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アルスラーン戦記 第11章「ペシャワールへの道」

  • 2015/06/14(日) 22:24:50

【感想概略】
今回は、エラム及びギーヴに対するアルスラーンの好感度が急上昇するお話であり、面白かった。
アルスラーンは全く自覚していないが、人たらしの才能はものすごく高いのかもしれない。

そしてルシタニア陣営では、理想派(狂信者?)のボダン大司祭と現実派の王弟ギスカールが対立。客将・銀仮面卿ことヒルメスの陣営には亡き大将軍カーラーンの子ザンデが参加。また王都陥落時に死んだと思われた万騎長サームが、銀仮面に助けられて生きていることが明かされるなど、決して一枚岩ではないルシタニア側の内情が描かれ、政略劇のおもしろさがあった。

【ボダンとギスカールの対立】
王都エクバターナの王宮。
王弟ギスカールは部下から、頭痛がするような報告を受けていた。
聖職者たちが、勝手に異教徒狩りを行なっているというのである。
これは占領地の民を無用に怒らせる愚行であり、暴動や反乱が発生しかねない。
ギスカールは、聖職者たちが言うことを聞かない場合は力づくでも止めさせるよう命令する。

一方、謁見の間では、ルシタニア国王イノケンティス七世は困り果てていた。
大司祭ボダンが、異教徒一万人を殺すという暴挙を強く進言していたからである。

イノケンティス七世は、いくら異教徒とはいえ、無益な殺生は気がとがめるようで「しかし・・・」と弱々しく難色を示す。
が、ボダン大司祭は全く聞く耳を持たず、凶悪な顔面をイノケンティス七世にずいと近づけ、「何をためらっておられるのです!?」と決断を迫る。

その時、ギスカールが現れ、ボダンに説く。
いたずらに民の反感を招くようなことは慎むべきである。パルスとマルヤムの民が一斉に反旗を翻せば、ルシタニア軍とて危ういのだと。

だがボダンは全く納得しない。
それどころか、異教徒どものが反乱を起こせば、ルシタニア軍30万で殺し尽くすと嬉しそうに言う。

ギスカールは、ボダンの狂った発言を無視して言う。
この戦は、地上の問題であり、天上の栄光とは関わりないこと。
ボダン大司祭とは関わりのないことであり、あまり自分の職分を超えたことをしていると、天上の栄光をも失うことになると。

ギスカールは、聖職者は神に祈っておればよく、世俗の軍事政略に首を突っ込むなと、ボダンを脅した。

だがボダンは引き下がらない。
「否!今やこの聖戦は、天上の栄光に関わることじゃ!故に、我が忠実な神の下僕たちも呼び寄せて、兵力に加えることにした」といい、凶悪な笑みを浮かべる。

そしてパルス暦320年12月。
大司祭直属の聖騎士団が王都エクバターナに入城した。

【アルスラーン一行、敵大部隊に襲撃される】
アルスラーン一行はペシャワール城塞を目指し、敵の伏兵を避けながら道を急ぐ。
だが敵の探索と追撃は厳しく、ついに森を抜ける道で、ルシタニアの大部隊がアルスラーン一行の背後から襲いかかってきた。

するとダリューンは、敵を食い止めるため一行を離脱、敵部隊に向かって一人馬を走らせる。
アルスラーンはダリューンを案じて止めようとするが、ナルサスからダリューンならば大丈夫と諭され、ダリューンを信じて先を急ぐ。
ここらへん、ナルサスのダリューンに対する信頼の篤さが伺える。

だが敵が次々と出現、アルスラーン一行に襲いかかる。
混戦の中、アルスラーンはナルサス、ファランギースとはぐれてしまい、エラム、ギーヴと敵中突破に挑む。

【エラム絶体絶命】
この状況にギーヴはおもしろくなさそうである。
ギーヴは元々、ファランギースに勝手にくっついてアルスラーン一行に加わったのであり、アルスラーンに対する忠誠心など無い。
なので、あくまでファランギースに対する義理で、アルスラーンを守って戦うのだが、ファランギースがいないと張り合いが無さそうである。

その時、エラムの馬が敵の矢を受けて転倒。
エラムはすぐに立ち上がるが、敵兵の群れがエラムに殺到する。

エラムはアルスラーンに先を急ぐよう叫び、ギーヴはアルスラーンを引っ張って離脱をはかる。
ところがアルスラーンは馬首を返し、エラムの元に急ぐのである。

これにギーヴは仰天する。
なぜ王族が、他人のために命をかけるのか?
ギーヴの知る王族とは、家臣領民の命など何とも思わない人間ばかりだった。
なのに何故?

【アルスラーン、エラムを助ける】
エラムに、敵の槍騎兵が襲い掛かる。
エラムは短剣で攻撃をしのぐ。
が、槍相手に短剣では分が悪く、ついに短剣を弾き飛ばされてしまう。
敵槍騎兵はエラムに槍を突き込む。

その瞬間、アルスラーンが割って入り、剣で敵の槍を防ぎ、返す刃で敵を斬り捨てた。
アルスラーンは馬を降りると、エラムに肩を貸して助け起こす。

だが多勢に無勢、アルスラーンとエラムは敵兵に囲まれてしまう。

【ギーヴ、金貨で敵兵撹乱】
ギーヴはアルスラーンたちの元に取って返すと、敵兵に向かって金貨の詰まった袋を投げた。
袋は金貨を盛大にまき散らしながら落下。
これに敵兵たちは眼の色を変えた。

続けてギーヴは、金貨の詰まった袋をもう一つ投げる。
すると敵兵たちは、アルスラーンそっちのけで金貨を拾い始めた。

この隙にギーヴは、アルスラーンとエラムを連れて離脱する。
一方、敵兵たちは金貨を拾うのに夢中で、誰もアルスラーンたちが逃げ去ったことを気にしないのであった。

すぐに敵兵の隊長たちが駆けつけ、兵たちを叱り飛ばしてアルスラーン追撃を再開する。
さすがに隊長になると、目先の金貨よりも任務を優先するようである。

アルスラーンたちは一本道を馬でひた走り、敵を振り切る。
だが、突然道が無くなってしまい、アルスラーンたちは馬を止めた。
下をのぞき込むと高い崖であり、はるか下方を大きな川が流れている。

このままでは敵に追いつかれてしまう。
一体どうするか?

【ギーヴ、敵部隊をあざむく】
間もなく、敵部隊が崖にやってきたが、アルスラーンたちの姿は無い。
兵たちが周囲を捜索しても、誰も見当たらない。
その時、川に何かが落ちる音がした。

これに隊長は驚くが、すぐに兵たちに下流を探すよう命令した。
兵たちはたちまち下流に急ぎ、一人残された隊長は、この高さを飛び降りたことに驚き、川を覗きこむ。
その時、隊長の眉間に投げナイフが命中、隊長は川に落下した。
ギーヴの仕業である。

崖の僅かな窪みには、ギーヴ、アルスラーン、エラムが潜んでいた。
この三人、ここに隠れて川に物を投げ込み、飛び込んだように見せかけたのである。
まるで泥棒が追手を巻くようなやり方だが、間違いなくギーヴの策だろう。

【アルスラーンとエラム】
敵兵が立ち去った後。
エラムは片膝をつき、アルスラーンに謝罪した。
「殿下をお守りせねばならない立場なのに、殿下に助けられ・・・これでは逆です」。

だがアルスラーンは、友達を助けるのに逆も何もないと言う。
エラムは驚き、自分は解放奴隷の子、王族のアルスラーンとは身分が違いすぎると言い、友などと恐れ多いと恐縮する。

するとアルスラーンは、エラムに近づき、同じ目線で言う。
「身分などと言うなら、私は誰一人友達ができなくなる。エラムは私のことが嫌いか?」

単刀直入な問いに、エラムは「そのようなことは・・」と言う。
するとアルスラーンはエラムの手を握り、「それなら、私の友達になってくれまいか」と言い、真っ直ぐな目で微笑するのである。

これにエラムは動揺。
立ち上がり、「い・・・いずれにせよ、殿下に助けて頂いた御恩はきっとお返しします・・・」と言って誤魔化すのだが、アルスラーンに対する好感度が急上昇している様子である。

だがアルスラーンには、エラムの内心は分からず、友達になると言ってもらえなかったことが寂しそうである。

【アルスラーンとギーヴ】
続いてアルスラーンはギーヴを見ると、心底済まなそうな表情を浮かべた。
そして、「ギーヴはお金が大好きなのに、私のために捨てさせてしまった。この見返りは必ず」と頭を下げて謝罪するのである。

これにギーヴは「大真面目に謝られても・・・」と居心地悪そうに笑うのだが、多分あの金貨は、火事場泥棒したものだろう。

ギーヴは気をとりなおすと、アルスラーンに尋ねた。
「殿下は幼いころ、王宮の外にいたのではありませんか?」

するとアルスラーンは、乳母夫婦が事故で亡くなるまでは、市中で自由民と同じ暮らしており、街の家塾に通い、他の子たちと遊んだりしていたことを明かす。

ギーヴは笑っていう。
「ナルサスが殿下に入れ込む理由が分かりますよ。あなたが王になった時、どのような国ができるのか、楽しみです。」

ギーヴは、アルスラーンという人間の本質が理解した。
そして、ファランギースへの義理ではなく、自分の意志としてアルスラーンを支えることを決意した様子である。

【予告】
次回「騎士の忠義」

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