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アルスラーン戦記 第15章「シンドゥラの黒豹」

  • 2015/07/19(日) 23:59:58

【感想概略」
原作既読だが、読んだのがずいぶん前でだいぶ忘れており、毎回新鮮な気持ちで楽しんでいる。

今回は、シンドゥラ国の第二王子ラジェンドラと同盟を結んだアルスラーンが軍勢を率いてシンドゥラ国王都へ向けて進軍。

立ち塞がる敵軍を撃破し、シンドゥラ国宰相マヘーンドラの密偵ジャスワントとナルサスの知略がぶつかり合い、敵城グジャラート城塞を奇策により短期間で陥落させ、そしてナルサスとダリューンは、アルスラーンがパルス王家の血を引いていないことに気付いてもアルスラーンを支える心は揺らがない姿が描かれ、自らの出自に思い悩むアルスラーンの心をダリューンが支える姿が描かれ、面白かった。

【ガーデーヴィー派の軍勢との戦い】
パルス暦320年冬。
王太子アルスラーンは、シンドゥラ国第二王子ラジェンドラと同盟を結び、軍勢を率いてペシャワール城塞を出立、シンドゥラ領内に進軍した。
ラジェンドラの王位継承を助けるためであり、代わりにラジェンドラは、アルスラーンがルシタニアからパルスを奪還する際に協力する約束である。

間もなく、パルス軍の前に敵軍が出現した。
シンドゥラ国第一王子ガーデーヴィーの一味の差し向けた軍勢である。

勇将ダリューン、軍師ナルサスはパルス軍を率いてシンドゥラ軍に突撃。
元々精強なパルス軍は、ダリューンの指揮とナルサスの策により、更に強さを発揮。
さらにギーヴ、ファランギース、アルフリード、エラムという一騎当千の戦士が効率的に戦い、敵陣を突き崩す。
ついにパルス軍は、敵軍を撃退した。
ここらへん、ダリューンの武勇、そして中世ペルシア風の軍勢とインド風の軍勢との迫力ある集団戦闘が楽しめた。

崖の上から戦闘を見物していたラジェンドラは、パルス軍の強さ、ことにダリューンの武勇を褒め称える。
が、ダリューンは険しい表情を崩さない。

ダリューンとしては、ラジェンドラは全く信用出来ず、アルスラーンにとって有害な行動をとろうものなら躊躇なく斬り捨ててしまいたいというところだろうか。

一方ナルサスは、ラジェンドラが何か事を起こすことを待っていると言い、不敵な笑みを浮かべる。

【アルスラーン、新年の儀を執り行う】
年も開けてパルス暦321年の冬。
アルスラーンとパルス軍は、新年をシンドゥラ国で迎えた。

そしてパルス軍将兵の居並ぶ前で、アルスラーンは国王の名代として、新年の儀を執り行った。
これに将兵たちは、アルスラーンの名を叫んで称える。

つつがなく儀式は終了すると、次は新年の宴席であり、酒と料理に将兵たちも笑顔である。
一方、大役を果たしたアルスラーンは、陣の外れで一息ついていると、ラジェンドラが従者たちを率いて現れた。

ラジェンドラは上機嫌で新年の挨拶に来たと言い、アルスラーンの首に腕を回して馴れ馴れしく抱き寄せる。
そして「我が友にして心の兄弟たるアルスラーン殿。相談があるのだが」と言うのだが、何やら企んでいる様子である。

【アルスラーン、ラジェンドラの作戦を承諾】
アルスラーンは、ダリューン、ナルサス、エラム、ファランギース、ギーヴたちにラジェンドラの頼み事について相談していた。
ラジェンドラの頼みとは、パルス軍はラジェンドラ軍とは別の道を行き、ガーデーヴィーの軍を挟み撃ちにするというものである。

だがダリューンは、ラジェンドラはパルス軍に敵を押し付けるつもりだと言い、ラジェンドラの作戦に反対。ギーヴ、ファランギースも同意見である。

ナルサスは、「殿下の部下にどうやら阿呆は一人もおりませぬようです。ですが、その提案 ご承諾なさいませ。」と言う。
ナルサスいわく、ラジェンドラは信用出来ない。ならばこそ、距離を置いた方が良い。代わりに糧食、資材、運搬用の牛馬、地図と案内人を要求し、ラジェンドラの作戦を承諾する旨を伝えればよい。

アルスラーンはナルサスの献策を採用、ラジェンドラもこれを承諾、間もなくラジェンドラは案内人として長身の若者ジャスワントを派遣してきた。

【グジャラート城塞攻略】
シンドゥラ国の国都ウライユールを目指すパルス軍の前に立ち塞がるのが、グジャラート城塞である。
軍師ナルサスは、ギーヴと案内人ジャスワントを、グジャラート城塞に休戦の使者として送り込む。

そしてギーヴは、城司ゴーヴィンと副城司ターラに、パルス軍とラジェンドラ陣営の要件を伝える。
パルス軍と休戦し、グジャラート城壁の通過を認めてほしい、無論ラジェンドラが王となった暁には望むままの褒美が与えられると。

これに対し、城司ゴーヴィンは明日には返答すると言い、宴席を設けてギーヴとジャスワントをもてなす。
そして執務室で副城司ターラと、ギーヴの伝えた策に乗るべきか思案する。

すると執務室にジャスワントが現れ、自分が宰相マヘーンドラの部下であることをゴーヴィンとターラに明かし、ギーヴの言葉は全てデタラメと説き、ゴーヴィンたちを味方に引き入れた。

そしてパルス軍の真の作戦は、ゴーヴィンたちが休戦の申し入れに気を取られている間にグジャラート城塞の脇を密かに通過してしまうことだと言い、パルス軍の裏をかき、糧食部隊を奇襲する作戦を進言した。

城司ゴーヴィンはジャスワントの作戦を採用し、軍勢を率いて密かに城から出撃。ジャスワントの合図を待つ。

ところがナルサスは、このジャスワントの謀略すら利用していた。
そもそもナルサスは、ジャスワントが密偵であることにはとっくに気付いており、その上で泳がせていたのである。
ジャスワントは合図を出す前に、ギーヴに敗れ、捕らえられてしまう。

一方、城司ゴーヴィンはいつまでもジャスワントの合図が無いことにしびれを切らし、補給部隊を奇襲。
だが、その正体は補給部隊に擬装した戦闘部隊である。
奇襲のつもりが逆撃されてゴーヴィンの軍勢は苦戦。
ゴーヴィンはアルスラーンに突撃するが、ダリューンの槍で討ち取られた。
そして指揮官を失った敵軍は崩壊、グジャラート城塞はパルス軍の軍門に下った。

ここら辺、ジャスワントとナルサスとの知恵比べの面白さが楽しめた。

【アルスラーン、密偵ジャスワントを解放】
アルスラーンの前に、縛り上げられたジャスワントが引き据えられた。
アルスラーンは、ジャスワントが裏切ったことがショックだったようで「ジャスワント、初めから裏切るつもりだったのか?」と問う。

だがジャスワントは、堂々と胸を張って言う。
「裏切る?
命に従い、ただ忠誠を尽くしただけだ。
俺が忠誠を尽くすのは、我が父に等しい宰相マヘーンドラ様のみ」

これにアルスラーンは、父に等しいとはどういう事かと尋ねる。
するとジャスワントは「孤児であった俺を育ててくれたのがマヘーンドラ様だった」と答えた。

既に死を覚悟したジャスワントに、ギーヴは剣を振り上げる。
が、アルスラーンはギーヴを制止して言う。
「この者を解放してやってくれ」

ジャスワントはアルスラーンの言葉に驚愕。
一方、ギーヴはジャスワントを戒める縄を剣で両断。
ジャスワントは走り去った。

これにナルサスは「正直お甘いと思いますが…私どもの力が及ばぬほどの害にはならないと存じます」と言う。
アルスラーンの裁きを厳しく批評しながらも、安心させようとしているというところだろうか。

【アルスラーンとダリューン】
パルス軍が接収したグジャラート城塞の城壁。
アルスラーンは、自分の父母はアンドラゴラスとタハミーネと思っていたのに実はそうではないことに気付き、傷つき思い悩んでいた。

そこにダリューンが現れ、「殿下。冬の夜風はお身体に障ります」と声をかける。
が、アルスラーンは言う。
「ジャスワントは自分の親を知らぬと言った。
私も、自分が誰の子なのか分からぬ。
私は一体、何者なんだろう…」

するとダリューンはアルスラーンに言う。
「殿下のご正体は、このダリューンが存じております。
殿下はこのダリューンにとって、何よりも大事な主君でございます。
それではいけませんか?殿下」

アルスラーンはダリューンの言葉に涙を流し、礼を言った。
「ありがとう、ダリューン」

このアルスラーンとダリューンの主従愛が、今回ラスト最大の見所だったと思う。

【予告】
次回「落日悲歌」

次回は、あのアンドラゴラス三世ですら敵わなかったというシンドゥラ軍の戦象部隊とナルサス及びダリューン率いるパルス軍との戦いが見られるようであり、まずは迫力の合戦絵巻が楽しみである。

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