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篤姫 第14回「父の願い」

  • 2008/04/12(土) 23:59:22

家定、13代将軍就任!
ペリー艦隊再来航、日米和親条約締結!
今泉島津家の忠剛、死去

【感想概略】
今回は、篤姫の実父・忠剛が亡くなるお話であり、舞台となる時期は1853年10月~1854年3月頃である。

歴史の本を見てこの時期について分かるのは、篤姫の江戸到着、家定が13代将軍となったこと、ペリー艦隊が再来航し日米和親条約が結ばれたこと、そして篤姫の実父・忠剛が死去したこと、などである。
篤姫にとって父の死は、大事件だったとおもう。

だが、これらの出来事は篤姫の目にどのように映り、篤姫はどう思い、篤姫に何を残したのかについては、歴史の本を見てもほとんど触れられていないようである。
史料に残るのは、もっぱら政略的な出来事であり、篤姫をはじめとする当時の人びとの心は、史料には残りにくいのだろう。

「篤姫」の大きなおもしろさの一つは、江戸時代を生きる人間の内面を考察した上で、史料に残らない当時の人びとの内面を、想像力で大胆に描くところだとおもう。
今回のお話では、篤姫と幾島の絆と今泉の家族へのおもいが描かれ、忠剛の於一へのおもいと願いが描かれ、忠剛を支えるお幸と忠敬の人間性が描かれ、篤姫を思いやる斉彬の姿が描かれ、ともに支えあう西郷と大久保の友情が描かれ、おもしろく、見応えがあった。

【篤姫、英姫(ひさひめ)と対面】
前回、篤姫は江戸へ到着し、斉彬の正室・英姫(ひさひめ)と対面した。
この英姫、徳川一門の名家・一橋家の出身である。
縁あって娘と母になった者同士の初めての対面であり、篤姫は英姫と会えることを心底楽しみにしていた。

だが、英姫の態度は終始冷淡なものだった。

英姫は、御簾を下ろした上座へ着座し、決して篤姫に姿を見せない。
そして英姫は、篤姫の将軍への嫁入は、斉彬が一人で思い定めているだけのことであり、誰一人認めていないと言い放った。

篤姫は、将軍への嫁入は実は確定していないとの話に動揺。
そして、自分は英姫から嫌悪されているのかと思い、自分が大名家の分家出身であることが理由だろうかと考え、傷ついた。

【幾島、老女・藤野と交渉】
今回、まずは幾島が動いた。
幾島は、英姫の老女・藤野と談判し、英姫に会わせて欲しいと頼み込んだ。

篤姫は、本家の姫と身分は高いが、たいした実権はない。
そして篤姫と幾島は、薩摩藩邸では事実上孤立している。
江戸に人脈などなく、独自の情報収集は困難であった。
こうなると、御台所の件について情報源は、今のところ英姫だけなのである。

だが藤野は、幾島の懇願を退け、なおも食い下がる幾島を弁えられよと一喝した。
幾島は、この場は引き下がらざるを得なかった。

【幾島、篤姫へ報告】
幾島は、交渉の失敗を篤姫に報告した。
すると篤姫。
それまでは鬱々とした表情を見せていたのだが、幾島の報告を聞くと、何やら吹っ切れたような笑みを浮かべた。

篤姫はわざと薩摩言葉で、英姫は我らのような者には鼻も引っ掛けたくないのだろうと、おどけた口調で言った。
これを聞いた幾島、お国言葉で話さないように指導していたこともあり、ちょっと怖い顔をしてみせた。
だが篤姫は、幾島を見ていたずらっぽく笑っている。

幾島は、英姫と会えるまで、英姫の老女との交渉を何度でも行なう不屈の闘志をにじませている。
だが篤姫は、無理じゃな、といい、あとは行動あるのみと言って笑った。
どうやら篤姫、今の状況を分析した上で、何やら思いついた様子である。

【篤姫、座り込む】
篤姫の作戦。
それは、英姫の書院の前に座り込み、英姫たちを根負けさせて引きずり出すというものだった。

篤姫の座り込みを知った老女・小の島と藤野は、幾島を叱責した。
流石の小の島と藤野も、本家の姫である篤姫を追い払うことはできないのである。
だが幾島、立場上姫には逆らえないといい、篤姫とともに座り込みを続行した。

そして座り込み開始から4日目。
ついに英姫が現れた。
老女・小の島に泣きつかれたから仕方なくだという英姫である。
冷淡に見える英姫だが、小の島のことは大事に思っている様子である。

以前から篤姫は、江戸時代の武家の女性という、男社会に抑圧され選択肢の少ない境遇の中で、自分の持つ数少ないカードを最大限活用し、そしてある時は自分を抑圧するものを逆手にとり、自分の生き様を貫いてきた。
今回も、篤姫の味方は幾島だけであり、篤姫に実権などほとんどなく、あるのは本家の姫という身分の高さだけという、無力な深窓のお姫様の状態なのだが、これを最大限利用した。まさに篤姫の本領発揮である。
ここら辺、後に江戸城無血開城に尽力して江戸の庶民と徳川家を救う政略的手腕が伺えるようで、興味深かった。

【篤姫、再び英姫と対面】
篤姫は英姫に、将軍への嫁入にはそれほど困難があるのかと尋ねた。
すると英姫、斉彬へ聞けと素っ気無い返事である。

だが篤姫に落胆の色はない。
さらに篤姫、自分は大名家の分家の出身であり、だから英姫に嫌われるのか尋ねた。
だが英姫は、問いには答えない。
そして座を立ち、立ち去ろうとした。

篤姫は、思わず立ち上がり、英姫に追いすがった。
だが慌てていたためか、着物の裙を踏んで転倒。
倒れるときに思わず御簾を掴んでしまい、御簾を引きずりおろしてしまった。

篤姫は、初めて英姫を見た。
英姫は、目から下を布で覆っていた。

【幾島、英姫について調査】
早速幾島は、英姫が顔を隠す理由を調べ上げた。
英姫は幼少の頃、病にかかり、顔にあとが残った。
このため、顔を布で隠し、滅多に人前に姿を見せないのだという。

篤姫は、英姫との対面が御簾越しだったのは、必ずしも篤姫を嫌ってのことではないと知り、ほっとした表情を見せた。
同時に篤姫は、英姫は孤独なのかもしれないと、あくまで英姫を理解しようとする様子である。

【老中・阿部正弘、大奥へ招かれる】
1853年11月。
前将軍・家慶の嫡子・家祥は、征夷大将軍に就任。名も「家定」と改めた
13代将軍・家定の誕生である。

そしてある日。
老中首座・阿部正弘は、大奥の家定母子の元へ招かれた。
歓迎するのは、家定生母の本寿院、そして御年寄・歌橋である。

この時家定は、母をモデルに絵を描いていた。
家定は、表向きは阿部を歓迎しているようである。

阿部はダンディーでストイックな紳士であるが、大奥に人気があるのだという。
阿部が大奥に人気があるという話は、史実に即しており、興味深い。
本寿院は、薩摩の姫との婚姻の話を持ち出し、阿部に家定の説得を促す。

その時、家定は「出来た!」といい、絵を皆に見せた。
だが、母をモデルにしたはずなのに、なんとアヒルの絵であった。
本寿院は一瞬絶句するが、ひきつりながらも家定を傷つけないよう笑顔を見せるのだった。
なお家定の絵だが、写実的な絵柄で、技術的には上手に見えた。

いよいよ江戸城大奥の人びとが登場したが、篤姫の将軍への嫁入問題でどのような動きを見せてくれるのか、楽しみである。

【井伊直弼、登場】
1854年正月。
米国のペリー艦隊が再び来航した。
前年に幕府へ求めた国交樹立の回答を求めてのことである。

江戸城では、米国からの開国要求に対し、幕府の有力者たちの意見が対立していた。
まず、水戸前藩主・斉昭は強行に開国に反対し、武力に訴えてでも鎖国を守ることを主張する。
一方、彦根藩主・井伊直弼は、米国との戦争に反対し、開国を支持していた。
「篤姫」では井伊直弼を、品が良く、基本的には人当たりの柔らかい人物だが、自らの信ずるところを断固貫く一面を持つと描いているようである。

斉昭は、直弼の言葉に聞く耳をもっていない。
一方直弼は、初めは斉昭と話し合おうとするのだが、強硬な姿勢を崩さない斉昭にムッとした表情を見せる。
意見が対立するばかりの斉昭と直弼である。

【斉彬、今泉島津家に忠剛を見舞う】
薩摩の今泉島津家では、篤姫の父・忠剛が依然として寝込んでいた。
島津本家から今泉家に命じられた砲台建設は、三男・忠敬が指揮をとり、進み具合を忠剛に報告する。
忠剛は、見舞いに来た肝付尚五郎に、寝ていると於一のことばかり思い浮かぶと話す。

そしてある日。
藩主・斉彬がお忍びで忠剛を見舞いに来た。
ペリー艦隊の再来航のために江戸への出立が急に決まったので、その前に見舞っておこうと思ったのだという。
恐縮する忠剛たちである。

斉彬は、於一に言伝はないか忠剛に尋ねた。
すると忠剛、言伝はないが願いがあると斉彬に申し出た。

斉彬は、忠剛の言うことなら何でも聞こうといい、忠剛の言葉を待った。

この後、斉彬は薩摩を出発。
そして道中で忠剛の死を知った。

【斉彬、江戸の薩摩藩邸に到着】
斉彬が江戸の薩摩藩邸に到着した。
篤姫は早速会いに行くが、老女・小の島に止められた。
小の島は、言葉遣いは丁寧に、だが怒り口調で、篤姫へ告げた。
斉彬は処理すべき案件が溜まって現在多忙であり、いずれ家族全員での対面があると。

篤姫はしぶしぶ納得。
そして、斉彬と二人で会えるのはいつか、小の島に尋ねた。
小の島の怒りは遂に爆発、「そのようなこと、わたくしに分かる訳がありませぬ!」と怒鳴った。
だが篤姫は怒鳴られても特に怒らず、小の島の言葉に素直に納得し、引き返すのであった。

【斉彬、英姫と対面】
薩摩藩邸に到着した斉彬は、正室である英姫のところに顔を出していた。
篤姫が書院に坐りこんだ話を聞き、「お篤らしい」と笑う斉彬である。

話題が篤姫の将軍への嫁入となると、斉彬は幕府にそのような動きがあると告げた。
だが英姫は、否定的な予測を譲らない。

英姫は、斉彬へいう。
篤姫の将軍への嫁入には、徳川一門の特に水戸の斉昭が反対している。
そもそも篤姫を薩摩藩邸に置いておくのは、無意味なことではないかと。

斉彬は、英姫に「そなたの言葉は正しいが、無用に人を傷つける」と言い残し、立ち去ってしまうのだった。

【篤姫、斉彬と対面】
篤姫は、ようやく斉彬と対面した。
斉彬の側室たちとその子たちも一緒だが、英姫はこのような場には出席しないのだという。

だが久々に会えた斉彬は、篤姫から目を逸らし、何やら辛そうである。
対面の後、篤姫は幾島へ、斉彬は薩摩に居た頃とは人が変わったようだと洩らした。

それから間もなく、篤姫は斉彬と二人で対面した。
篤姫は、将軍への嫁入について斉彬へ尋ねた。

すると斉彬。
将軍への嫁入という大きな出来事に様々な思惑が渦巻くのは当然ではないかと笑う。そして自分に全て任せよといい、頼もしい笑みを浮かべた。
この言葉に篤姫、とりあえずは状況を理解し、ひとまずは納得した様子である。

続いて斉彬、家祥の将軍就任を伝えた。
次にペリーの再来航について触れ、幕府は交易は拒んだが、開国したこと、そしてさらに国を開くことになるだろうといい、それまでに国の力を高める必要があると語った。

最新の外交内政情報に、篤姫は強い関心を示す。

だが篤姫には、もう一つ気にかかることがあった。
篤姫は、今泉家の人びとの様子を斉彬に聞いた。

すると斉彬は複雑な表情を見せると人払いを命じた。
家臣たちは全て席を外し、斉彬と篤姫だけが残った。
そして斉彬は篤姫へ、篤姫の実父・忠剛が先月末に亡くなったことを伝えた。

【篤姫、父の願いを知る】
篤姫は、あまりの話に衝撃を受けた。
何故自分は父の死を知らされなかったのか、斉彬へ食ってかかった。

斉彬はこたえた。
それが忠剛どのの遺言だからだと。

江戸へ出立する直前。
斉彬は、今泉島津家の屋敷へ、忠剛を見舞った。
そして忠剛へ、篤姫への言伝はないか尋ねた。

だが忠剛は、言伝はなく、代わりに願いがあると申し出た。
忠剛はいう。
この先、自分の身に何があろうと、於一へは伏せて欲しい。
於一には、心を乱されずに自分の道を一途に歩んで欲しいと。

斉彬は、忠剛どのとの最後の約束を破ってしまったという。
そして、死を伏せて欲しいというのも娘をおもう父の気持ち、それを知りながら伝えたのも父の気持ちなのだといい、自らも席を外した。残ったのは、篤姫ただ一人である。

篤姫は、誰の目も気にせず、父をおもい、泣いた。

【忠剛、於一の姿を見る】
その頃の薩摩。
小松清猷は、妹・お近へ、忠剛へ手向けるために香を焚いてくれるよう頼んだ。

そして今泉島津家を、尚五郎が訪ねた。
忠剛の位牌に手を合わせる尚五郎は、仏前に書物が置いてあることに気付いた。

忠剛の妻・お幸は、尚五郎に話す。
その書物は、於一が形見にと忠剛へ残したものであり、忠剛は最後まで於一のことを気にかけていたようだからという。
そして、忠剛が亡くなる前日のことを話した。

その日。忠剛は、お幸と忠敬に支えられながら、庭に出た。
忠剛は、庭のくろがねもちの木を見上げた。

そして忠剛は、木に登って遊ぶ於一の姿を見た。
忠剛は、於一のお転婆ぶりに笑った。
あぶないから降りてくるよう於一に声をかけた。

直後、忠剛は全身の力を失うが、すぐに目を開いた。
そして忠剛は、言った。
「どこへ行こうと、何と名乗ろうと、於一はわしの子じゃ」


そして江戸。
篤姫は、普賢菩薩に手を合わせ、父をおもい、父との日々をおもった。

【予告】
次回「姫、出陣」
次回は久々に、前藩主・斉興と、何とお由羅の方が登場するようである。
楽しみである。

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