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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第38話「天使を狩る者」

  • 2016/12/26(月) 01:43:10

【感想概略】
今回は、モビルアーマーと三日月の駆るバルバトスとの決戦、対モビルアーマー戦で三日月が後遺症を負ったことに苦悩するオルガ、場をわきまえずに証拠もなくマクギリスを批判するイオクを叱責するラスタル、これを侮蔑と思いその打開のためジャスレイと会うことを決意するイオク、そして三日月のモビルアーマーとの戦いぶりから根本的な世直しを決意するマクギリス、などなど盛りだくさんの内容であり、戦闘描写は「鉄血のオルフェンズ」における最強同士の頂上決戦で迫力があり、面白かった。

【バルバトス対モビルアーマー】
前回、クリュセ市へ進むモビルアーマーの前に、マクギリス、石動、ジュリエッタ、ライドがそれぞれモビルスーツで立ち塞がるが、ことごとく叩きのめされてしまう。
そこに三日月がバルバトスで出現、モビルアーマーのビーム砲からライドを救った。

そして今回、三日月はバルバトスでモビルアーマーに戦いを挑む。
マクギリスは援護を申し出るが、三日月はこれを断り、単機でモビルアーマーの間合いに踏み込んでいく。
これにモビルアーマーは刀剣を装着した長大な尻尾による斬撃を次々と繰り出す。

その死の壁の如き猛攻に三日月は、自分の命を顧みないかのような骨を斬らせて肉を断つ戦いぶりで、バルバトスに攻撃を浴びながらも敵機にはそれ以上の打撃を与え、自機の右腕を失い、コックピットを損傷しながらも、確実にモビルアーマーの力を削いでいく。

そして三日月はバルバトスで、石動のヘルムヴィーゲ・リンカ-の巨大な刀剣を握ると、モビルアーマーに渾身の一撃を浴びせ、続けて止めの斬撃を繰り出し、敵機の機関中枢を破壊した。
モビルアーマーは爆発炎上し、完全にその機能を停止。随伴機プルーマ-の群れも、全て動きを止めた。

三日月の人間離れした戦いぶりに石動とジュリエッタは驚愕、言葉もない。
そしてマクギリスは、三日月の戦う姿は自分の迷い晴らしてくれたと何やら吹っ切れたような笑みを浮かべるのである。

【オルガとマクマード】
一ヶ月後、オルガはテイワズの本拠地、巨大宇宙船「歳星」でボスであるマクマード・バリストンと対面していた。
オルガはマクマードに、自分たち鉄華団はこれからどう転ぶか分からない戦いに挑む、自分たちの存在がマクマードの邪魔になるようなら親子の縁を切ってもらいたいと、親子の盃を差し出した。

するとマクマードは言う。
盃は受け取っておく。テイワズとしても今火星のシノギを捨てる訳にはいかないのであり、咎めるつもりはない。だがテイワズを裏切るようなことがあれば、この盃を叩き割るだけでは済まないと。

【ギャラルホルン会議】
地球のギャラルホルン本部では、有力者会議が開かれていた。

席上、マクギリスは報告する。
自分が火星に行ったのはあくまでモビルアーマーの視察のため。
だがそれを邪推したイオク・クジャンの介入により、モビルアーマーが目覚めてしまった。
ファリド家が現地の武装組織と協力し、モビルアーマーを撃破したことで事なきを得たが、一歩間違えれば市街地が蹂躙され、火星は大惨事となっていただろう。

これにイオクは反論する。
すべてはマクギリスが野心のため、七星勲章欲しさのために仕組んだことと主張する。

だがマクギリスはこれを否定、出席者の誰も、ラスタルすらも、イオクの主張を支持しない。
それどころかラスタルは、マクギリスのモビルアーマー鎮圧を賞賛する。
イオクはこれに衝撃を受けている様子だが、出席者は皆、イオクのことを少し持て余しているようである。

会議の後、イオクはラスタルに訴える。
なぜ、マクギリスに野心ありとあの場で糾弾しないのかと。

するとラスタルは言う。
野心の正体を掴めないのに糾弾しても意味はない。
そもそも我々ギャラルホルンは秩序の番人。それが物事の順序を乱せば、必ずや足元をすくわれるだろう。
ラスタルはまるで厳しい父のようにイオクを諭し、「頭を冷やせ。イオク・クジャン」と言い残して立ち去った。

だがイオクは、ギャラルホルンは例え目的が正しくともルールを無視してはならないというラスタルの忠告が今ひとつ理解できなかったようで、ラスタルに侮蔑されたと思い込んだ。

そして、自分がラスタルに侮蔑されるようなことがあれば、散っていた部下たちに顔向けできないと思い込み、この状況を解消する方法として、テイワズのジャスレイと会うことを決意するのである。
ラスタルの願った方向とは全く違う方向に向かって全力疾走をはじめたイオクであるが、今後のラスタル陣営が心配である。

【オルガと名瀬】
マクマードとの対面の後、オルガは別室で名瀬に会っていた。
名瀬は、今回の件が上手く行けば自分は本部の若頭に昇進と明かし、鉄華団の兄貴分である自分に肩書をつけて鉄華団の手綱をしっかり握れということなのだろうと言う。

そして名瀬はオルガに問う。
火星の王とは、家族のために本当にオルガが目指すべき場所なのか。
家族のためならば、他にも方法はあるかもしれないではないか。
それでも結局のところ、鉄華団は戦うしか道はないのかもしれない。
だが今のオルガはこう叫んでいるように見えるのだ。
「目指す場所など関係ない。とにかく早く上がって楽になりたい」と。

【クーデリア、三日月を見舞う】
クーデリアは鉄華団本部に三日月を見舞っていた。
三日月はモビルアーマーとの戦いに勝利したが、阿頼耶識のリミッター解除の後遺症により、右半身の自由を失い、右足も動かなくなっていた。

兵舎の簡易二段ベッドで寝たきりの三日月に、アトラが差し入れのシュークリームを渡すと、三日月は無表情ながらも嬉しそうである。
かなり痛ましい状況の三日月であり、クーデリアは心を痛めているが、本人はあまり気にした様子がない。

そしてアトラもまた、三日月のことに心を痛め、その内面は全く平静ではない。
見舞いの後、クーデリアは一緒に歩くアトラに言う。
三日月が変わらないことをずっと恐れていた。だがこんなことになっても三日月は変わらなかった。これでまたどこかへ行ってしまったらと。

するとアトラは「クーデリアさんの前世って何ですか?」と唐突に尋ね、クーデリアを困惑させる。
さらにアトラは、後遺症が残っても三日月は変わらず、変わらないことは嬉しいはずなのに、次にどこかに行ったら三日月はもう戻って来ないような気がしてと言い、涙を流す。

クーデリアは、アトラも深く傷ついているのだと思ったようで、アトラを抱きしめようと近づく。
するとアトラは突然、クーデリアの両腕を掴み、三日月と子供をつくってほしいと頼み込んだ。
これにはクーデリアも驚愕である。

【マクギリスと石動】
ギャラルホルン地球本部でマクギリスは石動に、バルバトスを駆る三日月の戦いをどう思うか問うた。

すると石動は言う。
力量は認める。だが理性無く、ひたすら破滅へと突き進む、己が身まで食い潰すような、あの戦いざまには抵抗を覚えたと。

確かに三日月の戦い方は後のことを全く考えておらず、バルバトス及び三日月が今後も長く戦力となるという視点が無い。今後の鉄華団のことを考えても合理的とはいえない。

が、マクギリスは不敵に笑って言う。
「しかしあの強さは本物だ。バルバトスが、三日月・オーガスが再認識させてくれたよ。真の革命とは、腐臭を一掃する鮮烈な風だ。本物の強さだけが、世の理を正しい方向へ導く」

マクギリスとしては、ギャラルホルンの改革ではなく、ギャラルホルンそのものを解体しての世直しを決意したということだろうか。

【オルガと三日月】
オルガは、三日月がモビルアーマーとの戦いで後遺症を負ったことに苦悩していた。
そして名瀬の、とにかく早く上がって楽になりたいという気持ちがどこかにあり、それで生き急いでいるのではないか、という指摘も頭を離れない。

オルガは夜の兵舎を訪れ、一人眠る三日月を見つめながらつぶやく。
「俺は謝らねえぞ…」

すると三日月が目を開け、左腕左足だけで立ち上がろうとするが、バランスを崩してベッドから落ちてしまう。

オルガは驚き、腰をかがめて左腕を伸ばす。

すると三日月はオルガの左手を掴んで言う。
こうなっても悪いことばかりではないと思っている。
以前、クーデリアは戦わなくても済む世界を作ると言っていたが、考えてもよく分からなかった。
でも、もう考えなくてもいい。自分はもうバルバトス無しでは走れない。戦わなければ生きていけない。

そして三日月は言う。
「オルガ。俺を連れてって。オルガの指示があれば俺はどこへだって行ける。謝ったら、許さない。」

オルガは左手に力を込めて三日月を起こし、左手を握りしめて言うのである。
「分かってる。謝らねえよ。俺がお前を連れてってやる。」


【予告】
次回「助言」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第37話「クリュセ防衛戦」

  • 2016/12/19(月) 01:15:56

【感想概略】
今回は、クリュセ市に迫るモビルアーマーの脅威に鉄華団は武略と知略を尽くして立ち向かうが、またまたイオクが余計なことをして状況をさらに悪化させてしまう。さらにガンダムはモビルアーマーに近づくとパイロットへの負荷を著しく高め、その身体機能や命を危険に陥らせることが発覚し、オルガは三日月に今回の作戦から外れるよう言い聞かせるが、三日月はバルバトスでモビルアーマーの前に立ち塞がる、というお話である。キャラクターそれぞれに見せ場があって見応えがあり、戦闘描写は迫力があり、面白かった。


【バルバトス、動かなくなる】
前回、ライドはモビルスーツを駆り、殺戮兵器モビルアーマーから農業プラントの人々を守ろうと奮闘する。
だがモビルアーマーはビーム砲で農業プラントを砲撃、人々を一瞬で全滅させた。
さらにモビルアーマーの随伴機プルーマ-の群れがライド機に襲いかかり、ライドは絶体絶命の危機に陥るが、三日月がバルバトスで駆けつけ、ライド機に群がるプルーマ-たちを叩きのめし、ライドを救った。
だがバルバトスはモビルアーマーを前に目を青く光らせると、三日月のコントロールを受け付けなくなってしまう。

【マクギリスとヴィダール】
モビルスーツで荒野を疾走するマクギリスと石動の前に、ヴィダールの駆るガンダム・ヴィダールが出現した。
このまま戦闘になるのかと思ったが、意外や意外、ヴィダールは、マクギリスを眼前にしたからといって冷静さを失うことは無い。

ヴィダールは通信で、グレイズリッターを駆るマクギリスに言う。
マクギリスを愛し、散っていったカルタ・イシューと同じ機体に乗るその気持が分からないと。
そしてヴィダールはジュリエッタから、イオク救出の応援に来るよう通信を受けると、あっさりと立ち去ってしまった。

ヴィダールの言葉に、マクギリスは何かを察しているようである。

【二番隊、モビルアーマーの進路変更に成功】
昭弘の率いるモビルスーツ二番隊はライドを助けるため、モビルアーマー及びプルーマ-たちの背後から猛砲撃を浴びせ、敵を引きつけようとしていた。
だが昭弘はグシオンリベイクで大砲の照準にモビルアーマーを捉えた途端、大量の血を鼻から吹き出して気を失ってしまう。

これにチャドはランドマン・ロディで飛び出してグシオンリベイクを受け止め、昭弘を救う。
さらにチャドはランドマン・ロディで巨大な鉈をモビルアーマーに投げつけて命中させた。

この一撃は少しは効いたようで、モビルアーマーは、チャド機の方を向くと進み始めた。
二番隊はモビルアーマーを作戦ルートへ進ませることに成功したが、グシオンとバルバトスに異常が発生しており、予断を許さない。

【ザック、ガンダム停止の原因を解明】
オルガは二番隊から連絡を受けると一番隊とラフタ、アジーに出撃を要請、そして雪之丞にバルバトスとグシオンの調査を依頼した。

間もなく雪之丞は、新兵ザックたちを引き連れてグシオン、バルバトスの元に駆けつけて調査を行なう。
するとザックはグシオン、バルバトスのシステムログを確認して言う。
ガンダムでは、機体出力を全開にしようとするシステムが動作している。
一方、阿頼耶識からパイロットにフィードバックされる情報力を制限するシステムも動作している。
この二つがぶつかり合っており、このため機体が正常に動作しなくなっているようだと。

ザックの知識に驚く雪之丞に、鉄華団に入る前にこの手のことを勉強していたと自慢げにニヘラと笑うザックである。

早速雪之丞はオルガに通信し、ガンダムにはモビルアーマーに反応するシステムが組み込まれており、悪くすればエドモントンの二の舞いだと伝えた。
かつてエドモントンの戦いで、三日月はバルバトスのリミッターを解除してグレイズアインと戦い、圧倒的な強さの敵を撃破した。
だがリミッター解除の代償は大きく、バルバトスからフィードバックされるあまりの情報量の負荷により、三日月は右目を失明し、右腕が動かなくなったのである。

【モビルアーマー急加速】
オルガはバルバトス、グシオン抜きで作戦遂行を決意、一番隊にモビルアーマーの足止め、ユージンには罠の設置を急ぐことを依頼する。

モビルスーツ一番隊、そしてラフタとアジーは苦戦しながらも敵モビルアーマーの進行を出来得る限り遅らせ、どうにかユージンたちによる罠の設置は間に合いそうである。

だがその時、モビルアーマー及びプルーマ-の群れが突如加速。
罠の設置地点をあっという間に通り過ぎてしまう。

またもやイオク・クジャンがレギンレイズでモビルアーマーを砲撃したのである。
イオクは部下の仇に一矢報いたつもりであり、ここで潔く死ぬつもりである。

だがそこにジュリエッタがモビルスーツで出現。
「バカは死んでも治らないのであれば、無駄なので生きて下さい」というとイオク機を救出し、離脱した。

一方ユージンは作戦失敗をオルガに報告、思わず「あのギャラルホルンのアホが…一体どうなってんだ?!」とつぶやくが、その気持よく分かると思った。

【オルガ、マクギリスに助力を依頼】
作戦本部でオルガはシノに連絡、ガンダム・フラウロスの出撃を要請した。
フラウロスでモビルアーマーとプルーマ-の群れを分断し、単機となったモビルアーマーを総力で撃破するのが、オルガの作戦である。

さらにオルガはマクギリスに連絡し、モビルアーマー撃破への参加を要請した。
これをマクギリスは快諾するが、マクギリスとしては、自分たちがモビルアーマー撃破の決定力となり、鉄華団に対してはあくまで自分たちが主導権を握るという作戦である。
これに石動は「最終的な名誉と功績は、全て我々が手にするということですか」と悪そうに笑う。

オルガは、マクギリスの戦闘参加に「これで何とかなる…」と言う。
だが雪之丞はオルガに問う。
今回の仕事は、鉄華団の力をギャラルホルンに見せつける機会であったはず。なのにエース級の戦力をギャラルホルンに依頼してしまってよいのか。今回の対応次第では、鉄華団がギャラルホルンと対等に渡り合えるか、それとも都合の良い駒になるか、今後の互いの力関係に影響が出るのではないかと。

これにオルガは「仕方ねえだろう…」と苦い表情で言う。
クリュセを見捨てるわけにはいかない、そもそも今回の作戦は、モビルアーマー本体とプルーマ-を分断できれば成功なのであり、面子の問題だけで危険な目に合うことはない。
それにいざとなれば、テイワズから貰ったオルガ専用のモビルスーツがあると。

すると三日月は「それはダメだ」と言う。
普段オルガの判断を当たり前のように受け入れる三日月だが、オルガが一兵卒として戦うことは、オルガの意志であっても認められないということだろうか。

【ガンダム・フラウロス、電磁投射砲で砲撃】
シノはガンダム・フラウロスで戦場へ急行していた。
その膝の上には、ヤマギが横座りし、タブレット端末でフラウロスの火器管制システムを確認している。

この作戦には、フラウロスの新装備を使用するのだが、シノはその使い方がよく分からないのでヤマギを同乗させたそうで「説明書がわりだ」と笑うシノであり、ヤマギは「もう…」とふくれて見せながらも嬉しそうである。

間もなく、フラウロスは砲撃予定地点に到着したが、砲撃可能範囲にモビルアーマーを確認できない。
するとライドはモビルスーツを駆って、モビルアーマーに飛びかかって挑発、そのままモビルアーマーを誘導して疾走。
ついにモビルアーマーをフラウロスの射界に引きずり出す。

するとフラウロスはヤマギの操作によって変形、四足の砲撃形態に姿を変えた。
そしてシノは「唸れ!ギャラクシーキャノン発射!!」と叫び、機体背面に装着した二門の電磁投射砲で砲撃した。
その砲弾は岩盤を貫通し、崖を大崩落させ、モビルアーマーはプルーマ-と分断された。

【モビルアーマーVS三日月】
残るはモビルアーマーのみである。
マクギリスのグレイズリッター、石動のヘルムヴィーゲ・リンカ-は、敵機に刃を向ける。

その時、ジュリエッタがレギンレイズでモビルアーマーに突撃した。
全ては、モビルアーマーを討ち取った者に与えられる七星勲章をラスタル・エリオンに献上するためである。

ジュリエッタは敵機の間合いに踏み込むと近接戦闘に持ち込む。
ジュリエッタとしては、いかにモビルアーマーといえでも張り付かれたら火器は使えず、打撃技を繰り出すことも難しく、勝機があると思ってのことだろう。

これにマクギリスのグレイズリッター、石動のヘルムヴィーゲ・リンカ-も、ラスタル・エリオンの配下に戦果を奪われてはならぬとモビルアーマーに鋭い斬撃を次々と繰り出す。

だがモビルアーマーは巨体に似合わず動きは俊敏であり、刀剣を装着した長い尻尾で変幻自在の攻撃を繰り出し、二本の足で鋭い蹴りを繰り出し、ジュリエッタ、マクギリスと石動、そしてライドをまとめて相手にしてもなお圧倒し、ことごとく叩きのめしてしまう。

そしてモビルアーマーは、右腕を失ったライド機に狙いを定め、ビーム砲を砲撃した。
その時、何者かがライド機の右腕を掴んでモビルアーマーのビーム砲に投げつけ、ライド機を救う。
三日月の駆るバルバトスの仕業である。
これにはマクギリスも驚愕である。

これより少し前、オルガは、バルバトスでモビルアーマーと戦うという三日月に大反対していた。
エドモントンでの戦いのようにリミッターで異常が発生したら、三日月はまた身体機能を失う危険性がある。オルガとしてはそんなことはさせられない。

だが三日月は、バルバトスが使えるのであれば身体の一部が動かなくなっても今とそう変わらないだろう、そもそもオルガは最短で行くと言ったではないかと淡々と言う。
しかしオルガには納得できることではなく、「そのためにお前が犠牲になるんじゃ…」と、もはや純粋に三日月を大事に思う本音を口にする。

すると三日月は言う。
「俺の命は、もともとオルガにもらったものなんだから。俺の全部はオルガのために使わなくちゃいけないんだ」

そしてモビルアーマーをバルバトスで迎え撃つ三日月は、愛機に語りかける。
「あれはお前の獲物なんだろう?余計な鎖は外してやるから見せてみろよ。お前の力」

三日月の右目から血が流れ、バルバトスの右目が赤く光った。

【予告】
次回「天使を狩る者」

予告映像を見ると、バルバトスは腰に打撃を受けており、三日月が横になっていたりと、三日月は大丈夫なのかと気になるところである。次回も注目したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第36話「穢れた翼」

  • 2016/12/12(月) 01:43:41

【感想概略】
今回は、甦ったモビルアーマー及びプルーマ-の群れに鉄華団とマクギリスが立ち向かい、これをイオクが悪気なく足を引っ張りまくるお話である。
死神のようなモビルアーマーを恐れるでもなく「すごくきれいだった。地球で見た鳥みたいだ。」と感性でとらえる三日月、久々の現場仕事に生き生きするオルガと、オルガは現場で皆と働くことが好きなことを理解しているメリビット、それぞれ有能なシノと昭弘、人命を守ろうと奮闘するライド、立場の弱い人々を見捨てて真っ先に逃げるわけにはいかないと踏みとどまるクーデリアとそんな彼女に笑顔でつきあうアトラ、イオクが自分のやっていることが全く役に立っておらずむしろ問題を悪化させていることを理解していないことに怒りの色を見せるジュリエッタが描かれ、見応えがあり、面白かった。
特にライドが無事でほっとした。

【イオク隊壊滅】
前回、オルガはマクギリスを鉄華団のハーフメタル採掘場に案内した。
採掘場から発掘された巨大な機体が、かつて厄祭戦で猛威をふるった無人の殺戮兵器「モビルアーマー」である可能性が高まり、事態を重くみたマクギリスがお忍びで火星を来訪、オルガに案内を要請したのである。
だがそこにイオク・クジャンの率いるモビルスーツ隊が出現、イオクはマクギリスの制止を無視してモビルアーマーに近づく。するとモビルアーマーはモビルスーツを検知して起動してしまう。

そして今回。
モビルアーマーは先端に刀剣を装着した尻尾でイオク機に強烈な一撃を繰り出し、大打撃を与えた。
これにイオクの部下たちは、イオクを守って果敢に戦う。
が、モビルアーマーは巨体・怪力・重装甲に加えて動きも素早く、その随伴機プルーマ-の群れもなかなかに強く、部下たちはイオクを庇って次々と討ち取られていく。
ついに僅かに残った部下たちは、自分たちが防ぐ間に落ち延びることを進言。
イオクは部下を見捨てることに強く躊躇するが、部下たちの必死の訴えに、ついに撤退した。

なおこのモビルアーマー、公式HPによると「ハシュマル」という名である。

【鉄華団とマクギリス、打倒モビルアーマーで共闘】
モビルアーマーとプルーマ-の群れは、イオク隊を壊滅させると立ち去った。
オルガは、シノの率いるモビルスーツ一番隊と合流した。そしてシノから、イオク隊のモビルスーツはことごとくコックピットを念入りに破壊され生存者はいないこと、採掘場の燃料タンクと資材倉庫が破壊されたとの報告を受けた。

するとマクギリスは言う。
モビルアーマーとは人を殺すことに特化した自動機械であり、だからモビルスーツのコックピットが徹底的にされたのである。モビルアーマーとは天使の名を持つ人類の厄災であり、かつて人類に敵対し、人口の4分の1を殺戮した化物なのだ。
そして半永久機関であるエイハブリアクターと異なり推進剤やオイルは消耗品であり、補給のために倉庫を襲ったのだと。

これにオルガは、補給が必要なら奴も機械であり、ならば鉄華団に倒せないことはないと闘志を燃やす。
するとマクギリスは、今回のことは我々ギャラルホルンの失態と言えるが、あれを掘り出したのは鉄華団というと、オルガは投げ出すつもりはないと言う。オルガとしては、自分たちの発掘したものが問題をおこしたことに責任を感じているようである。
こうして鉄華団とマクギリスは、打倒モビルアーマーの共闘を開始するのである。

【モビルアーマー迎撃作戦、発動】
副官・石動とマクギリスは、オルガたちに言う。
モビルアーマーの最も厄介な点は、無数に引き連れている子機プルーマ-である。プルーマ-は、攻撃だけでなく、モビルアーマー本体を修復する機能を持っている。
さらにモビルアーマー本体にはプルーマ-の生産機能があり、時間と資材さえあれば無限に増え続けるのだ。

そして今回のモビルアーマーであるが、修復を済ませ次第、人間を殺すため、人口密集地を目指すはずである。だから追撃するより、奴の進路に罠を張り、迎え撃つのが得策であると。

ここから一番近い人口密集地は、クーデリアも住んでいるクリュセ市である。
こうして鉄華団とマクギリスたちは、クリュセ市へ向かうモビルアーマー及びプルーマ-の群れを迎え撃つ作戦を発動するのである。

【クーデリア、市内に踏みとどまる】
三日月はクリュセ市へ急行、アドモス商会のオフィスを訪れ、クーデリアにモビルアーマーの脅威が迫っているのでシェルターへ避難するよう伝えた。

だがクーデリアは避難しないという。
そもそもシェルターはクリュセ市の全員を収容できる広さではない、そうなれば弱い立場の人々が爪弾きにされてしまうだろう、そういった人々の助けとなるようアドモス商会をたちあげたのに、真っ先に逃げ出してはこの先誰も信用してくれなくなると。
「三日月たちが命をかけて戦っているように、私も自分の仕事に命をかけたいのです」と微笑むクーデリアである。

これにアトラはなら自分も逃げない、この町には女将さんもいるし、クーデリアを放ってはおけないと笑う。

すると三日月は「分かった」と言い、立ち上がった。

【イオク、モビルアーマーを砲撃】
昭弘の率いるモビルスーツ二番隊は、谷底を進むモビルアーマー及びプルーマ-の群れを見張っていた。モビルアーマー及びプルーマ-たちは意外と速度が遅く、これなら作戦の準備に余裕が出来ると昭弘は頼もしい笑みを浮かべる。

その時、何者かがモビルアーマーを狙撃した。
イオクの駆るレギンレイズである。イオクとしては部下の仇に一矢報いたつもりなのだが、モビルアーマーは全くダメージを受けていない。それどころか、モビルアーマーは狙撃された方向へ進路を変更、鉄華団の作戦を狂わせるのである。

【ライドの奮闘】
モビルアーマーの進む先には、農業プラントがあり、少数だが人々が居住している。
二番隊のライドは農業プラントの人々を避難させようと、単機で先行した。
そして昭弘たちは、二番隊のモビルスーツでプルーマ-の群れを背後から砲撃、何とかモビルアーマーの進路を変更させようとする。
だがモビルアーマーはプルーマ-が次々と撃破されても無視、粛々と農業プラントへ向かう。

ついにモビルアーマーは、農業プラントを射程に捉え、ビーム砲の照準をあわせた。
ライドは人々を守ろうとモビルアーマーの前に立ち塞がる。

そしてモビルアーマーはビーム砲を発射した。
ビーム光線はライド機に命中、ナノラミネートアーマーの表面で弾かれ、複数の光線に分裂するが、進路はさして変わらず、次々と農業プラントに命中、大爆発を起こした。

ナノラミネートアーマーによりライド機はほぼ無傷だが、農業プラントは大炎上し、黒煙を上げている。
ライドは虐殺に激怒。
襲いかかるプルーマ-をモビルスーツの拳で殴り、剣で殴り、次々と撃破する。

だが多勢に無勢。
ついにライド機は飛びかかるプルーマ-の群れに埋まり、もはや抵抗の術を失ってしまう。

その時、ライド機に群がるプルーマ-が何者かに殴られ、次々と宙に舞っていく。
三日月の駆るバルバトスの仕業である。

その頃、マクギリスの駆るグレイズリッターと、石動の駆るグリムゲルデの改修機ヘルムヴィーゲ・リンカ-はモビルアーマー迎撃作戦に参加するため荒野を疾走していた。

すると二機の前に、一機のモビルスーツが着地した。
仮面の男ヴィダールの駆るガンダム・ヴィダールである。

【予告】
次回「クリュセ防衛戦」

まずはオルガがシノに与えた策と、シノの駆るガンダム・フラウロスの初陣、ガンダム・ヴィダールとマクギリスとの戦い、そして何より鉄華団が、いかにモビルアーマーと戦うかに注目したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第35話「目覚めし厄災」

  • 2016/12/05(月) 01:14:04

【感想概略】
今回は、テイワズの事実上のナンバーツー、ジャスレイが鉄華団と名瀬の足を引っ張るためにギャラルホルンのセブンスターズへ情報を流し、鉄華団のレアメタル採掘場で発掘された謎の兵器は、かつて厄祭戦で猛威をふるった無人の殺戮兵器モビルアーマー及びその付属品であること、そしてモビルスーツはモビルアーマーを倒すためだけに作られたものであることが明かされ、そのモビルアーマーを確認するためマクギリスは自ら火星に行き、オルガたちと採掘場を訪れるが、そこにイオク・クジャンの率いるモビルスーツ隊が乱入、マクギリスを拘束しようとするが、イオクのモビルスーツを検知してモビルアーマーが目覚めてしまい、というお話であり、面白かった。

【ジャスレイ一味の仁義なき集会】
今回のお話はテイワズの本拠地、超巨大宇宙船「歳星」の豪勢な屋敷からはじまる。

ここではテイワズの事実上のナンバーツー、ジャスレイと舎弟たちが、名瀬と鉄華団の悪口を言いながら酒を飲んでいた。
舎弟たちは、鉄華団のオルガがマクギリスの仲立ちで火星の有力者たちと会っていることに「名瀬が裏で手を引いてんじゃねえのか!?」「ジャスレイの叔父貴、名瀬と鉄華団に好き勝手やらせていいんですかい!?」と吼える。

これにジャスレイは「いいわけねえだろうが!?」と激怒。
が、策は既に考えているようで、ギャラルホルンのセブンスターズとつながりがあるのは鉄華団だけではない、彼らと渡り合う情報があればと真顔で言う。

まさに極道の内部抗争であり、「ガンダム」というよりは「仁義なき戦い」の世界である。

【ヤマギたち、謎の機体を調査】
同じく歳星の整備区画では、テイワズの老整備長と、鉄華団のヤマギ、そしてタービンズのエーコたちが、火星のハーフメタル採掘場で発掘された謎の機体を調査していた。
だがテイワズの記録にも、該当する機種の記録は無く、またこの機体には操縦室すらなく、生き字引のような老整備長にも調査はお手上げである。

するとエーコは、ではギャラルホルンに調べてもらってはどうか、鉄華団はマクギリスと組んでいるのだから頼めるのではと言う。
これに老整備長も同意、ヤマギはさっそく火星鉄華団本部に連絡するのである。

【マクギリス、火星に向かう】
マクギリスは、鉄華団から調査を依頼された謎の機体の正体を知ると驚愕、直ちにオルガに連絡し、その機体の出土した場所のさらに奥に巨大な機体が埋まっていると聞くと、すぐに発掘を中止することを依頼した。

訝しむオルガにマクギリスは、その巨大な機体は数億の人命を奪い、文明を滅ぼした兵器「モビルアーマー」であり、調査依頼された機体はモビルアーマーの付属品なのだという。
マクギリスのただならぬ様子に、オルガは発掘中止の依頼を了承する。
マクギリスはオルガに礼を言い、そして自分もただちに火星へ向かうという。
これにはオルガが驚愕である。

このマクギリスの動きを、ジャスレイの舎弟の一人が早速かぎつけ、ジャスレイに報告した。
ジャスレイには、ギャラルホルンの大物マクギリスともあろうものが内密に、「火星ごとき貧しい植民地」へ向かうことは理解し難い。が、マクギリスの隠密行動の情報は彼の政敵への手土産には十分と悪そうな笑みを浮かべる。
またジャスレイには、火星で出土した機体に何の価値があるのかさっぱりわからないが、手土産は多いほうが良いだろうと全て資料にまとめさせるのである。

【ラスタル、マクギリスの隠密行動を知る】
間もなく、イオク・クジャンの実家に、マクギリスの隠密行動を密告するメールが届いた。差出人は、イオクの父の代につながりのあった商社、JPTトラストであり、早速イオクはこれをラスタル・エリオンに報告した。

ラスタルはイオク宛に送られた資料の一つ、鉄華団のハーフメタル採掘場から出土した無人機の写真に目を止め、それがモビルアーマーとともに運用されていた無人ユニット「プルーマ-」と気付き、少し驚いた。

一方イオクは、プルーマ-のこともモビルアーマーのことも知らなかったようで、モビルアーマーとは厄祭戦を引き起こした巨大兵器と聞くと驚愕する。
だがジュリエッタが、ギャラルホルンの兵士なら知っていて当然の知識とジト目で言うと、「も、もちろん知っていたさ!」と引きつり笑顔で断言するのであった。

すると一緒にいた仮面の男ヴィダールは言う。
プルーマ-があるのなら、モビルアーマーも火星にあるのかもしれない。となるとマクギリスの狙いはモビルアーマーを倒した勇者だけに与えられる最高の称号「七星勲章」ではないか。そもそもセブンスターズの席次は七星勲章の数で決まったと言われているが、マクギリスが七星勲章を得れば300年ぶりに席次が変わる可能性が出て来ると。

ラスタルはヴィダールの推測を一理あるとみなす。
するとイオクは「そんなこと、断じて許してはなりません!」と言い、マクギリス追跡を志願するのである。

一方、ラスタルは、情報をもたらしたJPTトラストの代表は、テイワズのナンバーツー、ジャスレイであることを知ると、テイワズ内にはマクギリスと鉄華団が手を組んだことに不満を抱く一派がいるらしいことに興味を抱く。そしてジャスレイの名を覚えておこうとつぶやくと不敵な笑みを浮かべるのである。

【鉄華団の給料日】
火星の鉄華団の給料日、団員たちは給料の多さに驚いていた。
これにメリビットは、命をかけて戦ってくれる家族には、筋を通してきっちりその分の報酬を渡すというオルガの方針によるものだと笑顔で説明する。それだけ命のかかった危険な仕事ということなのだろう。

さっそくシノは夜の街に繰り出そうとユージン、チャドを誘う。
が、ユージンは愛は金じゃ買えねえと気付いたと言ってシノの誘いを遠慮する。
チャドは、メリビットと雪之丞が付き合っていることがまだショックのようで、「そうなんすか?メリビットさん」と尋ね、肯定されると自分もシノの誘いを遠慮した。
一方、新兵ザックはシノに付き合うと名乗りを挙げ、夜の店にとても詳しいという一面を見せるのである。

新兵ハッシュは、三日月とアトラが席を立ち、二人でどこかへ向かうことに気付くと後をつけた。そしてアトラと三日月が自動車に乗り込み、クーデリアのところへ向かおうとしていることを知ると、「三日月さん行くなら俺も行きます」と自分も強引に車に乗り込んだ。惚れ込んだら人に何と思われようと気にしない一途なハッシュであるが、三日月は「うざい」と迷惑そうである。

【三日月たち、クーデリアを訪ねる】
アドモス商会のオフィスを訪れた三日月たちを、クーデリアの秘書兼事務員のククビータは笑顔で迎えた。

広くは無いが小奇麗な応接室の壁には、プラントの写真、孤児院の写真など様々な写真が飾ってあり、ククビータは全てアドモス商会が行っている事業なのだと笑顔で説明する。その中には、フミタン・アドモス小学校と書いてある写真もある。これにはアトラは少し悲しそうな笑顔を浮かべ、三日月も決して平静では無いようである。

ククビータは笑顔で説明する。
この小学校は学費無料であり、給食も出る。そうすればあなた達のような、食べるために働かざるをえない子供たちを減らすことができる。全ての子供たちが平等に勉強できる場所があれば、将来的には戦争自体を無くすことだってできるかもしれませんよと。
だが三日月は、そうなったら自分は何をして働けばいいのだろうとぽつりと言う。

間もなく、クーデリアが現れ、久々に三日月、アトラと談笑する。
そこでハッシュは、三日月とアトラが、給料をクーデリアに管理してもらっていることを知った。
ハッシュは少し驚くが、三日月が金の使いみちは無いので預かってもらっていると言うと、確かに本部にいれば衣食住は出してもらえると納得した。
そしてアトラに「ハッシュも預かってもらう?」と言われると「そっすねえ…」と別にそれでもいいかと思っている様子である。
そんな三日月、アトラ、ハッシュを、クーデリアは少し悲しそうな笑みを浮かべて見つめる。

三人を見送ったあと、ククビータはクーデリアに言う。
クーデリアの言うとおり、あの子たちは無欲という訳ではないのに、お金の使い方すら分からない。彼らはあまりに何も知らなすぎる、そのためにも学べる場が必要だと。

クーデリアは「私はそう思っています。でも…」と言い、複雑な様子である。

【モビルアーマー起動】
火星の鉄華団本部を、マクギリスと副官・石動が訪れた。
お忍びなので、二人ともギャラルホルン制服ではなく、スーツ姿である。
これをオルガたちは出迎え、早速マクギリスを案内してモビルアーマーが埋まっている採掘場に向かった。
護衛は全てモビルワーカーだが、これは、モビルスーツの存在を検知してモビルアーマーが起動する可能性があるためである。道々マクギリスはオルガたちに、モビルアーマーは全自動の殺戮兵器であり、モビルスーツはモビルアーマーと戦うためだけに作られた兵器であることを説明する。

間もなく、オルガ一行は採掘場に到着、マクギリスはすり鉢状に掘られた巨大な穴の底に、一部分が露出するモビルアーマーをその目で見た。
その時、衛星軌道上からギャラルホルンのモビルスーツ隊が、巨大な盾を断熱材に地表に降下してきた。
イオク・クジャンの指揮する部隊である。

イオクはモビルスーツの狙撃砲をマクギリスに突き付けて、自信満々に言う。
「貴公がモビルアーマーを倒して七星勲章を手にし、セブンスターズの主席の座を狙っていることは分かっている!」

マクギリスはイオクの言葉に、「そんな誤解をしていたのか」と苦笑する。
が、イオクは「誤解ではない!」と断言、マクギリスに向かってモビルスーツを歩かせ始めた。
これにマクギリスは、それ以上モビルスーツを近づけないように言うのだが、イオクは聞き入れず、モビルスーツの歩みを進める。
どうもイオクは、モビルアーマーはモビルスーツを検知して起動することを知らないように思えるのだが、そんなイオクを差し向けたラスタルは何を企んでいるのだろうか。

その時、大量の土砂に埋まっているモビルアーマーが動き出し、地面を叩き割り、地表に禍々しい全身を晒す。
そして空に向かって光線を発射した。
「鉄血のオルフェンズ」では初の光線兵器であり、これまでの兵器との異質さを伺わせる。

【予告】
次回「穢れた翼」
圧倒的戦闘力のモビルアーマーを前に、モビルスーツの無い状態で、オルガたちはこの危機をどうやって乗り切るのか。次回も注目したい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第34話「ヴィダール立つ」

  • 2016/11/28(月) 00:17:26

【感想概略】
今回は、政略面ではマクギリスからのギャラルホルン火星支部の権利を鉄華団に譲るとの申し出をめぐるテイワズ上層部の動きが描かれ、一方鉄華団は軍備を増強し、団長オルガはマクギリスとの同盟に基づき火星の有力者たちとの対面に望む姿が描かれ、メカ戦ではコロニーでの活動家鎮圧で仮面の男ヴィダールがガンダムヴィダールで初陣を飾る姿が描かれ、面白かった。

なお今回最もインパクトが強かったのは、整備士・雪之丞とメリビットが交際していることが明かされたことだと思う。
これを初めて知ったチャドは驚愕していたが、その気持ちよく分かると思った。
もっともチャドは、知らなかったのは自分だけ、こういったことに疎そうな昭弘や、子供のライド・マッスすら知っていた、なのに自分だけ教えてもらえなかったことに、よりショックを受けていたようであるが、戦いでは一歩も退かぬチャドが、日常の出来事に動揺しまくる姿は可愛らしかった。

【マクマード、鉄華団とマクギリスの密約を了承】
テイワズの本拠地、巨大宇宙船「歳星」では、テイワズ幹部会が開かれた。
ボスであるマクマード・バリストンをはじめとする人相の悪い幹部たちが居並ぶ中、名瀬は、鉄華団の団長オルガと、ギャラルホルン地球外縁軌道統制統合艦隊の司令官マクギリスとの密約を報告した。マクギリスがギャラルホルンの覇権を握った暁には、ギャラルホルン火星支部の権利を鉄華団に譲ると。

これにマクマードは「デカい話を持ってくる」と不敵な笑みを浮かべるが、実質ナンバー2のジャスレイ・ドノミコルスは急成長する新参者・鉄華団への不快感を隠さない。
ジャスレイは、鉄華団はマクマードに相談もなくギャラルホルンと取引してしまった、鉄華団のやり方はテイワズの秩序を乱すものであり、この話を仲立ちする名瀬も問題だと、鉄華団と名瀬を批判する。

これにマクマードは、ジャスレイの言うことも一理あるが、この話には旨味もあると言い、鉄華団とマクギリスとの密約を了承した。そしてあくまで不満なジャスレイには、どう転んでもテイワズの損にならないよう手配するように言うのである。

【オルガと名瀬】
別室で待たされていたオルガの前に、名瀬とアミダ・アルカが姿を見せた。
名瀬は身体を張ってオルガの話を通してくれたのであり、オルガはそこまでしてくれる名瀬に迷惑をかけてしまったと深々と頭を下げるが、名瀬はオルガをデコピンし、これまでも散々迷惑をかけてきたのにいまさら殊勝になるなと笑う。
が、名瀬は真顔になって言う。
「笑って許してやれんのはこれで最後だ。俺にオヤジは裏切れねえぞ。」

【クーデリア、ノブリスから融資を受ける】
クーデリアはアドモス商会の事業を予定より速く拡大すべく、ノブリス・ゴルドンに融資を依頼していた。
するとノブリスは、クーデリアが安全で確実な流通経路を確保したことは聞いていると言い、快く融資を了承した。
さらにノブリスは、SAUやオセアニア連邦が管理するコロニーでも活発な独立運動が行われており、クーデリアの活躍が耳に届けば彼らは勇気づけられ、自分たちの商売で彼らに大いに貢献できると笑う。

ノブリスとの通信終了後、クーデリアの秘書兼事務員のククビータは、ノブリスがコロニーでの争いで儲けることに嫌悪感を見せるが、クーデリアはそれを知りながら融資を頼む自分の方が卑しいと苦い表情である。
クーデリアとしては、火星圏を人々が豊かに人間らしく暮らせるようにする変革のためには、死の商人からの融資を受けることもやむを得ないというところだろうか。

【ガンダムヴィダールの初陣】
アリアンロッド艦隊の司令官ラスタル・エリオンは、オセアニア連邦の産業コロニー群で発生した独立派の暴動鎮圧にイオク・クジャンの艦隊を派遣した。
イオク艦隊はコロニー付近に到着すると、活動家たちのモビルスーツ及びミサイル艇を鎮圧するためモビルスーツ隊を出撃させるが、指揮官イオクも自らモビルスーツ「レギンレイズ」で出陣である。

イオクはモビルスーツで長距離砲を構え、3機編隊で突撃してくるモビルスーツ「ユーゴー」を狙撃、だがなかなか当たらない。
これにイオクは「むむっ、よけたか。なかなかやるな!」と敵機の腕前を称える。

さらに敵機はワイヤーアンカーを射出、イオク機の狙撃砲を絡め取って飛び道具を封じ、イオク機に突撃する。
イオクは「この俺と互角とは!」とますます活動家モビルスーツの技量に舌を巻くのだが、敵パイロットが凄腕というよりは、イオクの狙撃が下手ということのようである。

その時、ジュリエッタはレギンレイズでイオク機に突撃する敵機を蹴り飛ばし、続けて他の二機に打撃を与えてイオクへの脅威を排除する。
そしてイオクの部下たちはモビルスーツでよってたかってイオク機を取り押さえ、後方へ避難させるのだった。

一方、仮面の男ヴィダールは、ようやく調整の完了したガンダムヴィダールで出撃した。
ガンダムヴィダールは、変幻自在の高機動運動で敵モビルスーツの群れを翻弄、敵機の間合いに踏み込むとサーベルで刺突して撃破。
続けて別の一機に襲いかかり、つま先とかかとに内蔵したブレードで斬撃して撃破。
流れるような動きで、次々と敵機を撃破していく。

これに活動家側はミサイル艇の群れでガンダムヴィダールを取り囲み、ミサイルを猛射する。
が、ガンダムヴィダールは両腕にハンドガンをそれぞれ一丁ずつ握ると左右に連射、ミサイルを次々と撃ち落とす。
そして動揺するミサイル艇の間合いに踏み込みサーベルの斬撃で撃破する。
こうしてガンダムヴィダールの奮戦により、活動家のモビルスーツ及びミサイル艇はことごとく降伏するのであった。

ガンダムヴィダールの戦いぶりに、ジュリエッタは思わず「きれい…」とつぶやく。
そして戦闘終了後、ヴィダールに問う。ヴィダールは復讐のため戦うという。だがヴィダールの太刀筋には、復讐という黒く汚らわしいものは感じられなかったと。
するとヴィダールは言う。
「忘れていた。今はただ、こいつと戦うのが楽しかった」

これにジュリエッタは、ヴィダールは本当に変わった人だと呆れ顔を浮かべながらも、「これからともに戦うのに不安はないということは分かりました」と不敵に笑うのである。
ジュリエッタとしては、ヴィダールは仮面で顔を隠す謎の男という点で胡散臭いが、その戦いぶりから伺える実力と人間性は信じる気になったというところだろうか。

【マクギリスとアルミリア】
地球のボードウィン邸で、マクギリスは9歳の婚約者アルミリアと過ごしていた。マクギリスは読書、アルミリアはその膝でお昼寝である。
アルミリアは目を覚まし、マクギリスがまた愛読書を読んでいることに気付く。
それはギャラルホルンの創始者、アグニカ・カイエルについての本である。

アルミリアに本について尋ねられると、マクギリスは言う。
知っての通り、自分は元々ファリド家の出身ではなく、それ故に卑しい生まれと蔑まれ、つらいこともあり、自ら命を立つことすら考えたこともあった。だがこの本にあるアグニカ・カイエルの思想により、自分は救われた。人が生まれや育ちに関係無く、等しく競い合い、望むべきものを手に入れる世界を、アグニカは実現しようとしていたのだと。

マクギリスは「素晴らしいと思わないか?」と語りかけるが、アルミリアは困惑してしまう。
するとマクギリスはアルミリアに言う。
それは誰に反対されることもなく、愛するものを愛せる世界のことでもあると。

これにアルミリアは尋ねる。
「その世界では、まだ子供だと言って私を笑わない?子供の婚約者がいるって、マッキーをばかにする人もいない?」
マクギリスはアルミリアの問いを肯定、するとアルミリアはマクギリスに抱きつき、そんな世界に行きたいと喜ぶ。
そしてマクギリスは心中でつぶやく。
「その世界への扉を、この手で開くときが来たんだ」

【予告】
次回「目覚めし厄災」

ヤマギによる予告ナレーションからは次回の内容については見当がつかないのであるが、ヤマギの「シノがいっつも無茶ばっかするんだから、ばか」というのが可愛らしかった。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第33話「火星の王」

  • 2016/11/21(月) 00:38:00

【感想概略】
今回は、アーブラウとSAUとの紛争が正式に終結し、ギャラルホルン内のマクギリスとラスタル・エリオンとの権力闘争が一区切りとなり、クーデリアは蒔苗からの、地球に残って人脈を受け継がないかとの申し出に結論を出し、オルガはマクギリスからの、覇業が成就した暁にはギャラルホルン火星支部の全ての権益を鉄華団に譲りたいという申し出に結論を出し、そしてタカキは自分が守りたいもの、何をおいても大事にしたいものは何かに結論を出すお話であり、見応えがあり、面白かった。

【紛争終結】
アーブラウとSAUの紛争から一ヶ月後。
両経済圏は和平調停を受け入れ、紛争は終結した。

これを受け、ギャラルホルンの有力者会議が開かれた。
会議の席上、イオク・クジャンは、経済圏同士の対立が武力抗争にまで発展したのは地球外縁軌道統制統合艦隊の司令マクギリスの失態と追求する。
これにガルス・ボードウィンは、マクギリスだからこそこの程度で済んだと取りなす。

今回のマクギリスとラスタルの権力闘争は、マクギリスは権威が後退、ラスタルはガラン・モッサを失い、双方それぞれダメージがあり、痛み分けというところだろうか

【ラスタルとマクギリス】
会議の後、ラスタルはマクギリスに声をかけ、今回の騒動はマクギリスでなければ収拾できなかっただろうとぬけぬけと賞賛する。
だがマクギリスは、騒動がおこった事自体が自分の失態だとあくまで謙虚である。
するとラスタルは、「君も大人になったものだな」と笑う。

ラスタルが思い出すのは、マクギリスとの出会いである。
若い頃、ラスタルはギャラルホルン庁舎の中庭のベンチで本を読む金髪の少年に気付いた。美形だが、人を拒むような鋭い目の少年である。
すると副官は、イズナリオが養子を迎え、そのあいさつ回りをしているのだと説明。
これにラスタルは例の妾の子かと納得するが、副官は少年とイズナリオに血のつながりは無いとの噂だと言う。

興味を惹かれたのか、ラスタルはマクギリス少年に声をかけ、「何を読んでいる?」と覗き込むが、襟元からのぞく虐待の痕に気づいた。
ラスタルは一瞬表情を曇らせるが、しゃがみ込んでマクギリスを見上げた。
見ず知らずの少年であっても、不幸な傷を見ないよう配慮する紳士なラスタルである。

そしてラスタルは、マクギリスを見上げながら何かほしいものは無いかと声をかける。
するとマクギリスは険しい表情で立ち上がり、「バエル」とこたえた。

この答えに、剛毅なラスタルも驚愕した。
バエルとは、悪魔学における72人の悪魔の一人、66の軍団を率いる序列一番の王とのことだが、厄祭戦のおけるガンダムの一機だろうか。

そして現在。
ラスタルはマクギリスに、君には今でも驚かされる、イズナリオ失脚は見事だったと面白そうに笑う。
マクギリスは何のことか分からないとしらを切るが、ラスタルは構わず、君の原動力は私怨だと思っていた、だがイズナリオが失脚した今、君はギャラルホルンで一体何を成し遂げたいのかと問う。

【鉄華団地球支部撤退の事務作業】
鉄華団は地球から撤退することになった。
鉄華団地球支部のオフィスでは、火星から来たオルガとメリビットとクーデリア、ユージンとアジー、そしてタカキが席について、事務資料の整理を行なっていた。

だが帳簿など事務資料についてはラディーチェでなければ分からないことばかり。
地球支部はラディーチェに頼り切りだったことが改めて突き付けられた。

これにタカキは複雑な様子であり、オフィスを出ていってしまう。
残されたユージンは、「タカキのやつ、相当きてんな」といい、タカキが今回の騒動について自責の念を抱き、苦しんでいることを案ずる。
そしてクーデリアはタカキに、何かを思っている様子である。

【タカキとクーデリア】
タカキは格納庫で座り込んでいると、三日月が「しけた顔してんね」と声をかけてきた。
これにタカキは、自分は鉄華団失格だ、ラディーチェの嘘を信じ、怪しい者を信用してその命令にしたがって戦い、多くの仲間を犠牲にしてしまったという。

すると三日月は、タカキはオルガの命令と思い、自分に与えられた仕事を果たしただけ、それに裏切者ラディーチェのけじめもつけ、騙されたとはいえ犠牲者を出した責任もとったと言う。
三日月としては心からそう思っているのであり、だからタカキはこれ以上苦しむことはない、またこれから頑張ればいいのだと励ましているのだろう。

その時三日月は、倉庫の扉の影にクーデリアがいることに気付き、オルガの現状を尋ねると倉庫を立ち去った。

クーデリアはタカキの前にしゃがみ、同じ目線で語りかける。
選択肢は無限にあるが、選べるのは一つだけである。
そして一つを選び取るのは誰にとっても難しいことである。
だが、多くのものを見て知識を深めれば、誰かの指示に頼らずとも、物事を判断し、選択する力が生まれる、と。

タカキはクーデリアの言葉に、自分で判断し、選択するということに、何かを思っている様子である。

【ジュリエッタとヴィダール】
アリアンロッド艦隊のモビルスーツデッキでは、ジュリエッタ・ジュリスはモビルスーツに搭乗してシミュレーターでの訓練に励み、戦闘条件をもっと厳しくするよう整備兵に依頼すると一旦機外に出た。

そこに仮面の男ヴィダールが「熱心だな」と声をかけてきた。

これにジュリエッタは言う。
自分の戦闘技術はヒゲのおじ様に教え込まれたもの、そして身寄りのない自分をヒゲのおじ様はラスタルに推薦してくれた、自分は二人への恩返しのためにも強くあらねばならいと

するとヴィダールは、君のような人間を知っている、尊敬する上官に拾ってもらった恩を忘れず、上官の存在を誇りとして戦い抜いた、というのだが、どう聞いてもアインのことである。

ジュリエッタは、その方はどこにいるのかと尋ねると、ヴィダールは「近くにいる」とこたえた。
ジュリエッタは「そのような立派な方とお知り合いとは。あなたは想定していたより、まっとうな方なのかもしれません」という。
ジュリエッタとしては、ヴィダールのことはラスタルに依怙贔屓されて気に入らなかったが、話してみると意外と共感するところがあるので、段々と好ましく思うようになってきている、というところだろうか。

するとヴィダールは「君は想定していたより、シンプルな精神構造をしている」と言い、ジュリエッタがそれは褒めてもらっているのだうかと尋ねると「もちろん」と肯定した。
これにジュリエッタは得意げに笑って礼を言うのであった。

ヴィダールもまた、ジュリエッタの裏表のないところ、恩人を大事に思い、恩を返すために頑張るところに危うさと同時に好ましさを感じているようである。

【マクギリス、オルガと面会】
鉄華団地球支部に、トドの運転するリムジンに乗って、仮面の男モンタークがやって来た。

応接室でモンタークは仮面を外してマクギリスの素顔をさらし、オルガと対面した。
マクギリスは今回のアーブラウとSAUとの紛争での礼を言い、引き続き今後も力を貸してほしいという。
これにオルガは「もちろん、筋は通す。しかし…」と言い、躊躇する様子である。
マクギリスが「見返りにくらべ、犠牲が大きすぎると?」と問うと、オルガは率直に尋ねる。
ギャラルホルン同士の争いに自分たちごときが役に立つとは思えない、なのに何故自分たちを過大評価するのかと。

するとマクギリスはこたえる。
自分は火星で戦う鉄華団の少年兵たちを見たとき、その圧倒的な生命力をもって戦う姿に、ギャラルホルンの創始者「アグニカ・カイエル」を見た。自分は鉄華団とともにあれば、必ずやギャラルホルンのトップに立てると確信していると。

そしてマクギリスはオルガに申し出る。
自分がギャラルホルンを掌握した暁には、ギャラルホルン火星支部の権限全てを鉄華団に譲り渡そう、それは鉄華団が火星を支配するということであり、君たちは火星の王になるのだと。

【タカキとフウカ】
フウカは、タカキとアストンと自分の三人で写った写真を眺めることが多くなっていた。

タカキはそんなフウカを気遣い、フウカを守ろうと気を張り続けていた。
だがタカキの負った心の傷も深く、ついにフウカの前で、誰にも言えなかったアストンへの自責の念を口にしてしまう。
自分たちはアストンと出会わない方が良かったのだろうか、アストンに最後に辛い思いをさせてしまったのではないかと。

フウカは一瞬驚くが、立ち上がるとタカキの頭を抱きしめて言う。
「私…お兄ちゃんと、アストンさんと三人でいられて、楽しかったよ。ずっと忘れないでいたいよ。だから、お兄ちゃんまで私の前からいなくならないで」

【オルガ、マクギリスの申し出を鉄華団主要メンバーに相談】
鉄華団地球支部の応接室に、オルガは主要メンバーとクーデリアを集めた。
そしてマクギリスからの、ギャラルホルン火星支部の権限を移譲する、鉄華団は火星の王になるという申し出について伝えた。

これにユージンは、あまりの話の大きさに「俺、脳みそが追っつかねえ…」と頭を抱える。
そして三日月は、オルガはどうしたいのか尋ねた。

するとオルガはこの話に乗りたい、無論テイワズとの関係もあるので名瀬に話しを通した上で考えるが、クーデリアの説く火星独立を考えても最高に好条件に思える、「地位も名誉も、全部手に入れられるんだ、俺たちの上がりじゃねえのか?」と皆に問う。

すると三日月は「オルガがそう望むなら」とあっさり同意。
ユージン、昭弘、チャドもオルガの考えに同意する。

だがタカキは、自分は一緒には行けない、鉄華団を辞めると言う。
驚くユージンたち、そしてオルガにタカキは言う。
オルガが自分たちの未来の為に色々と悩み、考えてくれることは分かっている。
それでも自分は、フウカを泣かせたくない。
火星の王になれば、大きな幸せが待っているのかもしれない。だがそのことで、今そばにある幸せを捨てなければならない。自分にはそれが出来ないと。

オルガはタカキの選択を笑って受け入れ、長い間鉄華団に尽くしてくれたことに礼を言うのだった。

【チャド、昭弘、タカキに礼を言う】
会議の後、チャドはタカキに、オルガが地球でいい仕事がないか探してくれるという。
タカキは鉄華団を辞めることにどうしても後ろめたさを感じてしまうのだが、チャドはタカキに、地球支部はタカキのお陰で本当に助かったと礼を言い、「離れても俺たちはずっと家族だよ」と笑う。

すると三日月が「いや違うよ。タカキの家族はフウカだけでしょ。俺達のことは気にしなくていいから」といって立ち去った。
タカキを突き放したともとれる発言である。
だが昭弘はタカキに、あれは三日月なりの優しさなのだ、これからは鉄華団のことは気にせず妹との生活を大事にするようにといい、そしてアストンと仲良くしてくれたことに礼を言うのだった。

【クーデリアと蒔苗】
クーデリアは、蒔苗を見舞い、そして火星に帰ると言い、地球に残り蒔苗の築いた人脈を受け継ぐという申し出を断った。

クーデリアは蒔苗に言う。
自分としては、蒔苗に学びたいことはたくさんある。
だが例え間違った選択であっても、自分も鉄華団も、選ばなければならないときが既に来てしまったのだと。

【タカキとフウカ、家路につく】
間もなく、鉄華団は地球を去った。

夕方、ランドセルを背負ったフウカは、スーツ姿のタカキを見つけると「おかえり、お兄ちゃん」と笑う。
そして二人は家路につく。
タカキは新しい職場環境とまだ慣れない仕事に少し疲れた様子だが、真面目で努力家で温和なタカキならば、きっとやっていけるだろう。

【予告】
次回「ヴィダール立つ」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第32話「友よ」

  • 2016/11/14(月) 01:56:32

【感想概略】
今回は、アーブラウとSAUの紛争の最中、鉄華団地球支部を利用してマクギリスの命を狙うガラン・モッサの謀略を、鉄華団火星本部からの援軍が間一髪で阻止、そしてガラン・モッサには昭弘がグシオンリベイクフルシティで引導を渡し、裏切者ラディーチェにはタカキがけじめをつけさせるが、生き延びた者たちの心の傷は深く…、というお話であり、見応えがあった。
アストンが命を失ったこと、そしてタカキとフウカのこころの傷の深さをおもうと心が痛んだ。

【アーブラウとSAUの紛争】
アーブラウとSAUとの間で紛争が始まってから一ヶ月。
戦いは長引くばかりで決着がつく様子は全くなく、アーブラウの軍事顧問として参戦した鉄華団地球支部は終わりの見えない戦いに疲弊、既に多くの犠牲者が出ていた。
またアーブラウは一切の外交ルートを閉ざしており、SAU及びギャラルホルンのマクギリス陣営は、外交による紛争終結を図ることもできない。
全ては、マクギリスを政治的に追い詰めるためのガラン・モッサの策である。

ついにマクギリスは自らモビルスーツ「グレイズリッター」を駆り、配下のモビルスーツ隊を率いて出撃した。
これをアーブラウ防衛軍はモビルスーツ「フレッグ・グレイズ」の群れで迎え撃つ。
が、ただでさえ実戦経験の無いアーブラウのモビルスーツは、高性能機の能力を最大限に引き出して戦うマクギリスの敵ではなく、次々と撃破されていく。
マクギリスが目指すのはアーブラウ軍の前線司令部であり、敵軍中枢を制圧して紛争を終わらせるというのがマクギリスの作戦のようである。

そこにアーブラウ側の指揮官ガラン・モッサが配下モビルスーツの群れ、そして鉄華団地球支部のタカキおよびアストンの駆るランドマン・ロディ二機を率いて出現、マクギリス機に襲いかかった。

マクギリスはグレイズリッターで二刀を振るい、敵機の攻撃をしのぐが、ランドマン・ロディの生物のような動きから、目の前に立ち塞がるのは阿頼耶識で戦う鉄華団と理解した。

そしてマクギリスはランドマン・ロディに対し、拡声器で自らの名を名乗り、オルガに自分を討つよう命じられたのか、誰の指示で戦っているのか聞かせてほしいと問うた。
マクギリスの言葉にタカキは躊躇するが、アストンは敵の言葉と動じず、タカキに目の前の敵を倒すことに集中するよう促す。

タカキは腹をくくるが気負いが大きく、一人でマクギリスに突撃、刀剣で猛攻を繰り出す。
これにはマクギリスも苦戦、手加減などできる状況ではない。
やむなくマクギリス機は、タカキ機から刀剣を奪うと逆手に握って斬り上げた。

その時、アストン機が割って入ってタカキ機を救う。
が、マクギリス機が斬り上げた刀剣はアストン機の装甲を斬り裂き、コックピットを直撃した。
しかしアストンは重傷を負いながらもマクギリス機に組み付き、マクギリス機の両腕の動きを封じる。

アストンの働きにガラン・モッサは「さすがは飼い犬、よく躾けが出来ている」と喜び、マクギリスに銃口を向けた。
さすがのマクギリスも今度ばかりは絶体絶命である。
だがその時、上空からバルバトスが出現、着地するとマクギリス機をかばってガラン・モッサ機の前に立ち塞がった。
ガラン・モッサは、鉄華団火星本部の援軍出現に、自らの策略が破られたことを知り、部下を率いて戦場を離脱した。

【タカキとアストン】
タカキはアストン機の胸部装甲を開き、コックピットの隙間に腕を差し込み、必死にアストンへ呼びかけ、アストンを救助しようとするが、アストンは既に虫の息である。

もはや動けないアストンは、ぽつりぽつりと言う。
自分はタカキたちに出会いたくなかった。
自分たちヒューマンデブリは感情など持っていたら生きていけない、仲間が殺されても悲しんでいたら潰される、だから心を殺して生きてきた、なのにタカキたちに出会ってしまった。おかげで、死にたくないと思いながら死ななければならない、と。

アストンの思いは複雑である。
長い間アストンはブルワーズで奴隷として最低の生活環境で虐げられ、生きるか死ぬかの戦いを強いられ、仲間は次々と殺され、未来に何の希望もない、そんな人生を強要されてきた。

何の希望もないのならば、せめて感情を無くしてしまえばいい。
喜びも悲しみも、全ての感情が無ければ、ひどい目にあっても感じるのは肉体の痛みだけ、心は痛まずに済む。ブルワーズにいた頃のアストンにとって死は、全ての苦痛から解放してくれる唯一の救いだったのではないか。

だがアストンは鉄華団に仲間として受け入れられ、タカキ、フウカと出会った。
そして三人で毎日のように夕食を囲み、穏やかな時間を過ごす中で、それまで押し殺していた「楽しい」という感情を思い出し、生きることを楽しいと思うようになり、生きることも悪くはない、もっと生きていたいと思うようになったのだとおもう。

そしてアストンは最後に「ありがとう」とタカキに言い残し、息絶えた。
アストンは死にたくないと思うと同時に、そう思わせてくれたタカキとフウカに、皆が与えてくれた温かいものに感謝しながら眠りについたのだと思いたい。

【ラディーチェの裏切り発覚】
鉄華団地球支部のラディーチェは、ガラン・モッサと連絡が取れず焦っていた。
そこにユージンと昭弘が出現、火星からの通信に一切応答しないとはどういうことかとラディーチェに詰め寄った。

ラディーチェは二人の出現に驚愕、全てはガラン・モッサの差し金であり、自分は言うとおりにしただけと主張するが、そんな言葉で誤魔化せるはずもない。
さらにラフタから通信が入り、アストンがタカキを守って戦死したことを告げると昭弘は激怒、ラディーチェの胸ぐらを掴み、ガランの居場所を問い詰める。
恐れをなしたラディーチェは、SAU領内のガランの隠れ場所を言うのであった。

【鉄華団VSガラン一味】
夜、SAU領内のゴーストタウンで、ガランは部下たちと一息ついていた。
ガランとしては、鉄華団の追跡は振り切ったと思っており、ラスタルのための次の戦場へ向かおうと考え、不敵な笑みを浮かべていた。
その時、何者かがガランたちの野営地を襲撃した。
三日月の駆るバルバトスをはじめとする鉄華団モビルスーツの群れである。

ラフタとアジーはガラン配下のモビルスーツを次々と撃破、歴戦の傭兵が相手でも危なげのない戦いぶりを見せる。

一方、これがモビルスーツによる初めての実戦である新兵ハッシュは、獅電で敵モビルスーツに立ち向かう。
だが、敵は実戦経験豊富な傭兵であり、的確にハッシュ機の防御を奪い、攻撃の手段を封じ、止めを刺そうと刃を向ける。いくらモビルスーツが頑丈とはいえ、戦闘でコックピットに身体のあちこちをぶつけるとかなり痛いようで、ハッシュは痛みと恐怖にすくみ、何もできない。
が、間一髪で三日月がバルバトスで飛来してハッシュ機を蹴り飛ばし、敵機の攻撃を空振りさせて救う。
そして三日月はため息をつくと「邪魔」と言い残し、ハッシュを残して敵機の追撃を再会した。

そして昭弘はグシオンリベイクフルシティでガラン機の前に立ち塞がり、重装甲にものを言わせて敵機の砲撃を跳ね返しながら間合いに踏み込んでモビルスーツ用ライフルを破壊し、四本の腕で殴りまくって圧倒、さらにガラン機の不意打ちを巨大ペンチで防ぐ。
そしてガラン機の胴体を巨大ペンチで挟み、怪力で締め上げ始めた。
もはやガラン機に抵抗の術はなく、ガランはラスタルに詫びると自爆した。
これにラフタは慌てるが、グシオンリベイクは平然としており、昭弘は無傷、ラフタは安堵した。

【タカキ、けじめをつける】
鉄華団地球支部の一室ではユージンたちが、縛り上げたラディーチェを尋問していた。
同席するのは、昭弘、三日月、ラフタとアジー、そしてタカキである。

ユージンはラディーチェに、地球支部を裏切る代わりにラディーチェの金銭と安全を保証する契約書を突きつけて問い詰める。それでもラディーチェは地球支部を守るため仕方がなかった、ガランを欺くための駆け引きだったのだと主張、何とか言い逃れようとする。

ユージンは「話になんねえ」とラディーチェに呆れるが、三日月は「話なんてする必要あるの?」と怒気を発しながらいい、ラディーチェは鉄華団を裏切り、仲間を無駄に死なせたというと懐から銃を取り出した。

その時タカキが、ラディーチェと話しをさせてほしいと申し出た。
三日月は話してどうするのかと不満げだが、タカキはこれは地球支部の問題であり、けじめは自分がつけると三日月の目を真っ直ぐみて言う。
三日月は、銃をタカキに渡す。
そしてタカキとラディーチェだけが部屋に残された。

ラディーチェは、タカキならば言いくるめることが出来ると思っているようで大喜びである。
そして、ここは地球であり火星本部とは遠く離れている、オルガの指示があったとしても我々自身で判断し、選択するしかないと主張、自分の独断を正当化しようとする。
するとタカキは「その通りです。俺も選びます」というとラディーチェに銃を向けて発砲、射殺した。

【ハッシュとデイン】
鉄華団地球支部の倉庫前では、ハッシュが今回の戦闘について落ち込んでいた。
そして自分が何の力も無いと思い知らされた、三日月と自分は全く違う、阿頼耶識の手術など関係なくそもそもモノが違うと、新兵仲間のデインに言う。

するとデインは言う。
自分の置かれた状況を正しく判断できることは、きっとパイロットの素質の一つだと。

ハッシュは自分の実力を認識できたのであるが、ここからハッシュの本当の成長がはじまるのだろうか。
引き続きハッシュについても注目したい。

【予告】
次回「火星の王」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第31話「無音の戦争」

  • 2016/11/06(日) 23:54:09

【感想概略】
今回は、タカキとアストンを中心とするお話である。
アーブラウとSAUとの間で紛争が勃発した。鉄華団地球支部は火星本部と連絡が取れないままアーブラウ側として参戦、タカキとアストンをはじめとする少年兵たちは善戦するが、ガラン・モッサの謀略に翻弄されて疲弊していく。ユージンたち火星本部からの援軍はやきもきしながら地球に急行、膠着する紛争にマクギリスは遂に自らモビルスーツで出撃するが、ガラン・モッサは敵将を討ち取る好機到来を喜び、配下部隊及び鉄華団に出撃を命じ、というお話であり、見応えがあり、面白かった。
今回を乗り切ったタカキとアストンだが、次回のガランとラディーチェの謀略も何とか切り抜けて欲しいと思っている。次回も引き続き注目したい。

【アーブラウとSAUの紛争勃発】
地球では、アーブラウとSAUがついに開戦した。
もともとこの二国は対立していたが、SAU側は今回の問題をモビルスーツが出撃するほどのものとは思っておらず、通常の偵察機で強行偵察をおこなったところ、潜伏していたアーブラウ側モビルスーツのエイハブリアクターの干渉によって動力が停止し、墜落してしまった。これを発端として軍事衝突が勃発したのである。

アーブラウの主力は、実戦経験のない正規軍、鉄華団地球支部、そしてガラン・モッサ率いるモビルスーツ隊である。
一方、SAUの主力は実戦経験のない正規軍、ギャラルホルンのSAU駐屯部隊、そしてギャラルホルン地球外縁軌道統制統合艦隊からの派遣部隊であった。

アーブラウ側は、国境地帯各所で鉄華団を中心とするモビルワーカー及びモビルスーツの小部隊を次々と繰り出して敵部隊を攻撃、打撃を与えると撤退するという戦いを繰り返し、既に半月が経過していた。

この戦いでアーブラウ正規軍及び鉄華団を実質的に指揮するガラン・モッサの目的は、とにかくアーブラウとSAUとの戦いを長引かせることであり、そのことでいつまでも紛争を収束できないマクギリスを政治的に窮地へ追い詰めることであった。

無論ガランの背後で糸をひくのは、ギャラルホルンのアリアンロッド艦隊の司令官ラスタル・エリオンである。
艦隊旗艦でラスタルは、ガランの手並みに凶悪な笑みを浮かべておもしろそうな様子である。
そして海賊退治でマクギリス配下に出し抜かれたイオク・クジャンは、マクギリスが困っていることに大はしゃぎである。

だが、ガランの策略のために戦力として都合の良いように利用される鉄華団の少年兵たちはたまったものではない。
タカキをはじめとする少年兵たちは、連日の戦闘に満足な休みもとれず、その上勝っているのか負けているのか分からず長引くばかりの戦いに、肉体的にも精神的にも疲労の色を濃くしていく。

タカキもまた、この戦いはこれまでくぐり抜けてきた戦いとは違うものを感じ、何かに気付きかけているようである。
これにガランは鉄華団の中心となって戦っているタカキとアストンに声をかけ、二人を褒め称え、ある時には鉄華団の戦死者に哀悼の意を表し、ある時は敵モビルスーツに狙われたタカキの危機を救う。
ここまでしてもらうと、元々人の良いタカキはガランを味方として信用してしまっているようである。

だがこれは、ガランの鉄華団の少年兵たちを信用させるための芝居であった。
ガランは鉄華団の裏切者ラディーチェとの通信時、「彼らは獣、犬と同じだ。餌を与え、たまに頭をなでてやれば、何も考えずに主人の命に従う」と少年兵の純真さを嘲笑するのである。

【ギャラルホルン陣営、戦線膠着に困惑】
SAU側のギャラルホルン陣営では、将校たちが困惑していた。
当初は、ギャラルホルンが武力介入して一気に事態を終息させるつもりだった。
だがアーブラウ側が予想外の抵抗を見せ、戦線が膠着、そしていつまでたっても決着がつかないのである。

正規の外交ルートで解決を図りたくても、アーブラウの代表・蒔苗はテロで負傷して意識不明、さらにアーブラウとの外交ルートは何者かに閉ざされており、だからこそSAUはギャラルホルンに調停を依頼してきた。
マクギリスは、アーブラウ側の戦い方を、大規模衝突を避け、局地戦に終始する見事な戦術と評するが、苦い表情である。

【タカキとアストン】
開戦から一ヶ月。
タカキは、隊長として少年兵たちを率いて戦い続ける重圧に、そして既に少年兵の犠牲者が12人を数えることに心身がすっかり疲弊し、やっと睡眠時間を確保できても神経が張り詰めてなかなか眠れない。

アストンは、そんなタカキを気遣い、タカキが今回の戦いに違和感をかんじると言っていたことについてずっと考えていた、もしかして今回はオルガが指揮していないからそう思うのでは、と自分なりに考えたことを言い、タカキの心を少しでも軽くしようとする。
そしてアストンは、自分は誰の命令でもいい、ヒューマンデブリは戦うことが仕事だからという。アストンとしては、タカキはただでさえ疲労困憊している、せめてあまり難しいことを気にせず、少しでも心を軽くしてほしいと思ってのことだろうか。

だがタカキは、アストンが自分をいまだにヒューマンデブリと呼んで自分の命を軽く考えていること怒り、死を最初から受け入れることだけはやめてほしいと強く言う。
そして「あと少しで家に帰れるんだよ。絶対に一緒に帰ろう、アストン」と穏やかにいって笑いかけた。

アストンは、自分の命をタカキがここまで大事に思ってくれること、そしてまた穏やかな日常に一緒に戻ろうと思ってくれることに、何かを深く感じている様子である。

【鉄華団の援軍、地球軌道に到着】
鉄華団の援軍は、ようやく地球軌道上のステーションに到着した。
早速ユージンはアーブラウに着陸許可を求めるが、アーブラウ側のオペレーターは非常事態宣言を発令中のため、全てのシャトル発着場への着力許可は出せないの一点張りであり、全く話しが通じない。
しかしユージンは慌てず、「昔の俺たちじゃねえんだ。道はいくらでもある」といい、何か策がある様子である。

【マクギリス出陣】
翌日の早朝。SAUを支援しているマクギリスは、自らモビルスーツで出撃することを決意、グレイズリッターに搭乗し、配下を率いて出陣する。マクギリスとしては、自らを囮として敵軍の主力を引きずり出して戦闘で屈服させ、紛争をこの一戦で終結させるという作戦だろうか。

一方、ガランの偵察隊はマクギリス自ら出撃したことを察知、ガランに報告した。
これにガランは、マクギリスを討ち取る好機がやって来たと喜び、配下のモビルスーツ隊に出撃準備を命じ、そして鉄華団に出撃を要請した。

間もなく、鉄華団の少年兵たちは次々とモビルスーツに搭乗していく。
アストンもまた、いつも通りにモビルスーツに乗り込むが、タカキもモビルスーツに搭乗していることに気付き、複雑な表情を見せる。
だがタカキは、これが最後の戦いなら指揮する者などいらないだろう、自分が行くという。

そして鉄華団及びガラン配下のモビルスーツの群れは、青空のもと、野の花を蹴散らして出撃した。

【予告】
次回「友よ」

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第30話「アーブラウ防衛軍発足式典」

  • 2016/10/31(月) 00:23:42

【感想概略】
今回は、鉄華団地球支部がメインのお話である。
少年兵たちの事実上のナンバーツーであるタカキの奮闘と妹フウカ、少年兵仲間アストンとの小さな幸せ、ギャラルホルンのアリアンロッド艦隊総司令官ラスタル・エリオンのマクギリスに対する謀略、ラスタルの策謀を背景とした監査役ラディーチェの裏切り、そしてラスタルの手先らしき謎の男ガラン・モッサの暗躍、裏切り者に地球支部の情報を断たれても危険性を直感して対応するオルガの危機対応力が描かれ、見応えがあり、面白かった。

タカキとフウカ、そしてアストンをはじめとする少年兵たちは、地球でそれなりに幸せに暮らしている様子が描かれていたのだが、少年兵たちの知らぬところで裏切りと陰謀が着々と進行しており、タカキたちがこれからどうなるか不安を覚えた。
タカキとフウカの兄妹、そしてアストンには、これから直面するであろう陰謀と戦乱を何とかして切り抜けてほしいのだが、どうなるであろうか。引き続き次回も注目したい。

【タカキ、アストン、チャドとラディーチェ】
アーブラウの軍事顧問を務める鉄華団地球支部は、通常はアーブラウ正規軍の訓練の指導を行っているが、最近訓練は中止になっていた。アーブラウが正式に防衛軍を発足させることになり、その式典準備のためである。

手持ち無沙汰の少年兵たちは、自分たちはお払い箱になるのではと不安を口にしたり、監査役ラディーチェへの不満を口にしたりする。
が、少年兵アストンが「俺、好きだな、地球」というと少年兵たちはこれに同意、食事は上手いし街に出れば鉄華団は優遇してもらえるしと口々に言い、現状に小さな不満はあっても地球暮らしはまんざらでは無さそうである。

一方、少年兵たちのまとめ役、チャド・ダーンはアーブラウ防衛軍発足式典に出席するため、スーツを試着し、鏡の前で複雑な表情をしているところにタカキとアストンが尋ねてきた。
チャドは正装姿の自分に違和感をかんじているようだが、タカキは「すごく似合っていますよ」と笑顔である。
そしてタカキは、自分が式典に出て良いのかと戸惑うチャドに、チャドは鉄華団地球支部の責任者であり、これは蒔苗の指名なのだと言い、チャドを励ます。裏表のないタカキの言葉にチャドも、式典参加の役割を果たそうと前向きな気持になった様子である。

その時、監査役ラディーチェが訪れ、式典の警備の資料を渡し、目を通すよう念を押す。
そして会場内の警備はアーブラウ正規軍、鉄華団は会場外の担当であり、持ち場を守ってくれぐれもアーブラウ正規軍と問題を起こさないよう釘を差して立ち去った。

アストンは、ラディーチェの上から目線の態度に不満の色を見せるが、タカキとチャドはこれをなだめ、最近はラディーチェも自分たちの意見を大分飲んでくれると取りなす。
チャドは「俺たちがアホすぎるってんで、諦めただけかもしれないけどな」と冗談めかして笑うが、ドアの外ではラディーチェがチャドたちの会話を聞いており、「そのとおりですよ」とつぶやくのである。

【アストン、タカキ兄妹を気遣う】
本日の業務が終わり、夕暮れの郊外をタカキとアストンは帰途についていた。
タカキは自宅アパートで妹フウカのふるまう夕食にアストンを誘うが、アストンはフウカが学校のテスト勉強をしていることに先日気づいたのでそちらに専念してほしいと遠慮する。

これにタカキはご飯くらいと誘うが、アストンは自分が行くと色々と気を遣わせてしまうと言う。
タカキは少し寂しそうだが、アストンの善意を受け入れ、今日は途中で分かれるのだった。

そしてタカキが帰宅すると、勉強に疲れたフウカが居眠りしていた。タカキは微笑むと夕食を作り始めた。
間もなくフウカが目を覚まし、食事の準備に取り掛かろうとするが、タカキはアストンは今日は来ないこと、夕食の準備は自分がやるのでフウカは勉強を続けるように言って笑う。
これにフウカは「お兄ちゃんだけなら甘えちゃおうかな」と少しいたずらっぽく言い、タカキと笑い合うのである。

【イオクとジュリエッタ、総司令官ラスタルに復命】
ギャラルホルンのアリアンロッド艦隊の旗艦で、総司令官ラスタル・エリオンは、イオク・クジャン及びジュリエッタ・ジュリスから、火星付近の宙域での海賊「夜明けの地平線団」討伐について、海賊団長サンドバル・ロイターの身柄は確保できず、マクギリスに手柄を奪われたとの報告を受けていた。
だがラスタルは余裕の表情であり、地球での工作を手配しており、「あの男」の協力を仰いでいると言い、不敵に笑う。これにジュリエッタは「まさか、ヒゲのおじ様?!」と言うとラスタルはニヤリと笑って肯定した。

ジュリエッタはこのヒゲのおじ様を「強靭な心と身体の持ち主」と高く評価、そして「どちらも脆弱なイオク様では、対峙するだけで気後れすることでしょう」と相変わらずイオクに手厳しいのである。

【ジュリエッタと仮面の男】
イオクと別れたジュリエッタはモビルスーツデッキに直行、すると機体を見上げる仮面の男ヴィダールに気付いた。

ジュリエッタはヴィダールに対する不審の念を全く隠さない。
「どこの馬の骨かも分からぬあなたを側近にするなど、これは由々しき問題です」と本人に言い、「由々しき?」と問うヴィダールに「端的に言えば、ラスタル様によるえこひいきです」と単刀直入にいう。

だがヴィダールは特に気を悪くすることも無く、面白そうに笑い、兵たちもジュリエッタについて同じことを言っていたという。
これにジュリエッタは、確かに自分には後ろ盾も階級も無いと言葉に窮するが、だがラスタルはモビルスーツの操縦の腕一つで自分を認めてくれたのだと胸を張る。

ヴィダールは「ラスタルを信用しているんだな」というと、ジュリエッタは「当たり前です。ラスタル様は私の誇り、尊敬すべき上官ですから」と迷いなく答える。
だがヴィダールは「誇り…か」とつぶやき、何やら複雑な様子である。
ヴィダールがガエリオならば、かつて散っていった部下アインが、ガエリオを誇りと言ってくれたことが胸に去来しているのだろうか。

【アーブラウ防衛軍発足式典】
アーブラウ防衛軍発足式典の当日。
会場周囲はタカキの指揮する鉄華団が警備し、会場内部はアーブラウ正規軍が警備、そしてチャドは式典出席のため庁舎に入り、蒔苗の部屋を訪問して挨拶していた。
すると蒔苗はチャドをフルネームで呼び、今日という日が来たのも鉄華団のおかげと礼を言い、チャドを労った。
これにチャドは、蒔苗が自分を一個人チャド・ダーンとして見てくれたこと、そしてチャドは自分をあくまで一兵士であり、地球支部の責任者を任されていることもあくまで一時的なもの、自分は管理職の器ではないと思っているのだが、蒔苗はチャドの仕事を評価してくれていることに感動の様子である。

間もなく蒔苗の秘書が現れ、蒔苗に式典への出席を促すが、机の上に事前確認時は無かった花があることに気付き、少し訝った。
が、チャドは花の正体に気付き、蒔苗に覆いかぶさって庇う。
次の瞬間、花は爆発し、庁舎の窓は吹き飛ばされ、黒煙が上がった。

【ラディーチェの裏切り】
式典会場から少し離れたパブで、鉄華団地球支部の監査役ラディーチェは、髭面で筋骨隆々とした中年男ガラン・モッサと密かに会っていた。
何とラディーチェは鉄華団を裏切っており、その報酬について相談していたのである。
これにガランは、報酬はラディーチェの要望通りと笑うが、仮にも今まで寝食をともにしてきた子供たちを戦火に巻き込むことになるが、心が痛まないのかと問う。
するとラディーチェは答える。
鉄華団の少年兵たちは教育も受けずに野放しにされてきた獣のようなもの、そして自分はアレルギーがあって動物は苦手なのだと。
これにガランは大笑、「いや君は実に面白いな。俺は面白い男が好きだよ」と言い、ニヤリと笑うのである。

【タカキ、団員たちとラディーチェの板挟みになる】
チャドの負傷から三日が経過した。
だが少年兵たちに具体的な指示は何もなく、タカキもラディーチェから、チャドはまだ意識が戻らない状態だと聞かされているだけである。

少年兵たちはチャドが傷つけられたことに激怒し、自分たちだけでチャドの仇を取りにいこうと息巻くのを、タカキは自分たちだけで勝手なことをしてはいけないと必死になだめる。

タカキはラディーチェの元を訪れ、オルガと直接話しをしたいと訴えるが、ラディーチェはチャド不在時の本部との連絡は自分が取るよう指示されていると言い、それらしいことを言って誤魔化し、タカキをオルガから遠ざける。
そしてタカキがオルガの言葉がなければ団員たちが収まらないと訴えると、ラディーチェは「それを何とかするのはあなたの役目でしょう」と突き放す。

団員たちとラディーチェの板挟みになって苦悩するタカキだが、アストンはそんなタカキにいつも付き従い、行動をともにする。
アストンとしては、同じ元ヒューマンデブリであり、優しく頼りになる先輩チャドの仇を討ちたい。それでもアストンはタカキに言う。
「俺もみんなと同じだ。チャドさんの仇を討ちたい。だけど、それより前に、俺はお前の味方だ」

【オルガ、地球支部に援軍派遣】
鉄華団火星本部のオルガは、ラディーチェを通してしか地球支部の状況が分からないこと、タカキと話が出来ないことに疑念を抱いていた。
そしてオルガはユージンに直ちに地球支部に向かうことを依頼した。モビルスーツを地球支部に送るスケジュールを前倒するので、その船団で地球に行ってくれという。

間もなく鉄華団の艦船に、ユージン、三日月、昭弘をはじめとする団員たち、整備士・雪之丞、そして蒔苗を見舞うためのクーデリアも搭乗し、地球に向けて火星を出発した。
だが地球への到着は速くて三週間後である。

【アーブラウとSAUの緊張激化】
地球では、アーブラウと隣国SAU(アメリカ合衆国とラテンアメリカを中心とする経済圏)との緊張が高まっていた。

鉄華団地球支部でも動揺が広がり、タカキは団長オルガの意向をラディーチェに尋ねる。
だがラディーチェは、連絡は入れている、そもそも地球の自分たちに分からないことを火星の彼らが分かると思いますかと言い、あくまでタカキとオルガが直接連絡を取ることを遮断する。

そしてタカキの肩に手を置き、「チャドさん不在の今、現場を任せられるのはあなたしかいないんです。タカキ・ウノ」と言い、自分はタカキを信頼し、自分のできる精一杯を尽くしているのだというふりをするのである。
実に悪辣なラディーチェだが、なぜ鉄華団を裏切り、少年兵たちを裏切るのか、その本心がいずれ明かされることを期待したい。

【マクギリス、紛争調停を要請される】
ギャラルホルン地球本部のマクギリスは、SAUから調停の要請を受けていた。
だが万一戦争となり、その調停が長引けば、それは地球を管轄するマクギリスの失点となり、ギャラルホルンの掌握どころか勢力後退、悪くすれば失脚である。
マクギリスとしては、今回のアーブラウとSAUの関係悪化、アーブラウ式典のテロの背後にラスタル・エリオンがいることに気付いているだろうが、どのような手をうつつもりだろうか。

【タカキ兄妹とアストン】
タカキの自宅アパートでは、アストンが茶を振る舞われていた。フウカは勉強疲れで寝てしまっている。
ここのところの心労でタカキは疲れた様子であり、そんなタカキにアストンはラディーチェを信用しているのかと問う。
するとタカキは、鉄華団は家族であり、ラディーチェもまた家族であり、家族を信用できなければおしまいだという。
フウカのためにも地球で頑張っていきたいというタカキだが、大分余裕のない様子である。
するとアストンは穏やかな笑みを浮かべて言う。
「俺は、お前らの幸せを守るためだったらなんだってする。まあ俺にできるのは、殺したり、お前を守って死ぬくらいだけど」

タカキはアストンの言葉に思わず叫ぶ。
「やめてくれ!死ぬとか殺すとか、そんな簡単に言っちゃ駄目だろ!」

タカキとしては、アストンに自分自身の命を粗末にしてほしくない。
だがアストンはこの言葉で、タカキに大事に思われていることをますます嬉しく思い、タカキとフウカに優しくしてもらったことを改めて嬉しくおもい、命をかけても惜しくはないという気持ちをより強くしたのではないか。

翌日、タカキはラディーチェの紹介でアーブラウ防衛軍の指揮を執る予定の人物と対面した。何と、ラディーチェと密談していた髭面の男、ガラン・モッサである。

【予告】
次回「無音の戦争」

次回は謀略渦巻く中での地上戦になるようである。まずはタカキ、フウカ、そしてアストンの無事を願いたい。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第29話「出世の引き金」

  • 2016/10/24(月) 01:02:55

【感想概略】
今回は、鉄華団及びギャラルホルン石動隊、海賊「夜明けの地平線団」、そしてギャラルホルンのアリアンロッド艦隊との三つ巴の戦いに決着がつき、海賊団の背後で策動していた活動家アリウム・ギョウジャンは鉄華団によって責任をとらされ、鉄華団は大海賊団掃討の報酬としてハーフメタル採掘場をテイワズのボス・マクマードから得るが、同時にテイワズ内部では成り上がり者である鉄華団への反発が強まり、タービンズの名瀬は今後鉄華団がテイワズ内部から足を引っ張られるようになることを案じ、クーデリアは自分を利用しようとする者に対しては大きな争いにならないよう対応していくことを心に決め、マクギリスは公式な立場で鉄華団と手を組むお話であり、見応えがあり、面白かった。

【三つ巴の戦い、決着がつく】
今回は前回の続き、鉄華団及びギャラルホルン石動隊、海賊「夜明けの地平線団」、そしてギャラルホルンのアリアンロッド艦隊の三つ巴の戦いで始まる。

前回、海賊団長サンドバルは自らモビルスーツ「ユーゴー」で出撃、まずはギャラルホルンのモビルスーツ一機を撃破し、「かかってこい!」と凄んだ。

これに三日月はバルバトスで突撃するが、アリアンロッド艦隊のジュリエッタ・ジュリスがモビルスーツ「レギンレイズ」で立ち塞がり、海賊団長の身柄確保を譲るよう要求した。

そして今回。
三日月はバルバトスを駆り、石動の駆るシュヴァルベ・グレイズの援護を受けつつ、ジュリエッタの駆るレギンレイズと争いながらサンドバルの身柄確保を目指す。

これに対し、サンドバルは自機および部下の駆るユーゴー二機で高機動性を活用して相手を翻弄し、ワイヤークローで敵機の自由を奪って致命の一撃を繰り出す変幻自在の戦闘を繰り広げ、なかなかの強さである。

おそらく他の海賊団や、マニュアルに無い戦いは苦手なギャラルホルンが相手であれば、サンドバルたちのチームプレーはかなり強く、サンドバルとしてはこれまでの経験から、この場を切り抜けることは十分可能と思ったのだろう。

だが三日月の駆るバルバトスの強さは規格外であり、ジュリエッタもまたパイロット能力が高いだけでなく、敵を観察して即座に弱点を突くというギャラルホルンらしからぬ臨機応変の戦いぶりを見せ、シュヴァルベ・グレイズを駆る石動もサンドバルたちの変則的な戦法に柔軟に対応して確実に打撃を与えていき、サンドバルたちは追い詰められていく。

そしてついに、三日月はバルバトスでサンドバル機の動きを封じ、サンドバルの身柄を確保、ボスを捕らえられた海賊団は降伏した。
この戦闘、鉄華団及びギャラルホルン石動隊の勝利である。

【マクマード、鉄華団に報酬を与える】
テイワズの本拠地、ボスであるマクマード・バリストンの屋敷の執務室。
マクマードは鉄華団による海賊団討伐を喜び、彼らに火星に所在する大規模なハーフメタル採掘場の管理を任せると言い出した。
これに同席する名瀬は喜ぶが、同じく同席するテイワズ幹部、ジャスレイ・ドノミコルスは新参者を厚遇しすぎると反対する。

するとマクマードは、海賊討伐により航路の安全は確保されたこと、鉄華団は身を削って海賊団討伐を完遂したのであり報酬はあっても良いだろう、さらに武名を挙げた鉄華団の管理するプラントに手を出す者もいないだろうと説き、鉄華団に報酬を与えることを決定した。
これに名瀬は、早く鉄華団に知らせてやりたいとこの場を退出するが、ジャスレイは不満そうである。

名瀬は庭で待っていたアミダ・アルカと合流するが、思わしくない表情をしていることを見抜かれてしまう。
名瀬は、鉄華団が今後テイワズ内部から足を引っ張られることを予測し、オルガはそのような駆け引きが性格的に上手くないことを案ずる。
するとアミダ・アルカは「兄貴のアンタが面倒みるしかないね」と笑う。

名瀬としてはそのつもりではあるが、力押しだけではどうにもならないことがあり、それを乗り越えねば、オルガたちは何かを手に入れる度にそれ以上の敵を増やしていくことになるとつぶやく。

【オルガ、アリウムにけじめをつけさせる】
オルガと三日月は火星に帰還すると、クーデリア暗殺を海賊団に依頼した活動家アリウム・ギョウジャンの率いる団体、テラ・リベリオニスの事務所に乗り込んだ。
そしてオルガはアリウムに、海賊団にアドモス商会のハーフメタル採掘場を襲わせ、クーデリアの命を狙い、鉄華団を攻撃した件について落とし前をつけることを求めた。

アリウムはしらを切り、何とか言い逃れようとするが、オルガは聞く耳を持たず、今回の戦闘による鉄華団の被害額の倍を報償金としてアリウムに請求した。

これにアリウムは驚愕、こっそりとギャラルホルンに通報する。
だが、火星のギャラルホルンはマクギリスを通じて鉄華団と協力関係にあり、アリウムの訴えに全く耳を貸さない。

そしてオルガは言う。
「今回の件では、うちには死人も出ている。払う金もねえなら、今すぐ向こうに行ってあいつらに詫びてこい」
すると三日月は拳銃を発砲、アリウムを射殺した。

まさにマフィアの鉄華団だが、アリウムの末路は、裏社会を利用するリスクを象徴しているように思えた。また三日月はアリウムを即死させているが、他の海賊やマフィアと比べると、せめてもの慈悲かもしれない。

【クーデリアとアトラ】
アリウム一味は壊滅し、クーデリアは避難している桜農場から会社に帰ることになった。
その夜、クーデリアはベランダから外を眺めていると、アトラが声をかけてきた。

アトラはクーデリアに、三日月はこの一年で農場のことを熱心に勉強していること、ただ興味のないことには手を抜きがちであり、今では読み書きについては年少組のエンビたちの方がしっかりしているかもしれないと笑い、みんな最初に文字を教えてくれたクーデリアに感謝していると言う。

これにクーデリアは、そのような努力が実を結ぶ世の中にしなくてはならない、そして自分自身ももっと学ばねばならないと言い、アリウムと良好な関係を築いていれば鉄華団が戦うことは無かったのではという。

アトラは「クーデリアさんは何も悪くないよ!海賊をけしかけてくる方が絶対に悪い!」と言い、クーデリアを味方する。

クーデリアはアトラが味方してくれることを嬉しく思いながらも、自分を利用しようと近づいて来るものに対しては、真正面から断るのではなく、何とかして大きな争いにならないよう対応すること、何かある度に武力抗争になってしまう悪循環を無くすことを改めて決意するのである。

もっとも、警察があてにならない社会で、アリウムのような気に入らないことがあると裏社会を利用するような人間を相手に、争いにならないよう付き合っていくことはかなり難易度が高い気がするのだが、クーデリアの今後の活動に注目したい。

【ユージンと名瀬たち、ハーフメタル採掘場を視察】
ユージンたち、そして名瀬たちは、テイワズから任されたハーフメタル採掘場を視察していた。
採掘場は、ライド・マッスの目には荒野が延々と広がっているだけにしか見えず、何もないではないかと不満そうである。

するとアミダ・アルカは「それがいいんじゃないか」と笑い、名瀬はこれから採掘をすすめれば、今後何十年に渡り、鉄華団に莫大な利益をもたらしてくれると言う。

これにユージンは、これからは先のことも考え新しく仕事も覚えねばならないと真顔で言う。
そして「さすが副団長」とからかうシノに「お前もやんだよ、全部オルガに任せるわけにはいかねえだろ」と真面目に切り返すのである。

その時、鉄華団の経理担当デクスターが現れ、現場から見て欲しいものがあるという。
一同が見に行くと、直径20メートルほどの、クレーター状に掘られた穴の中央に、モビルスーツの上半身が出土しているのが見え、どうやらガンダムフレームのようである。

さらにデクスターは、奥にもう一機あり、モビルスーツにしては大きいという。
一体どんな機体なのか、いわゆるモビルアーマーなのか、登場が楽しみである。

【オルガ、マクギリスと同盟を結ぶ】
その頃オルガは、ギャラルホルンの火星の拠点、アーレスに招かれていた。
オルガは、三日月、メリビットを伴い、素顔のマクギリスと対面した。

マクギリスはオルガ、三日月との再会を喜び、「元気そうで何よりだ」と挨拶するが、三日月は「そっちはなんか疲れてるね」と正直に言う。マクギリスは旅の疲れだと言うが、自分の陰謀とはいえガエリオ、カルタを失った心労があるのではないか。

マクギリスは友好的な態度だが、オルガはマクギリスを全く信用しておらず、不信感全開で要件を聞いた。

するとマクギリスは言う。
以前も話したとおり、腐敗したギャラルホルンを変革するつもりであり、そのためにより強い立場を得る必要がある。当面の目的はアリアンロッド艦隊の総司令ラスタル・エリオンより上に行くことだが、自分一人で太刀打ちするのは難しく、鉄華団と組みたいのだと。

これにオルガは、自分たちのような弱小組織にする話ではない、それにマクギリスの敵が鉄華団の敵にもなる、そのような不利益はどうするのかと問う。
するとマクギリスは「それ以上の利益を、私は君達に提示し続ければいいのだろう?」と笑う。
オルガは少し考え、「分かった。鉄華団はあんたの側に乗ってやる」と言い、マクギリスの要件を了承した。
マクギリスは笑みを浮かべ、「では、ともに駆け上がろうか」と言うと右手を差し出す。オルガは少し躊躇するが、マクギリスの右手を握って握手を交わした。

【予告】
次回「アーブラウ防衛軍発足式典」