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篤姫 第37回「友情と決別」

  • 2008/09/15(月) 16:39:54

【感想概略】
今回は、薩摩勢がついに江戸にやって来るお話である。島津久光と天璋院の対決が描かれ、勝麟太郎と小松帯刀の出会いが描かれ、薩摩のやり方に納得できない帯刀の苦悩が描かれ、朝廷が幕府を苦しめることへの和宮の苦悩が描かれ、和宮が徐々に天璋院に心を開く姿が描かれ、そして天璋院と帯刀の久々の再会が描かれ、おもしろかった。

【勅使・大原重徳、幕閣と会見】
1862年6月7日。
薩摩藩主の後見・久光は、藩兵500を率い、勅使・大原重徳を警護し、ついに江戸に到着した。

さっそく勅使・大原は、老中・脇坂安宅と板倉勝静と対面した。
会見には、久光の命により、小松帯刀も同席している。

ここで大原は脇坂たちに、「将軍・家茂が上洛し、朝廷と話し合うこと」「薩摩など有力諸侯を幕政に参加させること」「一橋慶喜と松平春嶽を幕政に参加させること」という勅命を伝え、幕政改革を実施するよう求めた。

だが脇坂は、のらりくらりと話しを引き延ばし、容易に応じようとしない。
どうやら話を立ち消えにさせてしまうつもりのようである。

これに久光は激怒。
大久保にどのような手を使っても構わんと命じた。

【幕閣、幕政改革を受け入れる】
勅使・大原は、再び老中・脇坂と板倉勝静と対面した。
一方、大久保は、隣室に、二人の藩士と潜んだ。
そして二人の藩士は、これみよがしに刀の鯉口を切った。

この音に脇坂は仰天。
さらに小松は、隣室との襖に手をかけた。

これに脇坂は大いに狼狽。
ついに幕政改革の人事については、受け入れてしまう。

薩摩は、脅しで幕府に要求を飲ませたのである。
これにより、一橋慶喜は将軍後見職に就任、松平春嶽は政治総裁職に就任する。

【天璋院、久光との対面を思案】
天璋院は、脅して言うことを聞かせるという薩摩のやり方に我慢ならない。
これは是非とも久光に会い、真意を問いたださねばならんと思う天璋院である。

だが久光は藩主でもなく、無位無官であり、江戸城に召し出す訳にはいかない。
どうしたものか、頭をひねる天璋院である。

すると御年寄・滝山は、間もなく前将軍・家定の命日だという。
天璋院は、滝山のアイデアを即座に理解し、満面の笑みを浮かべた。

間もなく、薩摩藩邸の久光に、内々の対面を求める天璋院の意向が伝えられた。
これに久光、おもしろいことになってきたと喜ぶのである。

【天璋院、久光と対面】
家定の命日。
天璋院は奥女中たちを引き連れ、上野の寛永寺へ墓参りに出かけた。
そして寛永寺の一室。
密かに通された久光と帯刀の前に、天璋院が姿を見せた。

天璋院は、帯刀の姿を見て一瞬動揺。
だが意思の力で平静を取り戻すと、久光へ単刀直入に薩摩の真意を尋ねた。
武力で幕政に介入するとはどういうつもりなのかと。

すると久光は言う。
全ては、日本を欧米列強に負けぬ強い国にするため。
そのために幕政改革を薩摩の手で成し遂げようとしたのであり、自分たちは間違ったことをしたとは思わないと。
だが久光、脅して幕閣に要求を飲ませたことについては、何かの間違いではとしらを切った。

さらに久光、攘夷は不可能と思うが、帝が攘夷の望むので、無理とは言わなかったのだという。
これに天璋院、それは自分たちに都合よく朝廷を動かすため、嘘を言ったのではないかという。

すると久光、出来もしない攘夷を実行すると約束したのは、幕府も同じではと暗い笑みを浮かべる。
ここに天璋院と久光は決裂した。

だが天璋院は、納得できない様子である。

【帯刀と大久保】
帯刀は、脅して幕政改革を受け入れさせた今回のやり方に、やはり納得がいかない。
だが大久保は、時には鬼にならねばならない時があるという。
そして大久保、自分と帯刀は考え方が違うのかもしれないと言い、立ち去った。

ここら辺、後の明治政府の最高実力者・大久保利通を伺わせるように思え、興味深かった。
そして大久保と帯刀は、これから徐々に、違う道を歩み始めるのだろうか。

【帯刀、勝麟太郎と出会う】
帯刀は、越前藩邸を訪れ、前藩主・松平春嶽と対面した。
春嶽は、薩摩の幕政改革の建白内容に好意的な様子である。

そこへ、新たな来客が現れた。
幕臣・勝麟太郎である。
遠慮しようとする勝だが、春嶽は笑って二人を引き合わせた。

勝は、春嶽に政治総裁職の就任を祝う。
そして帯刀が薩摩藩士と聞くと、芝居がかった口調で春嶽に言う。
薩摩は、武力を用い権謀術数を尽くして日本を変えようとしているのであり、用心しないと恐ろしいことになりますぞと。

これに帯刀は気色ばみ、勝に食ってかかった。
痛いところを突かれたが、決して薩摩の権益のために陰謀を巡らせているつもりはなく、面と向かって薩摩を陰謀の巣窟呼ばわりされるとさすがに黙っていられないというところだろうか。

だが勝は笑って帯刀に言う。
今回、薩摩は強引なやり方で幕府に改革を迫った。
そんなやり方は下の下だと。

すると帯刀、実は自分も今回の薩摩のやり方に納得していないという。
これに勝は驚き、そして言う。

上等な人間は、力で人を動かさないもの。
心で人を動かすのだと。

帯刀は、勝の言葉に、強い印象を受けた。
勝もまた、帯刀に好感を抱く。

今後、勝と帯刀の間でどのようなドラマが展開されるのか。
楽しみである。

【天璋院と和宮】
天璋院の元を、和宮が訪れた。
これまで和宮は、無言で天璋院を見つめ続けることが多かったが、天璋院がどうしても気になるらしく、いよいよ自ら接触を開始したようである。

まずは和宮、天璋院に手をつき、今回の朝廷の振る舞いを詫びた。
だが天璋院は、今回の件は、薩摩の責任と言い、薩摩を棄てた故郷という。

すると和宮は言う。
自分は故郷を棄てることなど出来ない。
それは天璋院も同じではないかと。

和宮の言葉に、天璋院は本当の本心を指摘された様子である。
そして天璋院は、小松帯刀との対面を決意。
将軍・家茂へ帯刀を召し出してもらえるよう頼んだ。
勿論快諾する家茂である。

【天璋院と帯刀、7年ぶりに再会】
小松帯刀は江戸城に召し出され、大奥の御広敷に通された。
そして帯刀の前に、天璋院が姿を見せた。
実に7年ぶりの再会である。

まずは天璋院、帯刀に突然呼び出したことを詫びた。
一方、帯刀は恐れがましくて平伏する。
今や天璋院は、将軍でさえ一目置く大御台所なのである。

すると天璋院は、ここは大奥、みんな家族であり、以前と同じように話してくださいと笑う。
そして奥女中たちが、碁盤と碁石を持ってきた。
さっそく碁を打ち始める天璋院と帯刀である。


帯刀は、薩摩の近況を天璋院に話す。
今泉のお幸も、忠敬も元気だと。
もっとも、今泉島津家が、久光に乗っ取られようとしていることは言えないのだが、これは天璋院を苦しめたくないからだろうか。
そして小松家の養子となった時、お近と夫婦になり、既に6年になるのだと話す。

お近と結婚と聞き、流石に驚く天璋院である。

天璋院も帯刀も、もしかしたらしばらく会わない間に、相手が違う人間になってしまっているのではという不安はあったと思う。
だが対局に集中し、語らう内に、互いに本質的なところは変わっていないことが分かり、何より嬉しい様子である。


そして帯刀は、今度の件について、正直に本心を明かした。
今回、薩摩は幕府を脅して、幕政改革を受け入れさせた。
それは、犠牲となった有馬たちの命を無駄にしてはならないと焦るあまり、武力で脅すという手段に訴えてしまったのだが、それは間違いだったと思うと。
そしてある人に、人を動かすのは心なのだと、決して力ではないと言われたと話す。

すると天璋院も話す。
ある人に、故郷を棄てることなど出来ないことと言われたと。
そして天璋院は言う。
自分は徳川の人間として徳川将軍家を守る、帯刀には、愛する故郷・薩摩を守ってほしいと。
帯刀は、天璋院の願いを受け止めた。

対局は、何と帯刀の勝ちである。
天璋院は帯刀に、腕を上げられましたねと笑う。

天璋院は、打ち筋の乱れから、対局相手が真実を口にしているかを読むことが出来る。
帯刀が今回の囲碁で勝ったのは、心に偽りなく対局に集中したこともあるのだろう。

そして天璋院と帯刀は、またの再会を約束しあった。


【生麦事件】
久光たちは幕府との交渉を終え、薩摩勢を率いて江戸を離れた。
一行は街道を進み、薩摩を目指す。
ところが久光の行列は、途中で、馬に乗ったイギリス人たちと出くわした。
だがこのイギリス人たち、道を譲ろうとしなければ、馬から下りようともしない。

この時代、大名家の行列に無礼を働いた者は、その場で斬られても文句は言えない。
そして薩摩藩士は、このイギリス人一行を斬り捨てた。

この事件は、天璋院にも即座に知らされた。
久光は攘夷を不可能と言っていたのに、何故外国人を斬ったのか。
イギリス側に非があるとしても、相手を斬殺してしまった以上、イギリスがこのまま引き下がるとは思えない。
この時代のイギリスは、七つの海に君臨する超大国である。
そんなイギリスを敵に回し、薩摩はどうなるのか、心底不安な様子の天璋院である。

なお、この生麦事件により、英国と薩摩藩は対立。
翌年には薩英戦争が勃発する。


【予告】
次回「姑の心 嫁の心」

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