣を収めた。

【ナルサスの策】
ナルサスとダリューンを、血相を変えたアルスラーンが訪ねた。
ジャスワントとザラーヴァントが斬り結んだと聞いたからである。

ナルサスは言う。
新参の将たちの不満が高まりつつある、彼らはアルスラーンが側近ばかりを重用しているように思っていると。

アルスラーンとしては、自分は皆を平等に扱っているつもりなのに、なぜ分かってくれないのかと少し悔しそうな表情を見せる。
が、アルスラーンはすぐに表情をあらため、どうすれば良いかナルサスに意見を求めた。

するとナルサスは言う。
自分は宰相に等しいサトライプという地位についているが、今後はルーシャンをサトライプとすれば良い。

それで良いのかとナルサスは問われると、自分は軍権を握ってさえいれば良いと笑う。

間もなくこの人事は実行された。
アルスラーンは新参の将であっても重く用いることを示すことになり、新参の将たちはひとまず納得したようである。

【ルーシャン、アルスラーン支持を表明】
アルスラーン陣営の内部対立は一段落した。
だがアルスラーンには王位をめぐり、ヒルメスという競争者が存在する。
そしてアルスラーンは自分が王となってよいものか思い悩んでおり、ヒルメスに深く同情している。

ナルサスは、アルスラーン陣営の首脳陣とルーシャンを集めて会議を開いた。
そしてルーシャンにヒルメスが存命であり、ルシタニアの客将となっていることを明かした。

ルーシャンはヒルメス存命に複雑な様子である。
が、自分が王となるためにパルスを焼土とし、パルスの民を苦しめたヒルメスの行動は肯定できるものではなく、あくまでアルスラーンを支持することを宣言する。

だがアルスラーン自身は、パルスの民を救うためルシタニアを追い出すことに迷いはないが、ヒルメスを退けてでも王となることは、決意できない。

その頃、ザーブル城のボダン一味と戦っていたヒルメスは、ついに城に攻め込み、立ち塞がる聖騎士団を次々と討ち取り、ついに城を奪った。
だがボダンには逃げられてしまう。

【エトワール、一人で偵察に出発】
ペシャワール城の近くの森で、ルシタニアの小隊が野宿し、焚き火を囲んでいた。
かつてエクバターナでアルスラーンと出会ったエトワールが率いる部隊である。

だが兵たちはこの任務に不満そうである。
兵の一人は「エトワールさまは功を焦っておいでなのさ」と言い、隊長の陰口を言う。

その時、袋を肩にかついだエトワールが背後に現れた。
陰口を聞かれた兵は焦りまくるが、エトワールは咎めず、お前たちの気持ちも分かると言い、偵察には自分ひとりで行くという。

エトワールはひとり夜の森を歩きながら、「焦っている」という兵のことばに神妙な表情である。
そしてこの任務に志願した時のことを思い出していた。

エトワールは、聖マヌエル城の城主バルカシオンに、ペシャワール城の偵察を志願した。
バルカシオンは人の良さそうな老騎士であり、血気盛んなエトワールに、危険なことは思いとどまるよう諭す。
だがエトワールは引き下がらず、ついにバルカシオンを押し切ってしまったのである。

エトワールは川岸に着くと兜を脱ぎ、頭巾状の鎖帷子を脱ぐ。
すると、豊かな金色の長髪が現れた。

水面に映るエトワールは金髪の美少女だが、その表情は険しい。
エトワールは心中で「私は立派な騎士にならないといけない。故郷の領民のためにも」とつぶやき、水面に拳を叩きつけた。

【エトワールの変装】
ペシャワール城外には、多数の馬車が止まり、大勢の人々が立ち働いていた。
ここで商人の一人に話を聞く若い女性がいた。
変装したエトワールである。

エトワールは白いブラウスに紺色のロングスカート、そして薄紫色のヴェールを纏い、なかなかの美少女ぶりである。

そしてエトワールは商人から、ペシャワール城にはパルス中から大勢の兵士が集まっていることを聞き出した。

【エトワール、ペシャワール城の宴会に潜入】
ペシャワール城では宴会が行われていた。
おそらく、新参の古参の将兵たちの親睦のためだろう。

エトワールは下働きとして城内に潜入、パルス将兵たちに酌をして回りながら、聞き耳を立てていた。
ザラーヴァントは酔いが回り、上機嫌で打倒ルシタニアの挙兵は五月十日だなどと大声で話している。
エトワールは、馴れ馴れしく肩に手をかける兵を思わず怒鳴りつけてしまうが、その一方で兵たちがアルスラーンの掲げる奴隷解放について話していることが気になる様子である。

【エトワールとアルフリード】
宴会場から少し離れた城の中庭で、エトワールは憤っていた。
「何なんだ、パルスの兵士どもは!勝った後ならともかく!」

するとエトワールに一人の少女が声をかけた。
アルフリードである。

アルフリードは、エトワールが下働きとして頑張っていると思って励ました。
そして笑顔で自らを「ナルサスの情婦」と名乗り、走り去るのだった。

これにエトワールは怒りを覚えた。
「地位にものを言わせて、若い女を妾にしてるのか。
やはりパルスは乱れている」

エトワールとしては、乱れたパルス人どもは、イアルダボード教によって正しい生き方に導かねばならないと再認識したというところだろうか。

そこに酔った兵が現れ、エトワールの肩に馴れ馴れしく腕を回した。
そして自らを騎士と名乗り、「俺と仲良くしておいて損はないぜ」とエトワールに迫る。

この騎士の名を汚す振る舞いにエトワールは激怒。
酔った兵の腕を掴んで一本背負いを浴びせ、石畳に叩きつけた。
兵は一撃で意識を失った。

気絶した兵を前にエトワールは我に返り、またやってしまった、どうしよう?!いっそこの兵を殺すか?!と頭を抱える。

そんなエトワールに何者かが声をかけた。
アルスラーンである。

【エトワール、アルスラーンと再会】
エトワールは、アルスラーンに気付いた。
(前に会ったパルスの坊っちゃんじゃないか。アホ面のくせに、悪運は強い)

一方アルスラーンは、変装したエトワールが誰なのか気づかない。
だがアルスラーンは、エトワールが困っていることに気付くと、気絶した兵を木の根元に寝かせ、エトワールの手をとって駈け出した。
見張りの目を盗んで城外まで案内するつもりである。

【エトワールとアルスラーン】
アルスラーンはエトワールを連れ、物陰に隠れながら城壁の上に辿り着いた。
走り続けてひと休みするアルスラーンが戦いにいくつもりだと知ると、エトワールは言う。
「あなたは、あまり強いように見えませんが。なぜあなたは戦場に赴くのですか?」

エトワールの率直な物言いに少し傷つきながらもアルスラーンは言う。
「昔、奴隷として連れて来られた、ルシタニアの少年と会ったのだ。」

エトワールは自分のことだとギクリとするが、アルスラーンは全く気付かずに話を続ける。
「その少年から初めて、パルス以外の国の話を聞いた。
自分が生きてきた環境や制度だけが全てでないと。
パルスという国の、良いところも悪いところも見えてきた。
だから、この戦いをきっかけに、パルスを少しでも良くしたいと。」

するとエトワールは好ましい笑みを浮かべて言う。
「国をどうこうするなど、お主ではなく、王の仕事であろう。
だが、国と民のためを考えての行動に出自など関係ない。
それはとても尊いことだ」

エトワールの言葉に、アルスラーンは何か気付いたような表情を浮かべる。
そしてすっきりした笑顔でエトワールに言う。
「お主と話していると、気付かされることがあるな。
あの時のルシタニアの少年のことを思い出した」

エトワールはギクリとするが「おほほほっ」と笑ってごまかすのだった。

【エトワール、ペシャワール城を脱出】
アルスラーンはエトワールを連れて、ペシャワール城の裏口に辿り着いた。
ここには見張りはおらず、裏口を出ると商人たちの馬車が多数止まっている。

アルスラーンはエトワールに、馬車の荷台に隠れていれば、他の商人や女性たちが帰る時、一緒に帰れるという。

エトワールはアルスラーンに礼を言い、「戦で命を落とさないよう気をつけて」と声をかけ、二人は別れた。

馬車に隠れながらエトワールは笑みを浮かべる。
「ただの甘ったれたお坊ちゃんだと思っていたが、パルスにも少しはまともな奴がいる。
戦場で会わないよう祈っておくか。」

そしてエトワールは、そういえばアルスラーンの名前を聞いていないことに気付くのだった。

【アルスラーン、四将に協力を求める】
翌朝。
アルスラーンは城内の会議室に、ナルサス、ダリューン、キシュワード、ルーシャンを集めた。
そして4人に言う。
「我々はエクバターナを、パルスを、ルシタニアから取り戻す。
そして国を取り戻したら、従兄弟殿に王位を譲るつもりはない。
私の夢に、力を借してくれるか?」

アルスラーンは、自らの手で王として奴隷解放を実現することを、そのためにはヒルメスを退けることを辞さないことを決意したのである。

すると4人の将は片膝をついて礼を執り、アルスラーンの理想に力を尽くすことを誓う。
そしてダリューンは精悍な笑みを浮かべて言うのである。
「無論でございます。
このダリューンが、否、ペシャワール城の全ての者が、殿下の目標のための力となりましょう」


【予告】
次回「別れの詩」

CDラジオ「SAD-4958」を購入

  • 2015/08/22(土) 23:59:15

先日、ヨドバシカメラでCDラジオ「SAD-4958」を購入した。
これまでは、CDを聴ける機械がノートPCしかなく、CDを聴こうと思った場合に不便だったからである。
このSAD-4958、小型で軽量、価格は4000円代と安価で、音質はそこそこ良く、単三電池4本で電池駆動し、CDを聴くのに重宝している。

なお購入時はステレオスピーカーのうち、右側のスピーカーに宣伝用の大きなシールが貼ってあり、剥がす必要があった(シールを貼ったままだと音質が悪くなってしまう)。