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アルスラーン戦記 第17章「神前決闘」

  • 2015/08/02(日) 23:59:31

【感想概略】
今回は、シンドゥラ国の王位継承争いに決着がつくお話である。
まず神前決闘で勝負するダリューンとバハードゥルの戦いは迫力と緊迫感、そして頭脳戦の面白さがあった。
ナルサスは、ダリューンが戦闘能力が高いだけでなく、頭脳派であることもよく分かっており、ダリューンが絶体絶命の危機に陥っても、ダリューンの勝利を疑わないのはさすがであった。
そしてアルスラーンは、ダリューンを途方も無い危険に晒したとしてラジェンドラに対し激怒するのだが、この主従愛が今回の大きな見せ場だったと思う。
また、宰相マヘーンドラは死に瀕してもラジェンドラを気遣っていたが、マヘーンドラとラジェンドラの互いを思い合う主従愛も見どころであった。

また、エンドカードは「山田くんと七人の魔女」の古河美希による、ドレス姿のアルスラーン、そして興奮するダリューンとナルサスだったのだが、違和感がなくて笑ってしまった

【ダリューン、神前決闘の代理人を承諾】
前回、シンドゥラ国では国王カリカーラ二世が昏睡状態から目覚め、第一王子ガーデーヴィと第二王子ラジェンドラが王位を巡って争っていると知ると、神前決闘で次期国王を決めることを決定した。
するとラジェンドラは、アルスラーンの幕舎を訪れるとダリューンに頭を下げ、神前決闘の代理人となってほしいと頼み込んだ。

そして今回。
ダリューンはラジェンドラの頼みをあっさりと断った。
ラジェンドラは「決闘に勝つ自信が無いというのではあるまいな?」と挑発する。
だがダリューンは、そのような挑発には全く動じない。自分はアルスラーンの臣下であり、アルスラーンの命令以外には従えないと言う。

するとラジェンドラはアルスラーンに頭を下げ、ガーデーヴィにシンドゥラ国を勝手にさせる訳にはいかない、勝手かもしれないが力を貸してほしいと頼み込んだ。
アルスラーンは困った顔でダリューンに「お主に頼めるだろうか?」とお願いする。
これにダリューンは片膝をつき、「殿下の命とあれば」と受諾するのであった。

【ガーデーヴィ、神前決闘の代理人を選ぶ】
一方ガーデーヴィは、ラジェンドラがダリューンを神前決闘の代理人としたことを知り、「パルス人を選ぶとは…」と激怒していた。
ガーデーヴィ及びシンドゥラ国の将兵たちは、これまでの戦いでダリューンの強さを思い知らされているのであるが、ダリューンと互角に戦えそうな戦士をシンドゥラ軍内で探すのはかなり大変そうである。

宰相マヘーンドラは、自分たちもすぐに戦士の選抜を開始すると言う。
だがガーデーヴィはこれを却下し、「バハードゥルの鎖を解くのだ」と命じる。
これにマヘーンドラは驚き、猛反対するのだが、ガーデーヴィは聞く耳を持たない。

【国都ウライユールの人々】
神前決闘の日。
アルスラーン一行は、騎馬で王宮に向かうのだが、国都の人々はアルスラーンたちを遠巻きに眺め、警戒している様子である。
シンドゥラの庶民たちとしては、王家の王位継承争いなど雲の上の迷惑な権力闘争であり、その争いに首を突っ込むパルス人たちもまた胡散臭いというところだろうか。

【神前決闘の闘技場】
神前決闘の舞台は、巨大な闘技場である。
闘技場の中央には円形の広場があり、ここで決闘が行われる。
円形闘技場の周囲は深い空堀となっており、渡し板を外すと出入りは不可能である。

アルスラーンたちは貴賓席に通され、国王カリカーラ二世に拝謁、神前決闘の開始を待つ。

間もなく円形闘技場に、戦装束のダリューンが姿を見せた。
黒ずくめの鎧兜を身につけ、剣と盾を装備し、黒いマントを羽織っている。

そしてガーデーヴィの代理人として姿を見せたのが、鎖に繋がれた信じがたい巨体の男バハードゥルである。
その身長は、2.5メートルはあるように見える。
しかも高身長なだけでなく、その腕も足も首も筋肉で太く、その胸板は厚く、まさに全身が筋肉の鎧である。

バハードゥルの鎖を引くのは屈強の男二人なのだが、バハードゥルはこの二人を引きずって平然と進み、鎖を引き千切ってしまう。
そしてバハードゥルはダリューンの前に立つと、「楽しませろよ。すぐに死んだらつまらない」と言い、凶悪な笑みを浮かべる。

【神前決闘の開始】
いよいよ神前決闘が開始された。
円形闘技場の周囲の空堀からは猛然と炎が吹き上げ、決闘者たちが自力で場外に出ることは不可能である。

バハードゥルは地響を立ててダリューンに突撃、巨大な戦斧を振り下ろす。
ダリューンは盾で受け止めるが、バハードゥルは超重量級の巨大斧を何度も振り下ろす。
ついにダリューンの盾は弾き飛ばされてしまう。

バハードゥルはすかさず斧を振り上げる。
が、ダリューンは瞬時に敵の間合いに踏み込み、剣を斬り上げた。
バハードゥルの胸からは血が噴き出るが、バハードゥルは獰猛な笑みを浮かべ、ダリューンの強さを喜んですらいる。どうやら分厚い筋肉に阻まれ、大した打撃を与えることが出来なかったようである。

さらにバハードゥルは斧で猛攻。
ダリューンはかわしきれず、剣で受け止めるが、巨大斧を何度も叩きつけられると剣に亀裂が走り、ついに折れてしまう。

武器を失ったダリューンを、バハードゥルはさらに猛攻。
バハードゥルの斧は、大破壊力な上に、そのスピードは尋常ではなく、ダリューンはかわし続けるが、とうとうかわしきれず、兜を弾き飛ばされてしまう。

ダリューンは、バハードゥルの猛攻をかわしながら隙を伺い、ついに折れた剣をバハードゥルに突き刺す。
が、バハードゥルの分厚い筋肉に阻まれて致命傷にはならず、剣を突き立てるダリューンをバハードゥルが蹴り飛ばす。

【アルスラーン激怒】
ダリューン劣勢にアルスラーンは顔面蒼白、激しく動揺する。
ラジェンドラは見かねたのか、自席を立ってアルスラーンの傍に行くと「あの男はサメと同じだ…痛みを感じるということがないのだ」と言う。ラジェンドラとしては、せめて情報を伝えたというところだろうか。

だがラジェンドラの言葉にアルスラーンは激怒した。
ラジェンドラの胸ぐらを掴み、怒りの形相で叫ぶ。
「あなたはそれを知っていて、ダリューンを神前決闘の代理人に選んだのか?!
もしダリューンがあの怪物に殺されでもしたら、パルスの神々に誓って、あの怪物とあなたの首を並べて、ここの城門に掛けてやる!」

アルスラーンのあまりの剣幕に、ラジェンドラは気圧され、言葉が出ない。

【アルスラーンとカリカーラ二世】
その時、カリカーラ二世がアルスラーンに語りかけた。
「落ち着きなされ、パルスのお客人。
ガーデーヴィがバハードゥルを選んだのは、ラジェンドラより後のことじゃ。
お客人の部下は、無双の勇者とか。
ガーデーヴィとて考えあぐね、牢より解き放った…。
それほど敵から恐れられる部下を、信じておやりなされ…」

カリカーラ二世の言葉にアルスラーンは落ち着きを取り戻し、決闘の行方を見守る。

一方、カリカーラ二世もアルスラーン主従から感じるものがあるようで、ガーデーヴィに言う。
「もしそなたが、このパルスの王子の、せめて半分でもよい。
部下を大事に思う人間であったら、儂はそなたをとっくに王太子に定めていたであろう」

これにガーデーヴィは「心得ております」と答えるのだが、あまりよく分かっていない様子である。

【ダリューンの策】
ガーデーヴィはバハードゥルの勝利を確信、「そろそろ決着をつけろ!」と命じた。
バハードゥルは巨大斧を猛然と振るい、ダリューンを追い詰めていく。
ついにダリューンは闘技場の隅に追い詰められた。背後には炎が猛然と噴き上がる

バハードゥルは巨大斧を振り上げる。
その時、ダリューンはマントを外し、炎を潜らせて火をつけ、バハードゥルの頭に巻きつけた。

さしものバハードゥルも、燃え上がるマントに苦しむ。
もはや斧など持っていることは出来ず、斧を手放し、両手で必死に燃えるマントをむしりとった。

バハードゥルが武器を失った、これぞダリューンが狙う勝機である。
ダリューンは腰に装着していた短刀を抜き、バハードゥルの間合いに踏み込み、喉に突き刺す。
さしものバハードゥルも、血を吹き上げて絶命した。

これにナルサスは、アルスラーンに説明する。
「折れた長剣以外に武器が無いように見せかけて、敵の油断を待っていたのです。奴もなかなかの策士ですね」
実はナルサス、ダリューンは頭脳派でもあることをよく知っており、ダリューンの勝利を疑っておらず、ダリューンの作戦まで見抜いていたのである。この説明も、アルスラーンの教育の一貫であろう。

そしてカリカーラ二世は、ダリューンの勝ちと裁定を下した。
これにラジェンドラ派の将兵たちは「ラジェンドラ様!新しき国王!」と歓呼の声を上げる。

【ガーデーヴィ、クーデターを起こす】
だがガーデーヴィは納得しない。
カリカーラ二世に剣を向け、「父上、私に王位をお譲り下さい」と脅迫。
さらに親衛隊にラジェンドラ抹殺を命じた。

ラジェンドラは即座にカリカーラ二世を保護するが、闘技場はたちまちガーデーヴィ派とラジェンドラ派が斬り結ぶ騒乱状態に陥ってしまう。

ナルサスたちは、アルスラーンを守って敵中突破を図るが、敵の数は圧倒的であり、アルスラーンの守りが手薄になってしまう。
その時、ジャスワントが割って入り、敵の攻撃からアルスラーンを救う。

アルスラーンは、先日まで敵方であったジャスワントが、自分を守ってくれることに驚く。
するとジャスワントは「これはシンドゥラ内の諍い。他国の王族に非礼があったとなれば、国の恥となります」とあくまで自国の名誉のためにアルスラーンを守るのだと言うのだが、純粋にアルスラーンを守りたいというのが本心だろう。

【ガーデーヴィ、宰相マヘーンドラを斬る】
ガーデーヴィは兵を率いてラジェンドラと睨み合う。
その時、宰相マヘーンドラは意を決し、ガーデーヴィに訴えかけた。
「私どもの負けにございます…。どうかお覚悟をお決めなさいませ。」

これにガーデーヴィは激怒、宰相を裏切者と罵り始めた。
「寝返ったな!ラジェンドラの犬めと、裏でどんな取引をしたのだ?!」

宰相マヘーンドラは必死に、潔く負けを受け入れるようガーデーヴィに訴える。
だがガーデーヴィは聞く耳を持たず、ついに剣を抜くと宰相マヘーンドラを斬り捨てた。

これには、ガーデーヴィ派の将兵たちも動揺する。
どうやら将兵たちがガーデーヴィの命に従うのは、宰相マヘーンドラがガーデーヴィを補佐するからであり、宰相を斬ったガーデーヴィに従うことには躊躇するようである。

【猛虎将軍】
その時、敵兵の群れと戦っていたダリューンが大音声で叫んだ。
「剣を収めよ!!
この戦いは、お主らの国の行く末を決める、神聖なものではなかったのか?!
不服ある者は、今ここで俺に勝負を挑め!」

ダリューンの呼びかけに、シンドゥラ将兵たちは「猛虎将軍(ショラ・セーナニー)!」と叫び、戦いを止めた。

そしてラジェンドラは将兵たちに言い渡す。
「ガーデーヴィは神意と勅命、共に背いた!
奴に従う者は、大逆罪の共犯とする!」

もはやガーデーヴィに従う将兵はおらず、ガーデーヴィは拘束された。

【宰相の死】
騒乱が収まると、ジャスワントは宰相マヘーンドラの元に駆けつけるが、マヘーンドラは既に死に瀕していた。

マヘーンドラはジャスワントに語りかける。
「悲しむな、ジャスワント…
儂は仕える主君を誤った…
愚か者に相応しい最期だ…。」

マヘーンドラはジャスワントの顔をなで、「お前には、何も報いてやれなかった…お前は、道を違えるな…」と言い残し、ジャスワントの腕の中で死んだ。
ジャスワントに看取ってもらえたことが、マヘーンドラにとってせめてもの救いだったと思う。

【予告】
次回「ふたたび河をこえて」

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