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暴れん坊少納言(かかし朝浩/ガムコミックスプラス)

  • 2007/07/26(木) 23:58:20

平安時代中期、「枕草子」の著者として有名な才女・清少納言を、16歳の少女として描いたマンガ作品。
中宮定子に仕える少し前のブラブラしていた頃から物語ははじまり、宮仕え、そして「枕草子」執筆に至る清少納言の苦悩がコミカルに描かれている。

【感想概略】
表紙は、真正面に向かって不敵にニッカリ笑う十二単の少女。
オビには「平安中期の天才エッセイスト清少納言。この少女、いとツンデレなり」の文字。

平安時代の有名人を独特の味付けで描き、平安時代中期の文化的な雰囲気が活き活きと描かれており、おもしろかった。

恋愛に重きを置かずカラッとしているあたりも、気に入った。
なお、「枕草子」執筆に至る清少納言の苦悩と葛藤が描いた作品は、珍しい気がする。

【平安時代を魅力的に描く】
「暴れん坊少納言」は、史実を厳密に描いているわけではなく、物語を面白くするため、かなり大胆な独自設定を行なっているのだが、平安時代という「その時代特有の雰囲気」は、描かれているとかんじた。

歴史を題材に描く作品では、このような描き方も有意義に思える。
ガチガチに史実にこだわるのは野暮な気がした。

なお、描き下ろし漫画「平安高校課外補習」では、「暴れん坊清少納言」と史実の違いについて触れている。

【平安人を魅力的に描く】
歴史を題材とした作品のおもしろさの一つは、史実の人物をどのように描くか、血の通ったキャラクターとして描けるかである。

史実の人物を物語に登場させる場合、一歩間違えると無味乾燥な人物造型となってしまう危険性があるが、本作「暴れん坊少納言」の登場人物は皆、活き活きとして魅力的であった。

【清少納言】
16歳の型破りな少女。
破天荒な行動言動の一方、漢詩漢籍に通じ、豊かな感受性をもつ。
趣味は、昆虫採集(?)。

口よりも先に手が出る性格らしく、足払い、鉄柱攻撃、凶器攻撃が得意。
まさに「暴れん坊清少納言」?!

紫式部と出会い、ライバル心を抱き、自分もウケる小説を執筆しようとするが、上手くいかず。この小説執筆を試みるエピソードも、おかしくて面白かった。

だがこれをきっかけに、「色恋をからめず」自分のかんじたことを表現したエッセイ「枕草子」の執筆に至るのである。

なお、史実の清少納言が宮仕えしたのは28歳の時、一子をもうけた夫・橘則光との離婚後のことである。

【橘則光】
朝廷に出仕する無骨で素朴な青年。清少納言と見合いで知り合うが、破談となったらしい。
握力がなくなるまで木刀を振るのが趣味(?)。

清少納言によってはじめて「風流」を知ったと思っている。

真っ直ぐな性格のため、たまに物事の本質を突く発言をするのだが、本人は思った通りを口にしただけとおもっている。

史実では清少納言の夫。

【定子】
一条天皇の中宮(皇后のこと)。
気だるげな美女であり、独特のカリスマ性を漂わせるサロンの女主人といった風情である。

人を見る目はあるらしく、清少納言の才能を見抜き、自らの女房にスカウト。
退廃的な雰囲気とは裏腹に清少納言の才能の開花を見守り、「枕草子」執筆の手がかりを与えた。

【紫式部】
寡黙な天才少女小説家。
「源氏物語」を発表、さらに続きを執筆中。

作品執筆のネタ探し中、清少納言と出会う。
快活な清少納言とは反発しあうが、彼女のことを気にせずにはいられないらしい。

史実では、清少納言と面識はなかったらしい。

この他、清少納言の気だるげな侍女・蔦(ツタ)、橘則光の友人・女たらし公家の藤原宣孝とお坊ちゃん公家の藤原斉信、中宮定子の女房・宰相の君と和泉式部、などなど、独特の活き活きとした人物造型で、おもしろかった。



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