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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第9話「盃」

  • 2015/11/29(日) 23:38:23

【感想概略】
今回は、鉄華団がテイワズの代表マクマード・バリストンに認められ、タービンズの兄弟分としてテイワズ傘下となるお話である。
オルガは鉄華団の家長として年少組から年長組までそれぞれに精一杯家族サービスする姿が描かれ、テイワズの代表マクマード・バリストンはギャラルホルンと対立する危険を承知でオルガたちを受け入れる度量の大きさとクーデリアを支援する社会意識を見せ、クーデリアは例え犠牲が出ることになっても世界のありようを変えることを改めて決意する姿が描かれ、昭弘が鉄華団を家族と思い、家族のためなら苦手な格式張った儀式にも参加することを厭わない姿が描かれ、面白かった。

【オルガたち、テイワズ代表マクマード・バリストンと対面】
鉄華団の強襲装甲艦イサリビと、テイワズの強襲装甲艦ハンマーヘッドは、ついにテイワズの本拠地、大型惑星巡航船「歳星」に到着した。この歳星は艦内に都市があるという巨大艦である。

そしてオルガたちは名瀬・タービンの案内で、大きな水路に浮かぶ広壮な邸宅を訪れ、ついにテイワズの代表、マクマード・バリストンと対面した。

このマクマード・バリストンは不敵な笑みを浮かべる初老の男性であり、紋付き羽織袴という和装の出で立ちで、見た目はまるで侠客の親分である。

マクマードはオルガたちを見ると「いい面構えしてるじゃねえか」と好ましい笑みを浮かべる。
そして名瀬に、どうしたいのかと単刀直入に尋ねた。
これに名瀬は、オルガに盃をやりたいと思っていると即答した。

するとマクマードは、自分の元で義兄弟の盃を交わせばよいと提案。
あっという間に鉄華団はタービンズの兄弟分としてテイワズの傘下となることが決定したのである。

オルガ、ビスケットとしては、マクマードと必死で交渉するつもでいたのが、ほとんど何の障害も無く話がまとまったことに唖然とした様子である。

マクマードとしては名瀬を全面的に信頼しており、そして鉄華団とクーデリアに世界のありようを変える可能性を感じ、腹を括って鉄華団とクーデリアを受け入れたというところだろうか。

【アトラとアミダ・アルカ】
装甲艦の食堂では、アトラが食事の準備をし、タービンズの女性パイロット、アジーが手伝っていた。

そしてお茶を飲んでいたアミダ・アルカがアトラに語り出す。
男の度量は、愛の量で決まる。
男の中には、持ってる愛がやたら多い者がいる。
その愛は、たとえ多くの女に分配されても普通の男の愛よりずっと大きく、心も体も芯の芯から満足できるのだと。

だがアトラには、アルカの言葉はピンとこないようで「はあ」と気の無い相づちを打つ。
アルカは、アトラにはいまいち伝わっていないと見ると「ザラザラしたモロコシのパンを独占するのと、とびっきりの極上の肉をみんなで味わうの、どっちがいい?」と艶然とした笑みを浮かべて尋ねた。

するとアトラは「パン!」と即答。
驚くアルカにアトラは「あっ…ごめんなさい。肉って本物のお肉ですよね…。食べたことないですし、何だか可哀想で…それに女将さんの焼くパンはとてもおいしいので」と失望させてしまったことを詫び、パンを選択した理由を一生懸命説明するのである。

これにアルカは好感を抱いたようで、「あんたいい奥さんになれるよ」と言いアトラを喜ばせるのだが、続けて「男選びさえ間違えなきゃね」と何やら不吉なことを言うのであった。

【マクギリスたち、地球へ】
マクギリス特務三佐の座乗するギャラルホルン艦は、地球に向けて航行していた。
その護衛を務めるガエリオ特務三佐は、今回の任務は通常の監査では済まず、鉄華団に翻弄されて自身は負傷、さらに独立運動の象徴的存在であるクーデリアの拘束に失敗するなど、予想外の苦戦続きであることに苛立ちを隠さない。

一方マクギリスは涼しい顔であり、鉄華団については裏の事情に詳しい男に探らせているという。
そしてガエリオの妹アルミリアとの婚約パーティーもあると言い、任務だけでなく今後の政治的なイベントについての目配りも忘れない。

ガエリオはアイン三尉を率いてブリッジを退出するが、自分の妹ながらわずか9才の子供を許嫁にさせられて平然としているマクギリスの真意を測りかねている様子である。

ガエリオはアイン三尉に、付き合っている女性はいるか尋ね、「いえ、自分はそういうのは…」と言われると「つまらん男だなあ」といい、せっかく部下にしてやったのだから暇つぶしの会話のネタぐらい仕込んでおけと無茶なことを要求するのである。

一方、アインの心を占めているのは、亡きクランク二尉である。
アインとしては、クランク二尉は少年兵たちの境遇に心を痛め、「罪のない子供は殺せない」と言い、出来る限りのことをしようとしたのに少年兵たちはクランク二尉を殺し、機体まで奪った、いくら子供とはいえ、クランクを思うと怒りと殺意が抑えられない。
「罪のない子供は殺せなくても、罪のある子供なら手にかけてもいいですよね?」と怒りに震えながら亡きクランクに語りかけるアインである。

【オルガたちと名瀬】
マクマード邸の庭。
オルガたちはベンチに腰掛け、名瀬から鹵獲品が売れたこととその値段を教えられ、思った以上の高値がついたことに驚いていた。

名瀬によると、玉石混交だったが、特にMSグレイズのエイハブリアクターは高く売れた、現在エイハブリアクターを独自生産できるのはギャラルホルンのみであり、その希少価値のためだと言う。
オルガは名瀬に頭を下げ、「恩に着ます、えっと、あっ、兄貴…」と礼を言うのだが、名瀬は「まだその呼び名は早いぜ」と笑うのであった。

恐縮するオルガに名瀬は、鉄華団のメンバーに少しは息抜きさせてやるように助言する。
オルガは名瀬に、いつもカミさんたちの息抜き、家族サービスに配慮しているのかと尋ねると、名瀬は女というのは適度にガスを抜かないと爆発すると冗談めかしていい、「家長としては当然の務めってやつだ」と笑う。
一方オルガは「家長として」という言葉に何やら考えこみ、決意の表情を浮かべ、「こいつの売り上げで今夜はパァ~っといくか!」と宣言する。
これにユージンは大喜びし、ビスケットは慌てて「これからのことを考えたら堅実に資金運営を」と言いかけるが、「まっいいか」と笑うのであった。

【クーデリアとマクマード】
マクマードの書斎では、マクマードとクーデリアが一対一で対面していた。
クーデリアの傍らには、護衛として三日月が無言で立っている。

マクマードはクーデリアに、火星経済の再生策として火星のハーフメタル資源の規制を解除し、火星での独自流通を実現させることを目的として地球に行こうとしているのか尋ねた。
クーデリアが認めるとマクマードはテイワズが仕入れた情報では、現アーブラウ政府首長の蒔苗は、本気でクーデリアの要望を通そうとしているらしいと明かした。

これにクーデリアは表情を明るくするが、マクマードは険しい表情で過酷な現実を突きつける。
クーデリアの要望が通った場合、下手をすれば戦争になる。
新たな利権を得ようと様々な組織が暗躍し、利権を得た後も各組織間の軋轢が残り、争いは長引くと。

火星の皆が幸せになるためと思ってやろうとしていることが、新たな争いを起こすという指摘にクーデリアは動揺する。

そしてマクマードはクーデリアに提案する。
「テイワズを指名しちゃくれないか。
お嬢さんがじきじきに指名した業者って大義名分を得られれば、当座の問題に関しちゃこっちでなんとかやれる」

だがクーデリアは決心がつかず、「もう少し、考える時間を頂けますでしょうか?」と言い、マクマードに「考える必要が?」と言われると、すがるような目で三日月を見た。

すると三日月はクーデリアに言う。
「これはあんたが決めることだよ

どっちにしろ、これからも人は死ぬんだ。
今までのことで分かってるだろ。

これはたぶん、俺が最初に人を殺したときと同じ。
クーデリアの、これからの全部を決めるような決断だ。

だからこれは、クーデリアが自分で決めなくちゃいけないんだ。」

クーデリアは無言で三日月の言葉を受け止める。
そしてマクマードは「なるほど。確かにそいつは一大事だ」と三日月の言葉に理を認め、しばらく待つことを受け入れた。

クーデリアはマクマードに一礼して退出した。
三日月も後を追おうとするが、マクマードに呼び止められ、名を尋ねられた。
「三日月・オーガス」と名乗るとマクマードはバルバドスのパイロットであることを理解し、バルバドスを整備してやろうと笑うのである。

マクマードとしては、誰もが震え上がるテイワズ代表の前でも臆すること無く、己の思うところを堂々と言い、しかもその言葉は偽りの無い本心からのものであり、そんな三日月が大いに気に入ったというところだろうか。

【オルガの家族サービス】
オルガはさっそく鉄華団メンバーたちへの家族サービスを開始した。
まずはお菓子を大量に購入して装甲艦イサリビに帰還、年少組にプレゼントした。
年少組の子どもたちは大喜びであり、アトラは自分でも同じものが作れるだろうかと観察する。

そこにシノたち年長組が顔を見せ、「団長!俺らにはなんもねぇの?」と笑いながらオルガに尋ねた。
オルガは「あるに決まってんだろ!」と笑い、年長組を連れて歳星内の都市区画の酒場に繰り出し、酒と食べ物を大いに勧めるのである。盛り上がる一堂だが、シノは色街への興味を露骨に示し、昭弘は冷ややかな目を向ける。

それから数時間後。
オルガは酔って気分が悪くなり、道端に座り込み、三日月に背中をさすられていた。
どうやらオルガは、酒にはあまり強くないようである。

すると見知らぬスーツ姿の若い女性が「これ、よかったら使って」とハンカチを差し出し、「大人になるなら、色んなこととの付き合い方、覚えなくちゃダメよ?」と言い残して立ち去った。
この女性、オルガたちに対して好意的なようだが何者だろうか。

結局オルガは酔いつぶれ、昭弘に背負われていた。
シノは「俺らはここで」と言い、ユージンは「シノがどうしてもっつぅから」と何やら言い訳し、夜の街に消えていった。
そしてビスケット、三日月、オルガを背負った昭弘は装甲艦イサリビに帰還した。

【クーデリア、フミタンにプレゼント】
クーデリアは一足先に装甲艦イサリビに帰還し、マクマードとの交渉についてフミタンに話していた。
フミタンは、只のメイドである自分には分からないが、ギャラルホルンを敵にまわしてしまった以上、火星に戻ることは出来ない、であれば…、と冷静に現状を分析すると、クーデリアは「答えは決まっている」と言う。

クーデリアは「分かってたの。でも認める勇気がなかった」と言い、「ごめんね。いつもありがとうフミタン」と礼をいった。
そしてクーデリアは目を輝かせるとネックレスを取出し、フミタンに渡す。
オルガたちと歳星のモールで見つけたのだと言い、首にかけた同じネックレスを見せて「お揃い!」と笑う。

これまでほとんど感情の動きを見せたことのなかったフミタンだが、自分がクーデリアに大事に思われていることを再認識し、何やら思い悩んでいる様子である。

【オルガ、酔いつぶれる】
装甲艦イサリビの食堂で、オルガは酔いつぶれていた。
三日月は、「こんなとこで寝たら風邪引くよ」と声をかけるが、オルガは目を覚まさない。

三日月は上着をオルガにかけると、ビスケットに言う。
クーデリアはテイワズ預かりということになったが、こんな大事なことをオルガに相談せずに決めてしまった、反対した方が良かっただろうかと。

これにビスケットは三日月の判断を肯定して言う。
組織間の戦争になったら鉄華団の手に負えないことはオルガも分かっている、今までも上手くいったから良かったが、本当は自分たちの手に負えないことばかりだったと。

すると三日月は「でもオルガの意地のおかげで、俺たちも夢が見れてる」と言う。
ビスケットは「だね。まあオルガには、もう少し俺たちを頼ってほしいんだけどね」と笑うのであった。

その会話を目を覚ましたオルガが聞いていた。
オルガはビスケットの言葉をどう思ったのだろうか。

【ライド、お菓子をとっておく】
オルガが食堂で目をさますと、年少組のライドがロッカーで何かしている。
見ると、オルガからもらったお菓子を大量に隠していた。

オルガが「菓子?食わなかったのか?」と聞いた。
するとライドは、年少組のもっと小さな子どもたちが泣いたりした時に甘いものがあるといいから…と目を逸らしながら言う。

これにオルガは好ましい笑みを浮かべ、ライドの頭をワシャワシャと撫でるが、また気持ち悪くなってライドの前で醜態を晒すのであった。

【テイワズの老職人、バルバドスに狂喜】
整備台に据え付けられたバルバドスの前では、テイワズの老職人が「バルバトスをこの手でいじれる日が来るなんて!」と狂喜していた。

この老職人、「そんなにすごいんですか?」とタカキに問われると機体について喜々として語りだし、「完全なバルバトスをご覧に入れますよ~!」と歓声を上げるのである。

整備士・雪之丞は、老職人の熱血ぶりに呆れながらもバルバドスを整備してもらえることは歓迎である。
その時、シノが「俺も手伝うぜ」と満面の笑顔で現れた。

上機嫌なシノの下品な言葉から、ヤマギは何があったのかを察し、嫌悪の表情を浮かべる。
ヤマギが見せた表情の理由は不明だが、色商売は従事する者の身も心も尊厳も傷つけるという認識を持つ男性もいるということを描いているのだと思いたい。

【オルガと名瀬、兄弟結縁盃之儀】
いよいよオルガと名瀬が兄弟の盃を交わす日が来た。
式場の一室では名瀬が、式で飾るため大きな和紙に参加者名を漢字の当て字書いているのだが、かなりの達筆である。
三日月が「変わった絵だね」と言うと、名瀬は目の前の『御留我 威都華』という文字を見て「字だよ。これでオルガ・イツカと読む」と説明した。

すると三日月は感心し、「この字って俺のにもあるの?」と尋ねた。
名瀬は少し考えると半紙に「三日月 王我主」と書いた。
これに三日月は「クーデリアから教わったのより、こっちのが好きだな。なんかきれいだ」と喜ぶ。

そこに紋付き羽織袴のオルガが姿を見せ、名瀬に挨拶する。
名瀬は似合っていると褒め、三日月は名瀬に書いてもらったばかりの自分の名前を見せ、「ほら、同じ字が入ってる」と笑う。

すると名瀬は言う。
「『御留我』の『我』と『王我主』の『我』だ。
『我』(われ)とも読む。
『自分』って意味さ。
これからどんどん立場だって変わる。
自分を見失うなよオルガ。でねぇと家族を守れねぇぞ」

そして鉄華団の年長組、タービンズのメンバー、そしてマクマード・バリストンの元、オルガと名瀬は義兄弟の盃を交わすのである。

なお、式で飾ってあった掛け軸の漢字は以下のようなものであり、文字を書いたのはラフタを演ずる声優・日笠陽子のようである(カッコ内は読み方を記載したもの)。

蛇亞瓶守(タービンズ)
兄弟結縁盃之儀

寿
兄 名瀬 蛇亞瓶(名瀬・タービン)
見届人 真紅真亞土 芭里主屯(マクマード・バリストン)
弟 御留我 威都華(オルガ・イツカ)

寿
媒酌人 浪蓋 布蘭宮嵐人(ラフタ・フランクランド)
鉄華団

【クーデリア、マクマードに決意を伝える】
式の前、クーデリアはマクマードに、交渉のため地球に行く、そのためにテイワズを指名する意思を伝えた。自分の手は既に鉄華団の血にまみれており、いま立ち止まることは彼らに対する裏切りになると。

マクマードはクーデリアの決意を歓迎するが、オルガに尋ねる。
鉄華団がテイワズの下請けとしてクーデリアの護衛を行なうことは、オルガのリーダーとしての面子を潰すことになる、それで良いのかと。

するとオルガは言うのである。
「鉄華団は俺が…いえ、俺ら皆で作る家です。
俺のメンツなんて関係ないです。
これから何があっても俺らが変わることはない。
俺ら一人一人が鉄華団のことを考えていく。守っていく」

式の後、三日月はオルガを「格好良かったよ」と褒めた。
オルガは三日月に気苦労をかけた礼を言い、地球に向かう決意を新たにするのである。

【予告】
次回「明日からの手紙」

次回は、三日月とアトラが今より小さい頃が描かれるようである。
これまでアトラはおばさんや女将さんについて語ることはあっても親について触れることはなく、彼女にも複雑な過去があるようであり、注目したい。

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第8話「寄り添うかたち」

  • 2015/11/23(月) 02:30:38

【感想概略】
今回は、鉄華団とタービンズの交渉と交流のお話である。
タービンズの名瀬・タービンもアミダ・アルカも、実は鉄華団の少年たちのことを親身に考えていたことが明かされたが、これまで「鉄血のオルフェンズ」に登場した大人たちはマルバ、トド、オルクスのような私欲のために平気で人を裏切り、他人の命など利用する対象くらいにしか思っていない人間が多かったので、名瀬やアルカのような人情のある大人の存在は救いになったと思う(ただ、名瀬がタービンズ艦の乗員は全て自分の女というのは、個人的には共感が持てないが、本人たちが幸せならよいのだろう)。

そしてオルガが鉄華団全員を仲間以上の存在と思っていることが明かされ、オルガの仲間への思いを名瀬が理解する姿が描かれ、三日月はオルガにふさわしい自分になろらねばならないと思っていることが明かされ、面白かった。

そして、世界のありようの一端が今回明らかになった。
地球の4大経済圏は、自分たちの利益追求に走るギャラルホルンを重荷に感じており、これが火星独立運動家クーデリアと会談を了承した背景なのだという。
またテイワズがクーデリアをギャラルホルンに突き出さないところを見ると、テイワズもギャラルホルンのやり方に不満を感じているようである。
ギャラルホルン全体としては自分たちの権益を守るつもりだろうが、マクギリスが何を企んでいるのかは不明である。

これからの各勢力の政略についても注目したい。

【鉄華団、タービンズ艦のブリッジに突入】
今回はまず、前回描かれなかった鉄華団によるタービンズ艦制圧作戦からはじまる。

鉄華団の強襲装甲艦イサリビは、煙幕に紛れてタービンズ艦に真正面から急接近し、激突寸前に艦を横にして衝突を回避した。
この間にオルガたちはモビルワーカー数機でタービンズ艦に取り付き、カーゴブロックを爆破して艦内に侵入。
続けて少年兵ダンテ・モグロは艦のメインフレームをハッキングし、艦内図を取得し、さらに操作を乗っ取った。
さらにオルガたちは可燃性のガスを艦内に散布、タービンズ側の銃器の使用を封じた。

タービンズ側は隔壁を閉じて侵入者たちを閉じ込めようとするが、ダンテが艦内設備を操ってタービンズ側の操作を妨害、オルガたちは確実にタービンズ艦のブリッジに近づいていく。

一方タービンズ艦のブリッジでは、旧CGSの元社長マルバが名瀬に、「ガキどもを殺しちまって下さい!」と喚いていた。
だが他人の力を利用して少年たちを抹殺しようとするマルバに、名瀬は冷ややかな目を向ける。
そしてついに、オルガたちがブリッジに姿を見せた。

【名瀬・タービン、鉄華団との交渉を了承】
マルバがガキどもを殺して下さいよ!と喚く一方、名瀬もオペレーターたちも涼しい顔である。
名瀬は「確かに、タダのガキじゃねえみてえだな」といい、オルガたちを認めた。名瀬としては、子供の命を何とも思わないマルバに道理は無く、オルガたちにこそ道理があると認識したというところだろうか。

マルバはなおも少年兵たちを殺すよう叫ぶが、オルガは「もう一つ、用事があったな」と言うとマルバに銃を突きつけた。
マルバは慌てて「あれは作戦だった」と苦しい弁解を重ね、「お前らに仕事をやって飯を食わせてやったのは一体誰だと思ってんだ!?」と喚く。
オルガも、頼る者のない自分のような少年たちにマルバが仕事と衣食住を与えてくれたことは理解している。おそらくオルガは、マルバを恩人と思えばこそ、任務のためなら少年兵たちに死の命令を下すこともあったのだろう。

オルガはマルバから銃口をそらさないが、名瀬は「んな奴の血で、手を汚すこたあねえ」と言い、その場を収めた。
そして名瀬は、覚悟は見せてもらった、取引を考えようと明言し、モビルスーツ隊を率いるアミダ・アルカに戦闘中止を通知した。
これにより、三日月の駆るバルバドスVSラフタ機、昭弘機VSアルカ機、アジー機との激戦は終結したのである。

【モビルスーツ帰還】
タービンズ艦のモビルスーツデッキで、名瀬は帰還したアルカを出迎えて労い、「どうだった?」と尋ねた。
これにアルカは「楽しいもんじゃないさ」とどこか自嘲するような笑みを浮かべ、少年たちと戦うことは決して本意ではないことを明かす。
だが見どころのある坊やたちだったよと言うと、名瀬も「だな」と同意するのであった。

一方、装甲艦イサリビのモビルスーツデッキにバルバドスとグレイズ改が帰還した。
整備士・雪之丞は三日月に、調整の出来ていない機体で出撃させ、無理させてしまったことを詫びた。
だが三日月は「おやっさんのせいじゃないよ」と言い、雪之丞を気遣う。

【鉄華団、タービンズと交渉 その1】
タービンズ艦の応接室では、鉄華団とタービンズとの交渉が行われていた。
鉄華団からは、オルガとクーデリア、そしてビスケットとユージンが出席。
そしてタービンズからは、名瀬とアルカ・アミダが出席している。アルカが組織のナンバー2ということのようである。

まず会議は、マルバの処遇について確認した。
マルバは名瀬の意向により、資源採掘衛星で働くことになったのだが、オルガに依存は無い。

オルガは世間話のつもりか、「この船、女性しか見かけませんね」と言うと、名瀬は「そりゃそうだ。ここは俺のハーレムだからな。この船の乗員は全員、俺の女ってわけだ」と答えた。
鉄華団側は全員驚き、クーデリアが思わず「全員、奥さんなのですか?」と尋ねると「まあ、そういうことだな」と名瀬は答え、さらに名瀬の子供が五人くらいいると教えてくれた。
これにクーデリアは顔を真赤にして引きつり笑いを浮かべ、オルガは居心地悪そうに目をそらすのであった。

【鉄華団、タービンズと交渉 その2】
世間話で場が和んだところで、名瀬はオルガたちの望みは何か尋ねた。

するとビスケットが言う。
自分たちはクーデリアを地球に送り届けたい、そのために航路の安全を確保できる案内役を依頼したいと。

そしてオルガが「俺たち鉄華団をテイワズの傘下に入れてもらえないでしょうか?」と頭を下げた。
名瀬は無言で話を聞いていたが、「まっいいだろ。オヤジに話を通してやる」とオルガの頼みを了承した。

続けてビスケットは、クーデリアを資産と呼ぶ意味を尋ねた。
名瀬は即答できないのだが、ヒントとしてギャラルホルンをどう思うか尋ねた。

質問の意味がよく分からず困惑するユージンにクーデリアは説明する。
ギャラルホルンは300年前、厄祭戦を終わらせ、その後も強大な軍事力を背景に、戦争が起きないよう4つの経済圏を外部から監視する組織だと。

すると名瀬は言う。
だが近年、4つの経済圏は、自己の利益を追求するギャラルホルンを重荷に感じている。
そんなところに出現したのが、「ノアキスの7月会議」のクーデリアであり、彼女は今や火星の独立運動をまとめた時代のヒロインである。
そして、一地方の独立運動家がギャラルホルンを飛び越えて地球経済圏のトップと会談することが実現したら、それはギャラルホルンの支配体制を揺るがしかねない一大事である。
つまりクーデリアは、自分ごときがどうにか出来る存在ではなく、詳しくはテイワズのボス、マクマード・バリストンに直接聞いてほしいと。

【装甲艦イサリビ、火星からの通信を受信】
オルガたちは装甲艦イサリビに帰還し、ブリッジにいるメンバーたちに、テイワズのマクマード・バリストンと交渉することが決まったと報告した。
ついこの前まで、テイワズに何のパイプの無かったことを思えばこれは大きな前進である。
シノたちは沸き立つが、オルガはまだテイワズの傘下に入れるか決まったわけではないと気を引き締めさせる。
そしてビスケットは、まずはタービンズ艦の案内で、テイワズが拠点としている巨大宇宙船「歳星」に向かうと説明した。

その時、オペレーターを務めるフミタンが、火星からメールを受信したことをオルガに報告した。
内容は、鉄華団居残り組の運転資金が底を尽きそうだという報告であり、オルガとビスケットは頭を抱える。
一方フミタンは相変わらず感情の色を見せないが、その油断のない目が不審である。

【オルガと三日月】
装甲艦イサリビの格納庫。
三日月はオルガに、今回自分はあまり役に立たなかったと謝った。
オルガは「何言ってやがる。十分やってくれたろう」と言う。
オルガとしては、三日月は整備不十分な機体で装甲艦イサリビを守り切ったのであり、これ以上の成果はなく、三日月の謝罪は心底意外なようである。

だが、三日月は「いや、あれじゃ駄目だ。もっともっと頑張らないと…」と言い、自分を許そうとしない。
三日月としては、たとえ整備が十分でない機体であっても、苦戦して機体を大きく損傷させ、整備班に大きな負荷をかけてしまったことが申し訳なく、迷惑をかけた自分が許せないというところだろうか。

これにオルガは「俺も、まだまだ頑張らねぇと」と言う。
オルガとしては、三日月が自分自身に納得していないのであれば、その気持を尊重し、ならば自分も一緒に頑張る意思を示したというところだろうか。

【アトラとクーデリア】
装甲艦イサリビ艦内の食堂。
クーデリアは皿を拭きながら、テイワズが自分を資産と呼ぶ理由について考え、難しい表情を浮かべていた。
クーデリアとしては、テイワズが自分を利用して良からぬことを企んでいる可能性と、その場合の企みの内容についてあれこれ想定して思い悩んでいるというところだろうか。

テーブルを掃除するアトラは、クーデリアの様子を見ると少し考え、一緒にタービンズ艦に行こうとクーデリアを誘った。
何故かイタズラっぽい笑みを浮かべるアトラである。

【オルガと名瀬】
タービンズ艦の応接室。
オルガとビスケットは名瀬を訪ね、ギャラルホルンからの鹵獲品のリストを見せ、仲介料を払うので、これらを売却できる業者を紹介してほしいと頼んだ。

名瀬は、業者を紹介出来なくは無い、だがそんなに資金に困っているのなら、なぜ自分が仕事を紹介すると言った時に断ったと尋ねた。
「だってあの話を受けたら、俺たちはバラバラになっちまうって…」とオルガが言うと、名瀬は「なっちゃいけないのか?」と問う。

するとオルガは「俺らは、離れられないんです」と答えた。
名瀬は「気持ち悪ぃなぁ、男同士でベタベタと」と少しからかうように言うが、オルガは「なんとでも言ってください。俺らは…鉄華団は離れちゃいけない」とこればかりは決して譲らない。

名瀬はオルガの言葉の意味が理解できず、「だから、なんでだよ!」と問う。
するとオルガは言う。
「それは…つながっちまってんです。俺らは。
死んじまった仲間が流した血と、これから俺らが流す血が混ざって、鉄みたいに固まってる。だから…だから離れらんねぇ。」

名瀬は、離れられないという意味は理解したが、なおもオルガに問う。
「鉄華団を守り抜くってんなら、これから先は誰もお前に指図しちゃあくれない。
ガキどもがお前の命令一つで死ぬ。
その責任は誰にも押しつけられねぇ。
団長であるてめぇが、一人で背負えんのか?それを」

名瀬としては、いくらしっかりしているとはいえ、まだ少年のオルガが鉄華団メンバーの生死について責任を負うことを不憫と思っており、鉄華団を自分の管理下に置こうとしたのも、オルガを重責から解放したいという気持ちからというところだろうか。

するとオルガは言う。
「覚悟はできてるつもりです。
仲間でもなんでもねぇヤツに、訳の分からねぇ命令で仲間が無駄死にさせられるのは御免だ。
あいつらの死に場所は鉄華団の団長として俺が作る!
それは俺の死に場所も同じです」

オルガは「あいつらのためなら、俺はいつだって死ねる」と言うが、名瀬は立ち上がるとオルガに強烈なデコピンを浴びせ、オルガは腰を抜かした。

そして名瀬は言う。
「てめぇが死んでどうすんだ。
指揮官がいなくなったら、それこそ鉄華団はバラバラだ。
まあでも、血が混ざってつながって…か。
そういうのは仲間っていうんじゃないぜ。
家族だ」

名瀬は、悪いようにしないと言い残し、立ち去った。

【クーデリア、赤ん坊に癒やされる】
タービンズ艦の保育室をアトラとクーデリアが訪れた。
ここには五人ほどの赤ん坊がおり、この時はアミダ・アルカとラフタが世話をしていた。

クーデリアは赤ん坊に目を輝かせ、癒やされている。
これにアトラは「よかった」と言い、最近クーデリアが難しい顔ばかりしているので、ここに連れてきたことを明かした。
クーデリアはアトラの気遣いに少し心を打たれている様子である。

【オルガとビスケット】
タービンズ艦の廊下で、オルガは「しくじった…」と頭を抱えた。
ビスケットは、名瀬との交渉は上手くいったのではと指摘する。
するとオルガは「問題はそこじゃねぇ!」と叫び、名瀬に子供扱いされたことが問題なのだと言い、穴があったら入りたい様子である。
するとビスケットは「大丈夫。何があっても僕たちはオルガを信じてついていくから」と笑い、オルガはむくれた顔でそっぽを向きながら「おう…」と言うのであった。

この辺り、珍しく子供らしさを見せるオルガが可愛らしかった。

【三日月と昭弘、タービンズ艦で特訓】
タービンズ艦の格納庫では、昭弘がシミュレーターでラフタと対戦、撃破されていた。
この訓練は阿頼耶識システム無しであり、純粋な操縦技術の向上が期待出来そうである。

もう一勝負を望む昭弘だが、アジーの「熱くなってちゃ勝てないよ」という言葉を受け入れる。
続いて三日月が特訓に名乗りをあげた。
アジーは好ましい笑みを浮かべ、「あんたたち、毎日毎日よく頑張るね」と声をかけた。
すると三日月は「俺には、それくらいしか出来ることがないんだ」と答えた。

【オルガと三日月】
装甲艦イサリビでオルガは三日月に「向こうの船でしごかれてるそうじゃねぇか」と声をかけた。
三日月は「オルガに見捨てられないように、頑張らなくちゃいけないからね」と言う。
オルガは、三日月の前では最高に格好良い自分であらねばならないと思っているが、実は三日月もオルガにふさわしい自分であらねばならないと思っているようである。

するとオルガは「バ~カ。見捨てるとか見捨てないとかじゃねぇよ。家族ってのは」と笑い、「頼むぜ、ミカ」と言うと腕と腕を軽くぶつけあった。

オルガが格好悪いことがあっても、三日月の力ではどうにもならないことがあっても、二人が互いを大事に思う気持ちは揺らがないだろう。二人がそのことを自覚できる日が来てほしいと思う。
だがそうなる前に、オルガも三日月も自分に対するハードルを上げすぎているように見え、このままではそれぞれに挫折が訪れるように思えるのだが、その時二人がどうなるのかというのがちょっと怖い気がする。

【予告】
次回「盃」

次回はオルガが紋付袴でテイワズのボス、マクマード・バリストンと親子の盃を交わすようなのだが、テイワズの作法はまるで日本の極道である。
またクーデリアもドレスアップしてマクマード・バリストンと会うようである。

マクマード・バリストンに極道の仁義は期待できるのであろうか。
そして彼はギャラルホルンが力を振るう世界のありようをどのように思い、クーデリアに何を期待するのだろうか。
次回にも注目したい。

最近買った漫画:第七女子会彷徨(9)、乙女のてにをは(1)

  • 2015/11/17(火) 22:57:04

最近購入した漫画は以下の通り。

■第七女子会彷徨(9)
著者:つばな

「コミックリュウ」連載の不条理日常SF物語の第9巻。
毎巻楽しみにしているので本巻も購入。




■乙女のてにをは(1)
著者:るなツー

Webコミック「やわらかスピリッツ」連載の女子高生の日常を描く漫画作品の単行本。
どこか昭和の香りが漂う雰囲気も好きである。
連載を楽しみにしており、通して読めることと単行本ならではの付加価値に期待して購入。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第7話「いさなとり」

  • 2015/11/15(日) 19:21:02

【感想概略】
今回は、鉄華団VSマフィアの激闘である。
コンディションが不十分なバルバトスが、整備状態良好であろうタービンズの高機動モビルスーツと現状の能力と装備を最大限活用して戦う姿が描かれ、昭弘がグレイズ改を駆り、タービンズの女傑アミダ・アルカ及びアジーの駆るモビルスーツ二機と気合と度胸のケンカ戦法で三日月の信頼に応えようと激闘を繰り広げる姿が描かれ、そして、阿頼耶識システムを埋め込まれた身体を最大限利用した意表を突く作戦でタービンズを交渉のテーブルにつかせるオルガと鉄華団の度胸と智略が描かれ、見応えがあり、面白かった。
整備の十分でないバルバトスで三日月を出撃させざるを得ない雪之丞と三日月のやりとりも良かったとおもう。

【オルガ、タービンズの名瀬・タービンと交渉】
前回ラスト、木星圏に向かって航行する装甲艦イサリビは、通信を受信した。
それは旧CGSの元社長マルバからのものであり、マルバは「俺の船を返せ!」と少年兵たちを怒鳴りつけた。

そして今回。
マルバの搭乗する宇宙艦の艦長席に座る白いスーツ姿の若い男性は、自らをタービンズの代表、名瀬・タービンと名乗った。
このタービンという男の組織だから「タービンズ」というようである。

するとビスケットは、タービンズとはテイワズ直参の下部組織であり、あの名瀬という男は、テイワズのトップ、マクマード・バリストンと親子の盃を交わしているとオルガたちに説明する。さすが物知りのビスケットである。

一方、名瀬は言う。
仕事上の知人であったマルバが酒場で酔いつぶれているところを偶然再会し、ギャラルホルンとトラブルになってしまい困っているという話を聞いた。
そこでCGSの所有物を全てタービンズで預かることを条件にマルバを手助けすることにしたのだが、CGSは既に廃業し、その資産は書類の上では鉄華団という団体に譲渡されていることを知った。

そこで名瀬はオルガに要求する。
鉄華団はタービンズに資産を引き渡し、傘下に入ること。
引き換えに鉄華団の少年兵たちには真当な仕事を世話してやる、但し少年兵たちは一緒という訳にはいかないと。

これに三日月は「みんなバラバラになるのは嫌だな」とつぶやく。
そしてオルガは「あんたの要求はのめない。俺たちには鉄華団として引き受けた仕事がある」と言い、名瀬の要求を拒否した。

【ビスケット、タービンズに取引をもちかける】
ここでビスケット・グリフォンは、鉄華団として名瀬に取引を持ちかけた。
クーデリアを地球に送り届けるための航路を確保する案内人を頼みたい、もちろん相応の通行料は払うと。

だが名瀬は「話にならん。火事場泥棒で組織を乗っ取ったガキが、一丁前の口を利くな!」とビスケットの言葉を一蹴する。

これにユージンたちは、名瀬に怒りの色を見せる。
卑怯者マルバとは取引するくせに、自分たちをマルバ以下と見なすのかと。

名瀬は少年兵たちの声に聞く耳を持たず、「俺を敵に回す意味くらい、分かってんだろうな?」と脅す。
これにオルガは「あんたの要求はのめない。あんたの道理がどうだろうと、俺たちにも通さなきゃいけねぇ筋がある」と名瀬の要求を完全拒否した。

「それは俺たちとやり合うって意味でいいんだよな?」と名瀬は凄みを利かせる。
が、オルガは怯まず、「俺たちがただのガキじゃねぇってことを教えてやるよ。マルバ、てめぇにもな。死んでいった仲間のけじめ、きっちりつけさせてもらうぞ」とタービンズに宣戦布告するのである。

これにビスケットは交渉の余地はあったはずだとオルガに抗議する。
だが名瀬はビスケットを「丸いの」と呼んで侮り、鉄華団を「火事場泥棒のガキども」呼ばわりして対等の交渉相手と見ているとはとても思えない。
この場合、オルガの決断は止むを得ない気がする。
そして戦うとなれば笑って力を尽くすビスケットであるが、必ずしも全て納得した訳ではなさそうである。

【オルガ、ユージンに艦の指揮を任せる】
オルガは、これこそテイワズと渡りをつける好機、鉄華団の力を魅せつけるには好都合だと仲間たちを鼓舞する。
そしてユージンを呼び止め、艦の指揮を任せるという。
出撃するつもりが出鼻をくじかれて不満そうなユージンだが、「ここを頼めるのはお前しかいない」と言われると「しかたねえな」と言いながら嬉しそうである。

フミタンはクーデリアに中枢ブロックへの避難を促し、ノーマルスーツへの着替えを手伝おうとする。
これにクーデリアは「一人で大丈夫。フミタンは皆さんの力になってあげてください」と言い、一人でブリッジを立ち去った。
クーデリアは、戦闘では自分が何の役にも立てないことにまた落ち込んでいるようである。

そして装甲艦イサリビはオルガの作戦通りに、速度を維持したまま180度回頭し、砲撃戦に備える。

【タービンズから女傑アミダ、妹分アジー出撃】
タービンズ艦から、モビルスーツ「百錬」が出撃した。
パイロットはアジー・グルミン。
銀髪の沈着な女性であり、年齢は10代後半~20代初めくらいか。

続いてアミダ・アルカが百錬を駆って出撃する。
このアミダ、不敵な笑みを浮かべるラテン系の女性であり、年齢は20代後半~30代初めくらいであろうか。

公式HPには、アミダ・アルカは名瀬の第一夫人、そしてモビルスーツ「百里」を駆るラフタ・フランクランドは名瀬の彼女と記載してある。
アジーについて名瀬との仲は公式HPに特に記載されていないのだが、タービンズというのは名瀬の一夫多妻のハーレムなのだろうか。

【バルバトス、グレイズ改出撃】
装甲艦イサリビの格納庫では、バルバトスとグレイズ改の出撃準備が大急ぎで行われ、まずは昭弘がグレイズ改で出撃した。

一方バルバトスは、この前のギャラルホルンとの戦闘のダメージの修復が間に合っていないのだが、出撃せざるを得ない。
整備士・雪之丞は「こんな状態でおめえを出したくはねえんだが…寝覚めが悪いから死ぬなよ」と声をかけた。
すると三日月は「おやっさんより長生きするつもり」と冗談を言うと出撃した。

【装甲艦イサリビ善戦】
装甲艦イサリビに敵艦の砲撃が次々と命中、致命打にはならないがいい気分はしない。
ユージンは「ちっとは回避できねぇのか!」と言う。

が、ビスケットは的確に進言する。
「下手に舵を切れば距離を詰められて対艦ナパーム弾の射程に捕まる!
あれを続けてもらえばナノラミネートアーマーでも溶解するんだ。
今は迎撃可能な距離を維持して!」

続けて敵艦がミサイルを発射。
装甲艦イサリビは対空砲でミサイルを撃墜する。

一方、タービンズ艦のオペレーターたちは、装甲艦イサリビが砲弾を受けながらも針路を変えないことに「意外と肝は据わってるんだ」とつぶやき、少しは見なおした様子である。

そして名瀬は、「長引きそうなのか?ならラフタに出てきてもらったらどうだ」と言い、小惑星に潜む味方モビルスーツの出撃を命じた。

【タービンズのラフタ参戦】
小惑星から一機のモビルスーツが飛び出し、装甲艦イサリビに発砲、命中弾を浴びせた。
タービンズの女性パイロット、ラフタの駆るモビルスーツ「百里」である。

これにオペレーターを務めるフミタンは被害状況をに報告、さらに艦内一部区画の隔壁を閉鎖、まさに優秀なオペレーターぶりを見せる。
が、状況は装甲艦イサリビにとって芳しくない。

ラフタの駆るモビルスーツ「百里」は高機動戦闘に特化した機体であり、高速で装甲艦イサリビの間合いに踏み込むと砲撃を浴びせ、イサリビの対空砲火をかわして離脱、再び高速で突撃して砲撃を浴びせる一撃離脱戦法を繰り返す。
イサリビでは百里の動きを捉えることは出来ず、このままでは致命打を受けることは時間の問題である。

三日月は「前の二つは任せていい?」と昭弘に言い、アミダ機とアジー機の相手を昭弘に任せ、自らはバルバトスを駆り、イサリビを攻撃するラフタ機の迎撃に向かう。
そして昭弘は「ここは俺が任された!」と言いながらアミダ機とアジー機の前に立ち塞がる。

【クーデリアとアトラ】
クーデリアは更衣室で宇宙服に着替えようとするが、上手くいかない。
いつもフミタンに手伝ってもらっており、一人で着替えるのは初めてだからである。そこにアトラが通りかかった。
そしてアトラに教わって、クーデリアは宇宙服に着替えた。

アトラは「じゃあ行きましょうか…」とクーデリアに声をかけた。
これに少し驚いた様子のクーデリアに、アトラは「やっぱり私はブリッジに入ったらダメですよね?」と自信無さそうな表情である。

だがクーデリアは「落ち込んでいてもなんにもならない。鉄華団の戦いを見届ける。それが今の私にできること」と内心でつぶやき、アトラの手をとってブリッジへ向かうのである。

【バルバトスVS百里】
三日月はバルバトスで装甲艦イサリビの防衛に駆けつけ、ラフタの駆る百里の前に立ち塞がる。
が、ラフタ機の機動性は尋常ではなく、三日月はラフタ機の動きを捉えることができない。

ラフタは百里で「遅い遅い遅い!」と叫びながらバルバトスを猛射。
バルバトスに次々と命中弾を浴びせる。

【鉄華団、出撃準備】
イサリビ艦内では、ヤマギたち少年兵がモビルワーカーの出撃準備を行なっていた。
そこに大柄な少年兵オルバ・シノが宇宙服で現れ、笑顔で準備はどうかとヤマギに尋ねた。

ヤマギが「今終わったとこだよ」と言うと、オルバは「そっか。いっつも悪いな」と笑って左手を差し出した。
ヤマギは左手で握手をかわし、オルバたちの搭乗を見送るのだが、意味深な様子である。

【クーデリア、ブリッジへ行く】
クーデリアとアトラは、ブリッジに飛び込んできた。
そして迷惑そうなビスケットに、クーデリアは「私はここで見届けます」と言う。

ビスケットは渋々クーデリアを受け入れる。
そしてフミタンは、全く感情の色を見せない。

【三日月苦戦】
ラフタは百里を駆り、高機動戦闘でバルバトスを翻弄。
次々と命中弾を浴びせ、ついにバルバトスは大爆発を起こした。
爆炎に包まれるバルバトスに、ラフタは勝利を確信する。

だが次の瞬間、爆炎の中からバルバトスがワイヤークローを射出、ラフタ機をクローが掴んだ。
ラフタはワイヤーを振りほどこうと加速、三日月は強烈なGに苦しむ。

【鉄華団、タービンズ艦に白兵突入】
装甲艦イサリビでは、ユージンの合図でタービンズ艦にミサイルを発射した。
これをタービンズ艦は落ち着いて迎撃、ミサイルは対空砲火を浴びて爆発した。
ところが爆発するミサイルは猛烈な勢いで煙を撒き散らし、タービンズ艦の視界を塞ぐ。

そして次の瞬間、タービンズ艦はイサリビが猛然と突撃してくることに気付いた。
衝突の直前、イサリビは艦を横に倒してタービンズ艦をかわす。

これには名瀬も肝を冷やした様子だが、自分たちの勝利を疑わない。
だが次の瞬間、艦内が大きく揺れた。

タービンズ艦のオペレーターはカーゴブロックで爆発と報告。
そして艦内カメラには、鉄華団の少年兵たちが銃を構えて侵入してきた姿が映っている。
何とオルガたちが、先ほどの宇宙艦同士のニアミス時、モビルワーカーで飛び移ってきたのである。

これに名瀬は驚愕、「船の速度を考えろよ。体がミンチになるだろ」とつぶやく。
するとマルバは「ヤツらは宇宙ネズミだ。それくらいは平気でやってくる!」と叫ぶ。

これに名瀬は「ネズミ?阿頼耶識か。あんたまさか、あいつらに無理やりあの手術を?」と問うと、マルバは「ああそうだ!手術を拒否したただのガキが何の役に立つ?!」と悪びれずに言う。
マルバの言葉に、名瀬は不快そうな様子である。

【昭弘機VSアミダ機、アジー機】
昭弘のグレイズ改と交戦中のアミダ機とアジー機は、自分たちがタービンズ艦から離れすぎてしまったこと気付き、艦の近くに戻ろうとする。

が、昭弘は二機を通すまいと奮戦。
昭弘はアミダ機の間合いに強引に踏み込み、拳でアミダ機の頭部を殴り、センサーを潰す。
が、アミダ機は膝蹴りをグレイズ改の胸部に浴びせて反撃。
アミダは「急に思い切りがよくなったね!」と目を輝かせ、敵の勇敢さを喜ぶ。

ところがこの隙に、グレイズ改は大型砲をアミダ機に向けて発砲。
アミダ機は間一髪で砲撃をかわすとグレイズ改に一撃、大型砲を破壊する。

満身創痍のグレイズ改だが、隙をついてアジー機の左足を掴むと拳で何発も殴る。
グレイズ改の腕も破損するが、アジー機に確実にダメージを与えていく。

これにアミダは「脳みそまで筋肉で出来ていそうな戦い方じゃないか。いいね!そういうのはさ!」と笑う。

【名瀬、鉄華団との交渉に応じる】
ラフタ機はバルバトスが巻きつけたワイヤーを振りほどこうと高速機動を繰り返し、バルバトスを振り回す。
ラフタはワイヤーの接触通信で「そっちは慣性制御が追いついてないんでしょ?早く放さないと苦しいだけだよ」と言うが、三日月は「放したらあんたはイサリビを沈めに行くんだろ」と言い、決してラフタ機から離れようとしない。

「オルガの邪魔はさせない」という三日月に、ラフタは「邪魔をしているのはあんたの方だろ!」と叫ぶと急加速し、バルバトスを小惑星に叩きつける。猛爆発が起こり、バルバトスは爆炎に包まれた。

ラフタは「バイバイ少年。楽しかったよ」と笑い、勝利を確信する。
だが次の瞬間、ラフタ機はワイヤーで引っ張られた。
見ると、バルバトスはメイスを小惑星に突き立てて足場とし、ワイヤーを手繰り寄せてラフタ機を引っ張っているのである。

バルバトスは力まかせにワイヤーを引っ張ってラフタ機を小惑星に叩きつけた。
そしてメイスの一撃を撃ち込む。
が、ラフタ機は折りたたんでいた腕を展開、腕の装甲でバルバトスの一撃を弾いて防ぐ。

三日月は、ラフタのえげつない戦いぶりに「往生際が悪いね」とつぶやく。
するとラフタは「あんたこそ、しつこい男は嫌われちゃうよ」と戦意で高揚した笑みを浮かべる。

これに三日月は「んじゃ、そろそろ終わりにしようか」と言い、止めの一撃を繰りだそうとする。
その時、オルガから「もういいミカ!話はついた」と通信が入った。

一方、アミダたちには名瀬から「手間かけさせたなアミダ。戻ってきてくれ。こいつらの話を聞くことにした」と通信が入る。
どうやらオルガたちが、タービンズ艦のブリッジを制圧したようである。

【予告】
次回「寄り添うかたち」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第6話「彼等について」

  • 2015/11/08(日) 23:07:31

【感想概略】
今回は、強襲装甲艦イサリビ内での鉄華団のつかのまの日常を描いたお話である。
オルガの行動の原動力は三日月であることがオルガ自身の口から明かされ、少年兵の多くは生きるのに精一杯で学校に行けず読み書きが出来ないことをクーデリアが知る姿が描かれ、三日月を始めとする少年たちにクーデリアは文字を教え始め、将来は農場をやりたい、そのためにも読み書き出来るようになりたいという三日月の夢が明かされ、火星の皆を幸せにするため地球からの経済的独立を目指すというクーデリアの理想を三日月が知る姿が描かれ、旧CGS社長マルバの再登場に驚くオルガが描かれ、面白かった。

そして予告では、整備士・雪之丞の口から、旧CGS社長マルバも昔はあんな人間ではなかったということが語られるのであるが、マルバもかつては理想を抱き、思いやりのある人間だったのが、過酷な現実の前に荒んでいったのだろうか。マルバの過去、雪之丞との因縁についても注目したい。

【マクギリス、鉄華団を追撃せず】
前回、オルガたち鉄華団はクーデリアを地球に送り届ける作戦のため、オルクス商会のオルクスと地球までの案内役の契約を結び、宇宙港を出発した。
だが低軌道上でオルクス商会が鉄華団を裏切り、オルクス艦及びギャラルホルン艦とモビルスーツ部隊がオルガたちの搭乗するシャトルを襲撃した。
が、オルガはこの裏切りをも利用して敵部隊に反撃。
オルガの指揮と三日月たちの奮戦によって敵に大打撃を与え、戦場を離脱した。

そして今回。
ギャラルホルン艦では、あちこちに包帯を巻いたガエリオがマクギリスに、鉄華団の装甲艦イサリビを追撃することを主張する。
ガエリオとしては、特に三日月を懲らしめたいようである。
いくら三日月が凄腕とはいえ、少年相手に大人気ないガエリオである。

だがマクギリスは、装甲艦イサリビは追撃しないと笑って言う。
納得できないガエリオにマクギリスは説く。
まずコーラル戦死のため仕事が山積みになっている。
そして装甲艦イサリビにはクーデリアが乗艦しており、行き先は地球と分かっており、また再会の機会はあると。

これにガエリオは渋々納得した。
マクギリスの真意は不明だが、クーデリアを見逃すことで地球に一波乱起こすつもりだろうか。

さらにマクギリスは、バルバトスについても判明したことをガエリオに説明する。
厄祭戦末期に活躍したガンダムの名を冠した72体のうちの一体であり、個体名はバルバトス。
そして苦戦させられたのは、機体性能というよりは、阿頼耶識システムとそれを使いこなす乗り手の問題かもしれないと。


【オルガ、テイワズへの案内役依頼を決意】
装甲艦イサリビでは、オルガたち年長組とクーデリアたちが会議を行なっていた。だが、三日月の姿は見えない。
鉄華団はオルクス商会に裏切られて地球までの案内役がいなくなっており、別の案内役をどうするかについて検討しているのだが、なかなか良い案は浮かばない。

するとオルガは、木星圏を拠点とする複合企業テイワズに案内役を依頼すること、そのため木星圏に行ってテイワズと直接交渉することを強く提案する。
この大企業テイワズ、裏の顔はマフィアなのだが、オルガはこの裏の顔にこそ期待したいのだという。鉄華団はテイワズとは何のパイプも無く、ビスケット・グリフォンは複雑な表情だが、オルガの決意は揺らがない。

【フミタン、ハッキングの腕前を発揮】
装甲艦イサリビの艦橋では、オペレーター担当が火星と通信を試みていたが上手くいかない。
するとクーデリアのメイド、フミタンが何事か操作を行ない、火星との通信を成功させてしまった。
驚く一同にフミタンは淡々と説明する。
ギャラルホルンは、レーダーを無効化するエイハブ・リアクターの影響下での長距離通信のため、多数の中継器を宇宙空間に設置して通信システム「アリアドネ」を構築している。
フミタンはこのアリアドネをハッキングして通信を行なったのであり、通信内容は暗号化しているため傍受される危険は無いと言う。
意外な特技を持つフミタンであり、クーデリアも驚きの表情である。

フミタンはクーデリアが許可するならこれからも手伝うことを申し出た。
クーデリアは即座に了承、オルガは「通信オペレーターとしてぜひ頼むぜ」と頭を下げる。
そしてオペレーターのチャド・チャダーンはフミタンと握手をかわし、頼もしい仲間として受け入れるのである。

コンピューター通信について並々ならぬ腕前を見せたフミタンだが、メイドになる以前はハッカーまがいのコンピューター技術者だったのだろうか。

一方クーデリアは、フミタンが皆の役に立っているのに自分はただの居候状態であることに心苦しさを感じる。お嬢様育ちだというのに、奉仕されて当然などと思わず、自分も何か役に立ちたいと思うクーデリアは立派である。
そして艦内の廊下で三日月とアトラと出くわし、作業中の鉄華団メンバーたちに弁当を持っていく途中であることを知ると手伝いを申し出、三日月が了承するとついていくのである。

【三日月たち、艦内で弁当を配って回る】
三日月、アトラ、クーデリアは艦内各所で弁当を団員たちに配っていた。
クーデリアの配り方はぎこちないのだが、受け取る少年兵たちは嬉しそうである。
母に優しくされた経験に乏しく、男所帯の少年兵たちにしてみれば、クーデリアは初めて出会うタイプの女性「きれいな憧れのお姉さん」であり、そんなクーデリアに優しくしてもらえればそれだけで嬉しいというところだろうか。

【クーデリア、自分の目的を三日月に語る】
道々クーデリアは三日月に会議の内容を伝え、なぜ年長組の話し合いに参加しないのか尋ねる。
すると三日月は、自分は難しいことは聞いてもよく分からないし、オルガがちゃんと考えてくれると言う。そしてクーデリアが何のために地球に行くのかも知らないと言うのである。

三日月の言葉にアトラは艦が地球に行くことを初めて知って驚き、おしゃれな服を持ってきていないことを気にしだし、田舎者と思われないかなと落ち着かない。

一方クーデリアは、地球行きの目的を三日月が知らないことに少し驚きながらも「私が地球へ行くのは、火星の人々の自由な暮らしを勝ち取るためです」と言い、事情を説明する。
厄祭戦後、それまで多数の国家に分かれていた地球は4つの経済圏に統合された。
さらに地球側は火星を支配下に置いて不平等な経済関係を強要、反対するものを弾圧、このために火星の人々は苦しんでいる。
これに対しクーデリアは地球のアーブラウ政府と交渉を重ね、ついにアーブラウ代表の蒔苗東護ノ介がクーデリアとの直接交渉を了承した。この蒔苗という人物、少林寺の管長のような風体の白髯の老人であり、クーデリアのイメージでは穏やかな笑みを浮かべているように見えるが、どのような人物なのだろうか。

クーデリアは言う。
「私の目的は火星の経済的独立を勝ち取ること。それが全ての火星の人々の幸せにつながるものと信じています」

アトラはクーデリアの言葉に感激、頬を紅潮させて拍手し、クーデリアに尊敬の眼差しを向ける。恋敵であってもクーデリアに決して悪意を持たず、良いと思ったら素直に認めるアトラは偉いと思う。

そして三日月はクーデリアを真っ直ぐみると「じゃあ、アンタが俺達を幸せにしてくれるんだ?」と言う。
クーデリアは一瞬躊躇するが、「ええ、そのつもりです」と三日月を真っ直ぐ見て答えるのである。

【クーデリア、三日月が読み書き出来ないことを知る】
三日月、アトラ、クーデリアは艦内の整備場を訪れ、弁当を持ってきたことを告げた。
すると整備士の雪之丞は少年兵たちに声をかけ、弁当を受け取って昼休みに入るよう促すのである。

三日月は雪之丞に、整備の手伝いを申し出た。
すると雪之丞は「力仕事になったらな。おめえ字読めねえだろ」と言う。

これにクーデリアは驚愕する。
モビルスーツなどという複雑そうな機械を動かしているのに、文字が読めずに操縦できるものなのか。

だが三日月は淡々と言う。
「字読んで動かすわけじゃないからね。モビルワーカーとだいたい一緒だし。あとは勘?」

そして雪之丞はクーデリアに、少年兵たちの現状を説明する。
少年兵には生きるのに精一杯で学校に行けず読み書きが出来ない者も多い、マシな施設にいた者はある程度は教わったことがあるようだと。

クーデリアは少し考えると三日月に読み書きの勉強を一緒にすることを申し出た。
読み書きが出来ればきっとこの先役に立つ、本を読んだり、手紙や文章を書くことで、自分の世界を広げることも出来るのだと。

これに三日月は「そっか。いろんな本とか読めるようになるんだよな」と納得し、クーデリアの申し出を了承した。
すると年少組の少年兵たちも興味を示し、「いいな~!」「俺も読み書きできるようになりたいっす!」「俺にも教えてよ、クーデリア先生」と口々に参加を希望する。
クーデリアは笑顔で「私でよければみんなで勉強しましょう」と少年兵たちを歓迎するのであった。

そしてアトラは少年兵たちの向学心に感心し、「みんな偉いわね。うん!じゃあ私も教えてあげるから、いつでも聞いてね」と胸を張った。
が、少年兵たちは「アトラかぁ…」「おれ、クーデリア先生がいいや」と正直な感想を口にするのであった。
少年兵たちにしてみれば、子供然とした顔なじみのアトラより、お姉さんのクーデリアに教わりたいというところだろうか。

一方オルガは、艦橋をフミタンに任せ、すぐに戻ると言うとどこかへ行くのであった。
一人残されたフミタンは油断のならない目つきを見せるのだが、何か企んでいるのだろうか。

【マクギリス、アイン三尉に質問】
ギャラルホルンの基地では、マクギリスの前にアイン三尉が出頭、バルバトスとの戦闘について「率直な印象が聞きたい。ヤツの戦いぶりはどうだった?」との質問を受けていた。

これにアイン三尉は答える。
始めは民兵組織がモビルスーツを持っていることに動揺した。
だが戦闘が始まると、訓練では体験したことのない機動性、反応速度に驚愕し、それらを駆使した戦法に自分たちは翻弄されたのだと。

マクギリスはアインに一通り質問すると退出を許可した。
だがアインは下がらず、「自分がふがいないばかりに、上官を続けざまに失いました。追撃部隊の一員に加えて頂きたく…」と申し出た。クランク二尉の仇を取ろうと仁義に厚いアインである。
マクギリスは「考慮しよう」と言い、アインを退出させた。

【クーデリアの読み書き教室】
装甲艦イサリビの艦内で、クーデリアは少年兵たちに読み書きを教えていた。
まずは自分の名前を書く練習である。

真剣に書き取りする三日月だが意外と苦戦。
文字を左右逆に書いてしまうが、クーデリアに教えてもらい、一歩一歩前進しているようである。

そんな三日月の字を見て年少組の少年兵たちは「字のうまさだったら、おれ三日月さんに勝てるかも」と楽しそうである。
だがタカキは真面目に練習するよう子供たちを叱り、「俺たちだってこれから鉄華団の役に立たなきゃいけないんだからな!」と勉強会の意義を説く。そんなタカキを三日月は「小さい子たちのまとめ役だからね。俺たちに追いつこうって頑張ってるんだ」と評価するのであった。

少しでも子供たちの役に立てていることに笑顔のクーデリアだが、10歳くらいの子供の背中にも阿頼耶識システムがあることに表情を曇らせる。だがその子供は「格好良いでしょう!」と目を輝かせる。子供たちの過酷な現状にクーデリアは複雑な表情である。

そして三日月たちの勉強会を、オルガは物陰から見ているのであった。

【オルガとビスケット】
ビスケットはオルガに声をかけ、つても無いのにテイワズと交渉することは無謀であり、クーデリア護衛は他の会社に委託してはどうかと提案した。
だがオルガは「やると決めた以上は前に進むしかねぇ」と言い、クーデリア護衛については譲らない。

しかしビスケットも引き下がらない。
穏やかな口調だがはっきりと自分の考えを言う。
「少し焦り過ぎてるんじゃないか?なんだかわざと危険な道ばかり進もうとしてる気がするんだ」

するとオルガは「かもな」とあっさり認め、「なんでそんなに前に進むことにこだわるんだ」と尋ねるビスケットに言うのである。
「見られてるからだ。
振り返ると、そこにいつもあいつの目があるんだ。
すげぇよミカは。
強くてクールで度胸もある。
初めてのモビルスーツも乗りこなすし、今度は読み書きまで。
そのミカの目が俺に聞いてくるんだ。『オルガ次はどうする?次は何をやればいい?次はどんなワクワクすることを見せてくれるんだ?』ってな。
あの目は裏切れねぇ。
あの目に映る俺はいつだって、最高に粋がってかっこいいオルガ・イツカじゃなきゃいけねぇんだ。」

オルガの真実を知ったビスケットは無言であり、最早反対はしない。
ビスケットとしては、オルガの行動原理は三日月への強い思いという合理的とは言いがたいものだが、オルガの仲間たちへの責任感は本物であり、ならばリーダーの決断を尊重して支えていこうというところだろうか。

【オルガと三日月】
オルガは、艦内の廊下の窓から宇宙を眺める三日月に気付いて声をかけ、「どうしたんだ?急に読み書きの勉強始めるなんてよ?」と尋ねた。
すると三日月は、読み書きが出来ないとモビルスーツの整備を手伝えない、そしていつか本を読んで野菜のことを勉強したいという。
オルガは三日月の夢が、ビスケットの祖母のような農場をやることだと思い出す。

一方三日月はオルガの様子に「疲れていない?」と気遣うが、オルガは「どうってことねえよ」と笑う。
過労状態であることは否定しないオルガだが、力強い目で言う。
「やっと俺らの居場所が出来たんだ。みんなの命も将来も鉄華団の上にのっかってんだ」

オルガが拳を突き出すと、三日月が受け止め、互いが変わっていないことを確認しあって笑い合う。

そしてオルガは三日月の目を見て頼もしい笑みを浮かべて言うのである。
「叶えようぜお前の夢。今度の仕事成功させて鉄華団をでっかくしてよぉ」

【旧CGS社長マルバが出現】
装甲艦イサリビの船内に警報が鳴り響いた。
オペレーターを務めるフミタンは、他船から停止信号を受信したと報告する。

そして艦橋の大型スクリーンに映しだされたのは、何と旧CGS社長のマルバである。
以前、CGS基地をギャラルホルンのモビルスーツ中隊が襲撃した時、マルバは少年兵たちを囮に逃亡を図るが、敵部隊の攻撃で行方不明になっていたのだが、しぶとく生きていたようで元気そうである。

またマルバが乗船する宇宙艦の艦長席に座るのは、オープニングに登場する長髪で顎ひげの白いスーツ姿の若い男性である。このプレイボーイのようなキザな男性は不敵な笑みを浮かべているのであるが、何を企んでいるのだろうか。

そしてマルバは激怒しながら「ガキどもよぉ俺の船を返せ!」と怒鳴るのであった。
これにはオルガも驚いた様子である。

【予告】
次回「いさなとり」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第5話「赤い空の向こう」

  • 2015/11/02(月) 03:42:45

【感想概略】
今回は、トドの裏切りをも利用するオルガの智略が描かれ、阿頼耶識システムにより生身同然にバルバトスを駆る三日月が、姿勢制御プログラム頼りのギャラルホルンのモビルスーツを圧倒する宇宙戦闘が描かれ、そんな三日月の戦いぶりを冷静に分析して的確に弱点を突くマクギリスの頭脳派ぶりが描かれ、亡きクランク二尉を大事に思うアイン三尉の姿が描かれ、ユージンが命を張って男気を見せる姿が描かれ、見応えがあり、面白かった。

この世界の地球は、火星を犠牲にすることで成り立っているが、マクギリスの今回の言動を見ると、彼はそのような世界のありようを変えるつもりはなく、むしろ地球による火星支配を円滑に行ないたいと思っているように聞こえる。だが彼の言葉が彼の本心なのか不明である。
ギャラルホルンの若きエリートのうち、ガエリオには裏表は無さそうだが、マクギリスは何か隠していることがありそうである。ガエリオは上級貴族のお坊ちゃん、マクギリスは貧乏貴族出身で内にとてつもない野心を秘めているようにも思える(ファーストガンダムのガルマとシャアに若干似ている気がする)。
マクギリスの真意についても注目したい。

【オルクス商会の代表オルクス】
オルクス商会の応接室。
オルガは、オルクス商会の代表オルクスと案内船の契約を結び、握手を交わした。
このオルクス、丸坊主の中年男性であり、金の二重ネックレスと金のピアスに真っ赤な作業着風の服装という怪しげな風体であり、まっとうな会社経営者にはとても見えない。
オルガは代表自ら契約してくれたことに礼を言うと、オルクスは「商売ってのは信用が売り物だ」と笑うのだが、いかにも胡散臭い。

【オルクス、コーラルに接触】
一方、ギャラルホルン火星支部。
本部長コーラルは、このままではマクギリスの監査によって自分は身の破滅だと激怒するが、打つ手が無い。

そこへ部下から通信が入った。
オルクス商会のオルクスがクーデリアについて話があるのでコーラルに取次を求めているという。

コーラルは少し思案すると取次を許可した。
どうやらオルクスは、速攻でオルガたちを裏切ったようである。

【クーデリアと三日月】
夜、鉄華団の基地。
フミタンはベッドにクーデリアがいないことに気付くが、特に探したりはしない。
これはクーデリアを信頼しているからなのか、フミタンの真意は未だ不明である。

その頃クーデリアは夜空を見上げ、「寒い。明日の今頃はもう空の上」とつぶやく。
クーデリアは自分の方法で戦うことを決意したが、いよいよ出発が近づくと緊張して眠れないというところだろうか。

ふとクーデリアは、監視塔に小さな灯りが灯っていることに気付いた。
そして監視塔を訪れ、見張りをしている三日月と出くわした。
いつギャラルホルンが襲ってこないとも限らないので、交代で見張っているのだという。

三日月はクーデリアに毛布を渡して言う。
「心配しなくてもオルガは一度やるって言った仕事は絶対にやり遂げるよ。
だから俺もあんたを絶対に地球まで連れていく」

三日月は、クーデリアが不安で眠れないのだと思い、安心させようとしているようである。
そしていつも食べている植物を乾燥させたもの「火星ヤシ」をクーデリアに渡した。

これにクーデリア、「わ…私は私の戦いを頑張ります。」と言い、火星ヤシを口にするが、顔をしかめ、口をおさえた。どうやら上手いとは言いがたい味のようである。
三日月は「それ、たまにハズレ交ざってるんだ」としれっと言うと、空を見上げながら「地球に行けば、月って見えるかな?
三日月って名前、そっから取られたらしいからさ」という。

これにクーデリアは答える。
「月は厄祭戦で大きな被害を受け、今では霞んでしまったと聞いています。
この目で見たわけではありませんが…」

すると三日月は言う。
「なら、見れるといいな」

【アトラ、鉄華団に就職】
朝、鉄華団の基地の食堂にアトラが現れ、炊事係として雇って下さいと頭を下げた。
恋のためなら安全な雑貨店の店員より民兵組織を選ぶ、けなげなアトラである。

オルガは「いいんじゃねえの?なあ?」と三日月に同意を求める。
すると三日月は「アトラのご飯はおいしいからね」と同意、アトラの採用はあっさりと承認された。

そしてアトラは、桜から預かってきた袋を三日月に渡した。
袋には「火星ヤシ」が大量に詰まっている。

さらにアトラは、クーデリアと目があうと「よろしくお願いします!」と頭を下げた。
クーデリアは「はい」と返事をしながらも何故アトラが自分に改めて挨拶するのか分からない様子である。

【マクギリスとガエリオ】
ギャラルホルンの基地。
マクギリスとガエリオは、作戦のため火星軌道上に向かっていた。

火星支部長コーラルから、地球との交渉に向かおうとしているクーデリアを捕獲する作戦に参加してほしい、クーデリア捕獲の手柄を譲りたいとの申し出を受けたからである。

ガエリオはマクギリスに何を考えているのかと面白そうに聞く。
するとマクギリスは、クーデリアは今や火星独立運動の象徴であり、クーデリアを飼い馴らすだけで火星市民を黙らせることが出来るのであれば利用価値はあるという。
ガエリオは納得の様子である。

マクギリスの発言は、クーデリアをかなり侮ったものである。マクギリスにしてみれば、クーデリアはしょせん世間知らず苦労知らずのお嬢様、独立運動も一時的に熱中しているだけであり、マクギリスが甘い言葉をかければたちまち言いなりになると思っているように聞こえるが、それが本当にマクギリスの本心なのか未だ不明である。

【コーラルとオルクス】
火星の軌道上では、コーラルの乗艦とオルクスの乗艦が並んで停船していた。
オルクスはコーラル自らクーデリアを捕らえに来たことに恐縮し、お手を煩わせなくても我が社の船でクーデリアを捕らえましたものをと低姿勢である。

するとコーラルは呆れたように、これは政治的な問題であり手順に意味がある、結果だけの問題ではないと言う。
揉み手するオルクスとの通信を終了すると、コーラルはあとはクーデリアを確実に始末するだけ、ノブリスの金さえ手に入ればどうとでもなると内心でつぶやき、悪そうな笑みを浮かべるのである。

コーラルはクーデリアの背後にノブリスが存在することに気付いており、クーデリア抹殺後にノブリスを脅して献金させるつもりなのだろうか。

【鉄華団、火星から離陸】
火星の宇宙港。
鉄華団とクーデリア主従を乗せたシャトルが離陸した。
離陸の時、クーデリアは心中で「言って参ります。お母様、お父様」とつぶやく。
クーデリアは政治的な問題に関わろうとしない母に不満を抱き、父に対してはギャラルホルンとの内通を疑っているが、それでも両親を愛しているということのようである。

離陸するシャトルに、ビスケットの妹、クッキーとクラッカは手をふり、スーツ姿のノブリス・ゴルドンはオフィスで一安心したように葉巻をくゆらせる。
今回のゴルドンは一癖ありそうだがそこまで悪人然とはしていなかった。

【ギャラルホルンのモビルスーツ隊、シャトルを急襲】
間もなく、シャトルは大気圏を離脱した。
続いて低軌道ステーションに入港し、そこでオルクス商会の案内船に乗り換え、鉄華団の装甲艦イサリビに搭乗する予定である。

その時、シャトルの窓の外にオルクスの宇宙船が見えた。
予定より早いことを訝しむオルガだが、オルクス艦から複数の光が発進、シャトルに急接近してくる。
オルガたちは、ひと目でモビルスーツと気付く。

一方トドはギャラルホルンが出てきたことに大慌てで、シャトルのコックピットに飛び込むとオルクスに通信で呼びかける。
するとオルクスは悪そうな笑みを浮かべて「『我々への協力に感謝する』と返してやれ」と指示、トドの裏切りを鉄華団に教えてやるのであった。
これにユージンとノルバは激怒、トドを殴って拘束するのである。

【鉄華団の反撃】
ギャラルホルンのモビルスーツ隊の先鋒3機は瞬く間にシャトルを取り囲む。
そのうち一機はワイヤーをシャトルに射出、有線通信でクーデリアの引き渡しを要求してきた。
クーデリアは「私を差し出して下さい!」と訴える。クーデリアとしては、シャトルに武装は無く、この場を切り抜けるには他に方法が無いと思ってのことだろう。

だがオルガは「それは無しだ。俺らのスジが通らねえ」と言う。
そしてビスケットがインターフォンで「行くよ、三日月」と声をかけた。

するとシャトルの貨物搭載室から大量の煙が噴き出し、モビルスーツの視界を塞ぐ。
だが煙は一時的に視界を遮る効果しかなく、モビルスーツのパイロットはただの煙幕と侮る。

が、次の瞬間、滑空砲がモビルスーツのコックピットに突き付けられて発砲、撃破した。
貨物搭載室に潜んでいた三日月の駆るバルバトスの仕業である。
シャトルを囲むモビルスーツ2機は異変に気付くとシャトルから距離をとる。

【装甲艦イサリビの参戦】
ギャラルホルンのモビルスーツ本隊は、先鋒隊がクーデリアの確保に失敗したことに気付いた。
だがコーラルは、クーデリアがシャトルに乗っていることが分かればいいと酷薄な笑みを浮かべる。

これにアイン三尉は、マクギリス・ファリド特務三佐よりクーデリアを殺すなという指示が出ているのではと進言する。
だがコーラルは「貴様の上官はいつからあの青二才になった?!」と怒鳴りつけ、マクギリスが来る前にシャトルもろともクーデリアを抹殺するよう命じ、自ら先陣を切ってシャトルに突撃するのである。

アイン三尉は割り切れないものを感じながらも、クランク二尉の仇であるバルバトスを倒すことに集中するのだと自分に言い聞かせる。
一方コーラルは、監察官自ら参加した作戦中の事故ならいくらでも言い訳はたつ、あとはノブリスとの契約だと笑みを浮かべながらシャトルに発砲。
シャトルはコーラル機の砲撃をかわし、そのまま加速する。

コーラル機はシャトルに照準を合わせようとする。
が、コーラル機が命中弾を受けた。
バルバトスの砲撃である。

砲撃を邪魔されたコーラルは激怒、配下のモビルスーツを率いてバルバトスを追撃する。
だがこれは、敵をバルバトスに引きつけ、シャトルを逃がすための作戦であった。

一方オルクスは、「コーラルに恩を売るいい機会だ」と笑い、オルクス艦でシャトルを砲撃する。
本人のいないところではコーラルを呼び捨てにするオルクスである。

その時、オルクス艦が上部から砲撃を受けた。
昭弘の指揮する強襲装甲艦イサリビの仕業である。

装甲艦イサリビはオルクス艦の脇をすり抜け、シャトルの近くに静止、昭弘は「迎えに来たぜ大将」と不敵に笑う。
これにオルガは「時間どおり。いい仕事だぜ昭弘!」と精悍な笑みを浮かべるのである。

【三日月VSコーラル】
オルガたちは、シャトルから装甲艦イサリビに乗り移った。
一緒に連れてこられたトドは、「おい、何でその船がここにいる?!静止軌道で合流だったはずだ!」と抗議する。
これにオルガは「これまでにお前が信用に足る仕事をしたことがあったか?」と指摘し、トドを倉庫に閉じ込めさせるのであった。

一方三日月はバルバトスを駆り、コーラルの率いるモビルスーツ隊と撃ちあっていた。
遠距離の砲撃戦ではモビルスーツのナノラミネートアーマーを撃ち抜くことはできず、双方とも相手に致命打を与えることができない。

コーラル機は斧を握るとバルバトスに突撃。
下方から斬り上げ、バルバトスは紙一重でかわす。

その時、何者かがコーラル機を砲撃した。
砲弾は装甲に跳ね返され、コーラル機にダメージは無い。

だがコーラルは、自機を砲撃したのがギャラルホルンのモビルスーツ・グレイズであることに驚愕した。
このグレイズは、鉄華団が鹵獲したものであり、昭弘が操縦しており、銃とメイスを手にしている。

そして昭弘はグレイズでメイスをコーラル機に投げた。
コーラルはメイスをかわしながら、昭弘の駆るグレイズから目が離せない。
昭弘の機体がクランク二尉の乗機と気付き、動揺しているのだろうか。

その時、バルバトスは飛んできたメイスを掴むとコーラル機に突撃。
コーラルはバルバトスに気付き、機体を反転させて斧を振るう。
が、バルバトスは斧をかわすとコーラル機の胸にメイスを突き立て、火薬の爆発力で杭を射出。
コクピットを貫通し、コーラルを討ち取った。

一方、ギャラルホルンのアイン三尉はリアクターの反応から、昭弘のグレイズはかつてのクランク二尉の乗機と気付いて激怒、単機で突撃する。

【バルバトスVSギャラルホルンのモビルスーツ隊】
三日月は「足の止まったのからやろう。援護頼む」と言い、滑空砲を昭弘のグレイズに渡し、バルバトスでメイスを握り、敵部隊に突撃する。

アイン機はバルバトスに急接近するが、バルバトスはアイン機をかわし、後方のグレイズ二機に突撃する。
グレイズ二機はバルバトスを砲撃するが、バルバトスは変幻自在の高機動戦闘を繰り広げて、グレイズの攻撃は全く当たらない。

その時、グレイズ一機が何者かの砲撃を受けた。
昭弘の駆るグレイズによる援護射撃である。
昭弘は「三日月の野郎。こっちは阿頼耶識がねぇんだぞ」と三日月の無茶振りに文句を言いながらも役割をこなす。

一方バルバトスは、グレイズ二機を圧倒。
一機の間合いに踏み込むと背部のスラスターをメイスで斬撃、破壊、行動力を奪う。
もう一機のグレイズが斧を振り上げ、背を向けたバルバトスに突撃する。
が、バルバトスは瞬時に反転、メイスで一撃を浴びせて敵機を撃破した。

その時、何者かがバルバトスを砲撃した。
ガエリオの駆るモビルスーツ、グレイズの試作型を改修し、高機動化させたカスタム機「シュヴァルベ・グレイズ」の攻撃である。

【バルバトスVSガエリオ機】
ガエリオは、バルバトスがグレイズ4機を撃破したことに少しは感心し、「見てくれよりはできるようだな!」と言いながらランスを構えて突撃する。

一方、宇宙艦のマクギリスは「見ない機体だな。照合できるか?」と部下に指示。
すると部下はバルバトスのエイハブ・リアクターの固有周波数でデータベースを照合、『GUNDAM FRAME』の名が表示された。これに部下は、厄祭戦時の古い機体だと首をひねる。

が、マクギリスは言う。
「いや必然かもしれんな。
その名を冠する機体は幾度となく歴史の節目に姿を現し、人類史に多大な影響を与えてきた
火星の独立を謳うクーデリア・藍那・バーンスタインがそれを従えているのだ。」

そしてマクギリスは不敵に笑い、「船を任せるぞ。私も出る」と言い、シュヴァルベ・グレイズに搭乗して出撃するのである。

【マクギリス、バルバトスを観察】
マクギリスはバルバトスとガエリオ機の戦闘を観察する。

ガエリオ機の攻撃はことごとくバルバトスにかわされているが、ギャラルホルン側の照準システムに問題はない。
次にバルバトスの回避行動だが、姿勢制御プログラム特有の回避パターンは検出されない。
その一方、まるで生身のような重心制御を行ない、回避動作を最小限にとどめている。

マクギリスは、阿頼耶識システムは空間認識能力を拡大させるものであることを思い起こす。
続いてバルバトスの機体状況を観察し、背部の外部スラスターのナノラミネートアーマーだけ消耗が激しいことを見て取った。

そしてマクギリスはバルバトスの外部スラスターを砲撃。
三日月はバルバトスで身をひねるが、かわしきれず被弾、遠距離のためダメージは無い
だがマクギリスとしてはこれで十分である。

「生身の体にスラスターはあるまい。分かればあっけないものだな。」とつぶやき、バルバトスを砲撃するが、かわされてしまう。
何と三日月はマクギリスの攻撃から、モビルスーツには生身に無い部位があり、そこも意識しないと攻撃をかわせないことに気付き、早速回避行動を変えたのである。

【オルガの奇策】
装甲艦イサリビは、背後からオルクス艦、ギャラルホルン艦の砲撃を受けていた。
反撃するには艦首を敵艦に向ける必要があるが、艦を回頭する時に速度が落ちるので、そこをやられてしまう。

その時オルガは、前方に浮遊する資源採掘用の小惑星を利用する作戦を思いついた。
それは、小惑星にアンカーを打ち込み、振り子の原理で艦の方向を180度回頭、回頭したらただちにアンカーを切り離して離脱、艦の主砲で敵艦を砲撃するというものである。

問題はどうやって離脱時にアンカーを切り離すかである。
ビスケットは、「例えば、誰かがモビルワーカーでアンカーの接続部に取りついて爆破するとかしかないけど…」というと、ノルバは「自殺行為だ!誰がやんだよ?!」と言う。

オルガは自分が行くつもりであるが、ユージンは言う
「テメエはおとなしく座ってろ。大将っつうのは、でっかく構えてるもんだろうが。
のこのこ出て行くなんてみっともねえ真似は俺が許さねえ!」

オルガはユージンの真意を理解し、「そこまで言うなら、見せ場は譲ってやるよ」と言い、モビルワーカーによるアンカー切り離しをユージンに任せた。

【無停止で宇宙艦を回頭】
装甲艦イサリビでは、すぐにモビルワーカーを用意、ユージンが搭乗すると早速作戦を開始した。

まず艦で小惑星に急進しつつアンカーを射出。
同時にユージンのモビルワーカーはアンカー上を疾走、アンカー基部に到着する。

一方、装甲艦イサリビは振り子の原理で小惑星を起点に180度回転、艦首を敵艦に向けた。
即座にユージンは砲撃、アンカー基部の岩を吹き飛ばす。

ところがアンカーは計算より深く刺さっており、アンカーは抜けない。
このままでは艦は小惑星にぶつかってしまう。

だがオルガは「いいやユージンはやるさ!」と叫ぶ。
ユージンは「てめぇのそういうとこは、ほんと気に入らねぇなぁ!」と叫びながら、モビルワーカーの燃料タンクをアンカー基部に設置して砲撃、猛爆発が起こり、アンカーは抜けた。

装甲艦イサリビはそのまま猛スピードでオルクス艦、ギャラルホルン艦に突撃。
体当たりを浴びせつつ、主砲で砲撃。
続けて閃光弾を発射し、強烈な光で敵艦のセンサーを一時麻痺させ、この隙に離脱した。

【バルバトスVSマクギリス機、ガエリオ機】
装甲艦イサリビでは、昭弘のグレイズ、三日月のバルバトスを探す。
そして昭弘の機体は回収可能だが、バルバトスは未だマクギリス機、ガエリオ機と戦闘中であることを確認した。

マクギリス機はバルバトスの背後に回るとワイヤークローを射出。
バルバトスの前腕を拘束、動きを止めるとそのまま突撃する。
するとバルバトスは前腕の装甲をパージ、ワイヤークローの拘束を逃れ、マクギリス機の突撃を回避する。
これにマクギリスは「致命傷を避けたか。いい判断だ」と三日月を称える。

その時、ガエリオ機が左腕からワイヤーを射出、バルバトスの腰に巻きつけた。
ガエリオは有線通信で「おとなしく投降すれば、しかるべき手段で貴様を処罰してやるぞ」と上から目線で呼びかける。

三日月は淡々と「投降はしない。する理由がない」と答える。
この声にガエリオは、相手が火星のトウモロコシ農場で出会った少年であることに気付き、「そのクソ生意気な声…あのときのガキか!」と叫んだ。
一方三日月もガエリオに気付き、「そういうあんたは、チョコレートの隣の人」と冷静に言う。

ガエリオは「ガエリオ・ボードウィンだ!火星人は火星に帰れ~!」と叫ぶとスラスターの出力を上げ、ワイヤーでバルバトスを引っ張る。
するとバルバトスは反転するとガエリオ機に突撃、メイスを投げた。
メイスはガエリオ機に命中、この隙にバルバトスはガエリオ機の脇をすり抜ける。
そして飛来した装甲艦イサリビにつかまり、そのまま軌道上を離脱するのであった。

危機を切り抜けた三日月は「そうか、あっちはチョコレートの人か」とつぶやき、もう一機のパイロットは農場で出会ったギャラルホルンの男性マクギリスであることに気付くのである。

【マクギリス大笑】
戦闘終了後、ギャラルホルン艦はカプセルを回収した。
中にはトドが縛り上げられており、腹に「お前らの仲間らしいからお前らでけじめをつけろ」と書いてある。
これを見たギャラルホルン隊員たちは何の意味かと首をひねる。
一方マクギリスは事情を察したようで大笑するのであった。

【予告】
次回「彼等について」


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