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幻剣蜻蛉(戸部新十郎/祥伝社文庫)

  • 2007/04/20(金) 22:00:04

江戸時代初め、加賀潘取り潰しを狙う幕府の前に立ち塞がる中条流の奇剣士・富田一放の活躍を中心に描かれる連作短編集。

【感想】
富田一放をはじめとする登場人物は魅力的、物語はテンポ良く進み、剣の戦闘描写は迫力があり、おもしろかった。

戸部新十郎の剣豪小説の大きな魅力の一つは、無駄な描写を徹底的に削ぎ落とした戦闘描写である。

本作でも立合いの描写は、「この世に奇妙や不思議はない」という立場をとりながら、超人的な遣い手の繰り出す剣技は、長年修行を積んだ剣客の目にすら、奇妙不思議としか見えないという描き方をしている。
そして描写に費やすページ数は、時には1ページ弱と極限までしぼりこまれている。

こうして描かれる一見するととても短く抽象的にすら見える立合いはしかし、多くの言葉を費やしての細かな描写より、かえって迫力や凄みをかんじさせるのである。

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