1. 無料アクセス解析

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第21話「還るべき場所へ」

  • 2016/02/29(月) 02:21:50

【感想概略】
今回は、鉄華団と蒔苗の滞在する島をカルタ・イシューの軍勢が襲撃、オルガ、ビスケットの知略と鉄華団及びラフタたちの奮戦により敵軍の戦力を確実に撃破していくが、最前線で指揮をとるオルガとビスケットのモビルワーカーにカルタがモビルスーツで襲いかかり…というお話であり、見応えがあった。

鉄華団は民間軍事会社であり、誰が戦闘犠牲者になっても不思議はないが、それでもショックであった。
ただ、ビスケットはやり残したことが多々あるとはいえ、オルガが助かったことは見届けることができた。それがビスケットにとってせめてもの救いになっていると思いたい。

【ビスケットと三日月】
前回、鉄華団はクーデリアと地球に降下、前アーブラウ代表・蒔苗の隠居する南海の孤島に上陸し、島の基地に仮住まいする。だが鉄華団の団長オルガと参謀役のビスケットは今後の方針を巡って対立、ビスケットは鉄華団を降りると言い残し、立ち去ってしまう。
一方、カルタ・イシュー率いるギャラルホルン地球外縁軌道統制統合艦隊は、島を管理するオセアニア連邦に鉄華団とクーデリアの引き渡しを要求してきた。

そして今回。ビスケットは整備士・雪之丞に話しを聞いてもらい、だいぶ落ち着いていた。
ビスケットは砂浜で夜の空を見上げ、火星の妹たちと祖母を思い、そして鉄華団を降りるといった時のオルガの顔を思い出していた。オルガのあれほど傷ついた表情を見たのは初めてだったかもしれない。

その時、三日月がオルガに言われてビスケットを呼びに来た。
三日月はビスケットの様子がいつもと少し違うことに気付き、どうしたのかと尋ねるが、ビスケットがオルガとぶつかり合ったことを知ると複雑な表情を浮かべる。

【蒔苗の屋敷】
蒔苗の屋敷を、クーデリア、オルガとビスケットが訪れた。
ギャラルホルンの戦闘部隊に狙われて危険な状況だというのに蒔苗は楽しそうであり、どうするのかとオルガたちに問う。

するとオルガとビスケットは無言で視線を合わせ、眼と眼で会話をし、互いの意思を確認した。
そしてオルガは、蒔苗とクーデリアを連れて島を脱出すると言い、「この仕事、高くつくぜ」と蒔苗に釘をさす。

するとクーデリアは、船を自分が手配するという。
何とモンターク商会に用意させるつもりなのである。
これにオルガはクーデリアに、「こっからは仕事のパートナーってことになりそうだな」と笑う。

【ヤマギとシノ】
島の鉄華団は、ギャラルホルンの襲撃に備えて慌ただしく戦闘準備を進め、アトラは格納庫の前にスープの大鍋を据え、団員たちによそう。
スープは大体行き渡るが、ヤマギが食事を取ろうとしない。
シノはこれに気付くと、スープをよそってもらってヤマギに差し出し、「おめえも食っとけ。保たねえぞ」と笑う。ガサツなようで、いつもヤマギを気遣うシノである。

ヤマギは礼を言ってスープを受け取るが、心は晴れず、不安を口にする。
「俺たち火星に帰れるのかな?島を出てもギャラルホルンは、俺たちを追いかけて来るんだよね?」

これにシノは、そんときゃ宇宙に逃げればいいと笑う。
が、ヤマギは宇宙に出ても火星に帰っても逃げなければならないことに変わりはないのでは言い、不安を隠せない。
するとシノは「心配すんなって!ギャラルホルンだろうが何だろうが、俺らがぶっ飛ばしてやっから!」と力強くいい、「なっ三日月」と同意を求めた。
これに三日月は「うん。邪魔な連中は全部潰す」と同意して淡々と言うのである。

ヤマギの不安はもっともであり、鉄華団とギャラルホルンが正式に和解するか、ギャラルホルンを滅ぼさない限り解消しない問題である。

【オルガとビスケット】
基地の一室、ビスケットはオルガを訪ね、改めて本心を言おうとした。
するとオルガは、自分もゆっくりビスケットと話したいと思っているが、こんな状況なので島を出てからにして欲しいと頼んだ。
ビスケットはこれを承諾する。

二人とも本題を話すことは出来ていないが、少しすっきりとした顔をしている。
ビスケットもオルガもそれぞれに、相手を怒らせ、失望させ、傷つけたのではないか、そして嫌われてしまったのではないかと思い、まずそのことが気がかりだったと思う。
なのでビスケットもオルガも二人で話して相手の態度から、自分は嫌われていないこと、相手が友達でいてくれることを確認でき、まずそのことに安心したのではとおもう。

【ビスケットと雪之丞】
格納庫で機体整備に励む雪之丞の前にビスケットが姿を見せた。
雪之丞はビスケットを心配して声をかけるが、ビスケットはすっきりした表情で「もう平気です」とこたえる。
そして「これからは、少し先のことまで考えていかないといけないんです。俺達は」という。
『俺たち』という言葉に、雪之丞は「そいつを聞けりゃあ安心だ。オルガにゃあ、おめぇみてぇなのが必要だからな」と笑う。
雪之丞は少年兵たちの様子をよく見ていて気遣い、時に声をかけ、話しを聞き、時に助言を与えるが押し付けがましくなく、一歩引いて少年兵たちを見守っており立派だと思う。

【オルガとメリビット】
基地の食堂に一人のこるオルガの前にメリビットが姿を見せた。
オルガはメリビットに、「結局、ビスケットに言えなかったよ。鉄華団に残ってくれって」という。
実はオルガは、ビスケットに鉄華団残留を断られることが怖くて、話しを先延ばししたということのようである。
するとメリビットは「まだ言う機会ならいくらでもあるわ」と言い、オルガの手に自分の手を重ねる。

メリビットの真意は不明である。
純粋に好意からオルガを支えようとしているのか。
それともテイワズのスパイとして、あるいは個人の野望のため、心の弱っているオルガを籠絡しようとしているのか。
たまにメリビットが見せる、オルガを観察するような目が不気味である。
今後に注目したい。

【ギャラルホルン艦隊、作戦開始】
翌朝、ギャラルホルン艦隊が島の沖に姿を見せた。
指揮を取るのは、一話でバルバトスに討たれたオーリス・ステンジャの兄である。

投降勧告の刻限を過ぎても鉄華団からの回答は無い。
ステンジャ艦長は「そうでなくてはな」と笑い、これで弟の仇が討てると喜ぶ。
そして掃討作戦の開始を発令、全艦で島への艦砲射撃を開始した。

もっとも、通常弾が命中してもモビルスーツにダメージを与えることは出来ないのであり、ロウエイに搭乗するラフタは「モビルスーツには意味ないってのに」とギャラルホルンの硬直した戦い方に苦笑いである。

そして昭弘は丘の上からグシオン・リベイクでギャラルホルン艦を砲撃するが、なかなか当たらない。
これにラフタは「そんなんじゃ、姐さんにどやされるよ!」と怒鳴り、アジーは「地上では大気の影響を強く受ける」と叱りつけ、これには昭弘も縮み上がる。

が、三日月が「さっきの感覚、体に残ってるだろ?それに合わせて撃てばいいんだよ」と的確に助言。
すると昭弘は「なるほどな!」と納得して再び砲撃、敵艦に命中弾を浴びせた。
ラフタとアジーは、感覚だけで照準を補正する阿頼耶識システムに舌を巻く。

【カルタ部隊、来襲】
敵艦からモビルスーツ部隊が出撃、海面上をホバリングして島に殺到するが、ラフタとアジーはモビルスーツで砂浜から砲撃、次々と敵機を撃墜する。
二人の腕前に、流星号のシノは「こりゃ、俺達の出番はねぇかもな」と笑う。

その時、流星号が被弾。
上空からの攻撃であり、見上げるとギャラルホルンのモビルスーツ部隊が空から降下してくる。

オルガは海からの敵の迎撃をラフタとアジーに頼み、空からの敵の迎撃を三日月、昭弘、シノに指示する。
昭弘のグシオン・リベイク、シノの流星号は空に向けて砲撃。
何機かを撃墜するが、カルタの乗機をはじめとする7機のグレイズリッターが着地した。

そしてカルタ機を中心に居並び、「我ら!地球外縁軌道統制統合艦隊!」と名乗りを上げる。
決めポーズを取るカルタ部隊だが隙だらけである。
昭弘はグシオン・リベイクでカルタ部隊を砲撃、一機を撃破するのだが、罪悪感を感じたようで「撃っていいんだよな…?」とつぶやく。

一方、カルタは名乗りを邪魔されて「なんと…不作法な!」と激怒。
全機に突撃を命じ、バルバトス、流星号に襲いかかった。

三日月はバルバトスで巨大なレンチを振り回して応戦、敵機を掴み、殴り倒す。
シノは流星号で斧で斬撃を浴びせて敵機を圧倒。
さらにシノ機と鍔迫り合いする敵機を昭弘がグシオン・リベイクで砲撃して撃破する。

三日月とシノは敵部隊を、阿頼耶識システム装備の機体が得意とする乱戦に引きずり込み、敵機を次々と各個撃破していく。
ラフタとアジーは海上から襲い来る敵機を次々と撃墜するが、二機の敵機がラフタとアジーの防衛網を突破、グシオン・リベイクに襲いかかる。

敵モビルスーツは剣を振るってグシオン・リベイクのライフルを破壊。
昭弘はグシオン・リベイクで敵機と組み合い、パワーで押し合いながら、バックパックのサブアームを展開した。
そしてグシオン・リベイクはサブアームで斧を握って斬撃、敵機の右腕を斬り飛ばす。

【ビスケットの奇策】
島の裏手を見張っていたタカキとライド・マッスは、敵の揚陸艇多数が接岸し、モビルワーカーと歩兵からなる部隊を上陸させたこと、そして敵部隊の戦力を確認し、オルガに連絡した。

間もなくギャラルホルン部隊は蒔苗の屋敷前に到着、屋敷を守る鉄華団のモビルワーカー部隊と交戦、激しく撃ちあう。
そして激戦の末、ついに鉄華団のモビルワーカー隊は退却。
ギャラルホルン部隊は屋敷を占拠、クーデリアと蒔苗の捜索を開始した。
その時、蒔苗の屋敷は大爆発を起こし、ギャラルホルン部隊を壊滅させた。

これこそ、ギャラルホルンがクーデリアと蒔苗を狙うことを逆手にとり、島の裏手をわざと手薄にして敵を屋敷におびき寄せ、一網打尽にするビスケットの知略である。

そして鉄華団はギャラルホルンの揚陸艇を守る少数の歩兵を排除し、船を奪った。
この揚陸艇で沖に出て、クーデリアの手配したモンターク商会の船と合流する作戦である。

【三日月VSカルタ】
残る敵モビルスーツは滑走路側で三日月たちと戦う5機、そして海岸でラフタたちと戦う3機である。

オルガは双眼鏡で戦況を確認、シノが戦う場所に気付き、「足元!」と叫んだ。
シノはオルガの言わんとすることに気付くと慌ててブースターを吹かして跳躍、敵機から距離を取る。
すると敵機はシノ機が怖気づいて後退したと思い、足を踏み出す。
その時、地面が爆発、敵機は落とし穴に落ちた。
狭い穴にはまり動けない敵機に、シノは流星号で容赦なく斧を振り下ろしてとどめを刺す。

バルバトスと組み合うカルタは部下がまた討たれたことに激怒。
思わず「おのれ…おのれ…。また私のかわいい部下が!」とつぶやく。
その声は接触通信でバルバトスのコックピットに聞こえるが、三日月は敵の悲しみなど理解するつもりはなく、「うるさいなぁ」と鬱陶しそうである。

その時、オルガがバルバトスに通信、「ミカ。船は押さえた。あとはそいつらだけだ」と戦況を伝える。
その声は接触通信でカルタにも聞こえた。
そしてカルタは周囲を索敵し、オルガとビスケットの搭乗するモビルワーカーを発見、彼らが鉄華団の指揮官と理解した。

【ビスケットとオルガ】
カルタは「よくも私のかわいい部下を!」と叫び、オルガとビスケットのモビルワーカーに突撃。
ビスケットはモビルワーカーで加速するが、これでは敵モビルスーツのスピードから逃れらない。
ビスケットは「オルガ!手を放して!」と叫び、オルガは指示に従って手を離し、疾走するモビルワーカーから振り落とされた。

次の瞬間、カルタ機はビスケットのモビルワーカーを斬り上げる。
弾き飛ばされたモビルワーカーはバラバラになり、地面に転がった。

三日月は激怒。
バルバトスと剣で押し合う敵二機をレンチで殴り倒して撃破。
そしてカルタ機の頭部をレンチで挟んで地面に引きずり倒す。

一方、振り落とされたオルガは地面に叩きつけられ、短時間気を失っていたが、全身の痛みで目を覚ました。
そして、モビルワーカーの残骸が転がっていること、ビスケットがその下敷きになり、重傷を負っていることに気付いた。
オルガは痛みに顔をしかめながら立ち上がり、ビスケットの名を呼びながら近づく。

だがビスケットにはもうオルガの声が聞こえない。
ビスケットは、火星の小さな妹・クッキーとクラッカのことを、祖母・桜子のことを、鉄華団の仲間たちのことを、そしてオルガのことを思う。
(まだこんなところで俺は…死ねない。
全部終わったら火星に帰って、
クッキーとクラッカを…学校に入れて…
またみんな一緒に…

だから死ねない!
死にたく…ない!
俺にはまだ…オルガとの…約束が…)

ビスケットはオルガに左手を差し出す。
「オルガ…俺達で…鉄華団を…」

オルガはビスケットの名を呼び、ビスケットの差し出した手を掴んだ。
ビスケットが動かなくなってもオルガは手を離さず、その場に崩れ落ちた。

【予告】
次回「まだ還れない」

ビスケットが大変なことになってしまい、非常にショックである。
オルガにとってビスケットは、三日月とはまた違った、別格の親友と思うのだが、今回の件をどうやって乗り越えていくのだろうか。

次回も注目したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第20話「相棒」

  • 2016/02/22(月) 02:49:05

【感想概略】
今回は、地球に降下したクーデリアがアーブラウの前代表・蒔苗と会談、そしてオルガは蒔苗をアーブラウに送り届けるため新たな戦いを決意するが、兄の死を知ったビスケットはオルガに強く反対し…というお話であり、見応えがあり、面白かった。
今回のタイトル「相棒」とは、オルガとビスケットのことのようだが、二人はこれが初めてのケンカなのかもしれない。これを機会に二人とも一歩成長した姿を次回以降に見せてほしいと思った。
また、雪之丞はビスケットの様子がおかしいことに気付いて声をかけ、落ち着かせて話を聞いていたが、雪之丞の頼れる大人としての一面が描かれたところも良かったとおもう。

アインが生きていたことに一安心したが、マクギリスが何か企んでいるようであり、引き続き注目したい。

【蒔苗が来た】
前回、鉄華団は地球の衛星軌道を守るギャラルホルンの地球外縁軌道統制統合艦隊を突破、降下船で夜の地球に降下した。
そして今回。
南洋の遠浅の海に着水した降下船の周囲をシノの流星号、昭弘のグシオン・リベイクが警戒する中、降下船に搭乗していたメンバーたち総出で荷物の陸揚げを行なっていた。
皆と一緒に荷物を運ぶオルガに、海岸を警戒するタカキが一人の老人を連れて来て「この人が話があるって…」と言う。
この老人こそ、クーデリアの交渉相手、アーブラウの前代表・蒔苗東護ノ介であり、クーデリア及び鉄華団と会いに自ら出向いてきたのである。

【アイン助かる】
ボードウィン家の宇宙船。
自らを盾としてバルバトスの攻撃からガエリオを守ったアインは、間一髪で即死は免れ、宇宙船の治療用カプセルに収容されていたが、重体である。
宇宙船の医師はガエリオに、臓器を一部機械化しなければ危険であることを説明する。
が、ガエリオはアインの身体に機械を埋め込むことに強く反対し、「何としてもあいつを元に戻せ!」と医師に詰め寄るが、医師としても出来ないことを出来るとは言えない。

【鉄華団、魚を初めて見る】
鉄華団は、南の島の飛行場のような施設を臨時の拠点とするのだが、たぶん蒔苗が手配したのだろう。
この施設は飛行場と大きな格納庫、管制塔に宿舎があり、電気ガス水道も使用可能である。

臨時の引っ越しとモビルスーツの整備が一段落した鉄華団を、蒔苗の部下たちが訪れた。
蒔苗の土産として、カレイをはじめとする海の魚を持ってきたのである。

鉄華団のメンバーたちは火星の貧困層出身であり、魚を見るのは初めてなのだが、グロテスクに見えるようで顔を引きつらせている。
一方、ラフタたちタービンズの助っ人たちは魚に目を輝かせ、ラフタは魚の尻尾を掴んで持ち上げ、その活きの良さに笑顔である。

蒔苗の部下たちは役目を終えて立ち去るのだが、三日月たちの背中の阿頼耶識に気付くと複雑な表情を浮かべる。
これに気付いた雪之丞は、地球人にとって身体に機械を埋め込むことは気持ちの悪く、生理的に受け付けないことであり、雪之丞の足が義足であることも嫌悪の対象であり、厄祭戦の記憶が残る限りはこうなのだろうという。

【ガエリオとマクギリス】
ボードウィン家の宇宙船のブリッジ。
ガエリオはマクギリスと通信するが、マクギリスが瀕死のアインについて思わぬことを提案してきた。
アインに阿頼耶識を埋め込んではと言うのである。

ガエリオは身体に機械を埋め込むことを倫理に反すると思っており、マクギリスの提案に猛反対する。
だがマクギリスは、人類は自然であらねばならぬという価値観はギャラルホルンが意図的に広めたもの、厄祭戦で進化した技術がギャラルホルンに反旗を翻す道具に使われることを恐れてのものだと笑う。

ガエリオはマクギリスの言葉に納得できないが、マクギリスは「アインを救いたいのだろう?」と問う。
これにガエリオは、アインを救うだけでなく、上官の仇を討ちたいというアインの思いに応えたいのだと言う。
するとマクギリスは、だからこそ阿頼耶識という手段が最良と言うのである。

「なぜ…なぜ阿頼耶識なんだ?」というガエリオに、マクギリスは言う。
「お前に教えてやろう。阿頼耶識の、本当の力を」

【鉄華団の夕食】
鉄華団が拠点としている基地の食堂では、一同が夕食をとっていた。
メインディッシュは蒔苗が差し入れた魚をアトラが調理したものであり、ラフタ、エーコ、アジーは魚料理を笑顔で頬張る。

一方、鉄華団のメンバーたちは初めて見る魚に恐れを抱き、昭弘は魚のお頭を見て「こっち…睨んでやがる…」とつぶやき、全く食が進まない。
それは三日月も同様であり、魚料理には手をつけず、懐から火星ヤシを出して食べ始めた。

アトラは、三日月の料理を作った人へ無神経さに激怒。
タービンズのみんなにも手伝ってもらったが大変だったのであり、一口くらいつけたらどうなのかと抗議するが、三日月は「へえ~」と生返事である。

アトラは「もういい!」と言うと三日月から魚料理を奪って一口食べるが、その美味なことにたちまち機嫌を直し、「火星に帰ったら自慢しよ。『こんなの食べた』って」と笑顔である。
だがアトラは、火星に帰った後のことを考え、「火星に戻ったらクーデリアさんすごいことになっちゃうんだろうな。なんか手の届かない人になっちゃいそう」とつぶやき、少し寂しそうに笑う。

【クーデリアと蒔苗の会談】
クーデリアたちは蒔苗の屋敷を訪れ、蒔苗と対面していた。
同席するのは、オルガとビスケット、そしてメリビットである。

蒔苗はクーデリアたちを笑顔で歓迎し、「腹は減っとらんか?」と笑う。
これにオルガは、自分たちにはあまりゆっくり出来る時間は無いと言い、早くクーデリアと交渉を始めるよう促す。
が、蒔苗はギャラルホルンはここには現れないと笑い、のらりくらりと謎をかけ、なかなか本題に入ろうとしないのだが、談笑しながら現状が明らかになっていく。

この島はオセアニア連邦の管理区域にあり、連邦の許可が無ければギャラルホルンも入ることは出来ない。
そしてオセアニア連邦はクーデリアと鉄華団に感謝している。
なぜなら、ドルトコロニー群の改革が成功し、労働者たちは地球と同等の労働条件を実現、ドルトコロニー群の生産力は一時的に低下するだろうが、それはアフリカユニオン以外の経済圏にとっては利益である。
その呼び水となったクーデリアと鉄華団はオセアニア連邦にとって恩人であり、「恩人をギャラルホルンに売り渡すような真似をオセアニア連邦はせんよ」と蒔苗は笑う。

ドルトコロニー群の改革が成功したと聞き、クーデリアはほっとした様子である。
一方蒔苗は、「で、何だったかな?お前さんたちが来た理由は?」とクーデリアに話を促す。

クーデリアは「アーブラウとの火星ハーフメタル資源の規制解放の件で…」と話し始めると、蒔苗はそれは実現したいと常々考えていたが今は無理だと言い、自分は失脚して亡命中であり、何の権限も無いと明かした。

これにオルガは「俺たちは、何の力もない爺さんに会うために、こんなとこまでわざわざ来たってことなのか?!」と詰め寄り、クーデリアは「では、私たちがやってきたことは無意味だったと!?」と叫ぶ。

が、蒔苗は不敵に笑っていう。
「そうは言うとらん。まだまだ残っておるよ。逆転の目はな」

【オルガ、蒔苗との交渉内容を報告】
オルガたちは基地に戻ると、年長組と雪之丞たちに、蒔苗との交渉について報告した。

蒔苗の要求は、アーブラウの全体会議で代表指名選挙が行われるので、その時までに会議の場に自分を連れて行くことである。
会議に出席できればまた代表に選ばれる勝算があるとのことだが、蒔苗は公的な権限を失っても、これまで政財界に築いた人脈や影響力は健在ということだろうか。

シノは「んじゃ、連れてきゃいいじゃねぇか」と言う。
これにビスケットは、蒔苗はアーブラウから亡命したのであり歓迎されるはずがない、そして対抗馬のアンリ・フリュウはギャラルホルンを後ろ盾としていると言い、ギャラルホルンと戦うことになる危険性を指摘する。
そしてオルガは「厄介なのはそれだけじゃねえ」と言い、蒔苗の言動を思い出す。

会談の席でオルガは、この話は一度持ち帰ると蒔苗に言い、席を立とうした。
すると蒔苗は「持ち帰る?ぬるい…ぬるいな。お前さんら、少し勘違いしとらんか?」と凄む。
そしてどうやって火星に帰るつもりかといい、オセアニア連邦は鉄華団とクーデリアをギャラルホルンに引き渡さないよう動いているが、それは自分の一存でどうとでもなると言い放つ。

オルガは「脅す気か?」と問い、蒔苗の気迫に引き下がらない。
蒔苗は「賢い選択が出来るまで、せいぜいゆっくり考えることだな」と言い、この会談は終了となった。

やはり蒔苗も、一癖も二癖もある人物であり、うっかりすると一方的に利用されるだけになりそうである。そのような人物の要求に応じて良いのものか、苦悩するオルガである。

クーデリアは、考えこむオルガたちに言う。
「蒔苗氏の言葉に振り回される必要はありません。
私は皆さんに助けられてここまで来ることができました。
そのことに対してどれほど感謝の言葉を重ねても重ね足りないほどです。
そして私が頼んだ仕事もここまでだったはずです。
ですから、ここから先は私の仕事です。
皆さんは皆さんがなすべきことを…自分たちの道を進んでください」

【オルガと名瀬】
島の基地に、ユージンから通信が入った。
ユージンたちは現在、オセアニア連邦の宇宙施設に匿われており、タービンズも一緒である。
ギャラルホルンに一泡吹かせた鉄華団は、ここでは英雄扱いだと明るい声のユージンである。

オルガたちはユージンたちの無事を喜ぶ。
一方ユージンは、話しづらそうにビスケットに声をかけた。

続いてオルガは名瀬と通信で話し、現状と蒔苗の要求を伝えた。
名瀬は蒔苗が油断ならぬ相手であることを理解し、「で、どうする気だ?」とオルガに尋ねた。

オルガは、テイワズ代表マクマードは、蒔苗との交渉成立を期待しているだろうと言う。

すると名瀬は言う。
マクマードへの義理立てなら考える必要はない、オルガたちは十分に筋を通した、それに今回の件はマクマードにとっていつもの博打の一つであり、オルガたちが気を遣うまでもないと。
そして「俺が聞きたいのは、そういうしがらみ抜きでの話だ。本音のところで、お前らがどの道を選ぶか」と尋ねた。

これにオルガは、蒔苗の話に乗ろうと思うとこたえた。
そして、いま火星に帰れば、少しは名が売れているのでしばらくは仕事に困らないかもしれないが、それは一時的なものと現状を分析し、今後の抱負を語る。
「兄貴。俺たちはまだ何者でもねぇ。俺はもっと…もっとでかくなりてぇんだ」

これに名瀬は笑って言う。
「好きにしな兄弟。どんな道を選ぼうと、俺は兄貴として兄弟の力になってやるよ」

【ビスケット、オルガとぶつかり合う】
夜の砂浜で、オルガはビスケットに、蒔苗の話しに乗る決意を伝えた。
「どっちを選んだってリスクがあるってんなら、上がりはでかい方がいい。そう思わねぇか?」とビスケットに同意を求める。

だがビスケットは反対し、目的は達したのだから火星に帰ろうと主張する。
オルガは、火星で細々とやっているだけでは自分たちは多少目端の利いた子供に過ぎず、いずれまた利用されるだけと現状を分析し、今後の方針を説く。
「のし上がってみせるんだ。テイワズからも、蒔苗のジジイからも、奪えるものは全部奪って…」

ところがビスケットはオルガの言葉に納得しない。
今のままでも十分じゃないか、ここで無理してまた誰か死んだりしたらどうなる、危険なことを続けていたら将来も何もないと訴える。

これにオルガは「決めたことだ!前に進むためにな」と強く言う。いつもなら、これでビスケットはオルガに同意したのだろう。
だがビスケットは「だったら!だったら僕は…僕は、鉄華団を降りる」と言い残し、背中を向けて立ち去った。

【オルガ、ビスケットの事情を知る】
オルガは不機嫌全開、基地の食堂のドアを蹴り開けて八つ当たりであり、そこにいたメリビットを驚かせた。
そしてオルガはメリビットに、蒔苗の話しに乗ることを決めたと伝え、「あんたもその方がいいだろ。テイワズのお目付け役としちゃあよ」と嫌味を言うが、これも八つ当たりだろう。

そして「ビスケットにあんなに反対されるとは思っちゃいなかったけどな」と思わず洩らす。
普段のオルガならメリビットとは一線を引いて弱音など漏らさないが、今回ばかりはそれだけショックが大きかったということだろうか。

するとメリビットは先程ユージンから聞いた話しとして、ビスケットの兄サヴァランが自ら命を絶ったこと、そしてサヴァランが遺書をビスケットに残したことを伝えた。

サヴァランは遺書でビスケットに言い残す。
「自分がやっていることは、必ず仲間のためみんなのためになる。
そう信じて俺は動いていた。
だが事は思いどおりに運ばず、結果は無残なものとなった。

俺はこんな生き方しかできなかったが、お前は他人に振り回されることなく、自分の人生を自分でしっかりと見つけて歩んでいってほしい。
家族や仲間を大切に、堅実で幸せな人生を送るよう、心から願っている。」

事情を知り、オルガは奥歯を噛みしめる。

【ビスケットと雪之丞】
ふらふらと歩くビスケットは、格納庫の前で雪之丞に声をかけられた。
タービンズのエーコに言われ、バルバトスの地上戦用のサスペンションをいじっているという雪之丞だが、先ほどからビスケットの様子がおかしいことが気になり、「どうかしたか?」と声をかけ、ビスケットがオルガと衝突したことを知った。

雪之丞は、四角いパーツを椅子とテーブル代わりにした休憩スペースにビスケットを座らせてコーヒーを勧めた。
少し落ち着いたビスケットは、ぽつりぽつりと本音を口にする。
「いつまでもそんなにうまくいくかどうか…もっと穏やかな道を選んでいくことだってできるはずなのに…」

黙ってビスケットの言葉に耳を傾けていた雪之丞は言う。
「そうかもしれねぇ。けどそうじゃねぇかもしれねぇ。
先のことなんか、誰にも分からねぇよ。
オルガだって、ビクビクしながら前に進んでんだ。

勘違いするんじゃねぇぞ。
鉄華団はただのラッキーだけで、ここまでやってこれたんじゃねぇ。
オルガがいて、みんながいて、そしておめぇがいたからだ。

ちゃんとオルガと話してみろよ。
いつもそうやってきたじゃねぇか、なあ」

【オルガとメリビット】
一方オルガはメリビットに、本音を話していた。
「CGSに入った時から、あいつは俺がどんな無茶なことをやろうが、結局は認めてついてきてくれた。
だからショックだったよ。
あいつに断られるなんて思ってなかったからな。
俺やっぱ、焦ってんのかな?」

オルガの話を聞くメリビットは観察するような目をしており、何か企んでいるようにも見える。
が、「団長さんの決断を支えてくれてたのは、いつもビスケットさんだった。そうじゃない?」と笑い、オルガも「かもな…」と同意する。

その時、タカキが食堂に飛び込んできて、蒔苗から緊急連絡が入ったとオルガに伝えた。
そしてオルガは蒔苗から、ギャラルホルンが鉄華団とクーデリアの身柄を渡すよう勧告してきたと言われる。
「話が違うじゃねぇか!」というオルガに蒔苗は、ギャラルホルンにも独特の指揮権を持つ者がおり、オセアニア連邦でも抑えられないという。

その指揮官こそ、カルタ・イシューであった。
「逃がしはしない、今度こそ」と闘志を燃やすカルタである。


【予告】
次回「還るべき場所へ」

次回は、ビスケットもモビルワーカーで戦闘に参加するようだが、まずは彼の無事を願っている。
そして久々の地上戦に期待したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第19話「願いの重力」

  • 2016/02/15(月) 03:35:08

【感想概略】
今回は、鉄華団がクーデリアの地球降下を目指し、ギャラルホルンの地球外縁軌道統制統合艦隊に戦いを挑むお話である。
限られた戦力の鉄華団が、圧倒的な大兵力のギャラルホルン艦隊の防御陣をいかに突破するかという知恵比べの面白さがあり、三日月のバルバトスがガエリオのガンダム・キマリスといかに戦うか、昭弘のグシオン・リベイク及びシノの流星号がどのように戦うかというメカ戦の面白があり、カルタ、ガエリオ、そしてマクギリスの過去の一端が明かされ、ユージンが仲間のために漢を見せる姿が描かれ、昭弘たちの危機に駆けつけるラフタとアジーの活躍が描かれ、絶体絶命の三日月を支えるのはオルガであることが描かれ、見応えがあり、面白かった。

アインの安否が気になるのであるが、このまま退場だと彼は、鉄華団の少年兵たちが自分たちの未来を切り拓いていくにはクランクの要求を受け入れるわけにはいかなかったという少年兵側の事情を知ることが無いままということになってしまう。かなり厳しい状況には思えるが、アインの生存を期待したい。

【鉄華団、戦闘準備】
鉄華団の強襲装甲艦イサリビは、モンターク商会から物資を次々と搬入し、ギャラルホルン艦隊を突破して地球へ降下する作戦の準備を着々と進めていた。
アトラは物資搬入を手伝い、クーデリアと一緒に革命だとはりきる。

ブリッジのオルガは、仮面姿のマクギリスと通信し、彼の名前を尋ねた。
だが「モンタークで結構。それが真実の名ですので」とこたえる。
マクギリスはファリドの名に抵抗を持っていそうだが、『モンターク』の名には何かこだわりがあるのだろうか。

【クーデリアと三日月】
クーデリアは艦内で三日月と出くわす。
そして三日月に握手を求めると、三日月は「俺の手、また汚れてるよ?」と遠慮する。

クーデリアは初めて三日月と出会った時、握手を求めて断られ、手が汚れているから遠慮したと三日月に言われるとそのまま引き下がったのだが、三日月はこの時のことを覚えているようである。
当時のクーデリアとしては、手を汚したくないという三日月の配慮は当然のものであり、それでも握手を求めることがはばかられたというところだろうか。

だが今度のクーデリアは「私の手も、もう汚れています。みんなの血とみんなの思いと…この手に私は誇りを持っています」と言うと手を差し出した。
クーデリアとしては、労働で手が汚れるのは当然でありそれもまた尊いこと、これまでの戦いで失われた命を背負って理想を実現する覚悟を決めたこと、そして苦難をともにする中で築かれた三日月との信頼関係を信じるからこそ、もはや引き下がらず握手を求めるというところだろうか。

すると三日月はクーデリアの手を握り、力を込めた。
三日月は痛くない程度に、だが力強くクーデリアと握手をかわすのであるが、クーデリアへの信頼と敬意の現れに思えた。

クーデリアはブリッジに行くと、オルガたちにこれまでの礼を言う。
オルガは「まだここからが正念場だぜ」と苦笑する。

これにクーデリアは、地球への降下で世話をかけることに頭を下げ、「そこから先は、私が皆さんを幸せにします。約束します」と宣言した。
すると、オルガは「そんときゃ頼むぜ」と好ましい笑みを浮かべる。

そしてクーデリアは、今は空席となっているかつてのフミタンの席を見つめ、(約束…します)と心中でつぶやいた。

【カルタとガエリオ】
地球衛星軌道上、ギャラルホルン基地の司令室。
司令官のカルタ・イシュー一佐にガエリオ特務三佐から通信が入った。
ガエリオはカルタに対し、今回の作戦への参加を許可してくれたことに礼を言わない訳にはいかなかったようだが、居心地が悪そうである。

カルタはガエリオに、足を引っ張らぬようそれなりの働きをせよとまるで口うるさい姉のように言い、そして言いづらそうに「あの男はどうしたの?」と尋ねた。
誰のことか分からないガエリオだが、カルタの上げる特徴からマクギリスのことと理解し、地球で休暇中であることを伝えた。
カルタは、自分に報告が無かったことに納得行かない様子だが、ガエリオは「直属の上司でもないあなたに報告する義務が?」と何の悪気もなく率直な疑問を口にする。

これにカルタは「あなたも我ら地球外縁軌道統制統合艦隊をバカにするつもり!?」と怒り、成果を上げることが出来なかったら折檻が待っていると言い放ち、「折檻!?」と困惑するガエリオとの通信を一方的に終了した。

実はカルタの艦隊は、統制局からお飾り扱いされていた。
おそらく、圏外圏でギャラルホルンと小競り合いを起こす武装集団はいても、地球に攻めてくるものはほとんどおらず、このため地球外縁軌道統制統合艦隊は戦うことがほとんどあり得ない、お飾りの艦隊と見なされるようになったのだろう。

それでカルタは今回の戦いを自分たちの実力を証明する機会と考え、張り切っているのである。カルタとしては、成果を挙げることで自分だけでなく部下たちのギャラルホルン内での評価を高め、そしてマクギリスを見返したいというところだろうか。

【ユージンとシノ】
イサリビのブリッジでは、ユージンが張り切っていた。

これより少し前、艦内のモビルスーツデッキでユージンは膝を抱えてため息をつき、シノに辛気くさいと苦情を言われていいた。
ユージン本人は全く意識していないと思われるが、彼が弱音をはける相手はシノであり、悩みを聞いてほしくてわざわざシノの近くに来たのだろう。

ユージンはシノに本音をもらす。
「鉄華団全員の命を預かる…俺そういう存在に憧れていたからよぉ。失敗は絶対にできねぇんだ。だから…」

するとシノは笑い出し、抗議するユージンに「悪ぃ…オルガにそんなに憧れてたとはつゆ知らず…」という。
図星を突かれたのかさらに抗議するユージンの背中にシノは蹴りを入れ、「いいんじゃねぇの?かっこつけようぜお互いによ」と笑うのであった。

これでユージンは吹っ切れたようである。
ブリッジでユージンはシノの言葉を思い出しながら「んなもん言われるまでもねぇ。いっちょかましてやろうぜ」とつぶやき、闘志を燃やす。

【マクギリスとの出会い】
ボードウィン家の宇宙船。
ガエリオは、カルタのことをあの女呼ばわりし、地球外縁軌道統制統合艦隊などという名ばかりの閑職に回され少しは大人しくなったかと思ったが少しも変わらないと呆れた様子である。
そしてガエリオはアインに、カルタとの腐れ縁を話し始めた。

ガエリオとカルタは幼なじみであり、マクギリスとも子供の頃からの付き合いである。
ガエリオが6歳くらい、カルタが7歳くらいの頃。
ファリド家でパーティーが行われていたが、カルタは会場をぬけ出すとドレス姿のまま木に登っていた。
そして探しに来たガエリオにも登ってくるよう声をかけ、「早く戻らないと、お父様に怒られちゃうよ」と説得するガエリオを「どうせ怖いんでしょ?このおしめったらし!」と挑発する。
ガエリオが「カルタこそ、この前またおねしょしたくせに!」と言い返すと、カルタは「あんたこそ、この前学校で…」と言い返し始め、もはや当初の話題とは無関係の口喧嘩に突入しようとしていた。

その時、屋敷の前にリムジンが止まり、質素な服装をした6歳くらいの金髪碧眼の少年が姿を見せた。
この少年、子どもとは思えない険しい目付きなのだが、彼こそマクギリスである。
そしてカルタはマクギリスから目を離せず、知らずに頬を赤らめていた。

マクギリスの様子を見ると、彼は自分がファリド家の妾腹の子であることを知らず、庶民として養父母に育てられていたが、イズナリオの都合で養父母から引き離され、ファリド家に連れてこられたというところだろうか。

【人間の行動は過去の清算】
モンターク商会の宇宙船のブリッジで、仮面姿のマクギリスは不敵な笑みを浮かべてつぶやいていた。
「他者の心を掌握し、その先の行動を操るのは容易だ。

過去を紐解く…。
ただそれだけで、対象者が掴む選択肢の予想は簡単につく。

嫉妬・憎悪・汚辱に恥辱。
消えない過去に縛られて、輝かしいはずの未来はすべて愚かしい過去の清算のみに消費される。
それは私とて同じこと。

鉄華団…君たちの踏み出す足は前に進んでると思うか?
もし本気でそう信じているのなら、見せてくれ。私に」

マクギリスの言い方だと、ノブリスもマクマードも、現在の行動は過去の清算ということになるが、この二人にはそのような印象は受けず、もっぱら未来に目を向け野望に向かって突き進んでいるように見える。
だが、一見ふてぶてしくて過去など気にしそうにないこの二人も、実は過去に苦悩しているのだろうか。

【鉄華団VSカルタ艦隊】
カルタ艦隊は、宇宙船の接近を検知、停船信号を送るが応答が無い。
これにカルタは全艦隊に砲撃を命じ、集中砲火を浴びせた。

だが敵艦は速度をゆるめず、オペレーターは艦船が二隻であることを検知した。
これこそ、ブルワーズの装甲強襲艦をイサリビの盾とする鉄華団の作戦である。

カルタは常識外れの作戦に驚愕しながらも、敵船に艦砲射撃を集中、ブルワーズ艦に次々と命中弾を浴びせる。
このままで突撃すればブルワーズ艦が保ちそうにないのだが、ユージンは「まだだ!もっと突っ込ませんだよ!あいつに頼まれた仕事だぞ!」と言い、ブルワーズ艦も自分が阿頼耶識で操作するという。

チャドとダンテは、二隻の制御は負荷が大きすぎるとユージンに反対するが、ユージンは「ここでカッコつけねぇでどうすんだよ!」と押し切り、ブルワーズ艦と自分を接続させた。

ユージンは、フィードバック情報の負荷に鼻血を流しながらもブルワーズ艦も操船。
ブルワーズ艦を的確に盾としながらカルタ艦隊に急接近し、イサリビの進路を変更した。

カルタ艦隊は二隻のどちらを攻撃するか混乱しながらも砲撃を集中。
ついにブルワーズ艦が爆発するが、おびただしい量の光る粒子が周辺宙域に散布される。
するとカルタ艦隊の光学照準はブラックアウトしてイサリビを見失い、僚艦との通信も途絶してしまう。
カルタの側近は、これはナノミラーチャフによるものと報告するが、別の側近は「あれは、実戦で使えるような代物ではなかったはずでは?!」と動揺する。

が、カルタは時限信管でミサイルを発射してチャフを焼き払うことを光通信で全艦に通達。
周辺宙域は一時ミサイルの爆炎に照らされ、間もなく光学照準と通信は回復、カルタは敵艦の捜索を命じた。
想定外の事態にも柔軟に対応する、実は有能なカルタである。

だがこの時すでに、イサリビは敵の宇宙基地グラズヘイムに急接近しており、そのまま体当たりを浴びせた。
衝撃によりグラズヘイムは地球の引力に引かれ始め、このままでは地球に落下してしまう。
カルタは全艦隊に対し、モビルスーツ隊の出撃後グラズヘイムの救援に向かうことを命じ、全戦力による鉄華団追撃を断念した。

【地球降下船、アインに発見される】
イサリビではチャドとダンテは「ユージンやったな!」とユージンを称える。
ユージンは二隻制御とアクロバティックな操船で疲労困憊だが、「なあ…一つだけ…俺かっこいいか?」といいながら、やりきった笑みを浮かべる。
そして地球降下船に搭乗したオルガは「最高にイカしてたぜユージン。ありがとな」とユージンを褒めるのである。

地球降下船には、オルガ、ビスケット、そしてクーデリア、アトラ、メリビットが搭乗。雪之丞も乗っているようである。
その周囲をバルバトス、グシオン・リベイク、クタン参型と合体した流星号が警戒しているが、カルタ艦隊のモビルスーツが接近中である。

その時、降下船の周囲が攻撃され、クタン参型のブースターが被弾した。
ガエリオの駆るガンダム・キマリス、そしてアインの駆るシュヴァルベ・グレイズの攻撃である。

アインはこれまでの鉄華団との戦いからその行動を予測し、降下船を発見したのである。

【ラフタとアジー参戦】
クタン参型と合体した流星号はアイン機を、三日月はバルバトスでガエリオのキマリスを迎え撃つ。

そして昭弘はグシオン・リベイクで、降下船に急接近するカルタ艦隊のモビルスーツ隊を迎撃。
斧で一機を撃破し、敵機を砲撃するが、敵部隊はグシオン・リベイクの砲撃をかわしながら降下船に接近し、照準を合わせる。

その時、二機のモビルスーツが敵モビルスーツ隊に襲いかかり、降下船への攻撃を阻止した。
ラフタとアジーがモビルスーツで参戦である。

驚く昭弘に「ダーリンにあんたらのこと頼まれたの」と笑うラフタだが、ラフタとアジーの意思を名瀬が受け入れたのだと思う。
とはいえテイワズが表立ってギャラルホルンと事を構えるわけにはいかないため、二人の機体はテイワズ製モビルスーツの装甲を換装して偽装したものである。
ラフタとアジーの参戦により、降下船は絶体絶命の危機を脱した。

【バルバトスVSキマリス】
三日月はバルバトスでキマリスを迎え撃つが、キマリスの速度は前より速くなっており、バルバトスはキマリスの動きをとらえることが出来ない。

ガエリオはキマリスの高機動性で一撃離脱を繰り返し、バルバトスを翻弄。
そしてランスを構えて急加速、ついにバルバトスの胸部にランスを突き入れた。

が、バルバトスの胸部にはリアクティブアーマー(爆発反応装甲)が装着されており、アーマーは自ら爆発してランスの衝撃を相殺。バルバトスは全くダメージを受けていない。
そしてバルバトスはキマリスのランスを掴む。

驚愕するガエリオに三日月は「パターンが分かれば対策くらいするよ」と言うが、心中で(おやっさんが)とつぶやくと、ランスを掴んだままキマリスに蹴りを入れ、ランスを奪い取る。
続けてメイスを繰り出し、キマリスの増加ブースターを破壊、機動力を減少させる。

【アイン機大破】
アインはシュヴァルベ・グレイズで流星号と交戦。
ワイヤーを流星号の両腕に巻きつけ、流星号の動きを巧みに封じ、反撃を許さない。
アインは「クランク二尉はお前たちに手を差し伸べてくれたはずだ。それをお前らは、振り払って…」と叫び、流星号を追い詰めていく。

一方、三日月はバルバトスでキマリスに接近戦を挑み、殴り、蹴りを入れる。
続いて距離を取り、ミサイルを発射、命中。
致命打には程遠いが、爆炎でキマリスの視界を一瞬塞ぐ。
そして爆炎が晴れた瞬間、奪ったランスをキマリスに投げ、必殺の一撃を繰り出す。

その時、アインがシュヴァルベ・グレイズで割って入った。
アイン機のコックピットはランスで大破、アインは重傷を負いながらもガエリオを助けた。

なぜというガエリオに、アインはいう。
「あなたは…誇りを失った俺に、もう一度立ち上がる足をくれた…あなたを見殺しには…」

次の瞬間、シュヴァルベ・グレイズから何かパーツが射出され、キマリスがそれを掴んだ。
一方、三日月は敵の援軍襲来との連絡を受け、この場を離脱した。

【グリムゲルデ参戦】
カルタ艦隊からは、増援のモビルスーツ部隊が襲来。
抜刀して加速する。

が、背後から何者かが砲撃、敵モビルスーツを次々と撃破していく。
マクギリスがモビルスーツ「グリムゲルデ」で参戦である。

三日月はグリムゲルデの動きから、パイロットがマクギリスであることに気付き、接触通信で「あれ?あんたチョコレートなの?」とたずねる。
マクギリスは三日月に感嘆、「すさまじいなその感覚」と賞賛する。

三日月はマクギリスに「あんたはもういいよ。まだやってもらいたいことがあるし」と離脱を促す。
マクギリスはこれを受け、戦線を離脱した。

【バルバトス、降下船と合流できず】
降下船は大気圏突入を開始。
機体は大気の断熱圧縮により赤熱していく。

降下船はシノ、昭弘、そしてラフタとアジーのモビルスーツを回収、機体を固定する。
いかにモビルスーツとはいえ、単機での大気圏突入には機体が保たないようである。

カルタのモビルスーツ部隊もまた、「これ以上の追撃は危険だ!地球に殺されるぞ!」と言い、鉄華団追撃を断念しようとしていた。
だが一人の隊員は「手ぶらでは帰れぬ。ここはカルタ様の空。勝手は許さん!」と言うと隊を離脱、降下船に襲いかかる。
カルタは部下からの人望は厚いようである。

三日月はバルバトスで、降下船を狙う敵機の銃を破壊。
そのまま激しく斬り結び、ついに太刀を敵機のコックピットに突き立てて仕留めた。
が、もはや降下船がバルバトスを回収することは不可能、このままでは三日月はバルバトスもろとも燃え尽きてしまう。

【三日月とオルガ】
絶体絶命の状況の中、さすがの三日月も為す術がない。
そして三日月は初めて人を殺した時のことを思い出していた。

銃を撃ってひっくり返った10歳くらいの三日月に、12歳くらいの負傷したオルガは言う。
「行くんだよ。ここじゃないどっか…俺たちの本当の居場所に」

すると三日月は無表情ながらも好奇心に目を輝かせ、「ほんとの?それってどんなとこ」とオルガに尋ねる。
これにオルガは上手く答えられないが、「行ってみなけりゃ分っかんねぇ。見てみなけりゃ分かんねぇよ」と笑い、負傷して血に濡れた手を差し出す。

三日月はオルガの手を取り、「そっか…オルガについていったら、見たことないもの、いっぱい見れるね」という。
するとオルガは三日月の手を握り、「ああ。だから行くぞ!」と力強く言った。

三日月は「そうだ…俺はその場所を見たい。お前はどうだ?バルバトス!」と愛機に問う。
すると赤熱するバルバトスの目が光った。

間もなく、降下船は地球への降下に成功。
そしてオルガたちは、敵機を盾に大気圏突入に成功したバルバトスを見た。

一方三日月は、地球の夜空に初めて月を見てつぶやいた。
「あれが…三日月」

【予告】
次回「相棒」

次回はいよいよアーブラウの前代表、蒔苗東護ノ介とクーデリアたちが顔を合わせるようである。
だがこの蒔苗、公式HPによると「贈収賄疑惑をかけられ、代表から退いている」とのことで、一癖も二癖もありそうであり、何か企んでいるのだろうかと思う。
まずは蒔苗とクーデリアとの交渉に注目したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第18話「声」

  • 2016/02/08(月) 04:41:44

【感想概略】
今回は、敵の大艦隊を演説で退けるクーデリアの知略と度胸が描かれ、アインがクランクを深く敬愛する理由が明かされ、仮面の男の正体を一目で見破る三日月の眼力が描かれ、ギャラルホルンの有力者イズナリオ・ファリドが民衆の英雄待望論を冷静に観察して暗躍する姿が描かれ、昭弘とシノがモビルスーツの訓練で切磋琢磨する中で互いを認め合い友情を深める姿が描かれ、クーデリアを親身になって気遣うアトラ、そして二人を案ずる三日月の人情が描かれ、面白かった。

【クーデリアの演説】
前回、クーデリアはオルガたちとドルト3を脱出、三日月のバルバトス、昭弘のグシオン・リベイク、シノの流星号が敵機を食い止める間に、強襲装甲艦イサリビに乗艦した。
だがイサリビの前には、ギャラルホルンの大艦隊が立ち塞がる。

そして今回。
クーデリアはイサリビのブリッジでテレビカメラの前に立ち、ドルトコロニー群で今繰り広げられている惨劇の真実を、全世界に向けて語りかけ始めた。
ドルトコロニー群の労働者たちは劣悪な労働環境と不安定な雇用に苦しみ、デモを行なったこと、そしてデモの最中、示し合わせたかのように謎の爆発が発生、ギャラルホルンはこれをデモ隊のせいにして労働者たちに向けて発砲、虐殺を開始し、それは今もまさに続いていることを。

ギャラルホルン艦隊の司令官は、クーデリアの放送を止めさせるよう叫ぶ。
が、ノブリス・ゴルドンによる電波ジャックは強力なようで、ギャラルホルンといえどもクーデリアの放送を中断させることが出来ない。
とはいえギャラルホルン艦隊の技術兵も有能なようで、電波の発信源が目の前に出現した装甲艦イサリビであることを突き止めた。

一方クーデリアは自分がイサリビにいることを明かし、ギャラルホルンに問いかける。
「これがあなた方の言う正義なのですか?
ならば私は、そんな正義は認められない。
私の発言が間違っているというのならば、今すぐ私の船を撃ち落としなさい!」

この発言に流星号のシノは「おいおい…何言ってくれちゃってんの?」と顔を引きつらせ、さすがの三日月も不敵な笑みを浮かべながらも脂汗をにじませる。

だが、ギャラルホルン側からの発砲は無い。
ギャラルホルン上層部としては、今イサリビを撃沈すればそれは露骨な証拠隠滅であり、全世界の人々の前でクーデリアの発言の正しさを、虐げられた人々をギャラルホルンが謀略で虐殺したことを全面的に認めることになり、今後の統治に重大な支障が発生することになってしまうので、今はイサリビが立ち去ることを黙認したということのようである。

ギャラルホルンの艦船もモビルスーツ部隊も、全て動きを止める中、装甲艦イサリビは粛々と航行する。
これに三日月は驚嘆してつぶやく。
「凄いな、あいつ。
俺たちが必死になって、一匹一匹ぷちぷち潰してきた奴らを、声だけで…止めた。」

一方、別の宇宙艦のブリッジでは、仮面の男が遠ざかる装甲艦イサリビを眺めながら不敵な笑みを浮かべていた。
その傍らに立つのは、かつて鉄華団を裏切って追放されたちょび髭の中年男トドである。
トドは「撃ち落としちまえばよかったのに」と残念がるが、仮面の男は「統制局が作戦の中止を命じたのだろう」と言い、楽しそうである。

【仮面の男、商談を申し出る】
装甲強襲艦イサリビはギャラルホルン艦隊の包囲を突破、タービンズの装甲強襲艦ハンマーヘッドと合流した。
そしてイサリビはブリッジに、タービンズの名瀬・タービンとアミダ・アルカを迎え、今後の方針を検討していた。

名瀬は言う。
当初は地球軌道上にある2つの共同宇宙港のどちらかで降下船を借り、地球に降りる予定だった。だが今回の件で、鉄華団とクーデリアはギャラルホルンにマークされてしまったのでこの方法は取れないと。

これにクーデリアは苛立ち、「じゃあ、どうすればいいんですか!?」と声を荒げる。
ユージンは、クーデリアの責めるような言い方を「おいおい。元とはと言えば、あんたのせいでもあるんだぜ?そんな言い方はねぇんじゃねぇか?」と窘める。

クーデリアは少し言い過ぎたと思いながらも、「私には責任があるのです…私を信じてくれる人たちのために、私は私自身の責任を果たさねばならないのです」と言う。

その時、イサリビは接近する船のエイハブウェーブを検知。
間もなくその船から通信が入り、モニターに仮面の男の姿が浮かび上がった。
その怪しさにユージンは驚き、思わず「お面か?!」とつぶやく。

一方、仮面の男はモンターク商会と名乗り、商談を申し出た。

【ガエリオとアイン】
ボードウィン家の宇宙艦では、負傷したアインがガエリオに頭を下げ、鉄華団との戦闘で不覚をとってしまったと謝罪した。

だがガエリオは「それは俺を助けれくれてできた傷だ」とアインをねぎらい、「謝るのは俺の方だ」とかえってアインに詫びた。
人に助けれもらえば純粋に感謝して相手に好感を抱く、真っ直ぐな気性のガエリオである。
そしてアインもまた、ガエリオに好ましく思ってもらっていることを感じているようである。

アインは、自分も阿頼耶識の手術を受ければ鉄華団に対抗できるだろうかと言う。
これにガエリオは「何を言いだす。気持ちの悪いことを言うな。あんなものを体に埋め込めば人間ではなくなってしまう」と言うのだが、これはアインを気遣ってのことだろう。

するとアインは「人間ではない…その言葉は地球出身の同僚たちにも言われてきました」と言い、自分の母が火星出身であることを明かし、これまで誰にも語ることのなかった本心を口にしていた。

アインはギャラルホルン士官であった父の口利きで入隊した。
だが地球人は地球出身の純粋な血しか認めない。
母の出自のため、アインは地球出身の同僚たちから差別されてきた。
そんなアインをクランクだけは「人間としての誇りに出自など関係ない」と皆と対等に扱い、何かと気にかけてくれた。そして「自分自身が正しいと思う道を選べ。周囲に惑わされず、お前という人間の生き方を見せるんだ」と言ってくれたのだと。

アインとしては、クランクがいかに自分にとって大恩人であったかという話をしたつもりだった。
だが、ガエリオは自分が火星出身者を差別するような言動をしてきたことについて考えさせられるところがあるようである。

ガエリオは「俺は、お前のような男は初めて見た」と笑い、打倒鉄華団に闘志を燃やす。
そしてアインとともに地球軌道上で鉄華団と戦うために、苦手な人物に頭を下げることを決意するのである。

【クーデリアと仮面の男】
装甲強襲艦ハンマーヘッドの応接室に名瀬とクーデリア、そしてアルカとオルガが集まった。
そしてモンターク商会を名乗る仮面の男を出迎えた。

仮面の男はクーデリアに再会の挨拶をすると、革命の手伝いをしたいと申し出た。
その報酬として、革命成功の暁にノブリス・ゴルドンとマクマード・バリストンが得るであろうハーフメタル利権に、自分たちも加えてほしいと。

クーデリアは即答しないが、仮面の男は「なるべく早いご決断を」と言い、あまり待つつもりはない。

【オルガとビスケット】
ハンマーヘッドの廊下で、オルガはビスケットに、マクマードとノブリスが密かにつながり、ハーフメタル利権をそれぞれ得るつもりであることを伝えた。
ビスケットは、この件は名瀬も知っていたようであり、自分たちにも話してくれればという。

するとオルガは現状を分析して言う。
マクマードやノブリスは化かし合いの世界で商売をしているが、自分たちはマクマードたちの足元でウロチョロしているだけであり、マクマードたちと対等の相手ではない。

「あの人らと対等に商売していくなら、今のままじゃダメなんだ」というオルガであるが、今後の鉄華団をどのようにしていくつもりなのか、注目したい。

【三日月、仮面の男の正体を見抜く】
イサリビ艦内に、モンターク商会から大量の物資が運び込まれた。
これにライド・マッスは足元見られているみたいで気味が悪いと言い、雪之丞も「タダより高ぇもんはねぇって言うがな…」とつぶやく。雪之丞としてはモンターク商会の意図を怪しみながらも、せめて整備に力を尽くすしかないというところだろうか。

艦内の廊下を、オルガとビスケットは仮面の男を案内して歩く。
すると三日月が歩いて来て仮面の男に気付き、尋ねた。
「何でチョコの人がいんの?」

これにビスケットは驚愕。
一方、仮面の男は動ぜず、「双子のお嬢さんは元気かな?」とビスケットに尋ね、あっさりと正体を明かした。

オルガは仮面の男がギャラルホルンと知って驚愕、自分たちを罠に掛けるつもりかと言う。
が、仮面の男改めマクギリスは「君たちなど罠に掛けて、私に何の得があると?」とオルガの疑惑を否定する。

そして何が狙いかと問われ、マクギリスは「君たちに小細工をしても見破られるだろう」というと答える。
「私は腐敗したギャラルホルンを変革したいと考えている。
より自由な新しい組織にね。
君たちには外側から働きかけその手伝いをしてもらいたい。」

マクギリスの思わぬ言葉にオルガとビスケットは驚愕、そんなことが自分たちに出来るわけがないとつぶやく。
が、マクギリスは笑っていう。
「現にクーデリア嬢と君たちはやってのけた。
だからこそ、君たちに力を貸す。
利害関係の一致というやつだ。
まだ罠だと思うか?」

驚愕するオルガとビスケット、平然とした三日月に、マクギリスは「まっ、よく考えてくれたまえ」と言い残して去った。

【カルタ・イシュー】
地球軌道上、ギャラルホルン基地の司令室。

銀髪を結い、眉を丸く剃り、目元に歌舞伎のくまどりのような化粧をし、唇に真っ赤な紅をさした女性将校が、居並ぶ士官たちの前で叫ぶ。
「我ら、地球外縁軌道統制統合艦隊!」

これに続けて士官たちは叫ぶ。
「面壁九年!堅牢堅固!」

すると女性将校は「んん~完璧」と声が揃ったことに感動の様子である。
この女性将校、名をカルタ・イシューと言い、どうやら艦隊の司令官のようだが、かなりの変人のようである。

そして部下たちにクーデリアが来ることを確認すると、「セブンスターズのじい様たちにも、あの男にも、我々の力を見せつけるよい機会だ」と嬉しそうである。

部下の一人がカルタに、ガエリオが作戦への参加を希望していることを伝えると、「ガエリオ坊やはどうでもいい。あの万年みそっかすに、手柄を取られる心配はない」と許可するのだが、まるでガエリオを近所の悪ガキ扱いである。

「早く来なさい。ひねり潰してあげるから!」と闘志を燃やすカルタは、ギャラルホルンによる秩序を守ることが正義と単純に信じ、あまり難しいことを考えていないような印象を受けるが、実のところはどうなのだろうか。

【イズナリオの暗躍】
地球の4大経済圏の一つ、アーブラウ。
初老の女性議員アンリ・フリュウがボディガードを率いてリムジンに乗り込んだ。
車内には、ギャラルホルンの地球本部司令官イズナリオ・ファリドがおり、その隣には8歳くらいの金髪碧眼の育ちのよさそうな少年が座っている。

このアンリ・フリュウは、アーブラウの前代表である蒔苗東護ノ介の政敵のようである。
そしてイズナリオが持つタブレット端末に映るクーデリアに興味を示すのだが、イズナリオは言う。
「民衆は常に偶像を求めるものだ。
いや…虚像かな。
真実などに興味はないものだ」

イズナリオは、民衆とは社会を自分自身で良くしていくことをあまり考えず、英雄が現れて世の中を良くしてくれることを期待しがちなものであり、今はクーデリアに自分たちの求める英雄の姿を思い描こうとしているのだろうと冷ややかに見ているというところだろうか。

【蒔苗、クーデリアに期待】
南海の浅い海の上に建てられた和風の屋敷。
縁側で蒔苗東護ノ介は、間もなくクーデリアと会えることに嬉しそうであり、前祝いと称してグラスに注いだワインをぐいぐい飲み干していた。

蒔苗としては、クーデリアが知略と演説でギャラルホルンのドルトコロニー群の不満分子鎮圧作戦を頓挫させ、アリアンロッド艦隊の前を堂々と立ち去ったことが大いに痛快なようである。

蒔苗の側近は、「運がよかっただけでは?」とクーデリアの実力を疑問視する。
すると蒔苗は「運?大いに結構。結局のところ、最後に事を決めるのはいつも運だ」と自説を説く。

そして蒔苗は「わしにとっては革命の乙女ではなく、幸運の女神になるやもしれん。まるで、白馬の王子がさらいに来るのを待つプリンセスの気分だわい」と笑い、クーデリアに大いに期待しているようである。

【アトラ、クーデリアを案ずる】
イサリビ艦内で、クーデリアは仮面の男と手を組むか苦悩していた。
実はクーデリアはフミタンの死を乗り越えてなどおらず、フミタンを失ったことに苦しんでいる。
そして仮面の男が余計なことを言わなければフミタンは死なずに済んだと思い、仮面の男に怒りを覚えていた。
ノブリスの刺客がクーデリアを狙う限り、フミタンが無事で済んだか分からないのだが、それでも仮面の男を恨むのは、フミタンのことを諦めきれない気持ちがそれだけ強いということだろう。

クーデリアはろくに眠らず、食事もろくにとらずに蒔苗との交渉の準備を行なっているが、これは責任を果たさねばという気持ちだけでなく、忙しくしていないとフミタンを失ったことに押し潰されてしまいそうになるというところもあると思う。

そんなクーデリアをアトラは見かね、夜食を届けようと駆けつけるのだが、夜食を忘れてきたことに気付く。
アトラはクーデリアに何と声をかけたものかと口ごもるが、クーデリアはアトラの腫れ上がった頬を見て自分のせいだと詫びた。

アトラは困ってしまうが、意を決してクーデリアに言う。
「あのね、クーデリアさん。その…もっとお話ししよう。ちょっと疲れたな~とか、ちょっとつらいな~とか、言ってほしくて…頼ってほしくて。私なんかじゃ、頼りないと思うんだけど…」

だがクーデリアは、頼りないのは自分であり、人々を希望へ導きたいと思うなら変わらねばと言い、誰かに弱音を吐くことを自分に許さない。

そこに三日月が、夜食を持って現れた。
そしてクーデリアに「あんたは凄いよ。ギャラルホルンの奴らを声だけで止めた。あんなの、オルガにだって出来ない」と言う。
これは三日月にとって最大級の褒め言葉だろう。

三日月はクーデリアの果たそうとする責任を全力で手伝うといい、アトラは「一人で抱え込まなくていいんだからね。仲間なんだから、家族なんだから、みんなで一緒に」と訴える。

アトラと三日月の人情に、これほど親身になってくれることに、クーデリアはついに泣いた。
これにアトラは動揺、三日月に何とかするように言う。

「えっ、俺?」と珍しく動揺する三日月だが、アトラの言葉に納得したようで、クーデリアの頭を抱きしめた。
これにアトラは「クーデリアさん…偉いね。ずっと…我慢してたんだね…」ともらい泣きすると、三日月はアトラの頭も抱き寄せるのであった。

間もなく、装甲強襲艦ハンマーヘッドの応接室を、赤い目をしたクーデリアが訪れた。
そして名瀬に、仮面の男と手を組む決意を伝えた。

【予告】
次回「願いの重力」

予告ナレーションはダンテ・モグロだが、名前が分からない、地味、存在感が無いと言われていることを自ら認めていて笑ってしまった。
次回はカルタ・イシューの率いる部隊と鉄華団とのモビルスーツ戦が繰り広げられるようであり、まずはメカ戦が楽しみである。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第17話「クーデリアの決意」

  • 2016/02/01(月) 04:23:06

【感想概略】
今回は、フミタンを失ったクーデリアが虐げられた人々の希望となることを決意し、鉄華団の力をかり、ノブリス・ゴルドンをも利用し、いよいよ行動を開始するお話である。
メカ戦では、久々に三日月がバルバトスでギャラルホルンのモビルスーツ相手にメイスを振るい、滑空砲で砲撃する百戦錬磨の強さを発揮し、さらにガエリオの駆るガンダム・キマリスと激戦を繰り広げる姿が描かれ、昭弘がグシオン・リベイクで参戦し、さらにシノがグレイズ改をさらに改良した流星号で参戦、アインの駆るシュヴァルベ・グレイズと激闘を繰り広げる姿が描かれ、見応えがあり、面白かった。

【暴動が拡大】
前回、ドルト3では、労働者のデモ隊にギャラルホルンが発砲、多くのデモ参加者を殺傷した。k
この混乱の中、ノブリス・ゴルドンの刺客がクーデリアを狙撃するが、フミタンが我が身を盾にしてクーデリアを庇い、斃れた。

そして今回。
報道機関はドルト3での暴動鎮圧と労働者のリーダー・ナボナの死を、ギャラルホルンを正当化する立場で報じていた。
ドルト1、ドルト2、ドルト4、ドルト5の各コロニーの労働者たちはデモ隊が粛清され、ナボナが殺されたことに、会社側は初めから話し合いなどするつもりは無かったのだと激怒。
実力で要求を通すことを決意し、行動を開始する。

労働者たちのうち、コロニーの外壁工事などで日頃モビルスーツの操縦に従事している者はモビルスーツに搭乗し、銃を手に出撃する。
そしてミサイルを搭載した宇宙艇多数が出撃していく。

するとギャラルホルンのコロニー駐留部隊が姿を見せるが、労働者側の士気は高い。
労働者側の宇宙艇はミサイルの発射スイッチを押し、モビルスーツは引き金を引く。
ところがミサイルは発射されず、モビルスーツの構える銃からは弾が出ない。
労働者たちの手に渡った武器は細工されており、発砲できないようになっているのである。
動揺する労働者たちにギャラルホルンのモビルスーツ部隊が発砲、労働者側のモビルスーツ、宇宙挺を次々と撃破していく。

【ガエリオ、ギャラルホルンを批判】
ボードウィン家の宇宙艦では、ガエリオはこの作戦を虐殺と呼び、ギャラルホルン統制局に対し怒りの色を見せる。
艦長は「この状況なら、モビルスーツを出しても問題にならないかと」とガエリオに言うが、これは本気で出撃を勧めているのではなく、統制局への皮肉であり、冗談なのだろう。

するとガエリオは「バカを言え!これこそがマクギリスの言う、今の腐ったギャラルホルンの実態だ。こんな卑劣な作戦に参加できるか」と叫び、ギャラルホルンを真正面から批判する。

【クーデリアの決意】
ドルト3では、オルガたちはクーデリアを守ってコロニーから脱出するため、路地裏を急いでいた。
この間、アトラはクーデリアの手を握り続けている。
フミタンを失ったクーデリアを無言で支えようとする何て良い子なのかと思う。

ようやくオルガたちは宇宙港へのエレベーター前にたどり着くが、その前には銃を持ったギャラルホルン兵が陣取り、宇宙港は全面閉鎖だと言う。
市内の大型スクリーンにはニュース映像が映され、キャスターがドルト1、4、5の各工業地域で爆破テロが発生して武装ランチやモビルスーツが奪われ、近隣宙域を警戒中だったギャラルホルンのアリアンロッド主力艦隊が鎮圧に当たっていると報ずる。

ユージンとシノは労働者たちがなぶり殺しにされることに我慢ならず、自分たちも労働者たちに何か出来ないだろうかとオルガに訴える。
だがオルガは「俺たちの仕事は、依頼主を無事地球に届けることだ」と言って許さず、ビスケットもオルガを支持する。
オルガとビスケットとしては、鉄華団の経営を安定させ、仲間たちが安心して暮らせるようにすることが第一あり、労働者たちに味方したいところだが、この場は止むを得ないというところだろう。

その時、それまで青白い顔で押し黙っていたクーデリアが口を開いた。
「私は…私は、このまま地球へは行けません。
私が地球を目指したのは、火星の人々が幸せに暮らせる世界を作るため。

でも、火星だけじゃなかった…
ここの人たちも同じように、虐げられ、踏みつけられ、命さえも…

それを守れないなら…立ち上がれないなら、そんな私の言葉など、誰も聞くはずがない。

私は戦います。たとえ一人でも。
もう逃げない、二度と。
フミタンが言ったように、私はあの本の少女のように、『希望』になりたい。」

これまでクーデリアは、火星の人々のためを思って頑張ってきたが、そのことで評価されたいと思ったことは無く、現状を少しでも良くするために出来ることから手をつけて突っ走って来たのであり、自分がどう思われるかについてほとんど興味を持たなかった。
クーデリアとしては自分を特別な人間とは思っておらず、だからこそ『革命の乙女』と呼ばれて英雄扱いされることに困惑した。
だがクーデリアは、虐げられた人々は、世直しのために戦う英雄を求めていることを身を以て知った。
そして自らが人々の『希望』、変革の象徴となることを受け入れたということのようである。

【オルガの決断】
ユージンとシノは、クーデリアの言葉に力を得て「ほらな?お嬢様だってこう言ってんだよ」「ここでやんなきゃ、かっこ悪ぃだろ?」と言い、どうにかしてオルガを説得しようとする。

オルガはクーデリアの言葉に心を動かされるが、三日月に「お前はどう思う?」と尋ねた。ここでも三日月の意思を重視するオルガである。
すると三日月は「俺はオルガが決めたことをやる。けど、このままやられっぱなしってのは面白くないな」と言い、最終的にはオルガに従うが、反撃を望む意思を示す。

これでオルガの心は決まった。
オルガは頭を抱えながら「ったくお前ら…まあどのみち、このままじゃ埒が明かねぇしな。やるか!」と言い、クーデリアの戦いに力を貸すことを決意するのである。

【オルガたち、報道スタッフと出会う】
ドルト3の路地裏では、前回デモ隊を撮影していた報道機関のディレクターが、上司から報道中止の命令を受けていた。
このディレクター、前回はギャラルホルン寄りの立場でデモ隊虐殺を報道し、そのことに特に疑問を持っているようには見えなかった。
だが報道機関の上層部から、誰もが楽しく平和に暮らせるコロニーのイメージに傷がつくので、治安の悪さを伝える報道はこれ以上不要、との命令を受け、かなり不満な様子である。

ディレクターとしては、ギャラルホルンの支配に楯突こうとまでは思わないが、真実を報道したいという気持ちはあり、命じられるままに権力者に都合の良い情報だけを垂れ流し、都合の悪い情報は一切報道しないというやり方には流石に疑問を感じるというところだろうか。

その時、ディレクターは路地裏を急ぐ若者たちの中に、デモ隊の中にいた一際目立つ美少女がいることに気付いた。
オルガたちに守られたクーデリアである。

ディレクターはオルガたちに声をかけ、少し話を聞かせてほしいと申し出た。
オルガは躊躇なく断るが、ディレクターはあきらめず「少しだけでもいいんだ。個人的には今回の報道は一方的すぎると思っている。君達労働者側の声も、できるだけ伝えたいんだよ」と訴える。

するとクーデリアは一歩前に出ると「私の声を届けてくださるというのなら、望むところです」と言い、自らクーデリア・藍那・バーンスタインと名乗った。
ディレクターはクーデリアの名前だけは知っており、大いに興味を惹かれたようである。

そしてビスケットはオルガに、報道スタッフなら専用ランチと報道用専用回線を持っているはずと耳打ちし、彼らの取材に応ずることが脱出への近道と説く。

【オルガ、イサリビと通信成功】
間もなく、オルガはイサリビとの通信に成功、まずは今後の指示を出す。
続いて装甲艦ハンマーヘッドの名瀬に通信し、鉄華団の今後の行動について説明、「依頼主の希望で、俺たちは一番派手なやり方で地球を目指すことになっちまった」と言い、名瀬に詫びた。

名瀬は、テイワズとして名の売れているタービンズは協力できないことを告げるが、オルガの決意は変わらない。
これに名瀬は「腹括ったんなら根性見せろや」と励ました。
がオルガたちだけで戦わせる名瀬の心中は決して穏やかではなく、アミダ・アルカに「大丈夫。あの子たちは強いよ」と慰められる。

そしてハンマーヘッドのモビルスーツデッキでは、出撃しようとする昭弘にラフタが声をかけた。
あまりに無謀な作戦に、ラフタは昭弘を引き止めたく、そして自分が一緒に戦えないことに申し訳無さを感じているようである。

だが昭弘は笑ってラフタたちに感謝して言う。
「こいつを仕上げてもらっただけでも、タービンズには感謝してもしきれねぇ。
こいつの初陣、派手に飾ってやりますよ」

【三日月、バルバトスと合流】
オルガたちは、報道スタッフの宇宙艇に乗り込んだ。
そして宇宙服を着た三日月は、一人で虚空の宇宙へ飛び出す。
宇宙を進みながら三日月は「すごいな、あいつ…」とクーデリアに感嘆する。
そしてクーデリアに比べて自分に納得できないものを感じ、「ああ…イライラする…」とつぶやく。

間もなく三日月の前に、雪之丞が操縦する長距離輸送ブースター・クタン参型が飛来、内部にはバルバトスを格納している。このバルバトスで敵を引きつけ、その間に宇宙艇が装甲艦イサリビと合流する作戦である。

【バルバトス、ギャラルホルンと戦闘開始】
コロニー周辺の宙域では、ギャラルホルンのモビルスーツ部隊が、労働者たちのモビルスーツを次々と撃墜していた。
労働者のモビルスーツは武器に細工されていて発砲できないようになっており、まさに一方的な虐殺である。

そしてギャラルホルンのモビルスーツ、グレイズが、労働者のモビルスーツに狙いを定めた。
ロックオンされた労働者は悲鳴を上げる。

その時、バルバトスがグレイズの胴を砲撃、衝撃に動きが鈍った敵機に高速で接近してメイスで殴って撃破、労働者のモビルスーツを救う。
ギャラルホルンの他のグレイズがバルバトスに気づくが、バルバトスは敵機に急接近するとメイスで一撃を浴びせて撃破。続けてもう一機を滑空砲で砲撃して撃破する。

このことはすぐにアリアンロッド艦隊の旗艦に報告され、艦隊指揮官は援軍派遣を命じた。

一方、ボードウィン家の宇宙艦の艦長がバルバトスに気付き、ガエリオに「あれが捜しておられた機体では?」と報告する。
ガエリオは「本意ではないが、この機会は逃せん」と苦しい表情で、アインを率いてブリッジを立ち去った。
ガエリオとしては、労働者を虐殺する今回の作戦そのものに反対であり、バルバトスと戦うことは作戦を応援する行為になってしまうが、それよりもこれまでさんざん痛め付けられてきた三日月を懲らしめることの方が優先するということだろうか。

【バルバトスVSガンダム・キマリス、シュヴァルベ・グレイズ】
バルバトスはギャラルホルンの援軍と交戦。
繰り出される敵機を次々と撃破、ギャラルホルン部隊はバルバトスに集中していく。
この隙にオルガたちの搭乗した宇宙艇は発進、イサリビとの合流ポイントに向かう。

これを確認した三日月は、さらに敵を引き付けるため敵部隊に突撃。
たちまち数機を撃破するが、この隙に一機のグレイズが背後に急接近し、斧を振り下ろす。
が、バルバトスはグレイズの間合いに踏み込んで腕を掴んで斬撃を防ぐ。

その時、三日月は高速で接近する機体に気付き、腕を掴んでいたグレイズに蹴りを入れて距離を取る。
が次の瞬間、高速で突撃してきた機体がグレイズと激突、グレイズは大破した。

飛来したのは、ガエリオの駆るガンダム・キマリスである。
ガエリオはキマリスの出力、性能に大満足であり、「それでなくては、骨董品を我が家の蔵から引っ張り出した甲斐がない!」と笑うと脚部バーニアを展開、さらに加速する。

そしてランスを構え、バルバトスに突撃。
バルバトスは瞬時にメイスを構え、キマリスのランスを受け止める。
キマリスは推進力でバルバトスを力押しすると加速、猛スピードで離脱。

続けてアインがシュヴァルベ・グレイズでバルバトスを砲撃する。

【仮面の男、宇宙艦から観戦】
この戦闘を、宇宙艦のブリッジで仮面の男が眺めていた。
仮面の男は「ガエリオめ、ボードウィン家秘蔵の品を持ち出してきたか。すでに風化した伝説だとはいえ、かつてはギャラルホルンの象徴として世界を守った機体同士が戦うとは。皮肉なものだな」とつぶやく。

この仮面の男、戦闘宙域に宇宙艦で乗り込めるというところをみると、ギャラルホルンではよほど地位が高い人物か、その友人ということである。やはり正体はマクギリスであろうか。
そしてこの男の言葉では、バルバトスもかつてはギャラルホルンの機体だったということのようである。

【オルガたち、イサリビに帰還】
アインはシュヴァルベ・グレイズでバルバトスを砲撃。
だがバルバトスは敢えて砲撃をかわさない。

これにアインは、バルバトスが報道機関の宇宙艇を庇ったことに気付き、宇宙艇に向かう。

が、アイン機の目の前に装甲艦イサリビが出現、立ち塞がった。
アインはイサリビを回避、この隙に宇宙艇はイサリビに収容され、オルガたちと報道スタッフはブリッジに移動した。

ディレクターは思わぬ成り行きに「私たちは君らの戦いに加担するつもりは…」と困惑するが、クーデリアは報道スタッフが中立であることに理解を示し、「準備が整うまで、ここで少しお待ちください」と言い残して立ち去った。

【シノの流星号VSアインのシュヴァルベ・グレイズ】
装甲艦イサリビでは、先ほどオルガたちと一緒に収容されたばかりのシノが、早速モビルスーツに搭乗、出撃準備を急いでいた。
シノが駆るのは、昭弘のグレイズ改をテイワズの技術を導入して更に改良した機体である。
この機体、全身をピンク色の塗装され、頭部には目玉が描き込んである。

そしてシノは「流星号、行くぜ!おらぁ~」と叫んで出撃するが、この名前はシノが勝手に呼んでいるようで、雪之丞とライド・マッスはそのネーミングセンスに呆れた様子である。

アインはシュヴァルベ・グレイズでシノ機と斬り結ぶが、敵機の正体に気付いて「この識別コードは、クランクさんのグレイズ!」と叫ぶ。
が、通信でこれを聞いたシノは「こいつはそんなだせぇ名前じゃねぇ!このシノ様の流星号だ!」と叫ぶ。

アインは、ピンクで塗装された流星号に「あの厳格だったクランクさんの機体をこんな下品な色に…許せん!」と激怒。
至近距離で銃を撃つが、流星号は紙一重でかわす。
アインはシノ機もまた阿頼耶識システムによる機体と気付く。

【三日月とガエリオ】
バルバトスを駆る三日月は、ガエリオの駆るガンダム・キマリスと交戦していたが、その高速高機動性に苦戦していた。
キマリスは高速で襲来、バルバトスの砲撃を難なくかわし、瞬時に間合いに踏み込み、ランスで強烈な一撃を繰り出すと高速で離脱、再び突撃する一撃離脱戦法を繰り返す。

ガエリオは、防戦一方のバルバトスに勝利を確信。
バルバトスに砲撃を浴びせて牽制すると「とどめだ!」と叫び、高速で突撃、必殺の一撃を繰り出す。

が、三日月はこの瞬間を待っていた。
三日月はバルバトスでキマリスのランスを紙一重でかわし、腹部のフレームでランスを挟み、敵機の動きを封じた。

ガエリオは敵機の思わぬ反撃に驚き、「放せ、この宇宙ネズミが!」と叫ぶ。
三日月は接触通信でこの声を聞き、「あんた、チョコの隣の…」とつぶやく。

これに「ガエリオ・ボードウィンだ!」とフルネームで名乗る生真面目なガエリオだが、三日月は長すぎて憶えられないようで「ガリガリ?」と聞き、「貴様、わざとか?!」と激怒する大人げないガエリオである。

三日月は「まあ、なんでもいいや。どうせすぐに消える名前だ」と言い、キマリスにとどめを刺そうとメイスを構える。
が、ガエリオは「甘い!」と叫ぶとキマリスの肩から円筒状のパーツがせり出し、円盤状の武器を高速で射出、バルバトスの頭部に命中させた。

この隙にキマリスはバルバトスを投げ飛ばす。
バルバトスは浮遊していた宇宙艇に激突、メイスを手放してしまう。
そしてキマリスは高速で離脱、再び一撃離脱を狙う。

【ノブリス、クーデリアのメールを受け取る】
火星のオフィスで、ノブリス・ゴルドンはアイスクリームを味わいながら、何故テイワズ代表マクマード・バリストンは、クーデリアなどという小娘をそれほど評価するのか首を傾げていた。
その時、部下からクーデリアのメールを受信したとの連絡を受けた。
ノブリスはクーデリアのメールを見ると高笑いを浮かべ、何やら楽しそうである。

【ガエリオとアイン撤退】
ガエリオはキマリスで再び飛来、バルバトスに高速で突撃する。
が、その間に昭弘の駆るグシオン・リベイクが割って入り、大型の盾でキマリスの攻撃を弾き返し、バルバトスを守る。
さらにキマリスに発砲、命中弾を浴びせる。

三日月は「助かった。でも速いよ、あのガリガリ」と礼を言うと同時に、敵の特徴を伝える。
昭弘は鼻血を流しており、モビルスーツからの阿頼耶識システムによるフィードバックでかなり負荷がかかっているようである。
昭弘は「俺はまだ阿頼耶識に慣れてねぇ。2人掛かりでやるぞ」と言うと、バルバトスに銃を投げる。
バルバトスは銃を受け取るとキマリスを砲撃、命中弾を浴びせる。
そして昭弘はグシオン・リベイクで斧を握るとキマリスを斬撃、敵機を追い詰めていく。

これに気付いたアインは、シノ機に蹴りを入れると離脱。
グシオン・リベイクが投げた斧とキマリスの間に割って入り、機体を破壊されながらもキマリスのガエリオを救う。
アインは「申し訳ありません。余計な真似を…」と謝罪するが、ガエリオはアインを気遣う。

その時、キマリスにボードウィン家の宇宙艦の艦長から通信が入り、アリアンロッドの本隊が接近中であり、これ以上の作戦への介入はボードウィン家といえども問題になると進言する。
ガエリオは損傷したアイン機を抱えると加速、撤退した。

【クーデリアの演説】
バルバトス、グシオン・リベイク、そして流星号は装甲艦イサリビの上部に着艦した。
目の前には、アリアンロッド艦隊の大部隊が姿を見せ、さすがの昭弘、シノも顔が引きつっている。

一方イサリビのブリッジに、赤いドレスのクーデリアが姿を見せ、報道スタッフの構えるテレビカメラの前に立った。
クーデリアはドレスの下に、二つのネックレスを下げている。
一つはフミタンとお揃いのもの、もう一つはフミタンの形見となったネックレスである。

そしてクーデリアは、全世界に向けて語りかけ始めた。
「私はクーデリア・藍那・バーンスタイン。

今テレビの画面を通して世界の皆さんに呼びかけています。
私の声が届いていますか?

皆さんにお伝えします。
宇宙の片隅…ドルトコロニーで起きていることを。
そこに生きる人々の真実を」

この映像にアリアンロッド艦隊の指揮官は「ニュースの内容は、統制局が管理しているのではないのか?」と不審な様子であり、副官は「何者かが裏で手を回したとしか…」と想定外の事態に困惑する。

そしてノブリスは空を見上げながら、「このわしを利用しようとはな。あの娘、まだまだ化ける余地がありそうだ」と笑う。
クーデリアはノブリスに依頼して電波ジャックを行なったということのようである。


【予告】
次回「声」

クーデリアは全世界に何を語りかけるのか。
そしてイサリビはこの危機をどう切り抜けるのか。
次回も注目したい。