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風林火山 第37回「母の遺言」

  • 2007/09/16(日) 23:59:02

大井夫人、勘助と対面し、晴信の行く末を託す!
関東管領・上杉憲政、北条氏康の軍勢に敗北、越後へ逃亡!
長尾景虎、上杉憲政と対面!
勘助、今川家と武田家の政略結婚を北条家に通知、同時に北条との和睦を打診!
太郎の傅役・飯富虎昌、武田と今川が対立した場合の太郎の立場を案ずる!
大井夫人、死去!

【感想概略】
前回は戦国女性たちのお話であったが、今回は武将たちの生き様のお話であった。
武将たちそれぞれの格好良い瞬間が描かれ、見せ場が多く、おもしろかった。

そして大井夫人のお話でもあり、現代とは異なる乱世を生きた人間が最期に至る境地の一つが描かれ、興味深かった。

【勘助、初めて大井夫人と対面】
冒頭、大井夫人は、勘助と初めて対面した。
そして大井夫人は、由布姫は、諏訪にいてこそ武田家との縁を大切に思ってくれる、四郎も同じといい、晴信の行く末を勘助に託した。
これは、四郎に家督を継がせるために武田家中に乱を起こさぬように、勘助に釘を刺していたのだろうか。

【大井夫人、三条夫人に遺言】
ある日、大井夫人は、三条夫人と談笑していた。
大井夫人は、太郎と今川家の姫の婚礼が決まったことを祝福する。
そして「これで武田家と今川家が永劫安泰であればよいのう。そなたの苦労も報われるというもの」と三条夫人をいたわった。

「お北様の苦労に比べれば」という三条夫人に、大井夫人はいう。

「私は、苦労などしておらぬ。
苦労など、忘れた。
私には、栄誉も苦難も、この世への執着も、時の移ろいさえもない。
何も無くなって、ようやく心の平安を得たのです。
いずれそなたにも、左様な時が来よう」

そして「それまで、苦労など、修行と思えばよい」といたずらっぽく三条夫人にささやき、「これがそなたに残せる、唯一の言葉です。どうか心を強くもって、晴信と生きてくだされ」という。

涙する三条夫人に、大井夫人は「泣けるだけ、そなたは若い」と微笑んだ。

【関東管領・上杉憲政、北条家に追われ越後へ逃れる】
上州では、関東管領・上杉憲政の勢力と北条氏康の軍勢が争っていた。
だが関東管領は劣勢となり、もはや敗北を覆すのは不可能であった。

関東管領の重臣・長野業政は、憲政に進言する。
もはや負けは必至であり、越後へ落ち延び再起を期するべきであると。
そして業政は上州の自領に残り、北条への抵抗を続ける覚悟だと。

上杉憲政は、業政のこの進言を受け入れた。
そして、「これまで苦労をかけた」と業政に礼を言うのだった。

これまで困った殿様だった憲政だが、この瞬間は格好良かった。
長野業政はいつもながら知友兼備の武将で格好良く、美しい主従の絆であった。

間もなく、上杉憲政は越後へ落ち延びた。
一方、憲政の嫡男・竜若丸は、家臣の進言により、上州へとどまるのである。

【真田幸隆たち、長野業政を案ずる】
甲斐の真田幸隆の屋敷に、幸隆と妻・忍芽、嫡男・信綱、そして同輩・相木市兵衛が集まった。
そこで真田家に仕える忍・葉月は、幸隆たちに、上州の情勢について、関東管領が越後に逃れた後も、長野業政が上州に留まっていることを報告する。

幸隆たちは、この長野業政のことを心配していた。
かつて幸隆親子は、武田家に敗れ流浪していた頃、長野業政の世話になった。
そして最近も、海野家再興の際に、業政の力を借りている。
つまり業政は、真田家にとって大恩人なのである。

だが、武田は北条と和睦しようとしており、長野に味方して北条と敵対する訳にはいかない。
なかなか妙案の浮かばない幸隆たちである。

【勘助、三国同盟を打診】
勘助は、小田原城の北条氏康を訪れた。
氏康は小山田信有の死について触れ、「気の毒なことであったのう」とねぎらう。
他家の陪臣の死であっても、気配りを忘れない氏康である。

勘助は、今川家と武田家の政略結婚を通知した。
同時に、武田と北条の和睦を打診する。

笑う北条家重臣・清水吉政だが、勘助は越後の長尾景虎を新たな脅威と説き、景虎に備えるための同盟の必要を訴えた。

景虎の名を聞き、思案の氏康である。

【長尾景虎、関東管領・上杉憲政と対面】
越後に逃れた上杉憲政は、長尾景虎と対面した。

義を重んずる景虎は、春日山城に上杉憲政を呼びつけるのではなく、府中の屋敷に滞在する憲政の元を自ら訪れた。
そして景虎主従は下座につき、上座の上杉憲政に対し礼をとるのである。

上杉憲政は、関東管領に対する敬意のかんじられる景虎主従の態度に、満足そうである。
そして憲政、北条氏康を討つため、嫡男・竜若丸を救うため、すぐにでも出陣することを景虎に求めた。

このとき直江実綱と柿崎景家が、景虎の後ろから心配そうに見つめているのがおもしろい。
多分、すぐ出兵します、などと景虎が言い出すことを心配していたのだろう。

そもそも、直江にとっても、柿崎にとっても、関東管領などというものは、あくまで越後での勢力拡大に利用すべき権威なのである。
上州での戦いなどという、長尾家臣団にとって何の得にもならない出兵など、問題外なのだろう。
直江と柿崎は、会話に割って入り、「すぐの出陣はお控えくだされ」と訴えた。

だが景虎には、直ちに上州へ出陣する気はなさそうである。
まずは景虎、なぜ憲政が上州に残らなかったのか、なぜ竜若丸を落ち延びさせなかったかについてを、やんわりと批判した。
すると憲政、景虎の指摘に怒り出し、「嫡子を助けるのか!助けんのか!」と怒鳴り散らした。

だが景虎は動じない。
景虎は義を重んじ、旧来の権威を尊重するが、無批判に権威に従う訳ではない。
だからこそ、たとえ相手が関東管領という権威の高い者であっても堂々と思うところを述べ、無批判に憲政の命令に従わないのである。

ここで宇佐美定満は、竜若丸は既にこの世にいないと憲政に告げ、密偵が調査した竜若丸最後の様子を伝えた。

竜若丸最期の詳しい様子を聞き、憲政は激しく悲しむ。
困った殿様の憲政であるが、子への情は本物である。

そして景虎は、「北条氏康は、この景虎が、いずれ成敗つかまつる」と宣言した。

「いずれ」という言葉はただの社交辞令である場合が多い。
だが景虎の場合は、本気全開であることがビシバシ伝わるのである。

景虎は、義のためなら猪突猛進ではなく、自軍と敵軍の勢力バランスを踏まえた上で冷静に対応する知恵ある者と描かれおり、格好良かった。

【氏康、竜若丸と一騎打ち】
上州にとどまった竜若丸だが、家臣に裏切られ、北条氏の捕虜となってしまった。
家臣たちは北条氏康へ、竜若丸の身柄と引き換えに、自分たちを北条家家臣に加えてほしいと訴えた。

氏康は、竜若丸の顔を見た。
竜若丸は、未だ闘志を失わず、氏康を睨みつけている。

氏康は竜若丸の縄を斬り、太刀を与えると、自らも太刀をとった。
そして言った。
「さあ来い、竜若丸!」

竜若丸は、何度も氏康に斬撃を打ち込み、弾き返される。
が、ついに氏康の眉間に一太刀浴びせた。

再び斬りかかる竜若丸は、氏康の一撃を受け、討死した。

氏康は、討死した竜若丸を讃えた。

「見事な最期じゃ。
これぞ、まことのもののふぞ。
この氏康、生涯忘れはせぬ!」

そして氏康は、竜若丸を差し出した裏切り者たちを斬り捨てさせるのだった。

【武田家嫡男・太郎、今川家との婚礼が決定】
今川義元の姫と、武田家嫡男・太郎の婚礼が、正式に決定した。

これを喜ぶ三条夫人だが、太郎の傅役・飯富虎昌は嬉しそうでない。
飯富は、武田と今川が対立した場合の太郎の立場を案じているのである。

【勘助、晴信に北条との政略結婚を進言】
甲斐に帰還した勘助は、晴信に北条との政略結婚を進言する。
娘を政略の道具として、他国へ人質に差し出すことに苦渋の表情の晴信である。

晴信は勘助に、母・大井夫人へ北条との盟約のことは伏せておくように言う。
今川家との婚儀が近い今、余計な心配をかけさせたくないという。

晴信は言う。母はもう長くはない。
母は自分が家督を継いでから、いやそれ以前から、ひと時も、心安らかであったことが、ない。せめて最期だけは、心安らかに、御仏の元へ行かせてやりたい、と。

【久々登場、信虎さま】
大井夫人は夢を見た。
夢の中で、太郎は今川との戦に反対し、晴信は「戦をするのは、この世の常じゃ!」と太郎を怒鳴りつけた。
太郎と晴信に、かつて父・信虎を批判した晴信と、信虎が重なる。
そして太郎は、太刀を抜いて晴信に斬りかかった。

これらは、後の武田軍の今川領侵攻をめぐる晴信と飯富の対立、太郎の廃嫡の伏線のようである。

そして、久々に信虎さまを見たが、なつかしく、自然体に暴君な人柄が凄すぎて笑ってしまった。
あの存在感には、抜きん出たものをかんじる。
年末に放映されるであろう総集編の第一部は是非、大河ドラマ「武田信虎」にしてほしいものである。

【大井夫人、死去】
死期の迫った大井夫人は、持仏堂で不動明王に語り始めた。

わたくしは、あらゆる人の争いを、見て参りました。
あらゆる人の欲を、憎しみを、見て参りました。
あらゆる、見たく無いものを、見て参りました。
故に、もはや人の心を恐れることは、なくなりました。
されど、あなた様の御心だけは、見えませぬ。

大井夫人は倒れ、死去した。

乱世に翻弄され、敵将の妻となり、夫は多くの妾を囲い、夫と息子が争い、息子は側室の娘婿と争い、その娘は心労で死んだ。
大井夫人の心中は、測りようがない。

【予告】
次回は、信濃の独立領主としての村上義清の最終決戦のようである。
合戦描写に期待したい。

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  • From: 一言居士!スペードのAの放埓手記 |
  • 2007/09/17(月) 14:13:08

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