1. 無料アクセス解析

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第25話「時の彼方で」

  • 2015/03/29(日) 22:16:56

【感想概略】
今回は「クロスアンジュ」の最終回である。

まず戦闘描写は迫力があり、アンジュ、サリア、ヒルダ、サラがそれぞれ敵ラグナメイルと激突。
技の限り、力の限りを尽くして激闘を繰り広げ、そして強い意志と想いによって逆境を乗り越えて勝利を掴み、まさにクロスアンジュ世界の最強決戦が楽しめた。

そして、ジルは最後の時にサリアと和解し、主な人物たちは最終決戦を生き延びることが出来、ラストでは各人の新生活の様子が描かれ、後味のよいラストだったと思う。
また、桑島法子の演ずるヴィヴィアンが生き延びることができてほっとした。

当初、アンジュの行動には自分勝手で思いやりに乏しいという印象を抱き、あまり好感をもてず、だが彼女の境遇を考えれば、人間不信に陥り、ヴィヴィアンが差し伸べた手を拒むのもやむを得ないのだろうと思っていた。

だがアンジュは、ノーマたちサラたちとぶつかり合う中で成長し、どんな逆境にあっても前向きさを失わず、自分の生き方は自分で考え、自分の意志で決める、自分の運命は自分で切り拓く生き様を行動で実践するようになり、その生き様には共感を抱いた。

この「クロスアンジュ」、全25話を通して退屈することはなく、毎回楽しませてもらい、そして素晴らしいラストを見せてもらった。見応えのある、おもしろい作品に出会えたことを感謝している。


【サリアとジル、和解】
前回、ジルはエンブリヲの駆るラグナメイル・ヒステリカに撃たれ、重傷を負った。

そして今回。
アウローラにサリア機が着艦した。
サリアはぐったりしたジルに肩を貸し、駆けつけたマギ軍医に早く担架を持ってきてくれるよう訴える。
だがジルは、もはや自分は長くないことを悟り、治療を断るとタバコを一本もとめた。

マギ軍医は、ジルが楽になるよう上半身を起こして抱きかかえる。
そしてタバコに火をつけ、ジルに咥えさせた。

ジルの傍らにはサリアが座り込んで離れない。
謝罪するサリアにジルは笑いかけ、サリアの頬に手を触れ、サリアへの想いを明かした。
「ホント、あんたは私にそっくりだよ…。まるで、妹みたいに…。
真面目で、泣き虫で、思い込みが激しいとこから、男の趣味までね…
だから、巻き込みたくなかった…
ごめんね…辛く当たって…」

ジルの全身から力が失われ、口からタバコが落ちた。
サリアはジルを抱きしめ、ジルのために泣いた。

【アンジュ、時空の狭間で目覚める】
前回、アンジュはエンブリヲにさらわれた。
そして今回、アンジュは、豪華な部屋のベッドの上で目を覚ました。

するとアンジュは早速行動を開始。
部屋を駆け出し、まずは屋外に出た。
そしてここがアルゼナルであることに気付く。
だがこのアルゼナル、島が宙に浮いており、明らかにおかしい。

その時、エンブリヲが姿を見せ、アンジュに語りかけた。
ここはオリジナルのアルゼナルなのだと。

敵意を燃やすアンジュに、エンブリヲは余裕の表情で語りだす。
「少し昔話をしようか。

この島は世界最高の素粒子研究所でね。
私はここで多くの物を発見し、生み出した。
別世界への進出は、新たな大航海時代の幕開けとなる。

有人次元観測機「ラグナメイル」。
この機体で、別世界への扉を開く計画だった。

だが、突如発生した局所的インフレーションによりシステムが暴走。
この島は時空の狭間に取り残された。

だが、それこそが全ての始まりだった。
ここは、時が止まった世界だったからね。
無限の時間を持つ私だけの庭。
宇宙で最も安全な場所。

私はここからラグナメイルを操り、世界への干渉を始めた。
戦争を終わらせ、新たな地球を用意し、人間を作り直したんだ。人類を導く調律者としてね。

残念ながらマナによる高度情報化社会は失敗したが、君だけは違った。
私に相応しい強く賢い女。イレギュラーから生まれた天使」

睨みつけるアンジュをエンブリヲは引っぱたいて言う。
「これからは二人っきりなんだよ、永遠に、ここで」

【アウラ、アウローラ艦内に語りかける】
時空融合による世界の崩壊が進み、アウローラは不気味に振動する。
その時、振動が止まり、何者かがアウローラ艦内に語りかけた。
「時間と空間の狭間、虚数の海…。エンブリオはそこにいます」

謎の声に、ヒルダは周囲を警戒。
一方サラは、声の主がアウラであることに気付いた。

だがヒルダたちはアウラの言葉に困惑してしまう。
エンブリヲは時空の狭間にいるなどと言われても、どうすれば彼の元の行けるのか、見当すらつかない。

するとアウラは、ヒルダたちに語りかける。
ヴィルキスならば時空の狭間に行ける、自分が時空融合を抑えている間に早く行くようにと。
だがタスクは、ヴィルキスはアンジュにしか扱えないと言い、苦い表情を浮かべる。

これにアウラはこたえる。
「いいえ…。人類の未来を照らす光、ラグナメイルはそのために作られしもの。強き意志、人の想いに応えてくれるはずです」

ヒルダは、タスクにヴィルキスを託した。
今アンジュと最も強くつながっているのはタスクと認めてのことである。

そしてタスクはヴィルキスに搭乗。
指輪を手に、ヴィルキスに何度も呼びかける。
だがヴィルキスは全く反応しない。

【アンジュ、戦意を失わず】
時空の狭間。
アンジュはエンブリヲから逃亡を図り、走り回るが、逃げ切れない。
ならば戦うのみ。

アンジュはエンブリヲに鋭い蹴りを放つ。
だがエンブリヲは右手でアンジュの蹴りを平然と受け止める。
同時にアンジュの服が裂け、アンジュは一糸まとわぬ姿にされてしまう。

思わず胸と局部を隠すアンジュを、エンブリヲは引っぱたいて言う。
「君は汚されてしまった。浄化しなければね、私の愛で」

どうやらエンブリヲ、アンジュがタスクと一線を超えたことに心底激怒しているらしく、この場でアンジュと結ばれることでそれが浄化されるという理屈のようである。
だがこれはアンジュにとって絶対に受け入れられないことである。

その時、アンジュの右腕、続いて左腕に蔦がからみつき、両腕を左右に引っ張り、アンジュを地面に固定した。

それでもアンジュは戦意を失わず、エンブリヲを睨みつけて罵る。
「この暴力ゲス男!偉そうなこと言って!結局はやりたいだけなんでしょ!」

エンブリヲはアンジュを引っ叩き、宙に四角い画面を表示させる。
そこには、アウラが結界を展開し、アウローラを守る姿が映しだされた。だがアウラの羽根の先端は浸食されつつあり、このままでは長く保ちそうにない。

アンジュの左足、そして右足に蔦がからみつき、両足を左右に引っ張る。
エンブリヲは冷笑を浮かべ、アンジュの足の間に立つ。
するとアンジュは、「永遠がたり」を歌い始めた。

どれほど絶望的な状況であっても、アンジュは戦う意志、抵抗する意志を決して失わない。

【タスクたち、時空の狭間へ】
タスクの呼びかけに、ヴィルキスは全く反応しない。
それでもタスクは諦めず、何度も何度もヴィルキスに呼びかける。
ついにタスクは涙をにじませ、涙が指輪に零れ落ちるが、それでもヴィルキスに呼びかけることを諦めない。

すると指輪が光り、タスクにアンジュの声が聞こえた。
そしてヴィルキスが起動、機体色が黒くなり、機体各所に赤い線が浮かび上がる。
これでヴィルキスは、時空の狭間に突撃できるようになった。

一方サラは焔龍號に搭乗、ヴィルキスと一緒に敵の本丸に斬り込むつもりである。

クリスは自分のラグナメイルをヒルダに託す。
ロザリーはヒルダに「絶対死ぬんじゃねえぞ」と声をかけた。
ヒルダはこれに応え、ラグナメイル・テオドーラに搭乗した。

サリアもラグナメイル・クレオパトラに搭乗。
アンジュ奪還、そしてアレクトラの仇・エンブリヲ打倒に闘志を燃やす。

そんなサリアにエルシャとヴィヴィアンが駆け寄る。
そしてエルシャは、サリアの肩に手を触れ、笑顔で見送る。
「サリアちゃん、必ず帰ってきて」

そしてタスクの駆るヴィルキスは、サリア機、ヒルダ機、サラ機と共に発光、姿を消した。
次の瞬間、4機は時空の狭間を航行していた。

【タスクたち、アンジュの歌声を聞く】
時空の狭間をタスク、サリア、ヒルダ、サラは飛行する。
だがアンジュがどこにいるのか分からない。

するとサラが「永遠がたり」を歌い始めた。
そして、タスク、サリア、ヒルダは必死でアンジュの気配を感じ取ろうと四方に感覚を研ぎ澄ます。

一方、アンジュはエンブリヲに組み敷かれ、恐怖と嫌悪のあまり声も出ない。
だがその時、アンジュにサラの歌が聞こえてきた。
アンジュは再び「永遠がたり」を歌い始めた。

するとタスクたちに、アンジュの歌声が聞こえてくる。
タスクたちは歌声に向かって急行。
間もなく、宙に浮かぶ島を発見した。

【タスク、アンジュ救出】
オリジナルのアルゼナルの空が発光、ゲートが開き、ヴィルキスを始めとする4機が飛び出した。

そしてタスクはヴィルキスで突撃。
手裏剣でアンジュの手足を拘束する蔦を切断し、アンジュを掴むと飛翔。
女の敵・エンブリヲの魔手からアンジュを救い出した。

ヴィルキスの機上で、アンジュは全裸でタスクの膝の上に乗り、助けてくれた礼を言う。
するとタスクは笑顔で、アンジュからお守りとして借りた、アンジュのパンツを返すのだった。

一方ヒルダは、アンジュとタスクを見て、拳を振り回して怒っているようである。
ヒルダとしては、今アンジュと最も強くつながっているのはタスクと認めはしたが、アンジュを諦めたつもりはなく、アンジュが誰かとひっついているなど我慢ならないというところだろうか。

【アンジュ、ヴィルキスで飛翔】
タスクはヴィルキスを着陸させ、機体から降りるとコンバットナイフを抜き、サーベルを構えるエンブリヲに向き合う。
だがナイフでは、サーベル相手に不利である。

するとサラは帯剣をタスクに投げ渡す。
タスクは、サラの剣を受け取ると抜刀、エンブリヲの振り下ろす剣を受けとめた。

そしてアンジュはヴィルキスの座席にまたがり、操縦桿を握った。
すると機体色が白く変化。
同時にアンジュの身体が光りに包まれ、その光はライダースーツとなっていく。

こうしてアンジュは一瞬で戦支度を整えるとヴィルキスで飛翔、駆逐形態に変形、戦列に加わり、サラたちに伝えた。
「皆、時空を操っているのはあのラグナメイルよ。それをエンブリヲが操作している!」

アンジュの言葉にサラたちは、ヒステリカとエンブリヲ、両方倒さないと世界を守れないことを理解した。
そしてサラ機、サリア機、ヒルダ機も駆逐形態に変形、ヴィルキスと並び、ヒステリカの前に陣取る。

だがエンブリヲはアンジュたちを冷笑すると、3機のラグナメイル、レイジア、ビクトリア、エイレーネを召喚し、アンジュたちを迎え撃つ。
そして自身はサーベルを振るい、タスクと戦うのである。

【アンジュたち、二手に分かれる】
サラは焔龍號で牽制射撃しつつ、自分たちは召喚された3機と戦う、アンジュはヒステリカを倒すよう叫ぶ。

これをアンジュは承知、ヒステリカに襲い掛かる。
そしてサリアはエイレーネ、ヒルダはビクトリア、サラはレイジアを迎え撃ち、激闘を繰り広げる。

一方、エンブリヲはサーベルでタスクを猛攻。
タスクは斬撃を受け止めつつ、エンブリヲに一太刀浴びせた。
ところがエンブリヲは、いつものように不確定世界の本体と入れ替わらない。
タスクは、目の前のエンブリヲが本体であることを悟った。

ところがエンブリヲは一瞬で姿を消し、次の瞬間には別の場所に出現してタスクに拳銃を発砲。テレポーテーションで移動しながら銃で撃つという攻撃を繰り返す。

【エンブリヲ、サリア機とヒルダ機の制御を奪う】
サリアはクレオパトラで抜刀、エイレーネに斬撃を浴びせ、刃で押し合う。
すると、エイレーネからエンブリヲの声が語りかけてきた。
「戻って来てくれると信じていたよ、サリア」

これにサリアは「ええ、あなたを倒すためにね!」と叫び、刃で敵機を押し返して距離をとる。
そして瞬時に敵機の間合いに踏み込み、「これはアレクトラの仇!」と叫び、必殺の斬撃を振り下ろす、まさにその瞬間。

突如、サリア機が停止してしまう。
何と、エンブリヲがラグナメイルのコントロールを操っているのである。
エンブリヲは「君は私に従っていればいいんだよ」と冷笑。
そしてサリア機は銃口をサラに向けて発砲。
間一髪、サラは砲撃をかわす。

一方、ヒルダ機もコントロール不能に陥ってしまう。
これもエンブリヲの仕業である。
ヒルダは操縦桿を握り、必死で操作を取り戻そうとする。

【エンブリヲVSタスク】
エンブリヲは、銃弾で傷ついたタスクを再びサーベルで攻撃しながら、呪いの言葉をぶちまける。

「なぜアンジュを抱いた!?
女など、現実の世界にはいくらでもいる!
いくらでも選べたはずだ!

私は千年待った…
私には、アンジュしかいなかったのに…」

エンブリヲは瞬間移動でタスクの背後に出現、タスクの右腕の付け根を刺す。
だがタスクは刀を逆手に持ち、エンブリヲの胴を刺し貫いた。

【サリアとヒルダ、機体の制御を取り戻す】
アンジュはヴィルキスでヒステリカに斬撃。
だが剣は光の盾に受けとめられ、ヴィルキスとヒステリカは刃で押し合う。
やはりヒステリカは強敵であり、そのスピード、パワーともに尋常ではない。

ヒステリカは、エンブリヲの声で語りかける。
「アンジュ、君も人間だ。私が導かねば幸福にはなれない。」

この言葉にサラは激怒、エンブリヲを罵倒する。
「だから無理やり拐かし、暴力で支配しようとした、と。恥ずかしい男ですね、調律者よ」

ヒルダも激怒、「そんな卑怯な男にコマされるアンジュじゃねえっての!」と叫ぶ。

二人の言葉にアンジュは笑みを浮かべ、ヴィルキスでヒステリカを刃で押し返す。
さらに強烈な蹴りを入れて距離をとり、決然と言う。
「その通りよ!私は、誰の思い通りにもならない」

アンジュの言葉に、サリアも叫ぶ
「そうよ、私だって…。
アウラが言ってた。ラグナメイルは、人の想いに応えてくれるって。
私は私よ!もう誰の支配も受けない!」
すると、サリアの指輪が発光。
サリア機の機体色が青色になり、エンブリヲの呪縛を破り、コントロールが復活した。

ヒルダも「私も、クソみたいな男の思い通りにはならねえ!」と気合一声!
するとヒルダの指輪が輝く。
テオドーラの機体色が赤色になり、機体の制御を取り戻す。

ヒルダは瞬時にビクトリアの間合いに踏み込み、渾身の斬撃を繰り出す。
ビクトリアは胴体を横一文字に両断され、爆発四散した。

そしてサリアはエイレーネに突撃、渾身の突きで敵機を刺し貫く。

【サリアとヒルダ、敵ラグナメイルを撃破】
エンブリヲは、アンジュたちの行動が心底理解できないようであり、疑問が口をつく。
「何故だアンジュ?
無限の時間に無限の愛。
私に支配されることの何が不満というのだ?」

これにアンジュは叫ぶ。
「人間だからよ!
支配をブッ壊す。
好戦的で反抗的なイレギュラー。
それが人間なの!」

一方サラは、レイジアに突撃。
銃剣で敵機を刺し貫き、発砲。
レイジアは爆発四散した。

サリア機は、エイレーネの砲撃を瞬間移動でことごとく回避して翻弄。
その一瞬の隙に、ヒルダ機はエイレーネに渾身の斬撃を浴びせる。
エイレーネは爆発四散。
ヒルダは親指を立ててウインクし、サリアに笑いかける。
これにサリアも笑顔でこたえた。

【アンジュVSエンブリヲ】
アンジュはヴィルキスでヒステリカの攻撃をかわしつつ、間合いに踏み込み、銃を持つ右腕を斬り飛ばす。
「今ならわかるわ。
なぜノーマが生まれたのか…
人間は、アナタなんかに操作されないという遺伝子の意志。

なぜノーマが女だけだったのか。
愛する人と子を成し、あなたの世界を否定するため。

だからお母様は歌と指輪を託してくれたのね。
最悪な創造主が作った、この腐りきった世界を壊すために!」

だがエンブリヲはあくまで上から目線である。
「千年の中から選んでやったのに…」と恩着せがましいことを言う。

そして「私の愛を理解できぬ女など、最早不要!」と叫び、ヒステリカはディスコード・フェイザーを展開、エネルギーを充填していく。
どうやっても思い通りにならないアンジュを、機体もろとも消滅させるつもりである。

これにアンジュは激怒、エンブリヲを徹底的に罵倒する。
「何が愛よ!
キモイ髪型でニヤニヤしてて、服のセンスも無くて、いつも斜に構えてる恥知らずのナルシスト!!
女の扱いも知らない、千年引きこもりの変態オヤジの遺伝子なんて生理的にムリ!」
アンジュはヴィルキスでディスコード・フェイザーを展開、エネルギーを充填していく。

そしてヒステリカはディスコード・フェイザーを発砲。
続いてヴィルキスも発砲。

光線は空中でぶつかり合い、押し合う。
だがヴィルキスの光線が押し勝ち、ヒステリカにディスコード・フェイザーが直撃した。
爆炎が晴れ、姿を見せたヒステリカは、両足も翼も吹き飛ばされ、機体表面は溶け落ち、かろうじて宙に浮いている。

エンブリヲは、ただでさえタスクとの戦いで大分消耗していたが、ヒステリカ敗北がよほどショックだったようで、隙が生じた。
タスクはこれを見逃さず、「父と母と、仲間の無念!」と叫び、エンブリヲの間合いに踏み込むと剣光一閃。
エンブリヲは脳天から真っ二つになり、血を吹き上げて倒れた。

ヒステリカは左手を突き出し、ヴィルキスに向けて加速。
するとアンジュは、ヴィルキスで加速して叫ぶ。
「私を抱こうなんて、1000万年早いわ!」

アンジュは渾身の斬撃をヒステリカに浴びせる。
ヒステリカは真っ二つに斬り裂かれ、爆発四散した。

【アンジュ、建国宣言】
アンジュたちはオリジナルのアルゼナルに着陸した。
見上げると、空は青空になっている。
そしてアウローラも現れ、海上に着水した。

大空をゆったりと飛翔するアウラが、アンジュたちに語りかける。
「ようこそ、我々の星。真なる地球へ。
時空が解放され、全てがあるべき場所に戻ったのです。
時空融合は停止し、世界は解放されました。
戻ってきたのです、世界が。あなた達の手に。」

アンジュに、サラが笑顔で問う。
「これから、どうされるのですか?
あなたたちが戦う必要も、私たちが殺し合う理由も、もうないのです」

アンジュは少し考え、答えた。
「国を作るわ、ここに。私たちだけの国。
ノーマも、人間も、ドラゴンも関係ない。
皆が自分の意志で生きる、厳しくて当たり前の国」

これにヒルダは笑顔で言う。
「アタシは、アンタと一緒に行くよ。どこだってさ。」

だがモモカは、元の地球の人々がどうなるのか気になるようであり、「あちらの地球は、どうなるのでしょうか?」と心配そうに言う。

これにアンジュは表情を曇らせるながらも言う。
「知ったこっちゃないわ。
エンブリヲは死んだ。
これからはもう、誰も導いてくれない。
自分たちの力で生きていかなければ、のたれ死ぬだけよ。」

モモカは、「そう…ですね…」と言い、アンジュの言葉を止むを得ないとは思うが、それでも破壊された世界に残された人々を思うと心が痛むようである。

その頃、元の地球は時空融合でことごとく破壊され、国家も崩壊。
秩序が失われ、荒廃した世界と化していた。
そして廃墟の一角では、3人の男達が、子供たちから食料を略奪。
手に入った食料に凶悪な笑みを浮かべて喜ぶ。

その時、何者かが男達に銃を向けた。
何と野戦服姿のシルヴィアである。
シルヴィアは、自動小銃を背負い、拳銃を手にし、五人ほどの仲間を率いている。

男達は懐から銃を取り出して構えるが、全員瞬時に射殺された。
すると子供たちは大慌てで、男達に奪われた自分たちの食料を拾い集める。
シルヴィアは子供たちに「死にたくなければ、戦いなさい」と声をかけ、去り際に小さく笑った。

そしてアルゼナルで、アンジュは全員に呼びかけた。
「私達も行きましょう、自分の道を、自分の足で」

【解放後の世界】
その後。

サラは大勢の見守る中、今回の戦いでの功を大巫女に賞された。
これには普段クールなナーガも、嬉し泣きである。

ヴィヴィアンは、実家にサリアたちを招待した。
出迎えるのはヴィヴィアンの母ラミアであり、サリアは花束、エルシャは菓子折りを手に訪ねているが、近くには大型ドラゴンもおり、サリアはかなりびっくりしているようである。
サリアたちは、改めてラミアとも親交を深めたことだろう。

都市の廃墟では、ジャスミンがアウローラを着地させ、広報用ロボットと何か話しているようである。
アウローラの周囲では、パラメイルが資材運搬に活躍している。
ロボットが持っているのはドラグニウムに見えるが、ジャスミンはこの地で何か事業をはじめるのだろうか?

ロザリーとクリスは、売店のアクセサリーを二人で覗いている。
可愛い髪留めを探しているようである。
この店舗、結構大勢の客で賑わっているが、営業再開したジャスミンモールだろうか?

アルゼナルの墓地には、マリカ、ターニャ、イルマ、アレクトラの墓標が建てられた。
墓には花が供えられ、友人知人たちが詣でていた。
故人を偲ぶのは、ジャスミン、マギ軍医、メイ、サリア。
ノンナ、メアリー、ロザリー、クリス。
そしてエルシャ。
ロザリーはマリカを思うと涙が抑えられないようで、後輩思いの良い先輩であることが伺える。クリスもまた、マリカの墓標を前に、罪悪感に苦しんでいるようである。

海の近くには、「喫茶アンジュ」が開店した。
ウェイターはタスク。
ウェイトレスは、アンジュとモモカ。
そしてオペレーター三人娘、パメラ、ヒカル、オリビエである。

この喫茶アンジュの目玉はやはり、モモカの手料理だろう。
多分、当初の客層の多くはノーマたちで、アルゼナル食堂に加えて昼食を食べに来店する気がする。ヒルダなどは、入り浸っているかもしれない。
さらにアウラの民にも客層を広げていくのだろう。
サラが来店すれば、アウラの民へのよい宣伝になる気がする。

休日は、アンジュとサラのカラオケ対決である。
同席するのはヴィヴィアン、そしてナーガとカナメである。
サラを見つめるナーガは、目尻を下げて蕩けそうな表情であり、その愛情の深さが伺える。

マギ軍医は、病院を建設している。
建設現場では、ドラゴンとパラメイルがクレーン車の代わりに鉄骨などを運んでおり、メイはフォークリフトを運転。
さらに現場には、エマも作業着姿で働いている。
エマも、自分の意志で、自分の出来ることを見出していくのだろう。

アウラの民の神殿前では、アルゼナル司令姿のアンジュ、サラ、そして大巫女が握手を交わし、これをアウラが見守っている。
最終決戦でサラとヒルダが結んだのは、一時的な軍事同盟だが、改めてアウラの民とアルゼナルは、平和共存のため正式に手を取り合うということなのだろう。

そして、戦いが無くなってもパラメイルには平和目的の役割があり、元第一中隊とサラたち、そしてタスクで、編隊を組んで飛行することもあるようだ。

飛行任務を終え、滑走路を歩くアンジュたちの目はみな輝いている。
アンジュたちはこれからも、自分で考え、自分の意志で行動し、厳しくて当たり前の世界で、自分の運命を切り拓いていくのだろう。

ノーマたちと、古の民、モモカたち元マナの民、アウラの民、そしてシルヴィアたちに、幸多からんことを。


おわり

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 25話「時の彼方で」[終]

評価 ★★★★☆ 女など現実の世界にはいくらでもいる! いくらでも選べたはずだぁ!              

  • From: パンがなければイナゴを食べればいいじゃない |
  • 2015/03/30(月) 21:23:16

この記事に対するコメント

厚顔無恥な連中は、捨て置いて当然

>知ったこっちゃないわ。
エンブリヲは死んだ。
これからはもう、誰も導いてくれない。
自分たちの力で生きていかなければ、のたれ死ぬだけよ。


アンジュなりに、心を鬼にして言い放ったと思います。

かつて皇女だったアンジュのことを、ほとんどの国民は敬愛していたミスルギの人々でしたが、彼女がノーマと発覚しただけで、手のひらを返すように、彼女を嫌悪。


公開処刑の時に至っては、セーラの母親みたいに(1話に登場した、ノーマの母親)、アンジュに余程の恨みがあるわけでもないのに、ノーマというホンの些細な理由だけで、エアリア部の面々ですら、陰湿な嫌がらせを平然と行い、それを楽しむという有り様。

もはや、ミスルギひいてはこの世界のホムンクルスの頭は、相当イカれてしまっているといっても、過言ではありません。

23話では、嫌がらせしてきたことへの謝罪もせず、うやむやにしたまま助けを求めようとする国民の図々しさには、ホント何様のつもりだと思いました。

当然ながらアンジュに拒否されると、今度は銃口を向けるという更なる反抗的な態度に出ましたから、その国民は射殺されました。

ここまでの厚顔無恥を露にしたのですから、これぐらい痛い目に遭わして当然だと思います。

  • 投稿者: 苦労すアンジュ
  • 2015/09/04(金) 00:04:09
  • [編集]

Re: 厚顔無恥な連中は、捨て置いて当然

苦労すアンジュさん、コメントありがとうございます。

> アンジュなりに、心を鬼にして言い放ったと思います。

そうだろうと思います。
アンジュとしては、「偽りの地球」の人々を気の毒に思う気持ちはあるでしょうが、ドラゴンの地球の再建とノーマの人々の暮らしが立ち行くようにすることでアンジュたちは手一杯であり、旧マナの人々にまで手を差し伸べる余裕はなく、決別の気持ちで心を鬼にして「知ったこっちゃないわ」と言ったように思えました。
そうは言っても、シルヴィアのことは気になるでしょうね。


> 当然ながらアンジュに拒否されると、今度は銃口を向けるという更なる反抗的な態度に出ましたから、その国民は射殺されました。

アンジュといえでも銃弾が急所に当たったら死んでしまうので、いつ引き金をひくか分からない暴徒に銃口を向けられたら、先手必勝で射ち殺しても、それは止むを得ないと思いました。

アンジュがノーマと発覚する以前の、ミスルギ皇国の人々のアンジュへの支持は、多分薄っぺらいものだったのでしょうね。だから簡単に手のひらを返してアンジュを罵ったのだと思います。

これと対照的だったのがミスティ・ローゼンブルムで、アンジュがノーマとは簡単には信じられず、わざわざアルゼナルまで会いに行き、アンジュがノーマと知っても態度がほとんど変わりませんでした。ミスティのアンジュへの友情は、本物だったのだろうとおもいます。
最終回のアンジュは、ミスティのことも少しは気にしていると思いたいです。

  • 投稿者: 矢文
  • 2015/09/06(日) 23:57:20
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する