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李世民(小前亮/講談社文庫)

  • 2008/09/17(水) 23:59:15

李世民すなわち唐の第二代皇帝・太宗は、7世紀前半に活躍した人物である。
李世民は、まず乱世の統一に活躍、さらに統一後は唐王朝の基礎を固め、その業績から中国史上有数の名君と呼ばれ、大変興味深い人物である。
本書は、この李世民の戦いと生き様を描く中国歴史長編小説である。

【感想概略】
李世民が登場する小説はたまに見かけるが、李世民を主人公として真正面から描く長編小説はあまり見かけないので、本作はそれだけでも貴重な一冊である。

本作「李世民」の舞台は、隋末唐初の乱世である。
まず本作では、この隋末唐初の群雄割拠する乱世を、エネルギッシュな英傑たちの活躍した世界と描き、英雄豪傑はどこかユーモラスなところのある魅力的な人物たちと描かれている。
そして主人公・李世民は、控えめで一見涼やかだが熱いところを持ち、人を惹きつける強いカリスマ性を持つ魅力的な人物と描かれている。

本作は、実在の史上の人物を、活き活きとした魅力ある人びとと描き、そして隋末唐初という時代を追体験でき、この時代ならではの雰囲気が楽しませてくれた、おもしろい中国歴史小説であった。


【乱世の英雄・李世民】
この李世民、生まれながらの皇帝ではなく、もともとは隋帝国の有力貴族の出身である。
李世民が10代後半の頃。
隋帝国は各地で反乱が頻発、群雄割拠する乱世に突入した。

この時、父・李淵は諸将を率いて挙兵する。
そして李世民は、諸将とともに父・李淵を助け、武将として活躍。
割拠する群雄たちに立ち向かうのである。

李世民には、まず乱世の英雄のおもしろさがある。
群雄割拠し、時代は煮えたぎり、情勢は混沌として流動的な中、まさに自身の力で時代を切り開いていく、ここが乱世を駆け抜ける英雄の爽快さであり、おもしろさなのである。

【煮えたぎる時代の英雄豪傑たち】
李世民と戦う群雄たち、その配下の英雄豪傑たちも、それぞれに生き様があり、どこか愛嬌があり、憎めない人びとと描かれている。

物語のおもしろさは、人物の魅力がかなり大きな部分を占めるが、本作の人物たちは、悪人も忠臣もみなそれぞれに魅力的である。
だからこそ物語が盛り上がるのであり、群雄たちと李世民との戦いとなれば、さらに盛り上がるのである。

【漢が惚れる李世民】
李世民は戦いの中で、英雄豪傑や智謀の士をどんどん招いて人材を充実させていく。
これが、次の勝利に繋がっていくのである。
ここら辺には、まず、頼もしい仲間がどんどん増えていくおもしろさがある。
そして李世民の元に集まる人々は、李世民と出会うとその人間的魅力に男惚れするのであるが、これも本作の大きなおもしろさであり、李世民はまさに「漢が惚れる男」として描かれているのである。


本作の作者の他の作品も、いずれ文庫で刊行されることを期待したい。



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