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武門の王 上(北方謙三/集英社文庫)

  • 2007/04/24(火) 21:49:41

日本の南北朝時代。九州を南朝方とするため送り込まれた後醍醐天皇の皇子・懐良親王の戦いの生涯を描く。北方謙三初の歴史小説。


【あらすじ】
14世紀、鎌倉幕府の滅亡後。日本列島は、足利尊氏率いる室町幕府と後醍醐天皇の南朝が争う乱世であった。

劣勢の南朝は、勢力挽回の一手として、後醍醐天皇の皇子である懐良親王を九州に送り込む。
僅かな従者とともに四方敵ばかりの九州に上陸した少年・懐良親王は、南朝方の土豪の元に身を寄せて力を蓄え、「征西府」を旗揚げする。
そして征西府と敵対する薩摩の守護・島津家の軍勢を迎え撃ち、これを退けた。

やがて庶子から当主となった肥後の豪族・菊池武光が、一族郎党を率いて懐良親王に合流する。
この菊池氏の軍勢を主力に、征西府は合戦を重ね、敵対勢力の地方対中央及び中央内部での内紛も利用しつつ、勢力圏を拡大。
ついに九州を「征西府」のもとに統一し、大宰府に本拠地を置くのである。

【感想】
日本の南北朝時代。九州は唯一南朝が優勢であった地域ということに興味があり、北方謙三の中国時代小説「楊家将」が面白かったので「武門の王」を読んだのだが、おもしろかった。

物語のおもしろさの第一は登場人物の魅力だとおもうのだが、本作「武門の王」では、まず主人公である懐良親王が大変魅力的な人物に描かれていた。
懐良親王は「争いのない国」という、中世の人間が考えただろうかという理想を目指しているのだが、作中では全く違和感はなかった。

僅かな供が従うばかりだった少年・懐良親王には、徐々に個性的な仲間が増えていく。ここには人物の魅力と、仲間が増え人材が充実していくおもしろさがあった。

だが仲間が増えても懐良親王の勢力は依然弱小である。
この弱小勢力が強敵と戦うのだが、そこには合戦の迫力以上に知恵比べのおもしろさ、弱小勢力が考えに考え抜いて戦うべき時に戦って段々と大勢力へ発展していく爽快感があった。

「武門の王」には、武士だけでなく海の民や山の民など、中世ならではの非農業民も登場。
これらの様々な人々が、当時の九州及び畿内近国・日本六十余州、さらには高麗・中国の諸勢力と密接に影響しあう政治劇を展開。
歴史作品のおもしろさの一つ、現代世界とは質的に異なる世界であると同時に、現代と地続きの異世界である中世世界も楽しめた。

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