FC2ブログ
  1. 無料アクセス解析

電脳コイル 26話「ヤサコとイサコ」

  • 2007/12/04(火) 23:58:31

ついに明かされる「あっち」の謎、「4423」の謎、ヤサコとイサコの謎!
ヤサコとイサコの物語の行方は?!

【感想概略】
今回で最終回であり、ヤサコとイサコの物語には一つの決着がついたのだが、後味のよい終わり方だったと思う。
「電脳コイル」という作品に出会えたことを感謝している。

【幼いヤサコ、オジジに出会う】
前回、ヤサコは「はざま交差点」から「通路」を通って「あっち」へ行った。
イサコの元へ辿り着き、一緒に帰ってくるためである。
ヤサコは、胸の痛みを感じる方にイサコの存在をかんじ、イサコの元を目指す。
だがイサコは、ミチコの囁きに惑わされ、兄と永遠に暮らせる世界を選び、ヤサコを拒絶してしまう。

イサコの拒絶とともに、ヤサコの足元の地面は崩れ出す。
崩壊する空間を、ヤサコは走った。

気が付くと、ヤサコは自らの記憶の風景の中にいた。
それは祖父の葬儀の日。

デンスケと初めて出会ったヤサコは、道に迷い、「4423」と名乗る謎の少年と出会う。
そして、細身の黒い影と出会う。

幼いヤサコは、黒い影に名を尋ねた。
すると黒い影は、「オコノギ」と名乗る。
「わたしとおなじだ」というヤサコの言葉に、黒い影は本来の姿を取り戻す。
黒い影の正体は、ヤサコの祖父・小此木医師であった。

【実験空間4423】
メガバアたちは、イサコのおじが提供した資料と、イサコのおじの話から、「あっち」の真実を、「4423」の真実を、イサコの真実を知った。

かつてイサコが兄とともに交通事故にあった時。
イサコは一命を取り留めたが、兄は事故直後に死亡した。
事故後、イサコは意識を取り戻したが、兄の死を知ると、心を閉ざしてしまった。
この時、イサコの治療を担当したのが、ヤサコの祖父、小此木医師だったのである。

深く傷ついたイサコの心を癒すため、実験空間「4423」が作られた。
そしてイマーゴ機能により、イサコは心の中にある兄を電脳化した。
全ては、突然兄を奪われたイサコが、兄の死を受け入れるため、そして乗り越えるためであった。

だが、イサコの電脳体が戻れなくなる事態が発生してしまった。
すると小此木医師は、イサコを助けるため、イマーゴ機能を用いて自らの電脳体を分離させて実験空間「4423」へ潜ったのである。
そしてイサコは戻ってきたが、小此木医師の肉体は死んでしまった。
イマーゴは大人にはうまく適合しなかったのだという。

イサコのおじは、このことを知っていた。
だが、小此木医師への感謝を、メガマス社との約束により公には出来なかったようである。
イサコは兄が生きていると思い、いつか兄と再会出来ると信じ、それを心の支えにしていた。
イサコのおじは、イサコの心の傷を癒すためにはメガマス社に協力しない訳にはいかなかったのだろう。

間もなく、実験空間「4423」は何らかの原因で変質し、「あっち」と呼ばれる空間へと変容した。

幼いヤサコが迷い込んだのは、「実験空間4423」だった。
だが、いくらコイルスノードであるデンスケが一緒であっても、イサコの意志と無関係に「4423」へ入れるとは思えない。
ヤサコを積極的に求める気持ちがイサコにあったからこそ、ヤサコは「4423」へ入ることができたのではないか。

【ヤサコ、オジジと別れる】
幼いヤサコの記憶の映像は、続いている。
まだ死の意味が分からぬ幼いヤサコ。
ヤサコは、無邪気に「オジジはしんだんだよ」といい、「ワシは死んだんじゃった」というオジジと、ケラケラと笑う。
ヤサコは、言葉を交わしたことはないと思っていたオジジと、実は会っていたのである。

オジジはデンスケを見て、ヤサコがこの空間に来た理由を察した。
そしてデンスケに、ヤサコを守って帰るよう言いつけ、ヤサコにデンスケの首輪を与えた。
この空間に迷い込まないためである。

オジジは、ヤサコに別れを告げた。
だが死の意味の分からないヤサコは、オジジも一緒に帰ろうと涙目で訴える。
するとオジジは、助けなければならない子がいるとヤサコに笑い、消えていった。

記憶の映像が途切れた。
周囲は再び、闇と化した。

【ヤサコ、デンスケに導かれ「あっち」から帰還】
今のヤサコには、どう進めば自分の現実の身体に辿り着けるのか、全く分からない。
すると、大きな目の黒い影が現れ、ヤサコを招いた。
黒い影について行くと、闇の中に白い「通路」が、そして自分の現実の身体が、ハラケンと玉子が見えた。
「通路」を通り、全てが白い空間に抜け出たヤサコは、自分を導いてくれた黒い影が、デンスケであることに気付く。

ヤサコは初めてデンスケを腕に抱いた。
初めてデンスケに触ることが出来た。
去っていくデンスケに、ヤサコはこれまでともに過ごせた感謝を伝え、別れを告げた。

そしてヤサコの電脳体は、現実の身体に戻った。
玉子とハラケンは、安堵した。

【ヤサコの父、正体を明かす】
ヤサコは、とりあえず自身の危機を脱した。
だがイサコは、依然として「あっち」にいる。
ヤサコはふらつく身体で、大黒市のイサコの元へ連れて行って欲しいと玉子に訴えた。

玉子はヤサコをおんぶしてバイクへ急ぐが、何と駐車違反でレッカー移動されてしまう。
すると自動車が停まり、ヤサコの父が顔を出し、三人に乗るよう促した。

玉子は、かつての上司であるヤサコの父に、ヤサコの行動を何とか理解してもらうおうと必死の表情である。
が、ヤサコの父は、コイルタグを差し出す。
驚く玉子に、ヤサコの父は衝撃の事実を明かす。
何とヤサコの父は、コイル探偵局・会員番号壱番だったのである。
お袋にはいろいろ弱みを握られている、と涙を滲ませるヤサコの父に、深く同情する玉子である。

ヤサコの父は、半年前からメガマス社の内部監査に協力していたことを明かす。
まず、カンナの事故は電脳ナビの誤動作であってカンナに非はないことをハラケンに伝えた。
そして、メガマス社内部には旧コイルスと繋がる一派があること、そして彼らが動かしていたは、イマーゴ技術の開発者の息子、猫目宗助であることを告げる。
黒幕の正体を知り、驚く玉子である。

【猫目VSメガバア】
病院では、メガバアがイサコの様子を看ていた。
すると突然、古流の電脳攻撃がイサコを襲う。
即座にメガバアはお札を放ちイサコを守るが、力は拮抗。
ベッドの下に桃色のミゼットが現れ、手の塞がったメガバアの隙を狙うが、モジョが目から光線を放ち、ミゼットを退けた。

メガバアは、技の癖から、襲撃者の正体を猫目と見破る。
何を企んでいると問うメガバアに、何も企んでいない、自分の目的は変わっていないと邪悪な笑みを浮かべこたえる猫目。

メガバアは思い出す。
4年前、猫目は玉子をそそのかし、「通路」を開こうとしたことを。
この時、玉子の電脳体が「あっち」へ行ったまま、意識が戻らない可能性があったことを。
メガバアは、徐々に、ぎりぎりと押されていく。

【タケルの裏切】
突然、猫目の攻撃の圧力が止まった。
タケルの仕業であった。

玉子に背負われたヤサコは、病院の廊下で、猫目の電脳攻撃を阻止するタケルに出くわす。
父の名誉のためだと訴える猫目に、タケルは叫ぶ。
「父ちゃんは、イマーゴや電脳ペットを人の心を治すためにつくったんだ!」

タケルは、パスワードを入力して実行。
すると、猫目の攻撃は完全に消滅した。

タケルは言う
父に教わったパスワードで、猫目のメガネを破壊したのだと。

そしてタケルは、イサコの元へ急ぐよう、ヤサコたちに叫んだ。

【ヤサコとイサコ】
ヤサコは、玉子に支えられ、イサコの病室に辿り着いた。
そしてヤサコはイサコに、戻ってくるよう必死で呼びかける。
だが突然、ヤサコの電脳体が分離する。
目を開くと、ヤサコはイサコの電脳空間にいた。

イサコは、自分が兄を死なせたのだと思っている。
例えもどっても兄を死なせたバカな妹になるだけだと。
ヤサコは、イサコの兄は事故の直後に亡くなったのであり、イサコが死なせた訳ではないと訴えた。

ヤサコは、ミチコの正体に気付いた。
ミチコを生み出したのは、イサコの苦しみ、そしてヤサコのキスなのだと。
ヤサコは、戻ってくるようイサコに叫んだ。
するとイサコは走り出す。

だがミチコは、イサコが自分から離れることを許さない。
イサコが兄の死を受け入れ、ヤサコを受け入れ、ヤサコと心を通わせることを許さない。

ミチコは訴える。
そっちは苦しみと痛みばかり。
こっちにいれば苦しみは無く、永遠に子供のままでいられる。
あなたのお兄さんと永遠に。

イサコの足が止まった。
兄の姿に、再びミチコたちへ向かってふらふらと歩きはじめた。
現実のイサコも、幸せそうな笑みを浮かべ、涙を流す。

イマーゴによるヤサコの負担は、極限に達しようとしていた。
玉子はヤサコを止めようとするが、ヤサコは、自分自身の命が危ないことも眼中に無い。
ヤサコは、イサコの肩を指先がめり込むほど強く掴んで離さない。

ヤサコは眉を吊り上げて叫んだ。
「天沢さんのばかっ
それでも天沢勇子なの!
勇子の勇は勇ましいの勇。
あなたは痛みを恐れない、勇ましい女の子!
だからイサコ!戻ってきなさい!イサコ!」


ミチコはイサコに追いすがろうとするが、背後から何者かに羽交い絞めにされる。
何とノブヒコであった。

ノブヒコはイサコに言う。
これで本当のさよならだと。

イサコは、ミチコとノブヒコに別れを告げ、痛みのする方へ、ヤサコの方へ走った。

鳥居の石段をイサコは下る。
そしてヤサコは石段を登り、イサコを迎える。

「わたし、あなたのことが嫌いだった。
でも分かったの、なぜ嫌いだったのか。
ずっと、怖かった。
誰かと心がつながることが、怖かった。
でも、もう怖くない。」

ヤサコの差し出した手に、イサコは手を重ねた。

イサコは、意識を取り戻した。
ヤサコとイサコは、互いに、ひたいをすりつけあった。

【ヤサコ、イサコからの電話を受ける】
あの事件の後、イサコは何も言わず金沢に帰ってしまった。

そして、翌年の春。
ヤサコたちは中学生になった。
セーラー服で登校するヤサコ。
小学校に上がった京子も、ランドセルで登校である。

急にヤサコへ電話が入った。
イサコからだった。
久しぶりなのか、ちょっと驚いた様子のヤサコである。

ヤサコはイサコに、自分たちは友だちになれたのか尋ねた。
するとイサコはいう。
「言っただろう。わたしは、友だちというものは、よく分からないんだ。」
いっていることは以前と同じだが、イサコの声音は穏やかである。
「そう…」と、ヤサコは少し残念そうに言う。

イサコは、これまで友だちがいなかったためもあるだろうが、自分がヤサコへ抱く感情を何と呼んでよいのか分からないようである。
それでもイサコは、ヤサコの問いに、誠実にこたえた。

「でも…。
お前は…、そうだな…。
同じ道で迷って、同じ道を目指した、仲間だ。
でも、仲間なのは同じ道を目指している時だけだ。
わたしみたいな人間は、いつまでも他人と一緒にいては、自分の道が見えなくなってしまう。

また会おう。
同じ道を迷った時。
それまでは、さよならだ。

わたしはイサコ。
名付け親は、あんただ。」

穏やかな声でいうと、イサコは通話を切った。
イサコは、軽々しいことは口にしない。
「また会おう」というのは、いずれ必ずヤサコに会うつもりなのだろう。

ふと見ると、通りの向こうに、デンスケが見えた。
だが、次の瞬間にはいない。
「京子、見えた?」と尋ねるヤサコ。
京子はただ微笑み、頷いた。


おわり

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

電脳コイル 第26話「ヤサコとイサコ」

サヨナラが言えたよ――。 ひとの心の痛みから生まれた影が、イリーガルだったのか知れない。 さよならできなくて…そんな思いが生み出した存在たち。 それでも子供たちは、明日に歩いていかなくてはいけない。 痛み

  • From: SeRa@らくblog |
  • 2007/12/06(木) 01:21:25

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する