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アルスラーン戦記 第16章「落日悲歌」

  • 2015/07/26(日) 21:28:26

【感想概略】
今回は、第二王子ラジェンドラ・パルス連合軍と第一王子ガーデーヴィ派のシンドゥラ軍が激戦を繰り広げるお話である。

中世ペルシア風の軍勢と中世インド風の軍勢の集団戦闘は迫力があり、戦象部隊と騎兵部隊の戦いという夢の取り組みが描かれ、ラジェンドラ・パルス連合軍6万が、ガーデーヴィ軍15万という倍以上の軍勢といかに戦うかという知恵くらべの面白さがあり、まさに戦記物として大いに楽しめた。

そして宰相マヘーンドラは、部下に無慈悲なガーデーヴィ王子からジャスワントを何かと庇うのだが、この宰相マヘーンドラとジャスワントの主従愛もまた今回の見どころだったと思う。

また、シンドゥラ国王カリカーラ二世を演ずるのが、1992年のアニメ映画「アルスラーン戦記Ⅱ」でラジェンドラを演じた梅津秀行というところも大いに楽しめた。

【ガーデーヴィ軍、出陣】
前回、アルスラーンたちはパルス軍を率い、シンドゥラ領内に進軍した。
シンドゥラ国の第二王子ラジェンドラの王位継承を助けるためである。

そしてパルス軍の前に立ち塞がるグジャラート城塞を、ナルサスの智略とダリューンの率いるパルス将兵の武勇で陥落させた。

そして今回。
ラジェンドラと対立する第一王子ガーデーヴィは、戦象部隊を含む歩騎15万の大軍を動員して出陣した。
圧倒的な大軍であり、特に戦象部隊は、あのアンドラゴラス三世ですら正面衝突を避けたほどの強敵である。

【ガーデーヴィ、ラジェンドラに激怒】
前回、アルスラーンに解放されたジャスワントは、ガーデーヴィ陣営に帰還した。
だがガーデーヴィはジャスワントに激怒。
「グジャラート城が落ちたのは貴様の落ち度だ!」と怒鳴り、ジャスワントを手打ちにする勢いである。

すると宰相マヘーンドラは、ガーデーヴィをどうにかなだめ、ジャスワントを救う。
ガーデーヴィは「また失敗があれば容赦せぬ」と言い捨て、立ち去った。

心底申し訳無さそうにジャスワントは宰相マヘーンドラに詫びる。
これにマヘーンドラは「パルスの軍師の知恵が、並外れていただけだ」と言い、ジャスワントをいたわる。

同時にマヘーンドラは、ガーデーヴィの振る舞いに「あれでは臣下の心が離れていくばかりだ…」とつぶやき、表情を曇らせる。

【ガーデーヴィ軍、二手に分かれる】
ガーデーヴィは15万の軍を、13万の本隊と、2万の別働隊に分けた。
そして別働隊2万をグジャラート城塞に向かわせた。パルス軍をラジェンドラ軍と合流させないためである。
本隊13万は、ラジェンドラ全軍5万の3倍近い兵力であり、ガーデーヴィとしては必勝を確信しているようである。

一方、ガーデーヴィ軍の別働隊が動いたことを知ったナルサスは、ガーデーヴィ派の動きを兵法の常道と評するが、不敵な笑みを浮かべて何やら企んでいる様子である。

間もなく、ガーデーヴィ軍の別働隊は、グジャラート城塞の前に布陣した。
城を見ると、城壁には多くの将兵の姿が見え、たまに矢が飛んでくる。
ガーデーヴィ軍別働隊は、グジャラート城塞を包囲し、慎重に城内のパルス軍の様子をうかがう。

【ガーデーヴィ軍VSラジェンドラ軍】
パルス暦321年2月。
ついにラジェンドラ軍とガーデーヴィ軍が激突、シンドゥラ国の王位を賭けた大合戦がはじまった。

ラジェンドラ軍は兵力では劣るが士気は高く、兵数に勝るガーデーヴィ軍を圧倒する。
またガーデーヴィ軍は、川が邪魔で移動に手間取り、全兵力がなかなか戦闘に参加できない。これもまたラジェンドラ側の策のようである。

ガーデーヴィは味方劣勢と見ると、戦象部隊の投入を命令。
戦象部隊が突撃を開始した。

戦象部隊の武器は、その巨体怪力である
密集陣形で襲い掛かる象の群れに、ラジェンドラ軍の歩兵・騎兵は手も足も出ず、無残に踏み潰され、なぎ倒されていく。

ラジェンドラ軍は、弓兵部隊により矢の一斉射撃を開始。
戦象部隊に矢の雨を浴びせる。
が、戦象部隊の象たちは、兜、胴鎧、脛鎧によって装甲化されており、矢をことごとく跳ね返してしまう。

ラジェンドラは、寒さに弱いはずの象たちが、なぜあのように動けるのかと驚愕。
すると側近は、おそらくガーデーヴィは、象たちに興奮剤を与えたのだろうと指摘する。
ラジェンドラとしては、今は冬であり、戦象部隊は十分力を出せないと考えたことが挙兵の理由の一つのようであるが、戦象部隊の活用についてはガーデーヴィの方が一枚上手ということだろうか。

さらにラジェンドラに悪い知らせが入った。
グジャラート城塞は、ガーデーヴィ軍の別働隊によって包囲されており、パルス軍は動けないというのである。

ラジェンドラは、戦象部隊の前に倒れていく兵たちに苦しい表情であり、「これ以上、俺についてきた者たちを死なせるわけには…」とつぶやき、撤退命令を出すつもりのようである。
勝ち目の無い戦いに兵を損ねることを潔しとせず、部下たちの命を大事におもう、実は心優しいラジェンドラである。

その時、丘の上に新たな軍勢が出現した。
アルスラーンの率いるパルス軍である。

ラジェンドラと配下の将兵たちは、援軍到着に喜ぶが、ラジェンドラはグジャラート城塞で包囲されているはずのパルス軍がどうやってここまで辿り着いたのかと目を丸くする。

するとアルスラーンは、「ちょっと飛んでまいりました」と笑う。

その頃、ガーデーヴィ軍の別働隊はグジャラート城塞に突入。
が、城壁に立つ兵たちは、全て張り子である。
実はパルス軍は、ガーデーヴィ軍の別働隊が到着する以前に、数人の兵を残してグジャラート城塞を脱出していた。
これぞナルサスの奇策である。

別働隊の指揮官は、城内には誰もおらず、数名のパルス兵が裏門から逃走したとの報告を受け、ようやく自分たちが敵の策にはまったことに気付き、激怒して張り子を踏みつけるが、後の祭りである。

【戦象部隊VSパルス軍】
ダリューンは、騎兵部隊を率いて戦象部隊に突き進む。
が、戦象部隊の前で左折、そのまま戦象部隊から遠ざかっていく。

これにガーデーヴィは、パルス軍が戦象部隊に恐れをなして逃げ出したと確信した。
ガーデーヴィの部下は、戦象部隊を後退させることを進言するが、ガーデーヴィは今こそ敵を壊滅させる好機と進言を退け、戦象部隊の突撃を命じた。

一方、ダリューン隊を追う戦象部隊の象使いたちは、進路上の茂みの中に、大型弩砲が大量に潜んでおり、自分たちに狙いを定めていることに気付いた。

象使いたちは必死で象に止まるよう命ずる。
だが興奮剤を与えられた象たちには、象使いの声は届かない。

そしてパルス軍は、大型弩砲を次々と発射。
猛スピードで射出された多数の槍は、次々と象たちに命中。
さしもの装甲化された戦象たちも次々と討ち取られ、戦象部隊は壊滅した。

【ラジェンドラ・パルス連合軍の勝利】
戦象部隊を葬り去ったパルス騎兵部隊は再度ガーデーヴィ軍に突撃。
ダリューンは槍を手に愛馬を駆り、ガーデーヴィの座乗する象に突撃すると跳躍、象に飛び乗った。

ガーデーヴィは「槍に関しては、俺も腕に覚えがある!」と自信満々で槍を構える。
が、あっさりとダリューンに槍を弾き飛ばされてしまう。

ダリューンは、ガーデーヴィを討ち取ろうと槍を構える。
その時、ジャスワントが割って入ってガーデーヴィを守り、ガーデーヴィを馬に乗せて離脱した。
ファランギースはラジェンドラに弓矢を向けるが、アルスラーンは「頼む、撃たないでくれ」と言い、ラジェンドラを救う。

ファランギースは、「殿下があの者を助けるのは、これで二度目でございます。あの者に恩を感じる心があればよろしゅうございますが…」と言う。アルスラーンの甘さを批判はしないが、心配はしているというところだろうか。

戦象部隊を失ったガーデーヴィ軍は敗北、ラジェンドラ・パルス連合軍は勝利をおさめた。

【ガーデーヴィ、またジャスワントに激怒】
シンドゥラ国の国都ウライユールの王宮で、ガーデーヴィは、ジャスワントに激怒していた。
「なぜあの場で逃げた?!お前は私を救ったなどと思ってはいまいな!?あの逃走で我が軍の敗北は決定した…」と言い、ジャスワントの頭を踏みつけて罵る。
あの場にジャスワントが駆けつけなければ、ガーデーヴィはダリューンに討ち取られていたと思うのだが、ガーデーヴィはそうは思わないようである。

宰相マヘーンドラは、怒り狂うガーデーヴィを必死になだめ、ジャスワントを救う。
さしものガーデーヴィも、宰相には多少なりとも遠慮があるのか、「役立たずどもめ!」と吐き捨てると立ち去った。

宰相マヘーンドラは「儂は、補佐する相手を間違っていたかもしれん…」とつぶやく。
マヘーンドラも、今回の戦いでガーデーヴィの部下に対する無慈悲さを初めて思い知らされたというところだろうか。

【カリカーラ二世、目を覚ます】
その頃、昏睡状態であったシンドゥラ国王カリカーラ二世が目を覚ました。
ガーデーヴィは、すぐに父王の元にかけつけた。
カリカーラ二世は、息子が来てくれたことを喜び、ラジェンドラも呼ぶように言う。

するとガーデーヴィは父王に、ラジェンドラが自分を殺して王位を奪おうとしていると主張し、ラジェンドラを誅伐し、自分を正式に次期国王にしてくれるよう訴えた。

だがカリカーラ二世は、ガーデーヴィの言葉を鵜呑みにしない。
「大方、見苦しい兄弟げんかをしておるといったとこじゃろう」と言い、何が起きているのか見抜いてしまう。これにはガーデーヴィも返す言葉が無い。

そしてカリカーラ二世は、次期国王を神前決闘で決めることを決定するのである。

【ラジェンドラ、神前決闘の代理人を頼む】
神前決闘については、ラジェンドラとアルスラーン陣営にも伝えられた。
だがほとんどのパルス人にとって、神前決闘などというものは初耳である。

するとファランギースが解説する。
神前決闘とはシンドゥラ国の特殊な裁判方法の一つであり、争う二名が武器を取って決闘し、その勝者を神々の名において正義と認めるというものだと。

そしてラジェンドラは、神前決闘は代理人を立てることも認められていると言い、アルスラーンとダリューンに神妙な顔で頭を下げ、ダリューンに代理人になってほしいと頼み込んだ。
これには、ダリューンも、アルスラーンも、そしてナルサスすらも驚いている様子である。

【予告】
次回「神前決闘」

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