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装甲騎兵ボトムズ コマンドフォークト~群狼邂逅~(野崎透/HJ文庫)

  • 2007/04/16(月) 22:29:04

アニメ「装甲騎兵ボトムズ」のオフィシャルスタッフによる、ボトムズの外伝小説。

【あらすじ】
アストラギウス銀河を二分した百年戦争の末期。
惑星テゲンの国家ヒュロスに、200機以上撃破のスーパーエースのみで構成された部隊「コマンドフォークト」が創設された。
本作は、部隊誕生以前の隊員たちの戦いを描いた連作短編集である。

【感想概略】
どの短編もストーリはテンポ良く展開し、メカ描写や戦闘描写も迫力があり、ATの戦局に果たす役割が各話で描かれ、人物も魅力的に描かれており、楽しめた。

【挿絵】
挿絵は塩山紀生。
塩山紀生の絵があると、正に「ボトムズ」に見えるから不思議である。

【AT】
テレビシリーズのATは、電子系センサーを利用しているように見える描写はあまりなく、もっぱらターレットレンズを通しての目視で行動しているように見えた。「青の騎士」も同様だったと思う。
第二次大戦中の光学系観測器のみを頼りとする時代の兵器が、ATのイメージだったのかもしれない。

一方、「コマンドフォークト」では、ATはセンサー技術及びコンピュータ技術の塊として描かれている。
21世紀の現代では、兵器は索敵も情報処理も高度に電子化・IT化されている。
「コマンドフォークト」のATは21世紀の兵器をイメージしたものに思えた。

「コマンドフォークト」に描かれるATは、各種センサーを装備し、金属探知機で地雷原の存在を察知、爆発に含まれるポリマーリンゲル液の濃度でAT撃破を確認する。

そして指揮官機ATは、部隊各機の機体状況をモニタリングし、高度な部隊運動を行い、AT部隊は地上の戦闘機と呼べる機動戦闘を展開するのである。
ここら辺は「ガサラキ」のタクティカルアーマーの部隊行動を思い出させるが、戦闘指揮車両なしで変幻自在の部隊戦闘を行ってしまうのが、ATのすごいところである。

テレビシリーズと「コマンドフォークト」のAT描写の違いは、作品の作られた時代を反映してのことなのだろう。

【軍人】
テレビシリーズでは、軍は軍の都合で戦うものであり、民間人など全く考慮していない。兵の多くは、自分の意思とは無関係に戦わされているように見える。「青の騎士」では、軍の非情さはより徹底している。
これは歴史の中で多くの軍隊が見せてきた姿を反映しているのだと思う。

一方、「コマンドフォークト」では、軍は国民の生命財産を守るために存在するもの、少なくとも本来はそうあるべきものとして描かれている。そして軍人は何らかの目的意識を持って軍に身を置いている。
これは、現代民主国家の軍隊の理想的なありように思えるが、このような軍の描き方もあると思う。
ただ一歩間違えると、軍や戦争を美化しているように見えてしまうので、そうならないことを期待している。

テレビシリーズと「コマンドフォークト」の軍や軍人の描き方の違いも、ベトナム戦争の記憶がまだ新しく、アフガニスタン内戦へのソ連軍介入は継続中という東西冷戦の1980年代前半と、超大国アメリカが発展途上国へ軍事介入し泥沼化する2000年代という時代を反映してのものなのだろう。

【女性】
テレビシリーズには、女性が極端に少ない。「コマンドフォークト」でも女性は二人だが、一人はパイロットの一人に恋愛感情を抱いているようだ。

あとがきを見ると、作者は何とかストーリーに女性を登場させたいようである。個人的には、ボトムズに恋愛は無用と思うので、今後も恋愛は最低限にしてほしいところである。

次巻が楽しみである。
そして、いずれはアニメ化してほしい。



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