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篤姫 第34回「公家と武家」

  • 2008/08/30(土) 22:40:21

【感想概略】
今回は、いよいよ和宮が女官たちを率いて江戸城大奥に乗り込んでくるお話である。
時期は、1861~1862年2月頃であろうか。

江戸城大奥に来た典司・庭田嗣子をはじめとする女官たちは、将軍を「東の代官」と呼んで見下し、嫁ぎ先のしきたりを尊重する気はゼロ、徳川将軍家に対し、はじめからケンカ腰である。

当然はじまる和宮の女官と大奥の奥女中たちの対立とぶつかり合いが繰り広げられるのだが、京方の女官たちは、廊下で鉢合わせた奥女中たちに道を譲らせるなど精神的に侮辱するのに対し、江戸方の奥女中たちは、女官の裾を踏みつけて転倒させるなど、反撃の方法が直接的であり、対照的でおもしろい。

そして何とか両者が仲良く出来ないものかと天璋院が頭を悩ませ、ついに問題解決めざして行動力を発揮する姿が描かれ、家茂の人間性に心を動かされはじめる和宮が描かれ、おもしろかった。


政略面では、江戸の動きとして、攘夷派浪士が老中・安藤信正を襲撃した事件「坂下門外の変」が描かれていた。
幕閣は和宮降嫁を、幕府権威を高めるために推し進めている。
ところが攘夷派は、和宮降嫁を、朝廷から人質をとる幕府の謀略と思い、幕府への反感と敵意をますます燃え上がらせるばかり、幕閣への敬意などもはやカケラも無い様子である。
公武合体は、最大の目的であるはずの「幕府の権威回復」にほとんど役に立っていないところが描かれ、興味深かった。


一方、薩摩の動きとしては、まず国父・島津久光が小松帯刀と大久保の進言を受け、ついに挙兵上洛を決意する姿が描かれていた。ここら辺、ついに決断した久光が格好よく、すっかり久光の側近となった帯刀と大久保の、実は藩政に絶大な影響力を発揮しているようすが興味深かった。

次に、薩摩藩内の中下級武士の有志グループである精忠組では、有馬たちが大久保との間に溝をかんじ、行き違いが重なり、もはや決裂という姿が描かれていた。のちの寺田屋事件と、のちの明治政府の最高権力者・大久保利通を伺わせ、興味深かった。

そして、久光は帯刀と大久保の進言を受け、西郷を奄美大島から呼び戻すことを承知、西郷が久々に帰還し、大久保と帯刀に迎えられる姿が描かれていた。
全て、まさに幕末の薩摩藩ならではの政略劇であり、興味深かった。

【天璋院、新御殿をリフォーム】
今回は、江戸城大奥の天璋院の居住区画「新御殿」からお話がはじまる。
天璋院の新御殿は、畳も壁もリフォームし、調度品も一新されていた。
これは京から嫁いでくる和宮に、新御殿を明け渡すためである。

天璋院はリフォームされた部屋を見てその清々しさに満足そうであり、リフォームを担当した奥女中・花園に、短期間によくやってくれたと労いの言葉をかけた。
天璋院は、役割を果たした者は正当に評価し、こまめに労っている様子である。

小さなことのようだが、奥女中たちにしてみれば、天璋院は奥女中たちの仕事を正当に評価してくれる主なのである。これも天璋院が奥女中たちに支持される理由の一つなのだろう。

【朝廷からの申し書き】
そこへ御年寄、滝山が現れ、和宮降嫁に当たっての御所からの要求「朝廷からの申し書き」を天璋院に伝えた。
御所からの要求とは、和宮とその女官たちは御所風を守ること、そして明年には亡き父帝の供養のため、和宮は上洛する、などである。
つまり京方は、大奥のルールには一切従わないと宣言しているのである。

だが奥女中たちは、大奥の伝統を守り受け継いでいくことを誇りとしている。
奥女中たちは、自分たちの大事にしているものを京方が踏みにじり、全く尊重する気のないことに納得できない様子である。

特に滝山は、和宮は武家の棟梁である将軍家へ嫁入するのに、将軍家のルールには従わないと言ってのけることは、全く筋が通らないと思っているようである。

天璋院も、御所の要求には内心では驚いている様子である。
だが天璋院、頼もしい笑みを浮かべ、奥女中たちに呼びかけた。
帝の姫が将軍に嫁ぐことは前例のないこと、まずは迎え入れるわれら江戸方がどっしりと構えていようと。
天璋院自ら、一緒に頑張ろうと呼びかけてくれたことに奥女中たちは平伏、光栄に身が引き締まる様子である。

一方、滝山は、複雑な表情を浮かべるが、敢えて無言である。
滝山としては、この場を丸く収めようとする天璋院の言葉に異を唱えれば、奥女中たちを動揺させるだけと判断したというところだろうか。

【和宮、孝明天皇と対面】
京の御所。
和宮は、兄帝・孝明天皇と対面していた。

孝明天皇は和宮に、改めて告げる。
家茂に攘夷を実行するよう伝えてほしいと。

和宮は孝明天皇の言葉に、攘夷を幕府に実行させることこそ自身の使命と、決意を新たにしている様子である。

そして典侍・庭田嗣子と、和宮の母・観行院は、和宮を大事に思うあまり、嫁ぎ先である幕府への敵意全開である。

【和宮と女官たち、江戸城へ到着】
和宮一行は、京を出発。
中山道を進み、江戸城に到着した。

天璋院は、和宮一行到着と聞くと、まずは無事到着を喜んだ。
ところが滝山は浮かない表情で、実は既に京方と江戸方との間で悶着があったこと、そして道中でも悶着が絶えなかったことを伝える。

天璋院は、これまで様々な苦難に直面してきた。
だが、今度の和宮降嫁と庭田嗣子たち女官たちのケンカ腰は、これまであまり出くわしたことのないタイプの苦難であり、天璋院としても手探りで対処するしか無い様子である。

【将軍は「鬼」?】
和宮とその一行は、12月上旬、江戸城大奥の新御殿に入った。
和宮の次の予定は、将軍・家茂との対面である。

だが京方の女官たちは、不満な様子である。
観行院は将軍を「東(あずま)の代官」と呼んで格下扱いし、帝の姫が格下へ嫁ぐなど可愛そう過ぎると目頭を押さえる。
そして典侍・庭田嗣子は、声をひそめ、実はその代官は、蛇とも鬼とも呼ばれていると恐ろしいことを和宮に話す。

観行院も、嗣子も、和宮を味方する心からの発言なのだろう。
だが、その「鬼」と結婚しなければならない和宮は、震え上がっている様子である。

一方、天璋院側。
滝山は、家茂と和宮の対面予定と報告。
そして、家茂が位負けしないことを祈るばかりという滝山である。
天璋院も、家茂と和宮の対面が、少し心配な様子である。

【和宮と家茂】
和宮と家茂の対面の日が訪れた。
江戸城中の一室、対面の間では、滝山を筆頭とする江戸方の奥女中たち、そして庭田嗣子を筆頭とする京方の女官たちが向かい合って居並び、互いに牽制しあっている。
滝山と嗣子は、互いにぷいっと目をそらしあい、仲の悪さ全開である。

和宮は先に着座し、家茂を待つ。
そしてついに家茂が訪れ、和宮の近くに着座した。

家茂は和宮に、道中は寒かったでしょうといたわりの声をかけた。
だが和宮は家茂に目をあわせようともせず、その態度は素っ気無い。
それでも家茂は嫌な顔一つせず、和宮の発言を好意的に受け取ろうとする。

顔を上げた和宮の目に映った家茂は、穏やかな笑みを浮かべる涼やかな男ぶりの若者である。
和宮と目があうと、家茂は好ましい笑みを浮かべた。

対面の後、和宮は「鬼などではなかった…」と呟く。
直接会うことで、和宮の家茂へのイメージは全く変わり、むしろ好印象を抱いた様子である。

天璋院は、家茂と和宮の対面が上手くいったこと、家茂は立派だったことを聞き、安堵し喜んだ。
次は、天璋院と和宮との対面である。

【天璋院と和宮】
天璋院と和宮の対面の日。
天璋院は困惑していた。

滝山の判断で、天璋院は姑として上座につき、和宮は下座につかせるというのである。
しかも和宮は嫁なので敷物は無し、これが武家のしきたりという滝山である。
本当に大丈夫だろうかと、心配そうな天璋院である。

間もなく、和宮が侍女たちを率いて現れた。
すると女官たちは、天璋院側の和宮への扱いを無礼と激怒する。

一方、和宮は無言で従った。
だが天璋院を見る和宮の目は、猛烈に怒っている様子である。

【和宮、天璋院を呼び捨て】
間もなく、天璋院の元へ、和宮からの贈り物が届けられた。
だが、宛名は「天璋院へ」と呼び捨てである。

奥女中たちは自分たちの主・天璋院が侮辱されたと激怒。
滝山も、天璋院に対し礼を払わない京方に、かなり怒っている様子である。

天璋院は、何かの手違いではないかと何とか丸く治めようとする。

だが滝山は、これらの贈り物は3日ほど前に受け取っており、先ほど敷物を和宮に出さなかったことへの仕返しではなく、そもそも初めから天璋院を呼び捨てにしていたのだ、手違いなどではないのだと、整然と説明する。

今回の滝山は、京方に徹底抗戦したい様子である。

【国父・島津久光、挙兵上洛を決意】
現在、薩摩藩の実権を握るのは、藩主の父・忠教である。
この頃、忠教は、久光と名を改め、「国父」と呼ばれていた。

そして薩摩の鶴丸城の一室。
ここで国父・久光と対面するのは、小松帯刀と大久保正助である。
大久保は、藩内の中下級武士の有志グループ「精忠組」のまとめ役である。

久光は、大久保をはじめとする精忠組を、有為な若者たちと考えていた。
そして久光は、大久保を精忠組の総代として、御小納戸役に取り立てていた。

小松帯刀と大久保は、今こそ幕政改革に名乗りをあげる時と久光に強く進言。
帯刀と大久保の言葉にじっと耳を傾ける久光だが、ついに決断。
「みやこへ参る!」と断言するのである。
ここら辺、久光は格好良かった。

さらに小松と大久保は久光に進言する。
奄美大島に潜居する西郷を呼び戻してほしいと。
久光は西郷については、帯刀が必死で守ろうとした若者であること、そして亡き斉彬が高く評価していた家臣であることに強い印象を抱いていた。

そして久光、西郷を呼び戻すことを承知。
間もなく西郷は、奄美大島から薩摩へ帰還するのである。

次回、西郷の活躍に期待したい。

【精忠組内部の不和】
精忠組の内部では、有馬新七たちは幕府に不満を持ち、そして大久保との間に溝を感じていた。

有馬たちの思想は「尊皇攘夷」であり、帝を尊び、外国勢力を打ち払うことである。
まず尊王では、有馬たちの目には、幕閣の推し進める和宮降嫁は、帝から人質を取ることに見えるのである。幕府のやり方が気に入らない。
攘夷という点でも、有馬たちは開国した幕府が我慢ならない。

そして有馬たちは、亡き前藩主・斉彬を深く敬愛。
その一方、有馬たちは、現在の藩の統治者・久光に良い感情を持っていない。

かつて、斉彬と久光の父・斉興が藩主の頃。
薩摩藩内は、斉彬と久光のどちらを次期藩主に推すかで二派に分裂し、激しく対立。
そして当時の藩主・斉興は、斉彬派の藩士たちに大弾圧を加えた。
この事件は、久光の母の名から「お由羅騒動」と呼ばれ、藩内に根深い怨恨を残した。

結局、斉彬が藩主となったのだが、有馬たちは今でも久光を「お由羅の血筋」と呼び、今ひとつ信用できない様子である。

有馬たちの目には、最近の大久保の行動は不審に映る。
大久保は、ただ一人「お由羅の血筋」久光に取り入り、政略について精忠組の同志たちに全てを話そうとせず、何かというと精忠組の突出を止めようとするではないか。
有馬たちが、大久保は志を見失ってしまったのかと失望しても無理はないかもしれない。

有馬たちと大久保の間には、ちょっとした行き違いが積み重なっていたが、とうとう仲間同士が決裂、もはや仲直りは困難な様子である。

次回、有馬たちがどのように描かれるのか、注目したい。

【天璋院、老中・安藤信正を召し出す】
天璋院は、滝山から驚くべき報告を受けた。
何と将軍・家茂が、帝へ直筆の請文を差し出したというのである。

早速、老中・安藤信正を呼んで事情を聞くと、安藤は言う。
攘夷派は、幕府は和宮を人質とし、帝を退位させようと企んでいると噂している。
このデマを払拭するため、請文を差し出したのだと。
さらに安藤たち幕閣は、老中連名の請文を差し出そうとした。
だが京方の公家・岩倉具視は、幕閣に将軍直筆であることを要求、屈せざるを得なかったのだという。

天璋院は、京方からの無礼な要求を断固として退けぬ安藤に激怒し、怒鳴りつけた。
幕政をあずかり、国を動かす者として、気骨は、意地は、誇りは、信念は無いのかと。

ここで天璋院は、井伊大老を思い出して言う。
井伊大老は、強引なところはあったが、それも全て信念に基づく行動であり、信念を貫く立派な為政者だったと。

【天璋院と家茂】
家茂は、天璋院の話を聞くと、おかしそうに笑った。
家茂は、そこまで言われては安藤たちが少し可哀相だといい、安藤たちなりに力を尽くしているのだと話す。

そして家茂は言う。
天下泰平のためならばと、請文を将軍直筆とすることを決めたのは、自分なのだと。

だが家茂、自分の判断は、将軍家を汚したのだろうかと、天璋院に苦しそうな表情を見せる。
将軍は、幕府の最高者であり、責任は全て将軍に求められるのであり、家茂はその重圧に耐え、その責務を果たそうとしている。

天璋院は、手をついて家茂に礼を執って言う。
家茂は将軍として、家茂にしかできないことを為したのだと。

【天璋院、和宮と対面】
天璋院は、どうすれば和宮たちと仲良くできるか、自分の為すべきことを考えた。
そして何かに思い至ると、いきなり行動に移し、和宮の元へ向かった。
従うのは、一緒にいる御年寄・重野ただ一人である。

天璋院はたった一人で敵地同然である和宮の部屋へ乗り込んだ。
周囲には女官たちが居並び、威圧している。

ここで天璋院は、先日の扱いを詫びた。
だが同時に、大御台所の威で女官たちを圧倒。
嫁いだからにはともに徳川将軍家を盛り上げましょうと、ともに天下と徳川将軍家のために力を尽くそうと、高らかに和宮へ宣言するのである。
ここが今回最大の見所であり、天璋院の度胸と、まわりくどい策略は用いずストレートに心でぶつかる姿は見ていて気分が良かった。

庭田嗣子をはじめとする女官たちは、天璋院のもの言いに激怒。
だが、和宮は天璋院の言葉に一理あるとかんじたのか、何やら複雑な様子である。

【坂下門外の変】
家茂と和宮の婚礼間近の頃。
老中・安藤信正は江戸城へ登城の途中、江戸城坂下門外で、水戸浪士たちに襲撃された。
「坂下門外の変」と呼ばれる事件である。
天璋院は、安藤の命に別状はないことを聞くと、ほっとした様子だが、またの凶行に複雑な表情である。

攘夷派は、幕府による和宮降嫁を、「幕府は朝廷から和宮を人質に取った」と思い、幕府への反感と敵意をますます燃え上がらせた。
その一部は、ついに老中・安藤の暗殺を企てたのである。
公武合体は、幕府の権威回復にほとんど役に立っていない様子である。

そして2月、家茂と和宮の婚儀が執り行われた。
次回、天璋院と和宮がどうなるのか、楽しみである。

【予告】
次回「疑惑の懐剣」

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