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中国雑話 中国的思想(酒見賢一/文春新書)

  • 2007/11/29(木) 22:44:10

「後宮小説」「陋巷に在り」「墨攻」「周公旦」などで有名な小説家・酒見賢一が、「NHKラジオ中国語講座」に連載した、中国を扱った事物伝を収録した一冊。
【感想概略】
独特の視点と切り口で素材を取り上げており、どれもおもしろかった。
以下8章からなる。

【一.劉備】
筆者は、三国時代の三人の帝王について、曹操を軽薄、孫権を陰険と評する。
曹操は目立つことが大好きで、大勢力のリーダーとなっても自ら最前線で指揮をとり、何度も命の危険にさらされるが、それでも詩想をかき立てる冒険を止めようとしない。これを軽薄と評する。
孫権は、烏合の衆も同然だった江東の豪族を並々ならぬ気配りと気苦労で団結を維持し、まとめ上げた。そのためか、孫家の権力が確立すると陰険な事件をまきおこす。これを陰険と評する。
そして劉備について、その人生を検証し、その行動は無計画でいきあたりばったり、投げやりなところがあり、何ともやりきれない人であり、一言で何といってよいかちょっと思いつかないと述べる。
言われてみればそうかもしれないと思い、興味深かった。

【二.仙人】
オカルティックな存在でありながら歴史に度々姿を見せる仙人について、インチキと切って捨てる訳にもいかぬと、史書を踏まえつつ中国では「科学」として扱われてきたその実態について独特の視点から論じており、おもしろかった。

【三.関羽】
三国時代の武将・関羽は、その死後神として祭られ、現代においては中国人社会における大人気の神である。神としての関羽という従来あまり触れられることのない関羽の側面について紹介しており、おもしろかった。

【四.易的世界】
中国古典「易経」について、史例に触れつつ比較的分かりやすく紹介しており、興味深かった。

【五.孫子】
有名な古代中国の軍事理論書「孫子」について、その根本となる軍事思想について論述しており、おもしろかった。

【六.李衛公問対】
有名な兵学書「李衛公問対」を紹介。
この「李衛公問対」が成立したのは、唐末から宋代の頃である。
内容だが、隋末唐初、そして唐による中国統一後も続く対外戦争において、軍事指導者として非凡な力量を見せた唐の二代皇帝・李世民と、その重臣である歴戦の名称・李靖が、古今の兵書を取り上げ、戦例を検証し、問答するという構成である。
この書物が論ずる中国軍事理論について紹介しており、興味深かった。

【七.中国拳法】
中国拳法はカンフー映画などで有名だが、その真の姿はあまり知られていない。
本書では、中国拳法について、歴史や実体、実戦で強いのか、本当に強いのか、などについて、様々な史例に触れつつ紹介している。
知的に大変興味ぶかく、おもしろかった。

【八.王向斎】
現代中国における気功の普及に大きな影響を与えた王向斎は、中国武術史上屈指の達人であり、凄まじく強かった。
この王向斎について、紹介している。
近代中国及び人民中国における武術のありよう、一人の武術家の生き様についての論述であり、興味深く、おもしろかった。

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