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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第49話「マクギリス・ファリド」

  • 2017/03/27(月) 01:12:08

【感想概略】
今回は、ラスタル配下の大部隊がついに鉄華団本部への総攻撃を開始、一方マクギリスはラスタルの首を狙い敵艦隊に突撃し、キマリス・ヴィダールを駆るガエリオと激突する、というお話である。
オルガの死に衝撃を受けながらも前に進もうとする鉄華団の団員たちが描かれ、マクギリスとガエリオが一つの結末にたどり着く姿が描かれ、見応えがあり、面白かった。

【ライド、鉄華団本部に連絡】
前回、アドモス商会を密かに訪れたオルガ、チャド、ライドたちを黒服の刺客たちが襲撃、オルガは自らの身を盾にしてライドを庇い、銃弾を浴びて息絶えた。

刺客は火星の武器商人ノブリス・ゴルドンの部下であり、鉄華団を逃さないための凶行である。ノブリスは、クーデリアには攻撃していないことを確認し、オルガ暗殺をラスタルに伝えた。
一方、ライドとチャドは、鉄華団本部からクリュセ市まで伸びているトンネルの出口に到着、そしてオルガの死を伝えるのである。

【三日月の演説】
鉄華団本部では、ユージン、昭弘をはじめとする年長組は、オルガの死に衝撃を受けながらも、脱出作戦を進めようとする。
だが団員たちにはオルガが殺されたことに激怒し、仇を討つことを主張する者が少なくなく、脱出作戦の続行が危ぶまれる状況に陥ってしまう。
その時、三日月がハッシュを通じ、ユージンたちに団員たちを広場に集めるよう依頼してきた。

間もなく、基地の広場には団員たちが集められた。
だが団員たちにはオルガを奪った者への怒りと憎悪、復讐心と激しい殺意が渦巻き、「絶対許さねえ…」「全員で打って出るんだろう?」「皆殺しだ…」という物騒な声があちこちから聞こえる。

やがて、バルバトスのコックピットハッチに立つ三日月が団員たちに語りかけ始めた。
オルガはいなくなったが、自分の中には、オルガの言葉が、オルガの命令が生きている。オルガの命令を邪魔する奴は、どこの誰でも全力で潰す。死ぬまで生きて、命令を果たせ。

オルガ暗殺に誰よりも激怒しているであろう三日月のこの言葉に、団員たちは心を打たれた。そして個人の復讐心ではなく、団員みなが生き残ることを実現させるため、脱出作戦を再開するのである。

鉄華団脱出作戦の最終段階、それは三日月とハッシュ、昭弘とダンテを中心とするモビルスーツ隊が敵部隊を迎え撃ち、トンネル組が脱出するまで耐えるというものである。
そしてユージンも亡きオルガの獅電に搭乗し、年少組のエンビ、エルガー、ヒルメ、トロウと後方支援である。

ユージンはエンビたちに役割を言い渡すが、彼らは「副団長ってモビルスーツに乗れたっけ?」「前に三日月さんと模擬戦してボコボコにされてたじゃん」「オレ見た時、チャドさんにボコられてたけど…」とささやきあってユージンをおちょくり、ユージンは「お前ら、うるせえな!」とツッコミを入れるのであった。

【ギャラルホルン大部隊、鉄華団本部へ攻撃開始】
ついにギャラルホルン部隊の予定した刻限になった。
ギャラルホルン部隊は、まずは多数のミサイル及び火砲で鉄華団本部に猛砲撃を浴びせる。
基地の地上施設は次々と破壊され、爆炎と土煙が巻き上がるが、鉄華団は一発も打ち返してこない。
そして、土煙の中からバルバトスを中心とする鉄華団のモビルスーツ隊が出現、ギャラルホルンのモビルスーツ隊との交戦に突入した。

【マクギリス、部下たちを去らせる】
火星付近の宙域では、宇宙艦の指揮をとるマクギリスは部下たちに、これまでついてきてくれたことを労い、そして全員下船するよう申し渡した。

艦内に残されたのは、マクギリスとトドだけである。
マクギリスはトドにも世話になったと礼を言う。
これにトドは、勝手知ったる火星であり、シャトルを手配してマクギリスをここまで送るなどお手の物と言っておどけてみせるが、これでよかったのかと尋ねる。

するとマクギリスは、王者とは孤独なもの、そして孤独とは自由であり、自由を手に入れた自分の、全てをねじ伏せる力を見せてやると笑うのである。
トドは「では旦那、ご武運を」と一礼し、艦を去った。

これまでトドは、得になると思えば、あるいは自分が損をしたり危険に会いそうだと思えば、平気で人を裏切ってきた
だがトドは、マクギリスをラスタル陣営に通報することも出来たのに、危険を冒してマクギリスのために働き続けた。
トドは、マクギリスのことを損得抜きで好ましく思っていたのだとおもう。

【マクギリスの突撃】
マクギリスはラスタルの艦隊に、宇宙艦で突撃した。
ラスタル艦隊は猛砲撃を浴びせるが、マクギリス艦は敵弾を跳ね返しながら突撃、敵艦一隻に体当たりを浴びせ、敵艦を道連れに大破した。

そして爆炎の中から、マクギリスの駆るガンダム・バエルが出現した。
ラスタル艦隊はモビルスーツ隊を繰り出すが、マクギリスはバエルで双刀をふるい、襲いかかる敵モビルスーツを次々と撃破。
さらに敵艦の艦橋を刀剣で破壊し、戦艦すらも無力化し、ラスタルに迫る。

だがマクギリスとて、ラスタルを討ったからといって彼に取って代わることが出来るなどとは思っていない。
マクギリスの狙い、それはギャラルホルンを追われた自分がアリアンロッド艦隊の司令を一人で葬ることでギャラルホルンの権威を完全に失墜させ、己が牙の使い方を知らず、うずくまるだけの獣が群雄割拠する乱世をもたらすことである。

【ハッシュと三日月】
火星の地表では、辟邪を駆るハッシュは、機体に地上戦のデータが少ないことで苦戦していた。
そしてついに、敵モビルスーツの斧をかわしきれず、コックピットに直撃を受けてしまう。
それでもハッシュは敵機を倒すが、既に瀕死の重傷を負っていた。

三日月はこれに気付き、ハッシュ機に襲いかかる敵機を撃破し、ハッシュに駆け寄る。
だがハッシュは三日月に、ここは自分の持ち場であり、いつか絶対追いつくので、止まらないで先に行くよう訴えた。

三日月はハッシュにここを任せると言い、再び激戦に飛び込んでいく。
尊敬する三日月に認められ、任され、頼まれるようになったことが、ハッシュにとってせめてもの救いだと思いたい。

【バエル対キマリス・ヴィダール】
ラスタル艦隊のモビルスーツ隊も、戦艦も、マクギリスの駆るバエルを止めることが出来ない。
そこにガエリオがキマリス・ヴィダールで出現、マクギリスの前に立ち塞がる。
だがマクギリスは意に介さず、「邪魔だ」と言い放つ。

これにガエリオは、アインの脳を使用した疑似阿頼耶識システムを起動、リミッター解除と同等の戦闘力を発揮し、マクギリスに猛攻を繰り出す。
だがマクギリスの斬撃も、ガエリオとの激戦の中でさらに研ぎ澄まされ、キマリス・ヴィダールの左腕を斬り飛ばし、頭突きを浴びせ、抜手をボディに突き入れる。

死闘はマクギリスが若干押しているかと思われたが、激しい打ち合いでバエルの剣が折れてしまう。
この一瞬にガエリオはキマリス・ヴィダールで猛攻を繰り出し、膝に仕込んだドリルを繰り出すが、攻撃は不発に終わり、ドリルが折れてしまう。

が、ガエリオはキマリス・ヴィダールで折れたドリルを握り、バエルのコックピットに突き刺した。
バエルとキマリス・ヴィダールはもつれ合いながら、ラスタル艦のモビルスーツデッキに飛び込んで大破し、両機とも動かなくなった。

【マクギリス対ガエリオ】
マクギリスは重傷を負い、大量に出血しながらも銃を握り、艦内をラスタル目指して歩き、エレベーターに乗り込む。
間もなくエレベーターは目的の階に到着し、扉が開く。
そこには仮面姿のガエリオが銃を構えていた。

マクギリスはガエリオの名を叫んで発砲するが、銃弾は仮面に弾かれる。
そしてガエリオの撃った銃弾がマクギリスに命中した。

ガエリオは倒れそうになるマクギリスの胸ぐらを掴んで叫ぶ。
「まだ死ぬな。俺を見ろ、マクギリス。お前が殺した男だ。そしてお前を殺した男だ!ちゃんと俺を見ろ!お前を友と信じ、その思いを裏切られ、信頼する仲間たちを奪われた!」

もはや瀕死のマクギリスは言う。
ガエリオのこと、カルタのことは見えていた。
だが見えていながら見えないふりをしていた。
ガエリオたちを否定しなければ、自分は前に進めなかった。
ガエリオたちと共にいると、ずっと抱いていた思いが揺らいでいくようで、目を逸らしたのだと。

マクギリスは最後の言葉を言いかける。
「ガエリオ…お前は俺にとっ…」

だがガエリオはマクギリスの言葉を遮って叫ぶ。
「言うな!お前が言おうとしている言葉が俺の想像通りなら、言えば俺は…許してしまうかもしれない…」

そしてガエリオは、マクギリスが息絶えていることに気づいた。
ガエリオはマクギリスに別れをつげ、泣いた。

【ラスタル、作戦の仕上げに取りかかる】
ラスタルは、マクギリスとガエリオの戦いの決着を見極め、心中でつぶやく。
「マクギリス・ファリド…お前の死はこれからの歴史において大きな意味を持つだろう。力に固執した人間の愚かな末路として…」

そしてラスタルは、整備主任ヤマジン・トーカに、ジュリエッタが現在降下中であること、そして『例の部隊』も出撃したことを確認した。

ヤマジンが不敵な笑みを浮かべて楽しそうなのであるが、何かとんでもないモビルスーツを投入するのであろうか。
そして『例の部隊』とは一体何か、気になるところである。

【ユージンの悪態】
火星の地表では、鉄華団のモビルスーツ隊が、ギャラルホルンの大部隊相手に激戦を繰り広げていた。
鉄華団側は、敵機を次々と撃破するが、敵部隊の機体数は圧倒的であり、倒しても倒しても新手を繰り出してくる。

ユージンはモビルスーツで発砲しながら「オルガの奴!こんな面倒な仕事、押し付けやがって!昔っからそうだ。いっつもリーダー面しやがって。絶対見返してやるって思ってたのによ…」と悪態をつく。
そして仲間たちに「仕方ねえから最後の命令きっちり果たして、あの世のあいつに文句の一つも言ってやろうぜ!」と言って笑うのである。

一方三日月は、メイスで敵機を撃破しながら心中でつぶやく。
「絶対にたどり着く。オルガの目指した場所へ」

【次回】
「彼らの居場所」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第48話「約束」

  • 2017/03/20(月) 00:40:20

【感想概略】
今回は、ラスタル配下の大部隊に鉄華団本部が包囲される中、オルガは団員たちが生き残るために脱出作戦を決意、マクギリスがガンダム・バエルで敵陣に単機突撃する混乱に乗じて包囲網を少人数がくぐり抜け、地球の蒔苗に通信をはかるが…というお話である。見応えがあり、面白かった。

オルガが大変なことになってしまい、脱出作戦がどうなるのかとても気になる。
だが鉄華団は全ての後ろ盾を失い、絶体絶命の危機に陥っても、アジーたちや蒔苗など、力になってくれる人たちがいることが明らかになった回でもあった。引き続き次回も注目したい。

【鉄華団本部、ラスタル陣営に包囲される】
前回、火星の鉄華団本部は、ラスタル・エリオン配下のモビルスーツ大部隊に包囲された。通信回線は全て断絶され、こちらから通信することも、外部の情報を入手することも出来ない。
全ては、「強大な武装集団」鉄華団を討つことでギャラルホルンの権威回復を目指すラスタルの策である。
ラスタルは、火星の大富豪ノブリス・ゴルドンを通じて民間報道機関を統制、セブンスターズに反旗を翻したマクギリスと彼と行動をともにする鉄華団を犯罪者として批判し、アリアンロッド艦隊は秩序を回復するためマクギリスと鉄華団を討伐するとの情報を発信し続ける。そしてラスタルは現地部隊の指揮官に、自分が到着するまで現状維持することを命ずるのである。

【鉄華団、脱出作戦を決定】
鉄華団本部の応接室に、オルガをはじめとする年長組と雪之丞、そしてメリビットが集まった。
まずはチャドとダンテが鉄華団本部の置かれた現状を報告するが、大部隊に包囲され、通信も出来ないという状況にユージンたちは打開策を見いだせず、頭を抱える。

だがオルガは動ぜず、逃げると決めたのだから逃げるだけだ、逃げることさえ出来れば基地を破壊して全滅に見せかければよい、そうすればこちらのものだと説く。
すると雪之丞は、厄祭戦時代の送電ケーブルのトンネルが基地からクリュセ市近郊まで通っていたはずであり、そのトンネルが生きていれば脱出できるかもしれないと言う。

これで作戦は決まった。
オルガは、この戦いの目的は自分たちが生き残ること、生き延びることであいつらに一泡吹かせてやるんだと言う。
そして各人は行動を開始、応接室を飛び出すのである。

【オルガとマクギリス】
ユージンはさっそくトンネルを確認、土砂で埋まっているところがあること、爆破するのは危険であり手作業で掘るしかないことをオルガに報告する。これにオルガは、トンネルの復旧に取り掛かるよう依頼する。

一方雪之丞は、トンネルの通信設備を確認し、クリュセにある出口側の端末を操作できれば外と通信できることを報告した。

事務室でオルガは各人の報告を聞き、それぞれに指示を出すが、状況は依然としてかなり厳しい。
すると事務室にいたマクギリスは、少人数であれば一時的に包囲網を突破することは可能かもしれないと言い、自分はギャラルホルンの包囲網を単独で突破すると言うのである。

驚愕するオルガにマクギリスは言う。
勘違いしないでほしい、自分は目的のために必要な手段を取るだけ、それをオルガたちが利用しようとしまいと一切関知しない、それに鉄華団が基地に残ると見せかけることでラスタルをここにおびき寄せることが出来る、自分はオルガたちを利用してラスタルを討つのだと。

オルガは、事務室を出て行くマクギリスに頭を下げた。
そしてチャドに通信し、あてが出来たのでこれからアドモス商会に行く、アトラとクーデリアを呼び、車を用意するよう指示するのである。

【オルガと三日月】
慌ただしい準備の中、オルガは格納庫の三日月を訪れた。
するとマクギリスが三日月に自分のところに来ないかと勧誘している。
オルガは、勝手にウチの団員をスカウトするなと苦情を言うと、マクギリスは苦笑して立ち去った。

オルガは「なりそこねちまったな、火星の王様に」と言い、三日月と他愛もない会話をかわす。
だが三日月は「オルガ、俺がいないと何やらかすか分かんないし」と、オルガが自分ぬきで出かけることが不満そうである。

するとオルガは三日月に、銃を貸してくれるよう申し出た。
三日月は銃を渡すが、「ちゃんと返してね」と念を押す。
オルガは、「わかってるよ、心配すんなって」と笑うのである。

【マクギリス、包囲網に突撃】
鉄華団基地から、マクギリスがガンダム・バエルで出撃した。
だが基地を包囲するギャラルホルン部隊は、攻撃を受けるまで待機することをラスタルに命じられており、バエルを迎え撃つことが出来ない。このままでは抵抗できないまま僚機がバエルに討ち取られてしまうが、それは隊員たちには耐え難い様子である。

すると一兵卒として部隊に参加していたイオク・クジャンがモビルスーツで突撃した。
イオクは通信で部隊指揮官に、命令違反を謝罪し、だがこれまで自分は多くの部下たちに窮地を救ってもらった、こんどは自分の命でみなの命をつなぐ番だと言い、武器を捨ててバエルに突進する。

マクギリスはイオクの言葉を「殊勝な心がけだな」と評しながらも、オルガたちが包囲を突破出来るよう敵を引きつけるつもりはあるようで、「こちらは多少は騒ぎを起こさねばならんのでな」と言うと加速、イオク機を叩きのめして跳躍、着地時にイオク機を二刀で突き刺し、沈黙させた。

これでギャラルホルン部隊は迎撃の大義名分を得て、バエルに次々と襲いかかる。
が、マクギリスはバエルで群がる敵モビルスーツを次々と撃破、敵部隊と報道機関の目はバエルに集中する。

この混乱に乗じて、オルガ、ライドとチャド、そしてクーデリアとアトラを乗せた自動車はギャラルホルン部隊の包囲網をくぐり抜けることに成功、クリュセ市のアドモス商会にたどり着くのである。

そしてマクギリスも脱出に成功、行方をくらました。

【オルガたち、脱出の段取りをつける】
アドモス商会のオフィスでは、事務員兼秘書のククビータはクーデリアを抱きしめ、無事を喜ぶ。

さっそくオルガは、地球のアーブラウの代表、蒔苗に通信し、鉄華団団員たちのIDを改ざんすることを頼み込む。
蒔苗は、個人情報の意図的な改ざんは重罪と言いながら、「命の恩人の頼みは断りづらいのう」と笑って快諾するが、正式な手続きは団員たちが地球に来ないと出来ないという。だがアリアンロッド艦隊に追われる鉄華団が、一体どうやって地球までたどり着くのか。

するとククビータが、鉄華団あてに受信したメールをオルガに見せた。
それは、旧タービンズのアジーからのものだった。
アジーはラフタの死に一時は寝込んでいたが、今では旧タービンズのリーダー格のようで、かつての名瀬のような白いスーツ姿で艦長席に座って指揮をとっている。

アジーはメールで鉄華団に、火星のテイワズの事務所を尋ねてくれれば、そこから積荷にまぜてどこへでも運ぶ、これはテイワズのボス、マクマードも内諾済みであり、連絡を待つと結んでいた。

これで地球へ行く段取りはついた。次は、トンネルの出口を確認し、そこの通信設備で鉄華団本部に段取りがついたことを連絡である。
オルガは、チャドとライドに事務所の裏に車を回すように指示し、クーデリアにアトラを預けた。
そしてオルガはクーデリアに、思えば自分たちの戦いはクーデリアの地球行きの護衛からはじまったと言い、自分たちの指名してくれたことに礼を言い、「あんたの夢、かなえろよ」と笑った。

【オルガ、ライドを守る】
オルガたちが自動車に乗ろうとビルを出ると、路地の向こうに黒い車が急停車した。
そして慌ただしくドアが開き、黒服の男たちが機関銃を構え、オルガたちを猛射した。

チャドは右肩を撃たれて転倒、そしてオルガはとっさにライドを庇う。
オルガは背中に次々と銃弾を浴びながらも、三日月から借りた銃を取り出すと刺客たちに発砲、たちまち二人を倒す。これに刺客たちは動揺、自動車で走り去った。

オルガは大量に出血しながらも立ち上がり、「俺なんかのために…」と泣き顔のライドに、団員を守るのは団長の仕事と不敵に笑ってみせる。
そしてオルガは歩きだし、ライドたちに、みなに、三日月に、自分自身に語りかけ、倒れた。
「ミカ、やっと分かったんだ。俺たちにはたどり着く場所なんていらねえ。俺は止まんねえからよ。お前らが止まんねえ限り、その先に俺はいるぞ。だから止まるんじゃねえぞ」

【次回】
「マクギリス・ファリド」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第47話「生け贄」

  • 2017/03/12(日) 22:35:13

【感想概略】
今回は、ラスタルに軍事的に大敗した鉄華団及びマクギリスは、さらに法的、経済的にも追い詰められ、オルガはせめて団員たちの命を守るため必死で道を探るが…、というお話であり、鉄華団の団員たちそれぞれの事情と選択、テイワズやマクマード・バリストンなどの裏社会の動き、オルガの苦悩とユージン、昭弘たちのオルガと鉄華団への思い、そして三日月とアトラとクーデリアの人間模様が描かれ、見応えがあり、面白かった。

【マクギリスと新江】
ラスタル率いるアリアンロッド艦隊に大敗した鉄華団及びマクギリス率いる革命軍は、かつてタービンズが利用していた航路を通って何とか火星付近の宙域に落ち延びた。
だがギャラルホルン火星支部の新江・プロト本部長は、マクギリスの支援要請を断った。
マクギリスは、ギャラルホルンの最高権威であるガンダム・バエルに選ばれた自分に逆らうのかと新江を脅す。

すると新江はマクギリスに現状を説明する。
ラスタルのギャラルホルンでの発言力は高まり、セブンスターズもこれに同調、マクギリスの地位は全て剥奪され、さらにイズナリオ・ファリドとマクギリスの関係も公表され、マクギリスはイズナリオの妾腹の子ですらないことが明かされた、地球でのマクギリスの立場は消失したに等しいと。

しかし新江は、とはいえマクギリスには恩があるので、支援はしないが排除もしないと言うのだが、これが新江の出来る精一杯だろう。
これにマクギリスは礼を言い、鉄華団及び革命軍は非正規のルートから火星に降下し、久々に帰還するのである。
一方、新江の部下は、マクギリスと鉄華団を見逃してはラスタルの心証を悪くするのではと新江に進言する。すると新江は、マクギリスは悪運の強い男であり、今後どうなるか分からないと言う

【鉄華団、法的に追い詰められる】
鉄華団火星本部では、オルガたちはさらに厳しい現実を突き付けられた。
ラスタルはマクギリスと鉄華団を、ギャラルホルンに逆らった犯罪者として手配し、鉄華団の口座を封鎖した。
経理担当デクスターとメリビットは、融資の依頼に奔走するが、犯罪集団として扱われている鉄華団を相手にするところは全く無い。鉄華団はアリアンロッド艦隊との戦いに備えるどころか、団員たちを養い組織を日々運営していくことすら危うい状況に陥ってしまう。

【クーデリアとオルガ】
鉄華団をクーデリアが訪れた。
クーデリアはオルガに、自分の経営するアドモス商会が、大富豪ノブリス・ゴルドンからの融資を打ち切られたと告げる。
すなわちノブリスはクーデリアに、自分は商売柄、違法なものを表立って支援することは出来ず、だから鉄華団と提携しているアドモス商会に融資は出来ないと言う。そしてノブリスはクーデリアに、鉄華団と関係を断てば融資を再開する、自らの理想を鉄華団のために捨てるつもりなのかと問うのである。
それでもクーデリアは鉄華団に協力する姿勢を変えないのだが、オルガはクーデリアに鉄華団と手を切ることを申し出るのである。

【オルガと団員たち】
オルガは基地の広場に団員たちを集め、鉄華団を辞めたい者は今のうちに申し出てほしいと告げた。

オルガは言う。
鉄華団は本来、危険な仕事にはそれだけの報酬を保証する、そしていつかは安全な仕事だけで団員の生計が立つようにする、そういった場所のはずだった。だが今の鉄華団はそれとは違う場所になってしまったと。

これにライドたちは、最後までオルガについていくと言い、場の空気はオルガ支持の熱気に高まる。

だがザックはあえて空気に逆らい、自分は辞めると言う。
ザックは団員たちに、最後までとは何だ、結果はもう出ているだろう、このままでは全員お陀仏のバッドエンドと言い、考え直すように訴える。
が、多くの団員たちはザックを睨みつけて無言であり、ハッシュはザックに掴みかかるのである。

【ザックとデイン】
ザックは兵舎で荷物をまとめながら、生存がほとんど望めないのに鉄華団に忠義を尽くそうとするハッシュを罵る。
そして近くに腰掛けるデインに、何故出ていこうとしない、帰る場所が無いのならウチのオヤジに頼み込むと言う。

するとデインは犯罪者でもか?と言い、自らの過去を明かす。
自分はここに来るまでにたくさんの人間を殺してきた、だがそんな自分を鉄華団は受け入れてくれた、団長に恩義を感じているのは自分だけではないと思うと。

ザックは、デインの言葉に、鉄華団の団員たちはみんな、気の良い一生懸命な奴なのに、このままでは不幸になるのが見えているのにどうしてなのだと言い、鉄華団に残る団員たちの選択に納得できず、だが全面否定も出来ず、苦悩するのである。

【オルガとクーデリア】
オルガは、テイワズのボス、マクマードに通信を入れた。
マクマードはオルガに、金は貸せない、そもそも盃を割るとは、元の関係に戻るどころではなく、積極的に関係を断たなければならないと言い、渡世のルールを説く。
だがオルガは頭を下げ、ラスタル・エリオンと繋いでもらえるよう頼み込むのである。

【クーデリアと、三日月、アトラ】
クーデリアは格納庫を訪れ、バルバトスの傍にいる三日月に話しかけた。クーデリアとしては、久々に三日月と落ち着いて会話がしたかったというところだろうか。
すると三日月は、クーデリアは植物を育てるのが上手いので、自分の子供を育てて欲しいと言い出した。

クーデリアは三日月の子供とはどういうことかと動揺しながらも三日月の発言から、三日月がアトラと子供作りしているらしいことを理解するのである。

そこにアトラが現れ、「クーデリアさんも作りましょう!一緒に!」と力強く申し出、三日月は「クーデリアも欲しいの?」と平然と言う。

クーデリアは二人の斜め上の発言に動揺しまくるが、「なんて不器用な人たち」と笑い出す。
そしてクーデリアは、アトラ、三日月と三人で抱きしめ合い、アトラを、生まれてくる子供を必ず守ることを誓うのである。

【オルガ、ラスタルに降伏を申し出る】
ラスタルはオルガとの通信に応じた。
マクマードは突き放すようなことを言いながらも、出来得る限りのことをしてくれたようである。

オルガはラスタルに、マクギリスの身柄及びバエルを引き渡すこと、鉄華団の解散、そしてオルガ自身の命と引き換えに、団員たちを助けてもらえるよう申し入れた。

だがラスタルは、もはやマクギリス一人でどうこうなる問題ではなく、生け贄が必要なのだという。

息を呑むオルガにラスタルは言う。
ギャラルホルンの権威は地に落ちた。
世間にはびこる犯罪を抑止する力を見せつけるには、マクギリス一人を討つだけでは不足である。
圧倒的な武力で世間を騒がせた悪魔の組織「鉄華団」を、アリアンロッド艦隊が屠ることで、宇宙の秩序は保たれるのだと。

オルガは何とかラスタルの慈悲にすがろうとするが、ラスタルの考えが変わるはずもない。
ラスタルは「観念して最後の時を待つといい」と言い残し、通信を切った。

【オルガとユージン、昭弘】
降伏すら認められず、オルガは言葉を失う。
その時、扉が開いてユージンと昭弘が姿を見せた。

ユージンはオルガの胸ぐらを掴み、勝手なことをするなと怒り心頭である。
オルガは、このままでは自分のせいでみんなの命がなくなってしまうと申し訳無さそうである。
するとユージンは「お前がくれたんだろうが!」と叫んだ。

呆気にとられるオルガに、ユージンと昭弘は言う。
CGSの頃は、大人たちに殴られ、弾除け扱いにされ、生きているのか死んでいるのか分からない毎日だった。
だがオルガがクーデターを起こして鉄華団を立ち上げてからは、団員たちはみな人間として尊重され、自分の意志で自分の人生を生きることが出来るようになった。オルガは生きる実感をくれた、そして家族を作ってくれたのだと。

そしてユージンは、「これからはお前だけが背負うことはねえ、みんなで話し合っていこうぜ」と頼もしい笑みを浮かべていうのである。

【クーデリア、別人になることを提案】
さっそくオルガ、ユージン、昭弘をはじめとする鉄華団年長組とクーデリアたちは食堂に集まり、この状況をどうやって切り抜けるかを話し合い始めた。
とは言え、そう簡単には妙案は出てこないのだが、クーデリアはいっそ別人になってはどうかと提案する。

鉄華団本部の所在するクリュセは、地球のアーブラウの植民地であり、鉄華団団員たちのIDはアーブラウで管理されている。アーブラウの代表・蒔苗は鉄華団、クーデリアと親しい間柄であり、蒔苗の協力を得て、アーブラウで団員たちのIDを改ざんすれば、ラスタルの生け贄のリストから逃れることが出来るのではないかと。
問題は、地球に行くにしても、潜伏するにしても資金が必要だが、今は口座が凍結されており、どこから資金を調達するかである。

すると経理担当デクスターが、鉄華団の資金の一部が使用可能になったと報告する。
いざという時のために別口座に資金の一部を移しておいたが、こちらがようやく使えるようになったという。
オルガは、デクスターとメリビットに頭を下げた。

早速クーデリアは、蒔苗に連絡を取ろうとするが、回線が落ちているのか、通信がつながらない。
その時、ライドが食堂に駆け込み、鉄華団本部がギャラルホルンのモビルスーツ隊に包囲されたことを伝えた。
その様子をマクギリスが、余裕の笑みを浮かべて双眼鏡で眺めているのである。

【次回】
「約束」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第46話「誰が為」

  • 2017/03/05(日) 23:46:44

【感想概略】
今回は、マクギリス率いる革命軍及び鉄華団が、アリアンロッド艦隊との大敗による絶体絶命の窮地をひとまず切り抜け、火星に落ち延びるお話である。ヤマギとオルガ、デルマ、そしてジュリエッタという生き残った人々が、それぞれの苦悩にそれぞれのこたえをひとまず見出し、決意を新たにする姿が描かれ、見応えがあり、面白かった。

【三日月VSジュリエッタ】
前回、マクギリス率いる革命軍及び鉄華団は、ラスタル率いるアリアンロッド艦隊と激突した。
だがアリアンロッド艦隊の戦力は革命軍の二倍以上、さらにラスタルは謀略でもはるかに上手であり、革命軍は艦隊の半数を失い、鉄華団も大打撃を受けてしまう。

鉄華団は一撃逆転を狙い、輸送艦ホタルビと装甲強襲艦イサリビ、そしてモビルスーツ隊でアリアンロッド艦隊に突撃。敵艦隊の猛攻の前に、イサリビはホタルビを切り離して後退する。
が、ホタルビに潜んでいたシノは流星号でダインスレイヴを構え、ラスタル艦の艦橋に狙いをつけ、引き金をひく。
だがその瞬間、駆けつけたジュリエッタはレギンレイズ・ジュリアで刀剣を流星号の砲身に投げた。これにより流星号は砲の構えが乱れ、砲撃は船体をかすめるにとどまった。
シノは流星号で突撃するが、敵艦隊の猛攻を浴び、撃破された。

そして今回。オルガは流星号の大破に逆上し、シノの回収を叫ぶ。
だがユージンから、シノが命を張って作ったチャンスをムダにするな、シノは鉄華団のため、オルガのために逝ったのだと叱咤されて正気を取り戻す。
そしてオルガは、イサリビ及びモビルスーツ隊に退却を指示するのである。

一方、三日月はシノの砲撃を妨害したジュリエッタに「お前、消えろよ」と激怒、レギンレイズ・ジュリアに猛攻を繰り出す。
ジュリエッタは、敬愛するラスタルを守ろうとバルバトスの攻撃を浴びながらも立ち塞がるが、ついにコックピットに直撃を浴びてしまう。
ジュリエッタは重傷を負いながらも、レギンレイズ・ジュリアでバルバトスの足を掴み、必死に阻止しようとする。

その時、三日月はユージンから撤退を指示された。
三日月は、シノがやれなかったのだから、今度は自分が敵将を仕留めると言うが、強く説得され、しぶしぶ離脱した。

そしてホタルビが自爆、大量のナノミラーチャフが散布され、アリアンロッド艦隊の探知装置及びレーザー通信を麻痺させた。アリアンロッド艦隊が艦隊として行動できない間に、鉄華団は戦闘宙域から撤退するが、敵モビルスーツ隊の猛追撃により、少なからぬ損害を受けてしまう。

【マクギリスVSガエリオ】
マクギリスはガンダム・バエルで、ガエリオのガンダム・キマリスと斬り結ぶが、マクギリスが押され気味である。
バエルを駆るマクギリスといえども、リミッターを解除した阿頼耶識と同等の戦闘力を有するというアインの脳を組み込んだキマリスには及ばないということだろうか。

さらに、マクギリスの左手はアルミリアの自害を阻止した時の傷が癒えておらず、機体操作に反応しきれない。
ついにガエリオは必殺の一撃をバエルに繰り出すが、石動がヘルムヴィーゲ・リンカーで割って入り、間一髪でマクギリスを救う。
だが石動自身はコックピットに直撃を受けてしまう。

もはや瀕死の石動はマクギリスに、自分が抑えている間に、残存部隊をまとめて鉄華団と合流して落ち延びることを促す。マクギリスは石動を残していくことを躊躇し、石動に詫びて撤退するが、さすがに心苦しそうである。

残った石動は、キマリスの前に立ち塞がりながら言う。
ギャラルホルンに所属していても、自分のようなコロニー出身者は明日の夢を見ることも出来ない。だがマクギリスの元でなら夢を見ることが出来た。生まれながらボードウィンの名を持つあなたには分からないだろうと。

石動は息絶えたが、時間は十分に稼げたようで、ガエリオはマクギリスを追跡しようとはしない。
そしてガエリオは心中で石動に語りかける。
以前の自分は、石動のような階層の人間の気持ちを理解しきれていなかった。それを分からせてくれた存在がある、だからこそマクギリスが石動に見せた夢はまやかしだと言える、自分も一度はマクギリスの理想に夢をみた、もう覚めてしまった過去の夢だと。

ガエリオは、大破して漂うレギンレイズ・ジュリアを回収して艦隊に帰還、これによりジュリアは一命をとりとめた。ラスタルはガエリオにジュリエッタ救助の礼を言うのである。

【ザックとハッシュ、デイン】
鉄華団及び革命軍の残存艦隊は、かつてタービンズが利用していた航路を利用し、火星に向かっていた。イサリビ艦内では、収容した残存モビルスーツ隊の修理と負傷者の救護に追われている。

ザックは、黙々と作業するハッシュとデインに語りかける。
モビルスーツを半分以上失い、残存する機体も損傷が大きい、もう鉄華団を辞めたほうがよいのではないか、家に帰り、別の仕事を探したほうがよいのではないかと。

だがハッシュもデインも、火星に自分たちがつける仕事があると思えない、そもそも帰る家などないと言う。
たぶん鉄華団の多くのメンバーたちも同様であり、だからこそ自分たちを家族として受け入れてくれる鉄華団を、自分たちの仲間と居場所を守るためには命もかけるということだろうか。

【デルマと昭弘たち】
イサリビの救護室は負傷者であふれかえっていた。
デルマは左腕を失いながらも一命をとりとめていたが、こんな状態で生き残ってももはや役には立てないと絶望していた。

そこに昭弘とダンテ、チャドが姿を見せた。
ダンテはデルマが生きていたことを純粋に喜ぶ。
そして昭弘はデルマの頭を撫でて「生き残ってくれてありがとうな」と笑う。
役に立つかどうかなど関係ない、ただ無条件にデルマを受け入れ肯定してくれる昭弘たちに、デルマは泣いた。

一方、アリアンロッド艦隊の艦内では、意識の回復したジュリエッタを、ガエリオが見舞っていた。
ジュリエッタはガエリオに、三日月との戦いは正直怖かった、これまでも命をの危険を感じたことはあったがそれとは違う、悪魔に魂を握りつぶされるような冷たさを感じたと明かす。
そして強ければどのような強さでもよいとはもう思わない、私は私のまま、人として強くなりますとまっすぐな目でいうのである。
これにガエリオは「それがいい」と笑い、ジュリエッタの選択を肯定するのであった。

【ヤマギとユージン】
オルガとユージンは、戦死者の安置室を訪れていた。
オルガは、鉄華団の仲間たちに良い暮らしをさせたかったのに、それを手に入れるために戦わせ、その挙句にこんな目にあわせてしまったと自分を責める。

だがオルガの言葉をヤマギが聞いていた。
ヤマギは、みなオルガの言葉を信じて死んでいた、なのにアンタがそんなに腑抜けていてどうするのかと叫ぶと走り去る。

ユージンはヤマギをつかまえると、シノが言っていたことを伝える。
実はシノは、ヤマギがシノに特別な感情を抱いていることに気付いていた。
だがシノは、自分たち鉄華団は家族であり、身内どうしでピンと来ないと神妙な顔であり、男同士ということは問題にしていない器の大きなシノである。

そしてシノは鉄華団について、気負いすぎてガチガチの団長、ヘタレが抜けきれない副団長、何を考えているのか分からない狂犬みたいな奴、筋肉バカ、そして自分のような人間を好きになってくれる物好きもいる、色々な奴がいるここが好きであり、鉄華団を守りたいと笑った。

ヤマギはユージンからシノの思いを聞くと、シノのいない場所で生きていくくらいなら一緒に終わりたかった、でもそんなことを言ったらシノはきっと怒るねと言って笑う。そして自分も鉄華団を守る決意を新たにするのである。

【オルガと三日月】
オルガは格納庫の三日月を訪れ、自分は皆に大きな嘘をついてしまったという。
すると三日月は、自分がオルガに嘘をつかせた、俺が邪魔する奴らを全部片付けていれば、オルガの言ったことは嘘にならなかったという。

三日月の言葉にオルガは思い至る。
仲間を間違った場所に連れてきてしまったのではと思っていたが、それは思い上がりだ、自分の言葉を実現するために三日月が、皆が支えてくれ、連れてきてくれたのだ、ならば自分の出来ることは迷わないことだと。

そしてオルガは三日月に右手を差し出し「お前の全部を俺にくれ」という。
すると三日月は「とっくに渡してるよ」と言いながら、オルガの手を握り返すのである。

【新江の裏切り】
革命軍及び鉄華団は、火星の周辺宙域に到着した。
マクギリスとしては、自分の支持勢力であるギャラルホルン火星支部の戦力と合流し、鉄華団の本拠地である火星の地の利を活かし、補給線の伸び切ったアリアンロッド艦隊を迎え撃つという作戦のようである。

早速マクギリスは、ギャラルホルン火星支部の本部長、新江・プロトに通信する。
この新江はマクギリスの推薦によって今の地位についたのであり、マクギリスとしては新江は当然自分たちに味方すると思っているようである。

だが新江はマクギリスたちの宇宙港への入港を拒否した。
実は新江は、既にラスタルにより懐柔されていた。
そして新江は不敵な笑みを浮かべ、マクギリスはギャラルホルン内の全ての地位を剥奪されたと言い渡すのである。

マクギリスは、新江が裏切らないよう、彼の弱みを握るくらいしておいた方がよかったのかもしれない。

【次回】
「生け贄」